原稿中です~
ただいま商業誌の原稿の追い込みです~。
コミティエの参加詳報は今週中にアップいたしますので、参加される予定の方は是非お立ち寄り下さいませ コミティエではtoricololeのとりこさんのロクティエ新刊もお預かりしますよ!!
ペーパーも作りたいのですが時間的に4コママンガは無理っぽいので、ちびティエのハロウィンコスのイラストを描こうと思っています ペーパーはコミティエ配布と、通販予約の方にもお送りさせていただきますね~
« 2009年8月 | メイン | 2009年10月 »
ただいま商業誌の原稿の追い込みです~。
コミティエの参加詳報は今週中にアップいたしますので、参加される予定の方は是非お立ち寄り下さいませ コミティエではtoricololeのとりこさんのロクティエ新刊もお預かりしますよ!!
ペーパーも作りたいのですが時間的に4コママンガは無理っぽいので、ちびティエのハロウィンコスのイラストを描こうと思っています ペーパーはコミティエ配布と、通販予約の方にもお送りさせていただきますね~
【ちびティエぱにっく】⑩
今日はいよいよ身体の治療を終えたティエリアが戻って来る日だ。
ロックオンは起床してからずっとティエリアを迎える準備に余念がない。彼女の部屋の掃除を済ませると、食堂の厨房に退院(?)パーティーに出される食事について一言確認。
「ちゃんと食材の原型を留めないようにしてくれよ。あいつが嫌がるから」
調理担当のメンバーはうんざりしながらも頷いた。内容はすでに耳タコだ。
次にリンダの研究室に顔を出す。
「部屋に花を飾ってやりたいんだけど、ティエリアの好きなピンク系のってあるかな?」
リンダは面倒くさそうに部屋の一角を指した。そこには遺伝子を強化して無重力でも美しく咲くように改良された花々が並んでいる。
「う~ん、あいつはバラやカトレアより可愛い系のが好きだから・・・・・」
端から端まで見回して大きく頷くと、ピンクのガーベラと薄紫のスイートピー、あしらい花の定番かすみ草を手に取り、上機嫌で出て行く。彼を見送った研究室の人達は、全員額に手を当てて溜息をついた。
― ― ―
トレーニングルームで刹那、アレルヤ、ラッセが汗を流していると、ライルが真っ青な顔で入って来た。
「どうした?」
バーベルを上げていたラッセが手を止め声を掛けるが、返事がない。
「ティエリアがどうかしたのか?」
今日、ティエリアが戻ることはCBのメンバーは全員に知れ渡っている。その彼女になにかあったのかと、刹那とアレルヤも振り返った。
「いや、ティエリアじゃない。兄さんが・・・・・」
「ロックオンがどうした?」
ここしばらく言動がおかしいとはいえ、ロックオンはマイスターのリーダーだ。3人がライルに説明を求めると、彼はこの世の終わりのような顔でした。
「さっき花を抱えて鼻唄歌いながら通路をスキップしてた・・・。あんなの兄さんじゃない」
3人は腕を組んで首を傾げる。花を抱えてたというのは違和感がない。むしろ恋人に渡す花を用意するのは彼らしい行動だと思う。しかし、鼻唄でスキップという図が頭に浮かばない。
「俺が比較され続けてヒネた原因の兄さんが、あんなになっちまうなんて・・・・・。俺の20年を返せ~」
「・・・・・まあ、今日はほら!ティエリアが帰って来るから、嬉しくてしかたないんだよ」
「大目に見てやれ」
アレルヤと刹那の言葉にも落ち込んだままのライルの横で、ラッセが顎を撫でながら声を潜めて言った。
「ティエリアが戻ればロックオンはティエリアにかかりっきりだろう。これでもう3歳児ティエリアのフォトとムービーの山を見せられた挙句、可愛いだろうと同意を強制される事もなくなるぞ」
「なるほど」
「やっと解放されるんだね」
心底嬉しそうな刹那たちに、実の兄が自分も含めた仲間たちにかなり迷惑を掛けていたという事実を突きつけられ、複雑な心境のライル。
「なあ、ライル。ここ10日ほどのロリコンの証明のような行動に比べたら、通路をスキップしてるくらい何でもないだろう?」
「・・・たしかに」
年上のラッセの言葉に同意するしかないライルだった。
― ― ―
イノベイドのシャトルが基地に着いた。
ドッキングベイの前では、トレミークルーが揃ってティエリアを迎えようと集まり、その先頭でロックオンは扉が開くのを今か今かと落ち着かないで待っている。
ランプが赤から緑に変わり、扉が開く。
ロックオンは飛び出して来るであろうティエリアを抱きしめるべく両腕を広げて待つが、扉の奥は何の反応もない。
「・・・・・ティエリア?」
「やあ」
ようやく顔を出したのは、待ち人ではなくリジェネだった。
「ティエリアはどうした?」
ロックオンが眉根を寄せ不安そうに尋ねると、リジェネはニヤッと笑う。
「ちゃんと元気になったティエリアを連れて来たよ」
「どこにいる?」
「ティエリア、さっさと出て来なよ。君の彼氏ってけっこう短気なんだからさ」
今にも掴みかかりそうな素振りを見せるロックオンに、リジェネは口を尖らせて、扉の影に声を掛ける。
「しかし・・・やはり恥ずかしい」
(((((恥ずかしい!?)))))
