民主党が主張している道路特定財源の一般財源化、そしてガソリンにかけられる揮発油税の暫定税率の撤廃というテーマが、国民の間で大きな共感を呼んでいます。
私は、民主党のこの主張が実現されると、「一石五鳥」の大きなメリットがあると思っています。
すなわち、@一般財源化し、真に必要な道路のみをつくることになれば、税金のムダづかいがなくなる(その分、教育や福祉などにまわせる)、A政治家や業者の都合のためだけの道路がつくれなくなると、利権の温床をなくせる、B真に必要な道路だけを自治体の判断でつくれる仕組みに転換することで、地方分権の後押しができる、C暫定税率がなくなるとリッター25円の減税となり、国民の負担が軽くなる、Dサブプライム問題などの影響で景気の後退が心配されている中、国民への直接的な減税により個人消費を刺激し、有効な景気対策になる――というのが「五鳥」の内容です。
私は、その中でも、特に重要なのは、一般財源化による@ABの効果だと思っています。道路を優先的につくるために暫定税率を上乗せしていたわけですから、一般財源化することで、税率を上乗せしなければいけない根拠がなくなります。ガソリンが安くなるのはあくまでその結果の話なのです。
必要な道路は一般財源から
道路特定財源ができた54年前、日本は戦後復興の真っ最中でした。限られた資金と資材を鉄鋼や石炭産業に集中的に投資をすることで復興を図る「傾斜生産方式」がとられたのもこのころであり、社会基盤である道路を優先的につくるため特定財源にした選択も当時としては当然だったろうと思います。
しかし、その後54年もたち、もちろん、今でも必要な道路整備は残っていますが、日本の道路はかなりの水準で整備されました。一般財源化するというのは、何も道路をつくらないということではないのです。福祉や教育、防災などいろいろな課題と横並びの中で、今その地域の中で何が優先的に取り組まれるべきなのかを真剣に考え、その結果、道路を優先しようとその地域で決めれば、一般財源ですから当然できるわけです。税金を、道路のためだけに使うやり方から、バランスの取れたやり方にかえようという提案なのです。
ムダ使いされる特定財源
そして、今、特定財源だから道路のためだけに使うと書きましたが、実際には道路のためだけに使っていたのではなく、国土交通省の官僚たちの宿舎や人件費、自動車、テニスコート等々に使われていた実態がこの間、次々と明るみになっています。
さらに、この財源の中から、国土交通省の天下り先になっている独立行政法人や社団法人などに平成18年度で1200億円も支出されていたことも分かりました(補助金や業務委託の形で)。
究極の禁じ手「つなぎ法案」を与党が撤回しました。徹底的に審議する時間ができました。民主党は、道路特定財源の問題点を厳しく追及し、世論の大きな支持を得る中で、「衆議院での再議決=暫定税率の10年間延長」を許さない戦いをしていく決意です。
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