ここでも VNAV [航空関係]
福岡空港へ向けてILSアプローチを行っていますと、次のような管制情報が発出される場合があります。
“ Glide Slope Signal not Protected ”
何かの障害物によって、ILSグライド・スロープの電波が保護されない状態になっているらしいのですが、その障害物とは何なのか?・・・・・
はい、その障害物とは離陸のために待機している飛行機だったのです。
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通常、グライド・スロープのアンテナは障害を受けないよう、滑走路を挟んで駐機場とは反対側に設置されるのですが、福岡のように滑走路の両側に駐機場がある場合は、飛行機による障害を避ける事が出来ません。
そこで、グライド・スロープの電波をさえぎらないように、アンテナの手前にGPホールド・ライン(赤線)を設けて、ILS進入を行っている飛行機が着陸を終えるまで、ホールド・ラインの手前で待機させているのです。
しかし、それではあまりにも効率が悪く、単位時間内の離着陸回数が減少してしまいますので、ある条件の下では、ホールド・ラインを越えた通常の待機位置(黄線)で待機させ、着陸機が通過したら速やかに滑走路へ進入させるようにしているのです。
管制方式基準には、
『気象状態が、雲高800フィート未満又は地上視程3,200メートル未満であって、ILS進入方式により進入する到着機がアプローチゲートを通過した場合は、航空機に対しグライドパス停止線の通過を指示してはならない。ただし、到着機が滑走路の視認を通報した場合はこの限りではない。この場合当該機に対してグライドスロープの電波精度が確保されていない旨を通報するものとする』
と記されていますので、冒頭の障害情報が発出される事になる訳です。
それではこの情報がもたらされた時、どう対応すればよいのでしょうか?
管制方式基準にもありますように、グライド・スロープの障害が発生する可能性があるのは、天気が非常によい場合、または着陸機から滑走路視認の通報があった場合に限られます。
そこで考えられる対処法は、
① 通常通りのILSアプローチを行って、グライド・スロープの障害が認められたら、オート・パイロットを外
あaしてマニュアル操縦に切り替え、グライド・スロープの指示は無視してビジュアル・アプローチを行う。
② グライド・スロープをアームせず、降下にはV/Sモードを使い、ビジュアル・アプローチを行う。
考えられるのはそんな所でしょうか・・・・・
しかし、何かを忘れていませんか?皆さんが嫌っておられるVNAVの事を。
そうなんです!VNAVを使って降下を行えば、グライド・スロープの電波に頼らなくても、ILSと同じような安定したアプローチが行えるのです。
VNAVの終点は、ILSやVNAVアプローチでは滑走路末端。VORアプローチではMAP。これが原則ですので、アプローチの最終段階までVNAVをバーチカル・ガイダンスとして使う事が出来るのですが、これに気付いていない人が結構多い。
現在、那覇RWY 36のグライド・スロープも、工事のため運用を休止していますので、ローカライザー・アプローチのみとなっていますが、ここでもVNAVを使う事により、ILSと同じようなアプローチが可能になります。
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上図はFMS・CDUの表示とVNAVのプロファイルですが、滑走路末端60フィート(70フィートに設定してある空港が多い)からFF36/2000フィートへ向けてのVNAVのパス(赤線)が常に計算されていますので、ILSグライド・スロープが運用されていなくても、VNAVを使う事により、ILSと同じ安定したアプローチが行えるのです。
ただし福岡の場合、SANDYを通過しますと、
[VNAV PTH]から[VNAV ALT]へとモードが変わってしまいますので、アルト・セレクター・ノブをプッシュして降下を開始させるか、
SANDYを通過するまでにアルト・セレクターを巻き下げておく必要があります。
この場合、ILS(黄線)とVNAV(赤線)のプロファイルの違いにより、SANDYを過ぎますと、
Outer Marker の高度1830フィートまで飛行機が降下してしまう事になります。
先日の沖縄への最終便、ほとんど新月でしたので獅子座流星群(でしたね?)でしょうか、結構な数の流れ星を見る事ができました。
しかし、その間に願い事を三回唱えるのは至難の業ですね。「か~」 で終わってしまいます。
何をお願いしたかって?もちろん家族の健康ですよ。
コペンハーゲンで開かれているCOP15。交渉下手な日本ですし、欧米の標的にもなりやすい。日本だけが重い負担を強いられるような結果にならなければよいのですが。
誰にでも迎合して、いい顔を見せようとする鳩山首相だけに、いささか不安ですね。
“ Glide Slope Signal not Protected ”
何かの障害物によって、ILSグライド・スロープの電波が保護されない状態になっているらしいのですが、その障害物とは何なのか?・・・・・
はい、その障害物とは離陸のために待機している飛行機だったのです。
通常、グライド・スロープのアンテナは障害を受けないよう、滑走路を挟んで駐機場とは反対側に設置されるのですが、福岡のように滑走路の両側に駐機場がある場合は、飛行機による障害を避ける事が出来ません。
そこで、グライド・スロープの電波をさえぎらないように、アンテナの手前にGPホールド・ライン(赤線)を設けて、ILS進入を行っている飛行機が着陸を終えるまで、ホールド・ラインの手前で待機させているのです。
しかし、それではあまりにも効率が悪く、単位時間内の離着陸回数が減少してしまいますので、ある条件の下では、ホールド・ラインを越えた通常の待機位置(黄線)で待機させ、着陸機が通過したら速やかに滑走路へ進入させるようにしているのです。
管制方式基準には、
『気象状態が、雲高800フィート未満又は地上視程3,200メートル未満であって、ILS進入方式により進入する到着機がアプローチゲートを通過した場合は、航空機に対しグライドパス停止線の通過を指示してはならない。ただし、到着機が滑走路の視認を通報した場合はこの限りではない。この場合当該機に対してグライドスロープの電波精度が確保されていない旨を通報するものとする』
と記されていますので、冒頭の障害情報が発出される事になる訳です。
それではこの情報がもたらされた時、どう対応すればよいのでしょうか?