その場にいる仲間全員が心の中で突っ込んだ。なにせ“恥ずかしい”なんて、いつも傍若無人なティエリアの辞書には存在しない言葉だと思っていたから。そして声に出さなかったのは、命が惜しいからである。
「ほら、早く!」
リジェネに腕を掴まれてロックオンの前に引き出されたティエリアの姿に、皆息をのむ。
ペールピンクのシフォン生地に白い小花が散りばめたようにプリントされ、幾重にもなったスカート部分がふんわり広がっているキャミソールドレスを着たティエリア。今の彼女は、絹糸のような菫色の髪を腰まで伸ばし、大きく開いたドレスの胸元からは見慣れた絶壁胸ではなくBカップ位の谷間が見えている。2期介入行動の途中にアロウズのパーティーに潜入した時のドレス姿のようだ。いや、あの時はドレスとメイクのせいもあって大人びていたが、今は自称16歳の年齢相応の絶世の美少女だ。
― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
ティエリアは3歳児から少女になって再登場です。画像イメージはフィルムにならなかった、高河先生デザインのフワフワドレスのティエリアです。
次で『ちびティエぱにっく』は最終回ですが、兄貴がちびティエを連れて遊園地に行くエピソードを飛ばして書いたので、番外編を3回くらいでアップしようかと思ってます。ハムやコーラも出て来ますの~。・・・と思っていたら、遊園地編がかなり長くなりそうなんですよね~。本にして欲しいというリクエストもいただいているので、どうしようかな~?
最終回をどうぞ読んでやって下さいね
今日発売の【サスペリア・ミステリー】11月号で、赤川次郎先生の連載小説『シンデレラの悪魔』のイラストを描いています。このシリーズは今回で最終回でした
【サスペリア】で連載した『悪魔シリーズ』の連載は、最初の1回を除いてすべてイラストを担当し、マンガも2本描かせていただきました!赤川作品は元々大ファンなので、本当に幸せだし楽しかったです
また『悪魔シリーズ』の連載があるか、その時にイラストやマンガを描かせていただけるかは今のところ白紙ですが、編集部あてに感想等いただけると嬉しいです~!
― ― ―
コメントのお返事です。
<さっちゃん様> この秋はティエリア・オンリーと、ニルティエ子・プチオンリーに参加となりました。このカテゴリーのオンリーって、もしかして最後!?みたいな感じがあったので、どうしても参加したくって 冬コミも申し込みを済ませていますので、スペースが取れましたら直参します。その時はどうぞよろしくお願いします~!メッセージありがとうございました!
