エレメンタルマスター /テクノソフト /メガドライブ /シューティング
「サンダーフォースV」でメガドライブ業界に確固たる地位を築いたテクノソフトの次回作として当時、注目を集めたゲームである。が、あんましウケんかった。評価は不当に低いといっても言いかもしれない。
端的に言えば「エレメンタルマスター」は縦スクロールの「サンダーフォース」だ。状況に応じて5つの武器とその超強化形態であるオーバーウェポン(ちょっとウソ)を使い分けてゲームを進める。
精霊王国「ローライル」を突如、襲った魔族の群れ。王国最強のエレメンタルマスター、ラディン(アンディ・ボガードにクリソツである)は魔族の王「骸羅王」の暗殺を決意する。だが、顔を見て仰天、骸羅王の正体はラディンの兄、ロキ(こいつはむしろ山崎に似てる)だったのだ。
兄貴に遊ばれてる間に、魔族の手により、大精霊は封印され魔法は使用できなくなり、ローライル国王は誘拐される始末(ちなみに国王はジジイである。こいつをさらって何をしようとしたのかが、このゲーム最大の謎である)。ラディンは責任を取るために、精霊の力に依らないフォトンバルカン(嘘)一丁で魔族に殴りこむ。
途中で仲間になった(勝手についてきた)妖精のニーネとともに、大精霊を解放してゆくラディン。が、決戦前に衝撃の事実を聞かされる。骸羅王とその腹心であるサロメには精霊魔法は通用しない。唯一、効果があるのはニーネの本性である「光の指輪」を媒介にして放つ最終兵器サンダーソード(大嘘)だけである。弾除けのオプションがなくなった事に多少の不安を覚えつつ、光の指輪を手にしてラディンは決戦の地へ赴く。というのが大体の話。
前後の撃ち分けとセミオートショット(タメ撃ちと非連打を両立させる手として当時は新鮮だった)、画面上を滑るように移動する自機。「TFV」のようなダイナミックな地形変化の演出はないが(簡単すぎるといわれるゆえんでもある)、一貫した流れの中での密度の濃い攻防は捨てたものではない。自機を包囲した敵群を上級魔法で一掃するカタルシスが「エレメンタルマスター」の醍醐味だ。「上級魔法のゲージが溜まるのが遅い」との批判もあるが、魔法なんてもんは機会を見切った上でここぞという時に使用するものよ。テクノソフトだからビジュアルとサウンドの出来はメガドライブでもトップクラスだ。
どーも、この業界、自機が人間のSTGは(出来不出来にかかわらず)ウケないというジンクスがあるような気がする。特に自機が地面を走るとその傾向が顕著だ。まぁ、なかには「新人類」のように弁護のしようもないのもあるが。
00/04/30 代
先日の朝日新聞に、「最近、パートやアルバイトの勤務時間を短縮させて、社会保険の加入枠から外す企業が増えている」との記事が掲載されていた。アルバイトを社会保険から脱退させれば、雇用主が折半で払っている保険の分の経費が削減できるというわけだ。コレに対し、記事は「労働条件の不利益変更にあたり、簡単にあきらめてはいけない」とまとめ、企業は「長時間労働による作業の非効率を防ぐため」とコメントしている。
……空虚だ。
経験から言わせてもらえば、この場合バイトにとって最も痛いのは、社会保険から外れる事などではなく、勤務時間が減らされることだ。。つーか、社会保険になど入りたくないのだ。健康保険はともかく、もらえるあてのない年金など誰が好んで払いたいものか。保険に入らずに長時間働けるのならば、雇用主、バイト双方にとってありがたい。問題は正社員の4分の3時間以上勤務しないと保険には入れないことではなく、4分の3以上働くと強制的に保険に加入させられることにある。
ようするに記事では、「てめーら若いヤツらから年金を取らねェと、オレら年寄りが食えねーじゃねぇか」という事が言いたいのであり、企業側にしても「たかだかバイトの分まで保険なんて払ってられっかよ」という本音がある。
この手の異なる立場の利害がものを言う主張(某中古撲滅キャンペーンとか同人誌の著作権侵害とかもそうだ)の場合、誰にでも見える本音があるにもかかわらず、白々しい建前だけを語ることが多い。本音を口にさえ出さなければ、その考え自体が存在しないとでも言いたげである。口に出せない理由も理解できるが、誰にでも読まれるような本音の隠し方では結局、自分の主張を納得させることなど出来ないと思うのだが。
00/04/29 代
カノソ /いつものところ /WIN95(同人) /アドベンチャー
