阿久根市長：差別記述問題　「謝罪要求決議」可決で、市長派議員が擁護論　／鹿児島

　◇議会内の対立激化も
　竹原信一・阿久根市長の差別的記述に対する市議会の「取消と謝罪を要求する決議」は１８日、賛成１１反対４で可決された。採決に先立つ討論では、決議に反対した市長派市議が市長擁護論を展開。多数を占める反市長派は「４人は市長のやることは何でも賛成ということがはっきりした」と批判する。議会内の対立も激化しそうだ。
　決議案に対する質疑で、山田勝市議は問題の「差別的記述」に関し「すべて読んだが、差別と感じない。むしろ障害者問題を真っ向から取り上げたことに敬意を評したい」と、市長を全面擁護。また、石沢正彰市議は反対討論で「市町村に対する圧力だ」。全会一致で市長の「非難決議」を可決した県議会に矛先を向けた。
　決議の提案者、牛之浜由美市議は取材に対し「たとえ支持していても市長に誤りがあったら、きちんと意見をいうのが議員の役目でしょう」と市長派市議を批判した。
　質疑の模様は、傍聴席だけでなく、別室でもモニター中継。村上博・熊本市議は市長派市議らの擁護論に「批判されても信念を変えない、という政治的ポーズを見せたいだけではないか」と、冷ややかに批判。一方、「仮死状態で生まれた長男も知的障害があるが、高度医療のおかげで生きていることに感謝している」と話した。【馬場茂】
　◇市職労も抗議声明
　阿久根市職労（花木伸宏委員長・２００人）は１８日、差別的記述に対する抗議声明を総務課を通じて市長に渡した。「障がいのある方の福祉を増進すべき立場を否定したもの」と非難し「不適切な記述を直ちに削除し、真摯（しんし）な反省を持って謝罪すること求める」などとしている。

１２月１９日朝刊

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