田辺一鶴さん
威勢よく扇を打ち鳴らすスタイルと豊かなヒゲで「ヒゲの一鶴」と親しまれた講談師の田辺一鶴(たなべ・いっかく、本名佐久間秀雄〈さくま・ひでお〉)さんが22日午前7時、肺炎のため東京都内の病院で死去した。80歳だった。葬儀は親族のみで行い、後日お別れの会を開く。連絡先は講談協会(03・3959・7924)。
1954年に吃音(きつおん)を直すために田辺南鶴に入門。東京五輪の参加国をすべて読み上げる「東京オリンピック」(64年)で注目され、「イチロー物語」「高橋尚子物語」など話題の事件や人物を題材にしたユニークな新作を次々と発表。テレビなどでも広く活躍した。また初めて女性を弟子にとり、多くの女性講談師を育てた。