聖地アキハバラのよろずパソコンショップ「あきばお〜」の階段に、「つまらない新作ゲームより、面白い同人ゲームを買おう」という身も蓋もないビラが貼ってある。確かに、グルメも過ぎれば悪食と変わらず、ファミレス風味の市販品に満足できなくなった我らゲテモノ喰いは、もはや未踏の領域を求めて地下に潜るしかない。そして、製作者の技術、二次創作の風習、規制のバランスなどから、おそらく現在が同人ゲームの黄金期と思われる。質はピンキリなれど、頂点に位置するものたちはその質、量ともに市販品を凌ぐ。で、今回は、その中の1つ「カノソ」の話。一応、書いとくけど、このゲームは「カノン」のパロディーな。
ネットでゲーム関係のネタを見ているような人には、もはや説明するまでもない「カノソ」だが、俺が元ネタを殆ど理解できた事を差っぴいても、久々にゲームやって大笑いできましたわ。
「ToHeart」の「既知街」などもそうだが、優れたパロディーには、元の作品に対しての愛情とある種の冷めた視線が同時に存在している。この2点を満たさずに、キャラクターをエロエロ絡ませる、あるいはグログロ殺してみても受け手に不快感を与えるだけだ。その不快感がたまらんという「オトナ」の人たちは、まぁいいとして。
「カノソ」は「思い出を壊す物語」と自ら銘打つだけあって、全編これ、えげつないやり取りのオンパレードだが、最終的にはオリジナルである「カノン」と同種の感動を受ける事が出来る。これは基本的なストーリーの流れがオリジナルのそれを踏襲しているからだけではなく、アレンジ部分のバランスが絶妙だからだ。ひとしきり笑って、要所で泣けるなら、エンターテインメントとして一級ではないの。
「…所詮…お話なんだから…バッドエンドで…いいじゃないですか…。安易な幸福を夢見て…そして、物語が生まれたんだと、私は思ってますから…。 ……ちょっと、かっこいいですよね」
かっこいいどころか、敵を作りそうな台詞だぞ。
「栞…」
「…はい?」
「俺は安易なハッピーエンドが見てみたいよ。今ここでありがちな場面が見たいんだ」
「デバカメ…するにも…私たち以外は誰も…いませんよ」
「いや、俺が…栞と、だよ」
「どうして…ですか…?」
「やっぱり、栞のことが好きだから」
ほれ、(元がわかってれば)ちゃんと泣ける。まぁ、この後、「中古で1980円のエロゲーのシナリオみたいだ」と続くんだが。
00/04/28 代
GUNばれ! ゲーム天国 /ジャレコ /プレイステーション /シューティング
もともと「ゲーム天国」といえば、48050点のジャレコ茄子を食いつないでいくスコアアタックで評価の高いSTGですが、かのようなまっとうなSTGとしての面白さ(だけ)を求める人はサターン版の前作を遊んでください。プレイステーション版の「GUNばれ! ゲーム天国」(以下、G天)には、極論すればSTGとしての面白さを求めてはいけません(遊べない代物というわけではない)。
そもそも「G天」は、コンシューマー面に代表されるように、コンピューターゲームのパロディーをゲーム自身で行っている作品であり、その展開がSTGのシステムで進むのも、「かつて、コンピューターゲームの代表的な存在であったが、衰退し、今や一部の好事家が支えているジャンル」の体裁を取ることで、ゲームのパロディーとオマージュとしての存在を際立たせるためと言えるでしょう。
「G天」の真価は、中間デモにあります。と言っても「有名声優によるデモが云々」ではなく(ないよりあった方がいいし,無名よりは有名の方が価値があるだろうが)、「ゲーム天国」のデモが毎回、「プレイヤーとゲームが、いかに付き合うか」というテーマを描いているからです。
敵キャラであるジーニアス山田のバカバカしい言動の裏に隠された、「毎日、毎日、星のような数のゲームが、造られ、売られ、捨てられていく。消費され続けていくゲームに対して今のままで良いのか?」という問題に、「G天」では「それでもゲームが好きなの」と応えます。
はっきり言って、答えになっていないし、開き直っただけのようにも見えます。が、他人に対し、自分が好きなものを好きとためらわずに言い切れる姿勢。美しいですね。
……美少女が言ってるからな! これが滑舌のまわらない体脂肪エリートの台詞だったら、様になんめぇーよ!(メルヘン、だいなし)
00/04/27 代
ブシドーブレード弐 /スクウェア /プレイステーション /アクション
数あるチャンバラ系格ゲーの中で、なぜにブシドーブレードなのかというと、大真面目に武士道を語っているということと、黒蓮の声が井上真樹夫だからである(意味不明)。
最初のブシドーブレード(以下ブブ壱)では、えげつないことをして勝った場合、武士道に反しているということで強制終了してしまうことがあったが、ブシドーブレード弐(以下ブブ弐)では、えげつないことをしないと勝てない奴がいるのが潔くない。
