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はじめまして、ヒロユキと申します。
私はマンガ家ですが、この「コミックギア」の製作総指揮もやらせていただいています。 さてこの「コミックギア」ですが、今までのマンガ誌とは、 全く違うアプローチで作らせていただきました。 まずこの企画自体、一マンガ家である自分からの企画提案に対して 芳文社さんが乗ってくれたものです。(ありがとうございます) そんなふうに出発点からして普通とちょっと違う「コミックギア」ですが、 マンガ誌ができるまでの流れにも従来と大きく違う点があります。 普通のマンガ誌は、編集者と漫画家が一対一で打ち合わせを重ねて作ります。 掲載されるマンガ家同士は、基本特にお互いの作品にタッチすることはありません。 それに対し「コミックギア」は 連載作家全員が、毎日一つの仕事場に集まり作業をし、 マンガ家同士が、協力し合って作っています。 この方式、一見とてもアナログなようですが、いいところがたくさんあります。 まず作家陣同士が常に一つの仕事場にいることによって マンガに関する技術や知識を共有でき、 ネームの回し読みなども全員で行うことができます。 面白くないと思えば容赦なくダメ出しの嵐が来ます。 また、厳しくする一方で、苦手の分野があれば、 それを得意としている別の人間がアドバイスする。 そんな協力関係も自然に生まれます。 言い換えれば、すべての連載作品が面白くなる方法を、 参加している作家全員が考えているという環境になっています。 こんな環境で鍛えられれば、 もっともっと力を発揮できるであろう新人作家は広くいるはず。 そう考えて、「コミックギア」出発にあたっては、 すでに商業デビューしている人間だけでなく、 商業未経験の新人作家候補も広く参加を呼びかけました。 その人たちへのストーリー・キャラ作り等の指導や打ち合わせを、 僕を含めた先輩作家たちが直接毎日行っています。 いわば朝から晩までつきっきりのコーチがいる状況で、 やればやるだけ自分たちの力量を伸ばしていける、そんな環境です。 やってみて初めてわかったこともあります。 やっぱり人に物を教えるというのは誰であっても難しい。 教える方も、教えるという行為を通じて、自らの力量と向かい合わざるを得ないのです。 教える方も必死になって自分を高めていかなければいけない、 大げさでなくそんな感じです。 こうして一人一人の技術が向上すれば、結果、 連載作品全体の面白さの底上げができ、 「コミックギア」全体の面白さが増す。 1+1が3にも4にもなる。そう思いつつ、皆で頑張ってきました。 この1冊が読者のみなさまに楽しんでいただけるレベルになっていれば幸いです。 ついでですが、この「コミックギア」で特に力を入れた部分は、 読みやすさと登場キャラクターの魅力です。 読むことが面倒であったり、疲れたりしないマンガであること。 お手にとっていただいた方の肩を凝らせることもなく、 気軽に楽しんでいただけるような作りを目指しましたので、 まずは軽く読んでやってみてください。 新しい一歩を踏み出したばかりの「コミックギア」を、 どうぞよろしくお願いします。
今後も制作部BLOGで詳しい情報をお届けしていきます。
どうぞチェックしてみてください。 |