2009年12月25日 12時29分更新
指導力不足を理由に県から免職処分を受けた岡山市の中学校の元教諭が処分の取消を求めている裁判で、2審の広島高等裁判所岡山支部は1審通り元教諭の訴えを認め、処分を取り消す判決を言い渡しました。
この裁判は、岡山市内の中学校で理科を教えていた51歳の男性教諭が、授業やテストの内容が生徒にわかりにくいなど、指導力不足だなどとして3年前の4月、県から免職の処分を受けたことに対し、県に処分の取り消しを求めていたものです。
1審の岡山地方裁判所は「仮に指導力不足だったとしても地方公務員の職を奪うほどのものではない」と指摘して、処分を取り消す判決を言い渡しましたが、県は、処分は法に基づいて決定したものとして控訴していました。
24日開かれた裁判で広島高等裁判所岡山支部の高田泰治裁判長は「元教諭は生徒とのコミュニケーションが不十分だったとはいえ、信頼している生徒もいて教職に必要な適格性を欠くとはいえない」と述べ、1審の判決を支持したうえでさらに教諭の指導力についても言及しました。
そのうえで、「県の処分は不当なものだ」として県の訴えを棄却し、元教諭の処分を取り消す判決を言い渡しました。