しかし、ブブ弐になって良くなったこともある。それは、決戦モードで走る必要がなくなったので転倒に気をつけなくてもよくなったことと、風閂と辰美が美しくなったことだ(強くなったとか言えよ>自分)。ブブ壱でただのゴツい兄ちゃんだった風閂が、ブブ弐のOPで登場してにやりと笑った時の美しさと言ったら、「2学期の始業式で同じクラスの女の子が茶髪になって妙に色気づいていたのを発見した……」時の衝撃に似ている。さらに、ブブ壱より使えるキャラになって、脳天割りでさくさく勝てるのも魅力だ。嫌なことがあったら、ブロードソードで風閂。肴に鱈チーズがあると最高だ。
美形キャラといえば、新キャラの寒雲もよい。バランス型で美形で無口で白髪で無表情キャラ。かつてのエヴァンゲリオンブームの痕跡を感じずにはいられない。寒雲ではいかにエレガントに勝つかが問題になってくる(本当か?)。 あえて、サザンカやトニー梅田にエレガントさを求めるのもいいかもしれない。
ゲームの内容については、キャラによっては(特に松虫)剣を振り下ろした時の軸がかなりずれる場合があるので、相手の軸と自分の軸を考えて攻撃を出すのが少々面倒くさい。
ちなみに、キャラクターの動きはJACが担当しているので、戦闘中の動きや会話中のキャラの動きが、どことなく東映特撮チックに見えるところが戦隊ファンにはたまらない(笑)。
00/04/26 フォルクローレ・綾
NYポストだかなんだか経由で源典がはっきりしないけど、なんかローマ法王庁がポケモンを「すばらしいアイデアと物語」と褒め称えたという記事が載ってました。
ジャパニーズクソオタクデカルチャーもここまで来たか、というよりも、結局悪魔主義(ってわけじゃないけど)のD&DやらMTGやらの市場を崩壊せしめたポケモンの戦果を褒め称えているんでしょうね。今じゃMTGの工場もポケモンカードの生産にふりわけられちゃってるし。
なんかイタリアでもポケモン人気みたいだし、正教に抵抗するために蛮族に帝位をくれてやって以来、ローマ法王庁の伝統となった「強くて信仰に関係ない野蛮人は尊大に誉めて手下にする」やつなんだろうなあ、とか思ってみたり。
どっちも嫌な観方ですが、でもポケモンの名前全部暗誦できる枢機卿とか居るほうが嫌だよな。
ケベック政府がフランス語版出せとバンダイを脅したり、卍をナチズムだとユダヤの団体が非難したり、それに宮台真司が噛み付いたりとしたあとでは、そんな日寄った意見聞いてももういまさらって感じではあります。
ユダヤ教かカソリックかだったと思うけど、電子メールとインターネットを全面禁止したそうですな。ラビに問い合わせメールが殺到して論争が高速でヒートアップするのでさばき切れなくなったそうな。
こないだイスラエル人技師と飯食ったときによっぽど聞こうと思ったけど、兵役帰りの古強者だったのでさすがに聞けませんでした。あれ、でもあの人エビチリばくばく食ってたなあ……(ユダヤ教徒は鱗のない魚を食べてはいけません)。
結局人間の営みはそーゆー速度にはついていけないんだなあ、というのは星新一とかが書きそうな60年代SFの世界のお話で、宗教・道徳・社会通念が、川の上に積もって固まった雪の底のように、すさまじい速さで流れる水に削られて空洞化して新しい世界が生まれていくんでしょうね。
と、今日になっていまさら「キリンヤガ」を読み通したあとで思うわけです。
ところで書いてて思ったけど、テレビ東京のすさまじい倫理規制が、結果としてお堅いカソリックにも受け入れられる倫理的で楽しい作品を生み出せたのかもしれない。
主人公も、手のひらを見つめながら「最低だ、俺って」ってつぶやいたりしないし(笑)。
00/04/25 ちびくろ参謀
レイクライシス /タイトー /プレイステーション /シューティング
90年代のコンピューターゲームにおいて、最も優れたアイデアの1つが「レイフォース」の『ロックオンレーザー』である事は疑う余地がないだろう。複数の目標を1度に、あるいは1つの目標に対して集中的に照準を定め、美しい弧を描いてビームが飛んでゆく。その光の軌跡は従来のホーミング弾やフライトシミュレーターのロックオンとは全く次元の異なる快感をプレイヤーに与える。さらにロック数に応じた得点倍率の上昇。このアイデアは閉塞したSTGに斬新な刺激を与え、以後のさまざまな得点システムの先駆けになった。そして複数ロックと得点倍率はSTG以外のジャンルのゲームにも姿を変えながら、取り入れられていった。
アレから6年が経ち、「RAY」シリーズ完結編(もう作れないから最後というのは、完結とは言わないと思うが)である「レイクライシス」が発売された。が、世の評判は6年前とは違う。雑誌では概ね酷評。「レイストーム」の時からは想像できない。 「RAY」シリーズである。ロックオンの感覚には一分の揺るぎもない。画面は相変わらず美しく演出も極上。だが、もうダメなのだろうか? 「魔力」にも賞味期限がある?
