障害がある大学生らを対象にした就職準備セミナーが１８日午後１時半から、大阪市北区のヒルトンプラザウエストで開かれる。景気後退による人員削減や新規採用の抑制が広がるなか、障害がある学生は、一般の学生以上に就職活動への不安が大きい。セミナーでは今春、就職した社会人１年目の障害者らの体験談が、音声やモニターなどを使って披露される。

　総合人材サービス会社「オムロンパーソネル」（京都市）が、平成１９年から実施しているセミナー。障害がある学生を対象にした就職セミナーは、大学などでもまだほとんど取り組まれておらず、民間会社では珍しいという。

　これまでは京都市内で開かれており、約１５０人が参加しているが、学生や保護者から「京都まで行くのは難しい。大阪でも開いてほしい」との要望があり、今回、大阪で初めて開くことになった。

　セミナーでは、障害がある学生の採用実績がある企業の人事担当者から聞いた「求められる人材像」を説明するほか、今春、ハンディキャップを乗り越えて社会人となった先輩５人の体験談などが披露される。

　参加者の障害に応じ、聴覚障害者には講師の言葉をモニター画面に文字で映し出したり、視覚障害がある参加者には、音声化した映像やグラフなどのデータを事前に送付するなどの工夫を凝らしている。

　セミナースタッフで、交通事故による頸椎（けいつい）損傷で車いす生活をおくる同社障害者就業支援グループの鳳崎（ほうさき）泰治さん（３５）は「参加者には、仕事に就くということはどういうことなのかを実感してもらうとともに、セミナーを通して、サポートがあれば自分も戦力として働けるとアピールする強い気持ちを持ってほしい」と話している。

　対象は高専、短大、大学、大学院の平成２３年春卒業予定者。無料（要予約）。問い合わせ、申し込みは同社障害者就業支援グループ（電話０７５・３４４・０９０３、ＦＡＸ０７５・３４４・０９０２）。