【パチンコ店放火】「自殺するなら巻き添えを」身勝手さ浮き彫り　 (2/2ページ)

　犯行後はＪＲ弁天町駅（大阪市港区）から電車に乗って中国地方へ逃走したが、出頭を決意したのは死傷者が多数出ていることをニュースで知り、逃れられないと思ったからという。翌朝にかつて訪れたことがある山口県岩国市に行き、そのまま岩国署に出頭した。

　「死刑になるのを覚悟で出頭した。被害者の方々に申し訳ないことをしてしまった」と犠牲者への謝罪を口にしたという。

　一方、遺族の悲しみは深まるばかりだ。

　「起訴されても妻が帰ってくるわけではない」。死亡した高巣ヤエノさん（６２）＝大阪市此花区＝の夫、清治さん（６１）は、起訴について言葉少なに語った。

　高見被告からの謝罪はなく、事件の真相が明らかになるかもしれない公判も行くつもりはないという。「自分が何をしても、これからが変わるわけではないから」。

　現場のパチンコ店には夫婦で出かけたこともあった。今でも毎日のように出勤途中にパチンコ店の前を通るが、何も考えられない。

　「今は、ただ時間が過ぎてしまうような日々。ふとしたときに妻を思いだしてしまう」と目頭を押さえた。