たしかに「レイクライシス」は成功作とは言いがたい。ゲームの寿命と回転率を伸ばすためのマップ選択は完全に逆効果。建前は全6面だが、実質的には3面。しかも各面が短い上に全体のメリハリを欠く。敵配置がランダムでは、スコアアタックでのフェアな勝負ができない。各ボスのアクションは面白いが中型機動兵器だけではバリエーションに乏しい。ゼノビアとアラリックしかいない「レイストーム」のようだ。しかも、うち2機はバージョン違いである。結果的に、全面を通してプレイするモードの登場となる。コンシューマーオリジナルと言えば聞こえはいいが、それはアーケード版のウリを自ら否定した事だ。
ストーリーは、前2作を同時間軸上に置こうとしてか矛盾が生じ、しかも説明不足。取説の日本語的におかしいあらすじを読むとやる気を疑わざるをえない。ゲームを買った者がみな、サントラCDを持っているとは限らないのだ。
ついでに、「レイストーム」の欠点であった操作性の悪さと弾の見切り辛さは相変わらず、つーか悪化している。
正直、「この出来ならば、あの評価でも致し方なし」と思ってプレイした。ところが、インフィニティを倒し、エンディングを見た時、不覚にも涙が出そうになった。「レイクライシス」単品の魅力ゆえにではない。無意味なノスタルジーだと言う事もわかってる。それでもゲーセンで見た時とは違い、きちんとBGMが聴こえ、そしてサントラには収録されていないナレーションが流れた時、こみあげてきた感動は、嘘じゃない。
魔力の賞味期限は、まだ切れてない。
00/04/23 代
エア・グレイヴ /サントス /プレイステーション /シューティング
PS幼年期に出た縦スクロールSTG。その当時、サターンに比べてPSにはろくなSTGが無かったので、かなり目新しかった。だが、PSでもSTGが充実してくると、このゲームのありがた味も薄れ、その存在も忘れ去られるようになった。
実際このゲーム、横画面なのに何の対応策もしてないので覚えゲーになっているとか、点数システムが解り辛いとかといった、欠点もある。特に二人同時プレイがないのはかなりつらい。
だがそういった欠点があるにしても、良くできたSTGである。特に「大空を飛んでいる」解放感と、「戦場にいる」緊張感を両立させている点が大きい。この一見矛盾する感覚を、グラフィックや、アルゴリズムなどの各要素が協力して満たしている。メロディアスでありながら、ハイテンポなBGMなどはその代表だろう。また、システムの売りである「エイミングファイア」は明らかに『レイストーム』の影響を受けているが、『レイストーム』が視覚的な美しさを目的にしたのに対しこのゲームでは、スピード感を出すために使っている。全てにおいてポリシーが感じられて、とても好感が持てる。
このように純粋にSTGとしてもできの良いゲームだが、この作品の真の魅力は、ストーリーにあると言うべきだろう。
このゲームには性能の異なる四つの機体が用意され、それぞれの機体に対応した四人のパイロットがいる。パイロット達は皆、個性的でそれぞれに対応した中間デモとエンディングでその魅力が語られる。そしてこの四機を全てクリアしたとき、プレイヤーは全体として一つのドラマを見終わるのである(と同時に隠し機体が使えるようになる)。
このようなストーリーを持つSTG(あるいはACT)はえてして、ストーリー部分とゲーム部分が剥離した状態になるが、このゲームではSTG中に流れるセリフの存在がそれを避けている。特に6面冒頭の会話は白眉だ。
……敵、空中要塞に強襲された西部方面軍。その母艦からの状況報告は段々悲鳴のようになり、ついには途切れる。こちらの母艦の通信士が必死で呼びかけるが返事はなく、彼女の消沈した声でその事実を伝えられた艦長は、感情を交えない声で生存者の救出を指示する……。
この一分足らずの会話はプレイヤーに戦場にいる事を痛感させ、戦っている理由を再確認させる。この一例だけを見ても、このゲームがしっかりしたストーリーを持っているだけでなく、それをきちんと演出している事が解る。