管制方式基準にもありますように、グライド・スロープの障害が発生する可能性があるのは、天気が非常によい場合、または着陸機から滑走路視認の通報があった場合に限られます。
そこで考えられる対処法は、
① 通常通りのILSアプローチを行って、グライド・スロープの障害が認められたら、オート・パイロットを外
あaしてマニュアル操縦に切り替え、グライド・スロープの指示は無視してビジュアル・アプローチを行う。
② グライド・スロープをアームせず、降下にはV/Sモードを使い、ビジュアル・アプローチを行う。
考えられるのはそんな所でしょうか・・・・・
しかし、何かを忘れていませんか?皆さんが嫌っておられるVNAVの事を。
そうなんです!VNAVを使って降下を行えば、グライド・スロープの電波に頼らなくても、ILSと同じような安定したアプローチが行えるのです。
VNAVの終点は、ILSやVNAVアプローチでは滑走路末端。VORアプローチではMAP。これが原則ですので、アプローチの最終段階までVNAVをバーチカル・ガイダンスとして使う事が出来るのですが、これに気付いていない人が結構多い。
現在、那覇RWY 36のグライド・スロープも、工事のため運用を休止していますので、ローカライザー・アプローチのみとなっていますが、ここでもVNAVを使う事により、ILSと同じようなアプローチが可能になります。

上図はFMS・CDUの表示とVNAVのプロファイルですが、滑走路末端60フィート(70フィートに設定してある空港が多い)からFF36/2000フィートへ向けてのVNAVのパス(赤線)が常に計算されていますので、ILSグライド・スロープが運用されていなくても、VNAVを使う事により、ILSと同じ安定したアプローチが行えるのです。
[VNAV PTH]から[VNAV ALT]へとモードが変わってしまいますので、アルト・セレクター・ノブをプッシュして降下を開始させるか、
SANDYを通過するまでにアルト・セレクターを巻き下げておく必要があります。
この場合、ILS(黄線)とVNAV(赤線)のプロファイルの違いにより、SANDYを過ぎますと、
Outer Marker の高度1830フィートまで飛行機が降下してしまう事になります。
先日の沖縄への最終便、ほとんど新月でしたので獅子座流星群(でしたね?)でしょうか、結構な数の流れ星を見る事ができました。
しかし、その間に願い事を三回唱えるのは至難の業ですね。「か~」 で終わってしまいます。
何をお願いしたかって?もちろん家族の健康ですよ。
コペンハーゲンで開かれているCOP15。交渉下手な日本ですし、欧米の標的にもなりやすい。日本だけが重い負担を強いられるような結果にならなければよいのですが。
誰にでも迎合して、いい顔を見せようとする鳩山首相だけに、いささか不安ですね。
RJFF ILS16にて記述のような状況でVNAVによる降下を実施する場合、
PFのIntentionとしてどのような文言を述べて共通認識を図り、VNAV
降下へと移行するのでしょうか。
あくまで滑走路を視認したビジュアルアプローチの一手段としての
VNAV利用という説明になるのでしょうか。
by YVETT (2009-12-19 22:30)
ビジュアル・アプローチが可能な気象状態の時、
“ Glide Slope Signal not Protected ” の情報と共に、GPホールド・ライン通過の許可が出されるでしょうから、あくまでもビジュアル・アプローチのバーチカル・ガイダンスの一助としてのVNAV使用について書いております。
これが正式なInstruments Approachとして利用できるのか?については、疑問な点がありますので、現在技術部に問い合わせ中です。
AOMには、Non-Precision Approach using VNAVとして、
Roll Mode : LOC
Vertical Mode : VNAV
の設定があるのですが、専用のVNAVチャートが用意されていませんので(ILSのチャートのみ)、LOCアプローチを行う場合、VNAVを利用できるのかが明確ではないと考えております。
by FD (2009-12-20 10:40)
突然の質問にも関わらず、詳細なご説明ありがとうございます。
実は私も那覇で同じ事を考え、その旨を技術部に問い合わせ
ているもので、このような質問をさせて頂きました。
私の機種には那覇LOC36が会社の指定するNPA using VNAV
としての指定が無いことから、VNAV利用は不適当と判断し、
VNAV利用を断念した経緯がありました。
こんなに便利で美しい降下MODEを使わない手はないと
常々もどかしく感じてしまうものです。
ありがとうございました。
by YVETT (2009-12-21 21:39)
YVETTさん、読まれてましたら参考までに。
その後、社内規程を調べました所、正式なIAとしてLOC+VNAVが行える機種は777だけで、空港も下地島に限定されているようです。
恐らく技術部からの回答もそのような回答になるのではと考えています。
ただ、V/S Mode などと比較しましても、遙かに安定したApproach が可能ですので、天気が良ければとの条件が付きますが、積極的に使っていくつもりでおります。
月末にも那覇へのフライトがありますが、5DME/1000ft以上を確認し、LOC Minima の470ft さえ切らなければ安全は確保できるのですが・・・・・
by FD (2009-12-22 00:00)