・天皇陛下を自己の利益の為に利用する小沢氏 ~日本は既に小沢独裁体制に落ちたか~
テーマ:日本・政治問題特例会見、小沢氏が要請…「政治利用」批判強まる:読売新聞
鳩山首相が14日に来日する中国の習近平国家副主席と天皇陛下との会見を特例的に実現するよう指示していた問題は、民主党の小沢幹事長が首相側に会見実現を要請していたことが明らかになり、「天皇陛下の政治利用だ」との批判が一層強まっている。政府関係者によると、小沢氏は9日、国会内で崔天凱・駐日中国大使と会談し、「何とかして習副主席が天皇陛下と会えるようにしてほしい」と要請を受けた。その後、平野官房長官に電話し、崔大使の要請を伝え、「しっかりやってほしい」と述べたという。これを受け、平野長官は10日夕、宮内庁の羽毛田信吾長官に電話し、「これは政府官邸としてのお願いだ」と強い口調で会見を実現するよう指示した。
小沢氏は早くから首相側に中国の意向を伝えていたという。4日夜には首相公邸で首相と会談している。小沢氏としては、9日の時点になっても調整が進んでいないことを知って驚き、平野氏に直接働きかけたようだ。
中国側が天皇との会見希望を小沢氏らに伝えたのは11月後半。11月20日には、中国の楊潔(ようけつ)チ外相が鳩山首相と首相官邸で会談したほか、小沢氏とも国会内で会い、習副主席の来日への協力を要請している。(「チ」は竹かんむりに「褫」のつくり)
しかし、中国政府の会見申請が11月26日だったため、宮内庁は「1か月前までの申請」との慣行に従い断った。平野長官が羽毛田長官に電話で特例扱いを要請したのは12月7日で、平野長官もいったんは実現をあきらめていたものと見られる。
今回の鳩山政権の対応について、野党から強い批判の声が上がっている。
自民党の石破政調会長は12日、名古屋市内で記者団に「大国にも小国にも同じように接するというのが日本の皇室のあり方だった。首相、官房長官、小沢氏の意思が働いたとすれば、正しいやり方ではない。外交は皇室を利用しながらやるものではない」と語った。
政治と天皇の関係については、10月に岡田外相が、国会開会式での天皇陛下のお言葉について「陛下の思いが少しは入ったお言葉をいただく工夫ができないか」と発言し、鳩山首相が「コメントすべきではなかった」とたしなめた経緯がある。再び問題視される状況が浮上したことで鳩山政権の「体質」を批判する声も出ている。
石破氏は「皇室を政治的に使うという越えてはいけない一線に対する警戒感に欠けている」と断じ、自民党中堅議員も「皇室への感覚が軽すぎる。宮内庁長官が懸念を表明したのはよほどのことだ」と指摘した。安倍元首相は12日付のメールマガジンで「(訪中した)小沢氏が胡錦濤主席から異例の歓待を受けるため、陛下を政治利用したことになる」との見解を示した。
与党内も複雑な反応だ。
民主党参院幹部は「内閣が決めて、宮内庁が会見を設定するだけの話で、何の問題もない。陛下の政治利用にはあたらない」と強調。社民党幹部も「日中関係がより深まるとの判断があったのだろう」と理解を示す。
一方で、「小沢氏の仲介も間違った政治主導の印象を与え、イメージは良くない」(国民新党中堅)との声も出ている。
ソウル訪問中の小沢氏は12日、この問題に関して同行記者団の取材を拒否した。
この話題はめずらしく、テレビを含めた各マスコミがこぞって取り上げています。鳩山氏は政治利用には当たらないなどととぼけた会見をしたようですが、天皇陛下の政治利用以外の何物でもありません。
中国からの「うちのナンバー2が行くから天皇に会わせるように」との要請に、厳格なルールを破ってまで天皇陛下を引きずり出し、無理矢理会わせようとする鳩山政権。先日、オバマ大統領が来日の際に天皇と会見したのに対し、中国のナンバー2が天皇と会えないというのは中国にとってメンツが立たないことでしょう。そして、中国に過度に傾倒する民主党にとって、中国の要求を断ることと比べたら、天皇陛下の会見ルールを無視して天皇陛下を引きずり出すことなど、全く問題にならないほど小さな事なのでしょう。
宮内庁長官も今回の件に関しては、「ルール破り」「政治利用」「二度とあってはならない事」と悲痛な声名を出しましたが、事実上、政府の要求を断ることができない宮内庁、そして天皇陛下本人にとっては非常に屈辱的な要求だったことでしょう。
天皇陛下を明らかに政治利用したことの他に、私がこの問題で一番感じた懸念は、小沢氏の暴走ぶりです。当初、一旦は断った宮内庁に、「日中関係は日本にとって重要であるから、ルールを無視して実現するように。これは首相官邸の意向だ」という指示を出したのは鳩山氏であると伝えられていましたが、それは小沢氏に命令された鳩山氏の言葉であったことが今回わかりました。
民主党を裏で事実上支配しているのが小沢氏であることは誰もが知る事実ですが、小沢氏が、中国の為なら天皇陛下を自由自在に操るようなことまでを平気で行うようになっていることに驚きました。小沢氏の要求をそのまま右から左に流すだけの鳩山氏は問題外として、平野官房長官は宮内庁に断られたときに、慣例に反していることを理解し、最初おとなしく引き下がったと言います。さすがの鳩山政権でも、最低限の常識の下に判断されることもあります。しかしそれをも自身の都合の為に命令し、強行させたのは小沢氏です。
今回の件の他にも、小沢氏は先日、韓国で外国人参政権法案を来年度通常国会で成立させることを明言してきました。一時、先の臨時国会で成立させるとの話が持ち上がったことがありましたが、民主党内でも反対意見が相次いだことが影響し、臨時国会での提出は見送られました。しかし、今の小沢氏の暴走ぶりを見ると、民主党内の反対意見など全て封殺した上で、次の国会で強行提出するのは避けられないでしょう。そして小沢氏の暴走はそれだけで収まるとは思えません。天皇陛下までも自身の利益の為に操ることなど何とも思っていない今、どんなことでもやるでしょう。
今、この国は民主党の独裁政権ではなく、小沢氏による独裁政権となってきたようです。
参考書籍:
小沢一郎 虚飾の支配者