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「公設派遣村」に自治体困惑 国は命令ばかり

12月23日23時43分配信 産経新聞

 昨年末、東京・日比谷公園に出現し、年末年始の話題を独占した「年越し派遣村」。今年は国や自治体が主催側に回り「公設派遣村」として実施される。昨年、派遣村住民から散々の批判を受けていた役所が、なぜ主催の側に回ったのか。昨冬の村を支えた民間団体などはどうするのか。今冬の派遣村の“村政事情”を探ってみた。

 民間から役所へと主体が変わった最大の要因は、今夏の政権交代だ。

 昨冬の派遣村には菅直人民主党代表代行(当時)、福島瑞穂社民党党首など当時の野党幹部らが何度も足を運び、村民を前に「これは政治災害だ!」と気勢を上げた。だが今は自分たちが与党。政治災害は自らの責任でもある。

 派遣村村長だった反貧困ネットワーク事務局長の湯浅誠さん(40)も、10月に「内閣府参与」として“政権入り”。鳩山内閣の政策の助言役となった。

 その与党や湯浅さんらが打ち出したのが「公設派遣村」だ。すでに各自治体に、役所が閉庁する年末年始も失業者対策を実施するよう求めた。

 このうち東京都では、12月28日から1月4日まで、ハローワークに登録しながらも住む場所がない失業者に、宿泊場所と食事を用意し生活支援相談をする。実施主体は都だが、運営費は国が負担。長妻昭厚生労働相が22日、自ら会見を開いて概要を説明したところに意気込みが表れる。

 会見に同席した湯浅さんは、「行政が知らん顔しないということが昨年との違い」と強調した。

 今年10月の有効求人倍率は0・44倍と昨年同期(0・80倍)比で半減。「政治災害」の批判を受けないためにも関係者は必死だ。

 ただ、役所が一枚岩かというとそうでもない。年末年始に休日返上を強いられる自治体側からは「生活保護申請者が増え、福祉関係の職員は毎日いっぱいいっぱいの状態でやっている。『休むな』とはいえない…」と不満が漏れる。

 国が今秋、地方の意見を十分聞くことなしに職業紹介と生活支援の相談を1カ所で受け付ける「ワンストップ・サービス」の実施を自治体に求めたことが反感の影には見え隠れする。

 ある自治体の福祉担当者は「派遣村を否定するわけではないが」と前置きしつつ、「突然お達しのあったワンストップ・サービスも担当外の職員を駆り出してようやく対応した。国は命令するだけで、地方の状況を理解していない」と怒りを隠さない。

 そんな国や自治体の動きをよそに、昨冬の村を支えた多くの民間団体は、公設派遣村とは別の場での活動を考えている。

 昨冬の派遣村の中心メンバーだった派遣ユニオン書記長、関根秀一郎さん(45)は「今年は失業状態が長引き、家族ぐるみで生活苦に陥っているケースが多く、深刻。昨冬の派遣村のような短期間の対応では手に負えない」とみる。年末は労使関係がこじれる東京・上野のサウナで、従業員らと「年越し自主営業」に参加するという。

 NPOや弁護士会には、すでに相談窓口を立ち上げたり、炊き出しなどを自主的に計画したりする動きがある。

 23日には、東京・新宿のキリスト教会館で、昨年に続き越年で炊き出しの計画などを立てている6団体が、ボランティア希望者に説明会を開いた。40を超える個人・団体が説明を受けたといい、主催した民間団体「越年対策連絡会」では「深刻な失業問題に、何とか力になりたいという人たちが少なくないことを実感した」と話していた。

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最終更新:12月23日23時43分

産経新聞

 

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