コミティエ新刊の通販予約の受け付けを開始いたします
『デンジャラス・ビューティー』(ロクティエ・ラブコメ小説)
A5・36P・頒布価格400円
Web掲載分に加筆・改稿しました。お試しWeb文はブログの小説カテゴリーを御覧下さいませ~。
お申込方法の詳細はトップページの《Enter》から入って2ページ目にございます。
表紙のイラストはトップページのドレスティエ&兄貴です。確定版の表紙(タイトル等が入ったもの)は今週中にアップ予定なので、確認されたい方はもう少しお待ち下さいませ。
どうぞよろしくお願いいたします
― ― ―
[在庫情報]
『ティエリアの母子手帳 ロックオンの育児日記』は在庫がかなり少なくなりました。コミティエ会場に全部搬入予定なので、通販を御希望の方は10月2日までにお申し込みいただけると助かりますです~。
【ちびティエぱにっく⑨】
「はあ~~~っ」
大きな溜息がモビルスーツデッキに響いた。
ロックオンがついた溜息は今日何度目だろうか。ティエリアを連れ去られた(?)後、ラグランジュ2にあるCBの基地に1人で戻った彼は、3日間ずっとこの調子で、CBのメンバーはゲンナリしている。
「鬱陶しい」
CBの誇る戦術予報士がついにキレた。
「ライル、あれ止めさせてちょうだい」
「兄さんが俺の言うことなんか聞くかよ」
無理無理と手をヒラヒラとさせて答えるライル。
「アレルヤ」
「ティエリアがらみで余計なこと言ったら、命がいくつあっても足りないよ」
こちらは真っ青な顔で首をブンブン振って、貧血をおこしかけている。
「刹那」
「俺はこんなことで命を落としたくない。年の功であんたが注意するのが1番いい」
真面目な顔で余計な一言を言った彼は、スメラギにファイルで頭をはたかれた。
実の弟やマイスター仲間から注意した方が良いかと思ったのだが、仕方ない。スメラギは口元に手をやりコホンと咳払いをして、目標に向き直る。
が、その彼女の前をミレイナがトコトコ歩いて行き、ロックオンの前で止まった。そしてビシッと最年長のマイスターに人差し指を突きつけて言い放った。
「ストラトスさん、暗すぎますぅ!暗すぎで皆まで憂鬱になりますよ。アーデさんは後5日もすれば戻って来るんです。アーデさんを迎える準備とか、アーデさんが喜ぶことをしてあげるとか、することはいくらでもあります。そんな溜息をついてばかりいるヒマは無いですぅ!」
((((言った!!))))
トレミークルー最年少のミレイナが、皆の言いたいことを言い切った。その場にいた全員が心の中で拍手を送る。
「・・・悪い、その通りだな」
恋人のこととなると目の色を変えるロックオンも、自分の年齢の半分しかない少女に叱咤されては、さすがに頭を下げるしかない。
「じゃ、あいつの喜ぶようなことを用意してやっかな」
ロックオンはそう言うとモビルスーツデッキを出て行き、諸悪の根源が消えて皆は胸を撫で下ろしたのだった。
その後作業は順調に進んでいたのだが、2時間ほど経ったころ困った事態になってしまう。
今トレミークルーが行っているのは、ロックオンの新しい機体ガンダムサバーニャのシステム調整で、Wパイロットであるライルのデータは取れたが、ロックオンのデータも必要だ。
イアンがモニターを向いたままでマイスターズに声を掛ける。
「刹那、アレルヤ、ライル、奴を呼んで来い」
「「「え~~っ!?」」」
途端にブーイングする3人。ロックオンはティエリアの喜びそうなこと云々と言いながら部屋を出たのだから、それを邪魔したりすれば、どんな報復を受けるかわかったもんじゃない。
「奴がちょっと変わっとるのは、ワシにもわかっとる。だから3人で行けば、少しは被害が分散するだろう」
被害が出るであろうことは想定済みなのだ。ああ、無情。
しかたなく3人連れ立って、ロックオンのいるサブコンピュータルームに向かう。
「ロックオン」
年齢は最年少だが、いざという時に1番度胸のある刹那を全面に押し立てて、扉を開ける。
「ん~、なんだぁ?」
覚悟して来たのだが、以外にもロックオンはのんびりと返事した。
「サバーニャの調整だ」
刹那がぶっきらぼうな声を掛けるが、ロックオンは席を立とうとしない。
「ちょっと待ってくれ。今、メモリーにダウンロードするから」
「何のデータだ?」
作業の手を止めない兄の言葉に、1番後ろにいたライルが好奇心にかられて、ひょいと首を覗かせる。
「これか?良いデータだぞ」
肩越しに振り向いたロックオンの顔が、楽しそうにニヤ~と笑う。
ぞぞぉ~と3人の背中に寒気が走った時には、時すでに遅し。室内に並ぶ全てのモニターに、幼いティエリアが映しだされた。
お子様ランチを食べたり、仔ウサギを抱っこしたり、メリーゴーランドに乗ったり、いくつも風船を持っていたり・・・・・、モニターの中の無数のフォトで、ティエリアは屈託なく無邪気に笑っている。
「この前の休暇中に撮ったもんだ。1つのメモリーにまとめておいてやれば、あいつが喜ぶと思ってさ。どうだ、可愛いだろう?」
たしかに可愛い。めちゃくちゃ可愛いのだが、うっかりこの話題に乗ってしまうと大変なことになりそうだ、とマイスターの勘が告げている。
押し黙る3人に、ロックオンは不服そうに口を曲げた。
「なんだよ。可愛くないってのか?ライル?」
「え・・・いや、いつも眉間に皺を寄せて難しい顔をしている教官殿とは思えない位・・・可愛いよ」
((バカーーー!!!))
