この人物のオモテとウラ　立川俊之（大事ＭＡＮブラザーズ）

●待望のバンドが１４年ぶりに“復活”

　９１年に「それが大事」が大ヒットした“大事ＭＡＮブラザーズバンド”を復活させた。来週１４日には、東京・渋谷のライブハウス“ＳＨＩＢＵＹＡ　ＢＯＸＸ”で約１４年ぶりに単独ライブを行う。往年のファンは大歓迎だろう。本人もさぞや意気込んでいるのかと思えば、そうではなかった。

「音楽仲間との酒の席で、“やろうか”って話になったのが始まりです。今年の元旦に、自分のホームページに“大事ＭＡＮブラザーズを復活させます”って軽い気持ちで書いてアップしたら、ヤフーのニュースにとりあげられたり、すごい反響があったんです。まだメンバーも固めていない状態だったので慌てました」

　メンバーはオリジナルではない。０２年に立川が結成した“Ｔ．Ｔ　ＯＲＣＨＥＳＴＲＡ”のメンバーらが中心。トランペットやトロンボーンなどで構成する。だから、グループ名は“大事ＭＡＮブラザーズバンド”ではなく、“大事ＭＡＮブラザーズオーケストラ”だ。

「オリジナルメンバーは僕とキーボードをのぞいて、音楽とは別の道に進んでいるんです。オリジナルメンバーは“大事ＭＡＮブラザーズバンド”に対して、まだネガティブな感情があるんじゃないかなあ。僕もそうでしたから。みんなまだ２０代で若かったから、モンスターのように売れた『それが大事』のプレッシャーに耐えられなかったんでしょうね。でも、いまだに“復活してほしいバンドランキング”に入っているらしいので、そんな周囲の期待に、僕も背中を押されました」

　９月に「それが大事」などを収録した１枚目のシングルを、１２月９日には２枚目のシングル「目にいっぱいの涙／君去りしあと」をリリースする。

「新メンバーはベテランばかりだから、それぞれ忙しくて時間がかかりました。来年はみんなのスケジュールを調整し、ツアーをして地方を回りたいですね」

　１９６６年４月１７日、埼玉・草加市でサラリーマンの父、母、６歳上の姉の４人家族に生まれた。姉の影響でビートルズに夢中になり、小学校１年のときギターを習い始めた。小学３年で作曲を、中学３年でバンド活動を始め、８６年、“大事ＭＡＮブラザーズバンド”を結成。９１年、メジャーデビューした。

　９６年、解散。その後、新しいバンドを組んだり、ほかのミュージシャンに楽曲提供をしたり、ソロ活動などを行ってきた。

●酒もたばこもやめ、ダイエットして…

　結婚もし、１０歳と５歳の娘をもうけた。家族、バンド、と抱えるものが増え、体に気を使うようになった。

「ここ１、２年で酒もたばこもやめ、生活を夜型から朝型に変えました。ダイエットもして、１カ月で１５キロ落としたこともありますよ。いや、それほど苦しくなかった。やると決めたらやる性格なんですよ」

“大事ＭＡＮブラザーズバンド”復活、というより、健康的になって再生、か。

（日刊ゲンダイ2009年12月7日掲載）