この「ポケットモンスター」というゲームでは、ポケモンの初めの能力(素質)と、どんなポケモンと戦って育ったかが細かにポケモンの成長に影響していく仕組みになっています。このページでは、その仕組みについて詳しく説明していきます。
ポケモンの能力値(最大HP・こうげき・ぼうぎょ・とくこう・とくぼう・すばやさ)は次の計算方法によって決められています。ポケモンがレベルアップしたときや進化したときには、これにもとづいて新しい能力値が決められます。
式の中の割り算は小数切り捨てです。
ヌケニン(No.292)の最大HPはこの計算式に関係なく必ず1です。
計算式で示したとおり、ポケモンの能力値には種族値・個体値・努力値・レベル・性格補正の5つの要素が関わっています(言い換えればこの5つの要素しか関係がありません)。これらを大まかに説明すると次の通りです。
次項からこれらの要素について詳しく説明していきます。
ポケモンの種類によって決まっていて、そのポケモンの能力を特徴づけている数値です。
この数値はゲーム内では表示されない隠れた値です。「種族値」は公式な名称ではありません。別名「成長率」・「種類値」・「成長特性値」・「固有値」など(「固有値」は個体値の別名としても使われることがあるので注意)。
たとえばマルマイン(No.101)はどれを捕まえても高いすばやさを持っていますが、これはマルマインのすばやさ種族値が高く設定されていることに起因しています。逆にこの種族値が低く設定されている能力は、どんなに工夫して育ててもあまり伸びません。
各ポケモンの種族値(基本能力値)は図鑑か能力値表(No.001〜No.251、No.252〜No.386)を参照してください。
同じ種類、同じレベルのポケモンを捕まえてみると、1匹1匹の能力値にはわずかずつ違いがあります。それには、この個体値と呼ぶ数値が関係しています。
この数値はゲーム内では表示されない隠れた値です。「個体値」は公式な名称ではありません。別名「固有値」(種族値の別名としても使われることがあるので注意)。
1匹のポケモンの持つ6つの能力値(最大HP・こうげき・ぼうぎょ・とくこう・とくぼう・すばやさ)それぞれには別々の個体値が決められています(つまり1匹のポケモンは6つの個体値を持ちます)。個体値は0〜31の範囲のいずれかの整数で、野生のポケモンを捕まえたりゲーム内の出来事でもらったときに無作為(ランダム)に決定されます。この数値が大きいほど能力値は高くなります。また、個体値が増減することは一切ありません。このようにして個体値の異なる組み合わせが生じることにより、同じポケモンどうしの能力値の差が作り出されています。
個体値が高いほどそのポケモンの能力値は将来的にも高くなります。個体値を後から増やすことはできないので、対戦をするのなら初めから個体値が高いポケモンを手に入れることが重要となります。
ポケモンのタマゴをつくると、個体値が部分的に子供に遺伝します。野生で個体値の高いポケモンを手に入れるとなると完全に運だのみになりますが、タマゴを利用すればある程度は求める能力のポケモンを手に入れやすくなります。
ポケモンは経験値が一定のところまでたまるとレベルが上がって能力値(最大HP・こうげき・ぼうぎょ・とくこう・とくぼう・すばやさ)が上昇しますが、6つの能力値そのものもそれぞれ個別に経験値のようなものを持っており、それによって能力値の伸びが変化します。その能力値が持つ経験値のようなものを、ここでは努力値と呼びます。努力値が多いほどその能力値は高くなります。
この数値はゲーム内では表示されない隠れた値です。「努力値」は公式な名称ではありません。
ポケモンが相手を倒すと、経験値のほかに努力値が加算されます。6つの能力値に対応したそれぞれの努力値には、倒したポケモンの種類に応じて決められた数が加算されます。→もらえる努力値のリスト
おおまかに言えば、こうげきが高いポケモンを倒すとこうげきの努力値、すばやさが高いポケモンを倒すとすばやさの努力値が得られます。
複数のポケモンで1匹の相手を倒した場合や学習装置を持たせていた場合、1匹で相手を倒した場合と同じだけの努力値が関係するポケモンすべてに加算されます。経験値のように分割はされません。
他のカートリッジから転送した(親トレーナーが異なる)ポケモンはもらえる経験値が1.5倍になりますが、もらえる努力値は変わりません。
努力値は戦闘だけでなく道具を使って上げることもできます。それぞれの努力値と、それに対応した努力値を増減させる道具は次の表の通りです。ただし、努力値を減らす効果はエメラルド版の中で使ったときに限り発生します。
増加(+10) | 減少(-10) | |
---|---|---|
HP | マックスアップ | ザロクのみ |
こうげき | タウリン | ネコブのみ |
ぼうぎょ | ブロムヘキシン | タポルのみ |