兄のガン付けにビビッたライルが、ついうっかり同意してしまったのに、刹那とアレルヤが声を出さずに突っ込んだ。
「うんうん、そうだろう。お、こん時のフォトはだな・・・」
その後、いつまでたっても戻って来ないマイスターズにシビレを切らせたイアンが呼びに来るまで、ロックオンは休暇中のティエリアがいかに愛らしくて可愛かったかを延々と3人に説明し続けたのだった。
― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
すみません~!!今回で最終回の予定だったのですが、兄貴のティエ馬鹿っぷりを書いていたら終わりませんでした。・・・万死。
あと1~2回で終わると思いますので、もう少しお付き合い下さいませ
う~ん、ちょっとパソ様の調子が悪いです。この小説打つ途中で、2回フリーズしました。イヤンな感じです。
コミティエ新刊『デンジャラス・ビューティー』の入稿、完了しました!後は印刷所様よろしくです~
加筆部分がありますので、以前サイト内でアップしていた量の1.5倍のボリュームになりました。(現在、ブログの小説カテゴリーにアップしているのはキリの良いところまでにしたので、いまアップしてる分に対しては3倍のボリュームになるかと思います)
通販予約は今週末からの連休中に情報をアップする予定なので、どうぞよろしくお願いします。
― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
コメントのお返事です。
<みゅう様> 『ちびティエぱにっく』を気に入っていただけて嬉しいです!兄貴はティエにベタ惚れなので、愛らしいちびティエを見てデレずにいられないのです。ティエも兄貴しか見えていないので、2人は犬も食わないバカップルなの~。メッセージありがとうございました!
メールで感想くださった方もありがとうございます。メールでお返事していますので、見てやって下さいね。
【ちびティエぱにっく⑧】
ロックオンはティエリアを休暇の間中、遊園地やサーカスにも遊びに連れて行った。
ティエリアは行く先々で驚いたり笑ったりと百面相をしてはしゃぎ、初めての子どもの時間を満喫する。ずっと横で彼女を眺め続けるロックオンは満足そうに目を細めるのだった。
― ― ―
明日には宇宙へ戻るという日の朝、2人はホテルのレストランで遅い朝食を摂っていた。
胡桃のパンをまぐまぐと頬張ってリスのように頬をふくらませたティエリアは、向かいの席でコーヒーカップを口に運びながら自分を見つめるロックオンと目が合うと、恥ずかしそうに口の中の物を飲み込む。
「今日はどこへ行くのですか?」
照れ隠しに話題を振ると、彼は微笑んで反対に尋ねてきた。
「おまえさんはどこか行きたい所はないか?」
「私が行きたい所・・・・・そうですね、海に行きたいです」
「海?」
ロックオンは海なら地上でのアジトにしているコンテナが孤島に設置してあるから、しょっちゅう行っているのに、と首を傾げる。CBの活動やガンダムが気になってアジトに行きたいのかと、少し寂しくなってしまう。
相手が表情を曇らせたのを見て、誤解されたと察したティエリアは慌てて両手を左右に振る。
「海といってもアジトではありません。昨日観たTVのドキュメンタリーの中で、恋人同士が海辺を歩いているシーンがあったのです。きれいな夕陽の中の光景で、とても印象に残りました。それで・・・、私もあなたと砂浜を手をつないで歩きたいと思いました」
はにかみながら上目づかいにして返事を待つティエリアに、ロックオンは望む答えを与えてやる。
「じゃ、メシが終わったら海に行こう」
「はい!」
「今日はダメだよ。また今度」
突然掛けられた声に、2人が顔を上げると、いつの間にかリジェネが側に立っていた。
「何の用だ?」
現在の見かけはどうであれ、恋人同士の甘い時間を邪魔されて、ロックオンは不機嫌そうに眉を寄せる。
「ティエリアを迎えに来たんだよ」
「まだボディの治療は終わってないはずだが?」