さて、このゲームのストーリーは巨大企業の私設軍と国際機関の戦闘機乗り達が戦う話だが、道具立てに新型戦闘機のために軍に作られた少女や、戦闘機を操縦するAI、空中戦艦などがあり、『エースコンバット3』と重なる部分が多い。しかし『エースコンバット3』が話を大きくしすぎて収集がつけられず、結果的に後味の悪い話になってしまったのに対し、この『エア・グレイヴ』は話のまとまりが良く、基本的にハッピーエンドなので、ストーリーが終わった後の気分が良い。また、『キガウィング』なども四人の主人公がいるSTGというあたりで共通項があるが、人物どうしの人間関係を深く描いている点で『エア・グレイヴ』の方が勝っているだろう。異見もあるだろうが、これらのことからこの『エア・グレイヴ』を現状で最高のストーリー・シューティングゲームと言いたい。
00/04/22 東
自然消滅した「悪書刊行会リレーエッセイ」の企画を復活させます。概要は、
・持ち回りで、なんか記事を書く
・分量は原稿用紙2〜4枚程度を目安(別に制限ではない)
・ネタはいまのところ自由
・2週間サイクルで原稿を書くこと
本当は1週間サイクルにしたかった(コレなら毎日更新できる)が、無理はしないのがうちのモットーだから2週間にします。ネタはうちにのっける以上、トップページに書いてある趣旨にのっとったゲームレヴューが1番ありがたいのですが制限はかけません。
さらに、各人の締め切りまでのタイムリミットを「毎日」掲示板で告知します。締め切り破りには、そうですね、遅れている日数に応じた称号を原稿を出すまで強制的に与える事にしますか。(例、ナメクジ以下の××)
ちなみにあの時、企画会議にいた連中には拒否権はありません。みんな、首を縦に振ったんだから。新規参加希望や1回限りの乱入も大歓迎。できれば、参謀閣下や茨木つくば先生にも原稿を書いて欲しいですね。
とにかく俺が管理する以上、俺はゲシュタポのように原稿を狩るぜ。
というところで、どうよ?
00/04/21 代
サンダーフォースV /テクノソフト /メガドライブ /シューティング
このサイトは、Chonさんのページ「Overkill 1024」のゲーム別館であるが、個人的にはテクノソフトのファンサイトでもある。小説も置いてあるし。(注、こういう行為を世間では「恩を仇で返す」といいます) まぁ、こんなところを好き好んで見に来きてくださるような方にはいまさら説明不用だと思うが、一応モトネタ解説を行う事にしよう。
謎の機械化兵団オーン帝国と、銀河連邦の戦いは既に100年目を越え、ついに千秋楽を迎えつつあった。帝国の圧倒的物量に追い詰められた銀河連邦はオーン帝国皇帝、超巨大コンピューター「カウ・ス」の暗殺を画策する。が、そのためには、亜空間に潜むオーン帝星を通常空間に引きずり出さねばならない。亜空間転移システムはオーン恒星系の5つの惑星に設置されているが、それらは無人防衛システム「ケルベロス」の鉄壁の護りの内にある。
この状況を打破するため銀河連邦は、「ケルベロスシステムに感知されないほど小型、かつ戦艦を凌駕する大火力を持つ高機動戦闘機」という「世間様をなめんのもたいがいにしやがれ」と言わんばかりの代物を、根性で開発してしまう。すなわち、「ファイアーレオ3、ステュクス」である。そのパイロットとして連邦のマザーコンピューターが選んだのは、ダイラデイザー攻略戦(TFT)の英雄エイドラの孫にして、連邦軍NO.1の誉れも高い天才パイロット、ジーン・R・ファーン、そして、プレアレオース破壊作戦(TFU)の英雄ライドとディアナの娘であり。IQ300オーバーの天才美少女、シェリー・M・ジュピターという「俺は産まれた時から暗殺者だった(Byケンシロウ)」2人であった。
ジーンとシェリーはステュクスを駆り、オーン恒星系を次々と攻略、ついに帝星を土俵の上に引きずり出す。帝星防御のために戻ってきたケルベロスも粉砕し(ということは銀河連邦全艦隊より、ステュクス1機の方が強い?)、帝星内部に殴りこみ。急ぎ働きで皇帝の首をゲットする。
