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「紅白」育ての親 川口幹夫さんに聞く 詰め込みすぎ/4時間長すぎる (2/2ページ)
このニュースのトピックス:TV・ラジオ番組
驚きの81.4%
この経験を踏まえ、「歌手の歌唱力にプラスアルファで笑いをとるよう番組で仕組むのが、テレビという新しいメディアの効能ではないか」と考えた。
川口さんがチーフプロデューサーだった第14回(38年)には、画期的な仕掛けで注目を集める。翌年に控えた東京五輪をもり立てようと、俳優の渥美清さんを“聖火ランナー”に起用。日比谷公園を出発して、紅白の会場だった有楽町の東京宝塚劇場にゴールインする様子を番組の冒頭に放送した。
これが大当たり。前年からビデオリサーチが記録を取り始めた視聴率は、空前の81.4%にも達した。
川口さんは舞台の袖でじっと見守った。「瞬間的には95%に届いたのではないでしょうか」。紅白は国民的番組に成長した。
過去を乗り越える
そんな川口さんにとって、最近の紅白には首をかしげることが少なくないそうだ。「あれもこれもと企画を詰め込みすぎて、番組にしんがない。演出のスタイルも、観客を沸かせるための方程式を作りすぎではないか」と指摘する。
放送時間についても「4時間は長すぎる。見る方もくたびれる」と、平成になってから午後7時台のスタートになったことには納得がいかないようだ。
「主婦の方たちは正月の準備で大みそかは大忙し。昭和のころのように、準備の落ち着いた午後9時から始めるのがちょうどいい」と、視聴者への心遣いが不可欠と訴える。
「番組の善しあしの尺度は、視聴者の満足度にあるんです。たとえ、視聴率がゼロに近くなっても、制作現場の若手には、過去を乗り越える新機軸を打ち出してほしいものです」。その厳しい言葉の裏には、紅白に対する変わらぬ深い愛情が込められていた。
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