サクランボのような小さな唇を尖らせて見せる同胞に、リジェネは大げさに溜息をついた。
「1日でも、1時間でも、早く帰りたいと言ったのは君だろう。その為に僕やリボンズたちが睡眠時間まで削ってるってのにさ。それともティエリアは子どものボディの方がいいのかな?ずいぶん楽しそうだし」
最後の言葉はティエリアよりもロックオンに向けられたようで、横目で彼を窺っている。
「そんな訳ねぇだろう、いつものティエリアが1番だ!今のティエリアももちろん可愛いが・・・・・」
「フーン、いつものも今のも好みなんだ。絶壁胸のボディも子どものボディも良いなんて、君やっぱりロリコンの気があるんじゃない?」
リジェネは計画が達成されて戦争根絶が成れば、ティエリアは家族も同様の自分達のもとへ戻って来ると思っていた。だが彼女は「私は人間だ」宣言をして、恋人のロックオンの傍らにいることを選んでしまい、ひどく落胆したのだ。その恨みもあって、ロックオンには何かと厳しい。
一方のロックオンもティエリアを溺愛しているので、負けてない。
「俺は“ティエリア”を愛してるんだ。貧乳だろうと子どもだろうとありのままを受け入れる!無いものねだりはしねぇ」
リジェネがニヤリと笑って、ティエリアに向き直る。
「ティエリア、貧乳だってさ。“無いもの”だなんて君の胸はもう諦められてるよ」
ロックオンが売り言葉に買い言葉で出た失言に気付いてティエリアを見ると、彼女は瞳をウルウルさせていた。貧乳とか絶壁胸とか、自分が1番気にしていることを2人して言われ、いたく傷ついた。
「あ・・・いや、今は“無い”だけだ。これから大きくなる」
「大きく・・・・・なる?」
「もちろんだ!!」
目尻に溜まった涙をそっと人差し指ですくってやりながら力いっぱい宣言してやると、少し機嫌を直すティエリア。
「それは楽しみです」
「はい、そこまで。1時間後の軌道エレベーターに乗るから行くよ」
リジェネの冷めた宣言に、2人して眉を顰めるがしかたない。
「じゃあ、海は今度な。戻る用意しないと」
椅子から立ち上がるロックオンに、ティエリアは首をプルプルと横に振る。
「あなたは予定通りあと1日休暇を過ごして、明日基地に戻って下さい」
「え?」
不思議そうな顔をすると、リジェネが呆れた声を出す。
「イノベイドの身体については知られたくないって、ティエリアが言っただろう。忘れたの?」
「・・・・・」
そうだった。子どものボディのティエリアを、リジェネが送って来たときに言われていた。だから自分もCBの仲間に追求しないように厳命したのだった。だが、愛しい恋人が心配でならない。相手の気持ちへの配慮と、身体への気がかりという、2つの想いの板ばさみだ。
ティエリアはテーブルを回ってロックオンの横まで来ると、彼の手を小さな手のひらで握りしめる。
「ロックオン、今度はすぐに帰ります。だから・・・・・」
子どものボディには似合わない慈愛の表情をたたえるティエリアに、ロックオンも踏ん切りを付ける。
「わかった。待ってるから・・・早く帰って来い」
ひしっと抱き合い互いの温もりを確かめ合う恋人たちの姿を、リジェネは白い目で眺めた。いくら空いている時間とはいえ、ここはホテルのレストランなのだから、一緒にいる自分が恥ずかしい。リジェネはロックオンの頭を携帯端末で殴りつけると、彼の腕の中からティエリアをひっぺがし、泣き叫ぶティエリアを小脇に抱えてホテルを後にした。
ちなみにリジェネとティエリアがいなくなった後、別れた妻に子どもを取り上げられた哀れな男と誤解されたロックオンは、レストラン中の同情を買ってしまい、たいへん不本意極まりない思いをするのであった。
― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
『ちびティエぱにっく』は後1回で終わる予定です。3回くらいの短編の予定だったのに、最近書き始めるとどんどん長くなる傾向があるわ~。
もう少しお付き合い下さいませね!
