エア参拝にモバイルお経…仏教界にもネットの波
12月24日10時32分配信 産経新聞
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東京都八王子市の了法寺が販売する「モバイルお経」のカード(写真:産経新聞) |
[フォト]京都の清水寺をパソコン上で参拝できるサイト「エア参拝」
◆広く親しみやすく
10月からスタートしたサイト「エア参拝」では、清水寺の参道から本堂まで、参拝の道程を現地の映像やイラストとともに音声で導いてくれる。実際に階段を登る感覚を味わうため、パソコンの前でスクワットを指示するなど、ユーモアあふれる“案内”が好評だ。
「全国からお参りいただいていますが、遠くて参拝がなかなか難しいという方に、お参りと同じ効果があれば…。広くお寺のことを知っていただきたい」と清水寺。サイトを運営する関西マルチメディアサービス(大阪)では、京都の他の寺社にもエア参拝を広げる予定だ。
携帯で住職のお経が聞けるのは、東京都八王子市の了法寺。かわいいキャラクターを描いた看板があることから“萌(も)え寺”として親しまれ、10月からはキャラが描かれたケータイ課金サービスのQTカード「モバイルお経」を販売している。
開発したトリワークス(東京)によると、カードにあるQRコードに携帯でアクセスすれば、3分ほどの動画ファイルが入手でき、何度でもお経を聞くことが可能だ。「お経は法要のときだけではなく、どんなときでも聞いてほしい。お釈迦様の教えをお伝えするのが目的です」と了法寺の中里勝孝住職(45)。「ネットで知った方がわざわざお寺まで買いにみられます」
◆ライブカメラ法要
寺によって取り組みはさまざまだが、神奈川県平塚市の宝善院では、古くからネットを利用してきた。7年前から永代供養墓にライブカメラを設置、寺のサイトで映像を公開している。
「フランスで暮らす男性が父親の四十九日に帰国できず、ライブカメラからの映像をパソコンで見ながら“参加”しました」と語るのは、松下隆洪(りゅうこう)住職(65)。檀家(だんか)とのコミュニケーションをどう取るかは、多くの寺が抱える課題だ。宝善院の取り組みは、遠隔地にいる檀家に好評だという。
600年の歴史を持つ宝善院は、昭和20年の大空襲で全焼、仏像や美術品を失った経験がある。「お寺とは何かと考えていくと、建物などではなく、これまでに亡くなった檀家6500人の人生が記された『過去帳』が核。そのデータの上に屋根が乗っているのが寺です」と松下住職。現代人の寺離れが続くなか、運営に悩む寺は少なくない。「お寺は企業のように発展する必要はないが、どうしたら持続できるか考え、次世代に伝えていかなければ。そのための利便性の高いネットも使います」
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最終更新:12月24日11時55分
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