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新「仁丹」は銀粒じゃなかった

 銀粒「仁丹」はこれまで対面形式のたばこ店が主な販売ルートだった。しかし、近年、コンビニエンスストアや自動販売機に押されて、たばこ店が減った事情もあって、販売量はかつてとは比べものにならないまでに落ち込んでいる。「仁丹」を扱わないコンビニも増えていて、20代以下には縁遠い存在となりつつある。

 「JINTAN116」を包むシームレス・マイクロカプセルは森下仁丹の技術の粋を集めたものだ。銀粒「仁丹」が持つ生薬独特のにおいを閉じ込める上でも、効果を発揮している。

 11月4日に同社の株価が急騰したのも、このカプセル技術と関係がある。同社が同日、「感染症に対する経口ワクチンの改良特許を出願」と発表したことがきっかけだ。病原体抗原をビフィズス菌と一緒に口から飲み込んで、感染症予防に役立てるという技術で、「インフルエンザ、さらに腸チフス、コレラ、マラリア等の感染症を予防する経口ワクチン」として期待されるという発表は、新型インフルエンザが猛威をふるう中、材料と判断された。「JINTAN116」のカプセルにも生かされている、同社伝統のコーティング、カプセル技術は、ワクチンが胃酸で消化されてしまわず、腸まで到達するのを助ける。丸薬を赤く塗った創業者の発想は遠く時を隔てて、新型インフルエンザにも立ち向かおうとしているようだ。

 ただ、「JINTAN116」が登場したからと言って、銀粒「仁丹」が消えるわけではない。1粒に16種類の生薬を配合した銀粒「仁丹」は今も創業者の予防にかけた思いを銀箔に忍び込ませている。

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