90年度メガドライブSTGの東の横綱である。その特徴はベストバランス。状況に応じた武器の使い分けをもっとも完成させたSTGといえる。「用意された武装を全て使用する」と「『使えん』武装がない」ことを両立させている稀有なSTGだ。ストーリー、ゲーム双方の展開は王道の極みである。いわゆる「覚えゲー」と言われているが、頭ではなく体で自然と覚えるタイプなので苦行にはならない。その証拠に、他のゲームは数ヶ月ほったらかしにすると勘を取り戻すまでかなり苦労するが、「TFV」はいつやってもノーコンティニューでクリアできる。高いとされる難易度も、客観的に見て誰でもクリアできるレベルだ。あらゆる面から隙のない横スクロールSTGと言えよう。
「TFV」は前作から欠点を取り除き、「対オーン帝国編」の最終章(ちょっと違うが、それについては「W」の時に)として完成されたゲームだった。だったが、サターンで復活した時、「TFV」は別の顔を持つ事になる。メガドライブの時にはなかった「蒼い雷」というイメージでの統一。「X」に連なるこの作品イメージの起点になるゲームとしての位置付け。いわば、「TFV」は「対オーン帝国完結編」であり、「対ガーディアン序章」でもあるのだ。
終わりにして、始まりのシューティングゲーム、それが「サンダーフォースV」。
00/04/20 代
ページを公開して2日目。Chonさんから、ありがたいレポートが報告された。うちのページはネスケを使って見ると表示がガタガタになるのだ。 で、さっそくネスケをインストールして試してみたが……。
はっはっはっ、これはひどい! 1枚だけ各所に固定していた背景画像は繰り返しになっているし、フォントの大きさや位置、行間はIEとは大違い。フレームで割ってあるリンクバーは半分沈んでるし、なにより画像とテキストが重なってつぶれている。
仕方がないから、背景などブラウザの仕様上いかんともしがたい部分はあきらめて、画像とテキストのダブリを何とかすべく、しばらくタグをいじってみたがさっぱりわからん。何が問題って、全く同じような構成なのに、きちんと表示されるページとされないページがあるのだ。しかも妙なレイアウトをやっているところではなく、単純にIMG SRCで画像を貼っているだけの部分で異常が出る。かろうじてテキストが読める状態にはしたものの、かなり怪しいのが現状だ。
というわけなので、うちのページはネスケ非対応、IE4.0以降必須をあらためて宣言します。独占でもなんでもいいから、早いとこ、こういう無駄な努力をしなくてもいいようにしてくれ。
00/04/18 代
それがしとは、もはや約10年に渡る腐れ縁の東氏による、前節の問題アニメ番組「無限のリヴァイアス」の批評なのだが、けっこうな長文のため別枠とします。
こちらからどうぞ。
まずは人名・用語解説
ついで批評本文
しかし、これでNARUKAMI、茨木つくば両氏に原稿を書かせれば、「ゆうしの集い」(かつて悪書刊行会が発行していた不定期刊行物。会員同士の内紛が原因で廃刊になった)WEBバージョンだな。
00/04/14 東
カノン /キィ /WIN95(18禁) /アドベンチャー
ChonさんにCDを焼……、いえいえなんでもありませんよ、ほほほ。ゲームを入手してからはや、10ヶ月。なんとかストーブを出しているうちにケリをつけようと思い立ち、(かなりギリギリではあったが)めでたく終了した。
しかし、すごいゲームだね、こりゃ。顔と名前があるキャラクター10人(1人は野郎)のうち、手首を切った経験があるのが2人。切腹も含めれば、自殺未遂3人。…いや、待てよ。舞は腹を切ったんじゃなくて、一番ダメージのでかい必殺技「不惑」で最後の勝負に出たのか。まぁ、このバクチは外れたんだが。(というネタはよくあるようだ。どうやら舞イコール吉光というのはメジャーな考えらしい)
他にも、シナリオの核に肉親の死が絡む奴が7人。なんかチングラの「転校した先で食った女が12人」とためをはるのぅ。
ようするに「細かいことは突っ込んじゃダメ」な訳だ。 はて? 「いろいろとツッコミどころはあるが、それは置いといて。 絶妙のタイミングで挿入される絵と音による効果的な演出で、有無を言わせず感動を誘導する」、この感じはどこかで…。 はっ、これは「タイトーのSTG」! そ〜か、「カノン」はシューティングだったのかぁ!(飛躍しすぎ)
さっき、ツッコミ無用とは言ったが、コレだけは言わせてくれ。「祐一君。きみ、物忘れひどすぎーっ。結局、ほとんどオメーが悪いんじゃねーか!」 あと、なにゆえこのゲーム、「カノン」って言うの?
