天皇陛下は5日、東京工業大すずかけ台キャンパス(横浜市)で、「生きた化石」と呼ばれる古代魚シーラカンスの解剖を視察された。
東工大と共同研究しているタンザニアの研究所から今年1月、冷凍状態で寄贈された3匹のうち1匹で、体長約162センチ、重さ約69キロの雌。
ハゼの分類が研究テーマで、日本魚類学会会員でもある陛下は、展示室で標本を見た後、白衣に着替えて解剖室へ。シーラカンスは魚類が陸上生物に進化する過程の中間段階とされ、陛下は腕のように発達し、関節がある胸びれの構造などを興味深く観察。ゴム手袋をして組織に触れながら「ここに肩甲骨が入るんですか」などと質問した。
シーラカンスは1938年に南アフリカ沖で生息が確認され、タンザニアのほかインドネシアでも捕獲されている。
【写真説明】シーラカンスの解剖を視察される天皇陛下=5日午後、横浜市緑区の東京工業大すずかけ台キャンパス
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