TOPページのイラストを新しくしました!正確には相方のKEIちゃんに新しくしてもらいました。(←自分ではできないもので)
10月11日のコミティエで発行する『デンジャラス・ビューティー』の表紙になります。夏コミとスパコミ関西ではサークル表示ボードにしてスペースに飾っていたので、スペースに来て下さった方には一足早くお披露目いたしました~。ティエのパンチラが大ウケして、たくさん声を掛けていただきましたありがとうございました!!
夏コミでは男性にもかなり来ていただいたのですが、その中の数人の方がボードのティエを角度を変えて何度も見ていらっしゃっいました。「・・・・・いや、イラストだから、2次元だから角度変えても、それ以上パンツは見えないから」と、ツッコミを入れたくなりました。スミマセン どうぞまたスペースにお立ち寄り下さいませねぇ。
コミティエ新刊『デンジャラス・ビューティー』の通販受付は近日中に開始いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします~
今日、仕事の合間のお買い物ついでに本屋に立ち寄り、久々にアニメ誌を全誌買って来ちゃいました。
OOスペシャルエディションDVD1巻が来月発売になる関係で、1st,シーズン絵のポスターや情報が出ていたので、つい・・・・・。ここ数ヶ月アニメ誌は買ってなかったのに、兄貴の色香に迷いました 特に〇ージュと〇ータイプは大好きな大貫氏原画の兄貴ポスターだったので、無条件に買い!でございます。う~ん、やっぱり兄貴はカッコ良い
大好きだ~
スペエディは1巻に1st.を全話入れるということで、どうするんだろうと思っていたら、刹那とリボンズ視点に絞るとか?兄貴とティエ2人のエピソードが大分カットされそうなので、購入を思案中だったのですが、兄貴の描き下ろしシーンがあるそうなので1巻は買うことになりそうです。ええ、ここまできたら貢ぎますとも!兄貴に なんかTVシリーズと変更されるシーンがあるらしいので、そこは気になるのですが・・・。兄貴とティエの絆を無かったことにするのだけは、やめて欲しいのね~
2,3巻は兄貴とティエの扱いしだいかなぁ。予約はしないで他の方の感想とか聞いてから決めようと思います。
【ちびティエぱにっく⑦】
その後もハムスターなどの小動物、小鳥、仔グマ、と触れ合い、2人は園内のフードコートで休憩をとった。
ロックオンが食べさせてくれるストロベリーパフェを食べながら、ティエリアは自分の両手を見つめ、感慨深く呟いた。
「生命というのは暖かいものなのですね。小さな動物もまた一生懸命生きている」
「そうだ。それがわかってねぇと、な」
たとえ戦争根絶の為とはいえ、自分達のやってきた全てが善という訳ではない。今日に至るまで、敵とはいえ相手にとってたった1つしかない生命を奪ってきたのだ。その上に成り立った今の平和だということを、当事者である者は決して忘れてはならない。
ロックオンの重みのある静かな言葉を、1つ1つ噛み締めるようにティエリアは聞き入り、そしてコクンと大きく頷いた。
2人がフードコートを出ようとした時、悲鳴が聞こえた。
「なんでしょう?」
「行ってみよう」
悲鳴の主は、5~6歳の少年とその母親らしき女性。そして彼らの前には檻から逃げ出したらしいシベリアオオカミ3頭と、彼らを取り巻くようにして動けなくなっている群衆。近くにはオオカミを止めようとしたらしい飼育員が血まみれで倒れている。
ロックオンは後から駆けつけて来た動物園職員に、すぐに指示を出した。
「オオカミを刺激しないように、まわりの客達を静かに下がらせろ。それと麻酔銃を持って来い」
「はい!」
パニックっている職員たちはロックオンの迫力に押され、彼が何者かも確認せず指示に従った。
「ティエリア、俺から離れんじゃねぇぞ」
「はい」
職員が客を避難させ負傷した飼育員を助け出す間、ロックオンは母子とオオカミから目を離さずに様子を見た。麻酔銃が届くまでオオカミを刺激しないしないように祈りながらも、右手は上着の内側に隠し持った実弾充填済みの拳銃に掛けている。
「うわぁ~ん」
少年が緊張に耐えられなくなって大きな声で泣き始めてしまった。オオカミの意識が集中したのを見て取ったロックオンは拳銃を抜く。