00/04/13 代
アインハンダー /スクウェア /プレイステーション /シューティング
(某パソコンチェーン店々店内放送のように無気力な棒読みで)
「みんなーっ、シューティングゲーム遊んでるぅ?」 『いぇ〜い!』 「でも、どんなゲームなら面白いのかわかるぅ?」 『えぇーっ、わかぁんな〜い』 「そんな時は、コレっ!」 と言うわけで「アインハンダー」です。
世に「見た目3D、中身2D」の横スクロールSTGといえば「サンダーフォースX」、「Gダライアス」、「Rタイプ凵v、そして、この「アインハンダー」などがありますが、この内で唯一、名作扱いされていないのが本作であります。スクウェアの力をもってしてもSTGを売る事はできなかったのか、スクウェアが作ったからこうなったのかは謎ですが。スクウェアならではの高い映像表現力、それなりに魅力的な設定群、豊富な武器、合体分離メカ、巨大人型兵器、時間制限付追撃戦、量産型自機との決斗などなど。な〜んか面白そうに見えんのにねぇ。
ところが、何故にこのゲームの評判が芳しくないかというと、それはひとえに「STGの基本的なところがなってないから」という事に尽きます。すなわち、「アインハンダー」を遊んで、駄目な所を分析すれば「STGの面白さ」の一端がおのずと見えてくるのでござるよ。
「アインハンダー」の欠点は、プレイヤーに与えたストレスを解消させる場が少ない事にあります。自機の挙動は「飛ぶ」ではなく「浮く」ような印象をプレイヤーに与え、自機の大きさと敵弾の見にくさから弾除けは至難。発射着弾の双方において弾のエフェクトは視聴覚いずれの点からも貧弱。爆発エフェクトがせこいからリアルタイムでの手応えがない。展開に緩急がないから興奮度に推移がなくダラダラとしたプレイになる。つまり、こういうところがしっかりと作りこんであるSTGを買えば、いいわけですね。経験から言えば、パッケージを見た時に(特に敵)弾のグラフィックがせこいSTGは、たいてい外れですわ。
しかーし、「アインハンダー」には、これらの欠点を逆手に取った「アインハンダー」なりの醍醐味ちゅうもんがあります。それは「相手と真正面から向き合って、お互い1歩も動かずに拳銃で撃ち合っているような緊張感」です。駆け引きもへったくれもなく、先に敵に当てた方が勝つ、というシンプルなスリルは、コレはコレで味わい深いもんがあります。また、「操作が忙しいアクションゲームとして割り切れば、それなりに面白い」などの評もあり、値段が下がった今ならお買い得の1本と言えないこともないでしょう、多分。いや、見どころは結構多いでござるよ。あとは、もちっと萌える展開ならよかったのに。だから、6面のムービーをエンディングにしとけばよかったんだよ。
00/04/09 代
メリケン産のロボットアニメ映画「アイアンジャイアント」が(うちの近所ではないが)公開される。この映画、なかなかオモロイらしく、あちこちの雑誌で好評の声を読んだ。が、ちょいとばっかし気になる事があったので今回はこいつについて考えてみた。つまり、「アイアンジャイアント」ではなく、「アイアンジャイアントの感想」について、である。
この映画の感想、つーとたいがい、「ディズニ―のマーケティングに裏打ちされた大仰さも、宮崎アニメの説教くささも、日本オタクアニメの排他的な暴走もなく、古きよき東映動画のアニメ映画のように、少年の夢と空想を素直に表現する手法としてのアニメーションである。日ごろのすさんだ心が癒されるようだ」あたりになるらしい。
で、まず思ったのは、結局「アニメーション」という映像の作成手法は、ガキの清く正しい空想を表現する手法としてしか、正しい使用法として認識されんのじゃな、つー事だ。「ガキの夢」以外の使い道を模索してきたのが日本アニメの進化の理由だと思っていたが、どうやら、やはりアニメーションはガキのものらしい。日頃、ひねた生活ばかり送ってる人間が、たまに直球勝負を目にして感動するのは勝手だが、下手すると自分を否定しかねない要素を含むものを簡単にありがたがんなよ。ただ、コナミの小島カントクが「ありゃ、パンピーじゃなく、オタクが観て喜ぶ映画だ」といっていたのは新鮮であった。たまには正しい事も言うね、この人。