とくこう | リゾチウム | ロメのみ |
とくぼう | キトサン | ウブのみ |
すばやさ | インドメタシン | マトマのみ |
努力値を増やす道具は、それに対応した努力値が100以上になると使用できなくなります。たとえば、マックスアップはそのポケモンのHP努力値が100以上になると使用できなくなります。
これらの道具はゲーム中での説明文では「きそポイントをあげる」・「きそポイントがさがる」となっています。この「きそ(基礎)ポイント」はいわゆる努力値のことを指しているのではなく、「基礎」という言葉の意味から考えて能力値の計算式の中の「(種族値×2+個体値+努力値÷4)」の部分全体を指しているものと思われます。
手に入れたばかりのポケモンの努力値はすべて0で、最大値は255です。ただし、6つの努力値を合計して510までしか獲得することができません。それ以降は戦っても努力値は得られなくなります。したがって、対戦用のポケモンは計画的な努力値の割り振りを考えておくことが重要です。
努力値は、能力値の計算式の中で4で割られます。小数切り捨てなので、4で割ったときの余りの部分は無駄になります。つまり、実質252が努力値の最大値といえます。
努力値の合計が510になったポケモンをカイナシティ(ルビー・サファイア・エメラルド)のがんばり屋で見せると、がんばリボンを授けられます。育成状態の確認に利用するとよいでしょう。ただし、その後もきのみで努力値を減らすことは可能です。
ポケモンがレベル100になると戦闘では努力値を得ることができなくなります(道具は可)。
ポケモンにきょうせいギプスを持たせると、持たせている間はすばやさが半分になってしまいますが、戦闘でもらえる努力値は2倍になります。
もらえる努力値を倍にする効果があるものとしてはほかにポケルスがあります。
ルビー・サファイア・エメラルドでは、ごくまれにポケモンがポケルスというものに感染することがあります(ファイアレッド・リーフグリーンでは起こりません)。これに感染したポケモンは戦闘でもらえる努力値が2倍になります。一見病気のようなイメージを受けますが、悪い効果はありません。
ポケルスは戦闘後に約2万分の1の確率で手持ちのポケモンのうちの1匹に発生し、そのまま手持ちに入れて戦闘をしているとほかの手持ちポケモンに感染していきます。
ポケルスにかかったポケモンをルビー・サファイア・エメラルド版の手持ちに入れたまま1〜4日ほど経過すると、ポケルスは無くなり、代わりにステータス画面のどこかに黒い点がつきます。この状態になるとほかのポケモンに感染させる性質は失われますが、獲得努力値2倍の効果は残ります。ボックスに収容するか、ファイアレッド・リーフグリーンに移すと、そのポケモンの時間はカウントされなくなるので黒い点状態に変わるのを避けられます。ポケモンの育成に便利ですのでポケルス状態になったら、その状態のポケモンを1匹ボックスに保管しておきましょう。
多くのRPGと同じく、ポケモンは倒した相手に応じた経験値を得て、それが一定値に達するごとにレベルが上がっていきます。
どのポケモンを倒すとどのぐらい経験値をもらえるかは能力値表(No.001〜No.251、No.252〜No.386)を参照してください。
経験値がいくつに達するとレベルが上がるのかはポケモンの種類によって異なります。→経験値とレベル
ポケモンのせいかくは、能力値の高さに影響を与えます。どのせいかくがどの能力値に影響を与えるかは次の表の通りです。△は1.1倍、▼は0.9倍、記号のない部分のは1倍を表します。
こうげき | ぼうぎょ | とくこう | とくぼう | すばやさ | |
---|---|---|---|---|---|
さみしがり | △ | ▼ | |||
いじっぱり | △ | ▼ | |||
やんちゃ | △ | ▼ | |||
ゆうかん | △ | ▼ | |||
ずぶとい | ▼ | △ | |||
わんぱく | △ | ▼ | |||
のうてんき | △ | ▼ | |||
のんき | △ | ▼ | |||
ひかえめ | ▼ | △ | |||
おっとり | ▼ | △ | |||
うっかりや | △ | ▼ | |||
れいせい | △ | ▼ | |||
おだやか | ▼ | △ | |||
おとなしい | ▼ | △ | |||
しんちょう | ▼ | △ | |||
なまいき | △ | ▼ | |||
おくびょう | ▼ | △ | |||
せっかち | ▼ | △ | |||
ようき | ▼ | △ | |||
むじゃき | ▼ | △ |
がんばりや・きまぐれ・すなお・てれや・まじめのポケモンは性格が能力値に影響しません。
個体値と同様に性格が能力値に与える影響は大きく、後から変えることもできないので、対戦用のポケモンは性格選びも重要になります。
(2004/10/30更新)