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暫定税率「もう戻れない」と民主党ガソリン値下げ隊長(上)

田中龍作2008/04/01
目 次
 (P.1) 「無駄遣い許さずガソリン値下げを」が世論になった
 (P.2) 1,838億円投じた佐世保道路の効果は12秒の時間短縮
 

暫定税率「もう戻れない」と民主党ガソリン値下げ隊長(上) | <center>都内のガソリンスタンド</center>
都内のガソリンスタンド
◆1,838億円投じた佐世保道路の効果は54秒の時間短縮

Q:ほじくると、まだネタは出てきそうですか?

 ―まだまだいっぱいあります。

Q:これまで以外の問題で、次に出てきそうなのを、ちょっと教えてください。

 ―本質的な部分なんですよ。「道路が必要ですか、必要ありませんか?]と聞かれれば「必要だ」ということなんですよね。ところが、国土交通省道路局の整備する道路はバカ高いわけですよ。

 要するに、地域の事情とか要望とかにかかわりなく、その地域の人が道路がほしいと言えば、高規格道路がほしいんだろうということで、めちゃめちゃにいい道路をつくっちゃうんですね。そうするとコストが高くなる。その1つの例が佐世保道路ですね。

Q:「ダイヤモンドが埋まってる」と言われるやつですね。

 ―1キロメートル当たり221億円ね。総額だと1,838億円。ところが、これは国土交通省のHPですが、時間短縮効果は、この道路が整備されたからと言って、0.9分なんです。54秒の時間短縮効果がありますよ、ということを言っているんです。で、那智勝浦道路は、1キロメートル当たり80億円。時間短縮効果は、0.2分ですと。

 12秒ですと。12秒短縮するためにこれだけ1,200億円使う。54秒短縮するために1,800億使うと。これが、税金の使われ方として、果たして適切な使われ方なのか。これは極端な例じゃないんです。国土交通省のHPを見ると、「0コンマ何分」というのは、普通の時間短縮効果ですから。

 (暫定税率でなく)ガソリン税本則の「3兆円/年×10年=30兆円」で、道路は立派に整備できる根拠として、「川内隊長」は次のように説明した。

・高速道路料金収入12兆4,000億円(新規高速の建設をやめて節約)
・公共事業3%削減、10年間で10兆円(の節約)
・公益法人との随意契約、天下り、3,600億円×10年=3兆6,000億円(の節約)
・「まちづくり交付金」「河川補助金」など目的外使用6,000億円×10年=6兆円(の節約)

 以上合計で32兆円削減できる。

 政府の道路整備中期計画は10年で59兆円としているが、27兆円でできるということだ。暫定税率を廃止して本則分の3兆円/年×10年=30兆円の財源があれば、それで十分なのである。

 ―政府与党は「2兆6,000億税収が減ると財源どうするんだ?」というが、そもそも要らないでしょ、というのが我々の主張です。



 1日、テレビが早朝のガソリンスタンドから生中継し「この店は25円安くなっています」などと伝えたことは、国民の関心の高さを示すものだろう。車を足代わりに使う地方の知人は買い控えをして、ガソリンの値段が下がる1日を待った。「もし再値上げをされたら、怒りは政府に向かう」と話す。

 自民党支配の最大のツールとも言えた道路建設。それを支えてきた暫定税率が、政局につながることは避けられそうにない。

(つづく)

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