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高校指導要領解説書、「竹島」明記せず 官邸判断

2009年12月25日10時49分

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 文部科学省は25日、2013年度から実施する高校の地理歴史科の新学習指導要領の解説書を公表した。昨年、中学の解説書で、韓国と領有権をめぐって争いのある島根県沖の「竹島」(韓国名・独島)を初めて記述して政治問題化したが、今回は「竹島」の文言を直接盛り込まず、中学での学習を踏襲するよう求めて間接的に触れるという、あいまいな表現にとどめた。

 昨年7月に公表された中学の解説書は、自民党議員などの声を受け、「我が国と韓国の間に竹島をめぐって主張に相違があることなどにも触れ、北方領土と同様に我が国の領土・領域について理解を深めさせることも必要」と、初めて「竹島」の文言を入れた。竹島を「日本固有の領土」と表現しないなど韓国にも配慮した表現だったが、竹島に触れたこと自体に韓国側は反発、駐日大使を一時帰国させたほか、民間の交流事業でも中止や延期が相次いだ。

 今回の高校解説書も、文科省内で中学と同様「竹島」に触れた案が検討されたが、平野博文官房長官らの判断で最終的な文言が固まった。

 1999年作成で、今も使われる高校の解説書は領土問題について、「北方領土など我が国が当面する領土問題については、我が国が正当に主張している立場に基づいて的確に扱う」となっている。今回の改訂で、これに「中学校における学習を踏まえ」「領土問題について理解を深めさせる」との表現が加わった。

 25日の閣議後会見で、川端達夫文科相は「(竹島が)我が国の領土であるということは何も変わっていない」と説明。竹島と明記しなかった理由は「中学の解説書に(既に)書いてある。中学の学習を踏まえるという記述に集約した」と、この記述でも高校での指導には十分との認識を示した。韓国への配慮については「ない。我が国の教育は我が国が責任を持つ」と答えた。

 文科省によると、高校の地理歴史では、ほとんどの教科書で竹島の記述がある。

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