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日本や世界で現在進行形の最新の軍事情報を選別して、誰にでもわかるような文章で解説します。ホットな事件や紛争の背景や、将来の展開を予測したり、その問題の重要性を指摘します。J-rcomでは、日本で最も熱い軍事情報の発信基地にしたいと頑張ります。(1999年11月)
2009.12.22
半島情報筋明かす 最終目的地ガザ? タイで押収の「北製武器」
カテゴリイラン出典 産経新聞 12月22日 朝刊
記事の概要
朝鮮半島情勢に詳しい情報筋は21日、バンコクの空港で見つかった北朝鮮製武器は、最終目的地がパレスチナ自治区ガザ地区と明らかにした。
ガザを実行し支配するイスラム原理主義のハマス向けの武器輸出という。
同筋によると、積みにはいったんイランに運ばれ、その後、シリア、スーダン、エジプトを経てガザ地区のハマスに輸送する予定だった。
積み荷にはイランの石油産業の部品と表示してあるが、同筋は「イラン革命防衛隊のトンネル会社」と指摘した。
貨物機には携帯式の地対空ミサイルなどが積まれていた。
7月に、北朝鮮からイランに向かっていた貨物船がアラブ首長国連邦(UAE)で拿捕され、船内から武器が見つかった件は、12月3日の米紙ワシントン・ポストが米国や国連関係者の話として、レバノンのヒズボラやガザのハマス向けのへ兵器だった報じた。
朝鮮半島情勢に詳しい情報筋は21日、バンコクの空港で見つかった北朝鮮製武器は、最終目的地がパレスチナ自治区ガザ地区と明らかにした。
ガザを実行し支配するイスラム原理主義のハマス向けの武器輸出という。
同筋によると、積みにはいったんイランに運ばれ、その後、シリア、スーダン、エジプトを経てガザ地区のハマスに輸送する予定だった。
積み荷にはイランの石油産業の部品と表示してあるが、同筋は「イラン革命防衛隊のトンネル会社」と指摘した。
貨物機には携帯式の地対空ミサイルなどが積まれていた。
7月に、北朝鮮からイランに向かっていた貨物船がアラブ首長国連邦(UAE)で拿捕され、船内から武器が見つかった件は、12月3日の米紙ワシントン・ポストが米国や国連関係者の話として、レバノンのヒズボラやガザのハマス向けのへ兵器だった報じた。
コメント
レバノンのハマスと、パレスチナ自治区のヒズボラは、ともにイランの革命防衛隊が育てた反イスラエル武装組織である。ともにイスラム教シーア派つながりである。
しかし武器供給ルートは大きく異なっている。レバノンのハマスにはイランからシリアを通じてレバノン南部にロケット砲などが密輸される。そのため地上には車両を使った無数の供給ルートが存在している。
しかしパレスチナ自治区ガザ自治区のヒズボラには、エジプトを通じて供給する以外の方法はない。そのエジプトと陸路で結ばれているのがスーダンである。
北朝鮮からイランに運ばれた兵器は、空路や海路に積み替えられ、いったんスーダンに運ばれ、スーダンから陸路でエジプトを目指すことになる。
今年1月、スーダンで国籍不明の攻撃機にトラックの車列が空爆されるという事件が起きたのを覚えているだろうか。あれは北朝鮮製兵器がガザのハマスに運ばれるのを、イスラエル空軍機がスーダンで空爆したのである。
だからソマリア沖の海賊際策には、国際機関がイランからイエメンなどを通じて、スーダンに海路で密輸される武器の供給を断ちたいという目的が隠されている。
今のところ、アデン湾で武器運搬船(密輸船)が摘発されたという情報はないが、今も空路でスーダンに運ばれている可能性は否定できない。
私はバンコクで摘発された貨物機の中に、携帯式対空ミサイルと220ミリ対地ロケットがあると知り、イラン経由のハマスかヒズボラが最終目的地と疑っていた。
私でも疑ったのだから、軍事の世界ではそのように考える人は多いはずである。「やっぱり」というのが正直な感想だ。今のイランに携帯式対空ミサイルや220ミリ対地ロケット砲は必要ないからだ。
レバノンのハマスと、パレスチナ自治区のヒズボラは、ともにイランの革命防衛隊が育てた反イスラエル武装組織である。ともにイスラム教シーア派つながりである。
しかし武器供給ルートは大きく異なっている。レバノンのハマスにはイランからシリアを通じてレバノン南部にロケット砲などが密輸される。そのため地上には車両を使った無数の供給ルートが存在している。
しかしパレスチナ自治区ガザ自治区のヒズボラには、エジプトを通じて供給する以外の方法はない。そのエジプトと陸路で結ばれているのがスーダンである。
北朝鮮からイランに運ばれた兵器は、空路や海路に積み替えられ、いったんスーダンに運ばれ、スーダンから陸路でエジプトを目指すことになる。
今年1月、スーダンで国籍不明の攻撃機にトラックの車列が空爆されるという事件が起きたのを覚えているだろうか。あれは北朝鮮製兵器がガザのハマスに運ばれるのを、イスラエル空軍機がスーダンで空爆したのである。
だからソマリア沖の海賊際策には、国際機関がイランからイエメンなどを通じて、スーダンに海路で密輸される武器の供給を断ちたいという目的が隠されている。
今のところ、アデン湾で武器運搬船(密輸船)が摘発されたという情報はないが、今も空路でスーダンに運ばれている可能性は否定できない。
私はバンコクで摘発された貨物機の中に、携帯式対空ミサイルと220ミリ対地ロケットがあると知り、イラン経由のハマスかヒズボラが最終目的地と疑っていた。
私でも疑ったのだから、軍事の世界ではそのように考える人は多いはずである。「やっぱり」というのが正直な感想だ。今のイランに携帯式対空ミサイルや220ミリ対地ロケット砲は必要ないからだ。