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(P.1) 「無駄遣い許さずガソリン値下げを」が世論になった
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1,838億円投じた佐世保道路の効果は54秒の時間短縮
◆「無駄遣い許さずガソリン値下げを」が世論になった
ガソリン税に上乗せしていた暫定税率が31日で期限切れになったことで、今日、4月1日から、多くのガソリンスタンドで1リットルにつき20数円値下げされている。
暫定税率の期限切れが取り沙汰され始めた頃の世論調査では、暫定税率の廃止支持は、反対をほんのわずかに上回っている程度だった。
だが今や廃止支持は圧倒的になっている。道路財源を使っての「マッサージチェア」「豪華旅行」「タクシー代23億円」といった、とんでもない無駄使いが明らかになったことが大きい。
国交省のこうした実態を暴いたのが民主党内のプロジェクトチーム「ガソリン値下げ隊」だ。暫定税率が期限切れとなる3月31日、「値下げ隊」隊長の川内博史衆院議員に、今後の戦略を聞いた(Qは筆者の質問)。
民主党「ガソリン値下げ隊」隊長の川内博史議員
Q:「遊説隊」と呼ぶ人もいますが?
―遊説隊ではない。「ガソリン値下げ隊」は遊説隊ではなく、道路特定財源のさまざまな問題を調査研究し、国民の皆様に伝えてゆこうと作られた。そして調査研究の結果として、暫定税率は必要ないことがわかった。
道路整備の財源はガソリン税の本則による税収、3兆円だけで十分。さらには一般財源化し、地方の知事、市長に自由に使って頂くお金として住民ザービスの向上に務めて頂く。こうした趣旨で結成され、「ガソリン値下げ隊」という名前をつけた。
さまざまな所に出かけていって研究し、いろんな道路を調査、研究し、公益法人にも出かけて行って駐車場のこととか調べた。国交省管理の財団法人で利用者の少ない「駐車場整備推進機構」は解散に追い込むことができた。
この間の道路整備中期計画予算59兆円のずさんな実態。さらには公益法人への天下り、随契(随意契約)、マッサージチェア、旅行、アロマテラピー(などの不当支出)はすべて「ガソリン値下げ隊」が明らかにした。
Q:成果が大きいようですね。
―「こんなに無駄遣いしてるんだったら、ガソリン値下げしたほうがいいね」という国民世論を呼び起こした。今日までの成果。ただし政府は4月29日に再値上げをするとおっしゃってます。
Q:町村官房長官、谷垣政調会長は暫定税率を延長できるよう、衆院で再議決すると言っているが?
―暫定税率は延長させなかったので、4月1日から期限が切れた状態になる。政府が「暫定税率は廃止でもしかたない」というところまで闘うのが値下げ隊の本来の目標。
Q:再議決したら福田首相の問責決議を出しますか?
―それは党執行部が考えること。我々はさらに国民世論を喚起してゆく。この1ヶ月間、道路整備のありかたについて道路特定財源の使われ方について、さまざまな問題を掘り起こして国民の皆様に伝えた。「暫定税率は必要ないんですよ」ということをしっかりと理解して頂ければ、与党も政府も再議決など、とてもできないと観念するでしょう。