「やめろ!!」
厳しい静止の声とともに母子の前に飛び出し両手を広げて立ちはだかったのは、幼い少女・・・ティエリアだった。
「ティエリア、なにやってんだ」
ロックオンは叫び出したいのを堪え、努めて小さな落ち着いた声で話しかける。その内心はパニック寸前で。
「オオカミたちの気が私に向いている間に、彼らを安全な所へ下がらせて下さい」
まっすぐにオオカミを睨みつけたまま、ティエリアは母子を助けるように頼む。
「あんたたちはこっちに来るんだ。オオカミの方を向いたまま、ゆっくりと・・・・・」
2人はロックオンの指示に、震えながらもゆっくりと下がる。
「よし、もう心配ないぞ。後は係員に従ってくれ」
「でも、あの子は・・・・・」
女性が息子をしっかりと抱きしめながら、自分たちを助けてくれた幼い少女を振り返った。
「大丈夫だ。これから助ける」
2人を職員に預けると、ロックオンは拳銃を構えた。怪我をした職員は出血のわりに軽傷だったので、オオカミたちを殺したくはないが、麻酔銃がまだ届かない以上しかたない。自分にとってティエリアの生命に代えられるものなどありはしないのだ。たとえ身体が仮のものだとしても、彼女の魂はたった1つだ。
ロックオンがオオカミたちに意識を集中すると、彼らに怯えが見える。自らの気配を極力消してティエリアの真後ろから位置をずらすと、深く被った帽子のつばの下から金色に光る瞳が見えた。
動物園で飼われているとはいえ、オオカミの本能がティエリアの異質さを見てとったのだ。
3頭の中で、1番前にいるリーダー格らしい大きなオオカミが2歩3歩と下がる。それを見たティエリアが次の瞬間、信じられない行動に出た。思いっきり横っ面を張り飛ばしたのだ。
「キャン!」
情けない声を上げたオオカミは、横に7回転して立ち木にぶつかって止まった。ティエリアはさらに倒れているオオカミの首を掴んで目を合わさせると、ドスのきいた声で言い放った。
「弱いものイジメをするな」
そう言うと、ペイッと仲間の方へ放り出す。キューキューと鳴くリーダーに仲間も寄り添い、3頭のオオカミはすっかりおとなしくなった。
出番なしで終わったロックオンのもとに麻酔銃が届いたのは、その直後のことである。
オオカミたちが飼育員の誘導に素直に従って檻へ戻っていくと騒動は治まり、ロックオンとティエリアは、礼を言う母子と職員たちを後にして駐車場に向かった。
「ティエリア、あんまり危ないまねするなよ」
ロックオンは胸を張って立つティエリアの前に屈み込むと、彼女の両肩をしっかり掴んで厳しい表情をする。
「でも、彼らを殺したくなかったのです。いけない事をしているとわからせれば、それで良いと思って・・・・・」
かなりの力ワザだが、結果オーライではあった。生き物を不必要に殺したくないという気持ちを持ってくれたのも嬉しい。だが、1歩間違えばティエリアの方が生命を失ったかもしれないのだ。
隕石群を破壊する作戦で、ティエリアが重傷を負った時の事を思い出し、ロックオンは顔を蒼ざめさせる。
「ロックオン?」
目の前のロックオンの様子に、ティエリアは小さな手のひらで彼の頬を包み込む。
「すまなかった。これから気をつけます」
「ティエリア・・・・・、もう俺を1人にするな」
「はい」
くしゃりと歪んだ顔を一瞬見せたロックオンに抱きしめられて、ティエリアは彼の震える肩をいつまでも撫で続けたのだった。
― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
動物園編終了です。話はもう少し続きますので、よろしくお願いします!
10月11日にサークル参加するコミティエのスペースNo.がわかりました!
ピンク-27
になります。新刊もございますので、参加予定の方は是非お立ち寄り下さいませね~
搬入物などの参加詳細は今月後半にアップします。在庫が少なくなっている本はトップページの《Enter》から入って2ページ目の通販情報に記載していますので、そちらを御確認下さいませ。
カップリング配置を見るとニルティエが半分以上あって、今から楽しみです~!! ニルティエ本がいっぱい買えますように
最近のコメント