必見!世界のクリスマス


さあ!世界のクリスマスをのぞいてみよう! フィンランドアイルランドイタリア
Q.1 イタリアでは、クリスマスを何と言うの?
A.1 ナターレと言います。もともとは「生まれる」とか「 誕生たんじょう」という意味。 12月25日は、イエス・キリスト様の誕生日ですからね。
Q.2 サンタさんは、何と呼ばれているの?
A.2 バッボ・ナターレ。「クリスマスおじさん」ですね。
Q.3 サンタさんは、どうやって登場するの?
A.3 赤い服に白いヒゲで、プレゼントの入った ふくろをしょってトナカイに乗ってやってきます。
Q.4 プレゼントは、どんなふうに渡してもらうの?
A.4 サンタさんが24日の夜にやって来て、クリスマス・ツリーの下においていきます。 25日の朝起きてツリーの下のプレゼントを開けるので、クリスマスの朝だけは、 みんな早起きですよ。
イタリアでは・・・
クリスマスが近づくと、家族でプレセーぺを用意。
クリスマス・ツリーと並んで家の中を照らし、クリスマス・ムードを盛り上げます。
イエスさまの誕生シーンを手づくりで再現して飾ります。
イエス・キリストの 誕生たんじょう日を祝うクリスマスは、一年でいちばん大事なお祭り。ふだんは教会に行かない人でも、クリスマスだけは教会に行き、イエスさまについて考える日なのです。
12月に入り、クリスマスが近づいてくると、みんな 準備じゅんびに大いそがし。イタリアではクリスマス・ツリーと並んなら で、プレセーぺも飾るかざ からです。イエス様がベツレヘムの馬小屋で生まれたのは、
 

※ツリーと同じ豆電球で、夜はピカピカ光る。

※ロバは息を吹きかけふ   幼子おさなごイエスを温める。

みんな知っているよね。そこにはマリアさまとヨゼフさま、そして馬やヤギ、ぶたなどもいて、みんなでイエスさまの誕生たんじょうをお祝いしたのです。
プレセーぺは、その場面を 再現さいげんする手作りの飾りかざ です。小さい人形を使って、できるだけ本物らしく再現さいげんしようと家族で知恵ちえをしぼります。
たとえば、こけをとってきて下にしき、草にする。紙袋かみぶくろをくしゃくしゃにしてくっつけて、ごつごつした岩山を作る。下に鏡をおいて池にする。木のえだをとってきて立てて並べなら 、木にする。ぴかぴか光る包装ほうそう紙をうしろに貼っは て、反射はんしゃする光を星空に見立てる、などなどいろいろなくふうするのが楽しい、毎年の行事になっています。アイデアを出すのはたいていお母さんですが、子どもたちも材料集めたりつくったりするのを手伝います。
プレセーぺの準備じゅんびをしながら、イエスさまが生まれた時のようすをお母さんが話してくれるのです。「イエスさまのすぐそばには、牛とロバをおいてね。寒くないようにと息を吹きかけふ   て温めてくれたのよ。上のほうに、天使を飾りかざ ましょう。空から舞いま おりてきたの。街の人々もやって来て、みんなでにぎやかに祝ったのよ・・・」
プレセーぺを見ていると、どんなふうにイエスさまが生まれたかがよくわかって、クリスマスがより身近に感じられます。
人形を紙粘土ねんどで作って、今年はきみもオリジナルのプレセーぺをつくってみては? 家に飾れかざ ば、イタリアン・クリスマスのふんいき満点です!
南イタリアのクリスマスのごちそうは、な・なんとウナギ!?
さて、24日のクリスマス・イブ。イタリアでは、伝統でんとう 的にお魚を食べる習慣しゅうかんがあります。24日はお魚(質素しっそなもの)を食べて、25日にはお肉(ぜいたくなもの)を食べるという意味があったのです。が、みんなもよく知っている通り、イタリアにはいつでもおいしいごちそうがどっさり。質素しっそな食事はもはやクリマス・イブにふさわしくないということで、おいしいお魚料理がたくさんならぶのです。
特に南イタリアのある地方では、日本でもおなじみの「ウナギ」をイブに食べる習慣しゅうかん があります。
それも日本のウナギのように小さなものでなく、まるでウミヘビのように巨大きょだいな「オオウナギ」という種類。生きたままを大量に買ってきて、家族にしんせき、みんなで調理します。
大きなたらいに入れられると、逃げ出そに だ うともがくウナギたち。お母さんやおばあちゃんたちがつかもうとしても、ぬるぬるとしてなかなかつかめません。塩を入れて少し落ち着かせ、あまりにいうことをきかないものはキッチンばさみで突き刺しつ さ て、次々となべに入れていきます。
トマトソースで煮込んにこ だウナギは、あぶらがのって最高のおいしさ! スパゲッティより細い「スパゲッティーニ」というパスタに、ウナギのトマトソースをかけていただきます。あまったウナギは暖炉だんろで塩焼きにすることもありますが、やっぱりイタリア人はみんなトマトのほうが好きなんですよね。
一年に一度、ウナギをおなかいっぱい食べられるのが、イブの夜。プレゼントよりウナギを楽しみにしている人も多い、イタリアのクリスマスなのでした。
文・写真:平川郁世