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日中歴史共同研究、「南京事件」は両論併記へ

12月22日3時5分配信 読売新聞

 日中両国の有識者による「日中歴史共同研究委員会」(日本側座長=北岡伸一・東大教授)が24日にも最終報告をまとめ、このうち「総論」を発表することが明らかになった。

 時代ごとに担当委員が執筆した論文を盛り込んだ「各論」も近く公表される見通しだ。

 ただ、南京事件の犠牲者数など両国の争点となっている論点を巡っては溝が埋まらず、両論併記になる見通しだ。

 1945年以降の現代史については公表を見送る方向となった。中国側が現在の中国政府への批判につながることを懸念したためとみられる。

 日本軍が37年に中国・南京を占領した際に起きた南京事件に関しては、中国側は政府の公式見解「犠牲者30万人」を譲らず、日本側も「数万人から20万人まで」など様々な説があると主張したため、両論併記とすることとした。日中戦争についても、日本側は「軍部の一部勢力に引きずられて戦線が拡大した」との見解を示したが、中国側は「計画的な中国への侵略」と結論づけ、かみ合わなかった。

 現代史に関する公表が見送られるのは、米英など連合国がいわゆる「A級戦犯」を裁いた東京裁判(46〜48年)や、天皇陛下の中国訪問(92年)などの評価で意見が対立したためだ。89年の天安門事件なども、「中国側には触れられたくないテーマ」(関係者)だという事情があった。

最終更新:12月22日3時5分

読売新聞

 

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