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おいらせ町新助川原の住宅で三月十九日未明、無職北村とよさん=当時(60)=が焼死した事件で、三沢署は十日、殺人と現住建造物等放火の疑いで、同居の次男で無職北村智海容疑者(34)=傷害容疑で逮捕済み=を再逮捕した。捜査当局は、智海容疑者がとよさんを殴って動けない状態にした後、生きていることを知りつつ居間に火を付けたとみているが、同容疑者は調べに「殴って倒れた時点で死んだと思っていた」と供述、殺意を否定しているという。 逮捕容疑は、三月十八日午後四時半ころから翌十九日午前三時ころまでの間、木造平屋の自宅の居間に火を付け、内壁など約十三平方メートルを焼き、とよさんを焼死させた疑い。 複数の捜査関係者によると、智海容疑者は火を付けたことは認めているが、理由は「混乱していてよく分からない」などと供述。同容疑者は普段から生活態度などをめぐり、とよさんからしかられていたといい、当局は動機につながる可能性もあるとみて、慎重に裏付け捜査を進める。 同署や県警捜査一課によると、とよさんは普段から歩行が不自由だった。遺体発見の端緒となった「道路で人が倒れている」との公衆電話からの一一九番通報は、智海容疑者が自分でかけたことを認めているという。同署などは、なぜ現場を道路上と伝えたのか、とよさんを助ける意思があったかどうかなど通報の詳しい背景についても調べている。 同署や県警捜査一課の調べでは、智海容疑者は十九日明け方まで現場周辺にいたが、その後列車で青森市へ移動。パチンコなどをし、自転車で平内町まで行き、JR狩場沢駅付近で警察官に発見され、その後、傷害容疑で逮捕された。逮捕当時の所持金は小銭程度だったという。
[記事全文] 【東奥日報】
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