そして、うけるネタの方向性が再び転換を始めたようだという事。90年代頭は理屈よりもノリや勢いを重視して直球を投げることが正義とされてきたが、やがてそれが廃れ、要素の記号化や必要以上の理論武装で物語を固める方向へと推移していった。が、いいかげんそういうのにもみんな飽きがきはじめたようだ。ネタが行きつく所までいったので1001夜目に、原点に帰ってきたらしい。
00/04/08 代
前々から話には出ていた、ドリームキャストを使って、インターネットでメガドライブやPCエンジンのゲームを配信する計画が5月から始まるそうだ。
いろいろと料金形態など諸説あったが、結果的には1泊2日150円というレンタル制度に決定した。
セコい、セコすぎるッ!
しかも本体電源を切ったら、期間内でも(ただとはいえ)再ダウンロードせねばならぬ。RPGなら1日2時間遊んでクリアまで40時間かかるとして、だいたい3000円(電話代別)。中古探すわ、普通。
夢滓以降のセガの方針はとにかく「慌てる乞食は貰いが少ない」の一言に尽きる。同じ事をやるのでも少しアプローチを変えるだけで客の印象が全然違うっつーことがわかってねぇ。ハドソンでは「ネクタリス」をロハでばらまいてんだぜ。いくら夢滓の貧弱なビジュアルメモリではゲームのダウンロードができない、つっても、客に「昔のゲームを遊ばせてやる」つースタンスでは成功するものも上手くいかんワイ。
ついでにいうなら、ソフトウェア連射も無かった頃のアクションやシューティングは夢滓のパッドでは、まともに遊べんわ。なんせあのパッドはサポートの統計によれば、サターンのパッドの30倍(ということは恐らくメガドライブのパッドとでは、さらに×数倍)ぶっ壊れやすいのであるからして。
00/04/07 代
スカルファング /データイースト /サターン /シューティング
デコの佳作STG「空牙」シリーズの完結編である。ホントは違うけど、そういう事にしちまえ。どうせ、もう出ないだろうし(泣)。やっぱし巷の評判は、あんましよくない。つーより、見た事無い人が多いんでないか。
じゃがのぉ、もともと「空牙」ちゅうのは、STGとしての完成度より90年度アーケードゲーム最高のBGMで名を売ったゲーム。その音曲を正しく継承しているだけで買いなのでござるよ。「スカルファング(以下、骸牙)」はゲーマデリックの音楽を聴くゲームなんじゃよ。文句言っちゃいかん。逆に言っちゃあ「VAPOR TRAIL」になんの思い入れも無い人には一生、よさが解りません。
システムは「空牙」の「ショット、特殊機動、強化パーツ」に加え、スロットルによって画面スクロールスピードを調節するチェイスシューティング。ゆえに「骸牙」の真価は、5速マニュアルかつ縦画面モードでなければ味わえん。極めればボスキャラの後方、敵は弾を撃ってこないが、こっちの弾は当たるポジションに陣取って、無抵抗の敵を殴り放題というシチュエーションに持ち込む事も不可能ではないのよ。全部のボスでできるわけじゃないんだけどな。
ステージ道中は殆ど常に高速スクロール状態なので、(特に山の横を飛ぶあたりで)単機での敵陣突破という雰囲気がよく味わえる。まぁ、浮遊機雷群に正面から突っ込んでどうするとか、たしか迎撃任務だったはずみたいな細かい事は気にしちゃダメだ。
「空牙」名物の女オペレーターも健在だ。「骸牙」では2人に増え、これがなかなかレベルが高い。しかも片方は眼鏡ッ娘だ。メガドライブ版「空牙」でのオペレーターの整形に泣いた奴もこれで安心だ。
さぁ、君もパイロットと一緒に叫べ!
「エンジン、回せぇ―っ!」
00/04/06 代
重装機兵レイノス2 /メサイヤ /サターン /アクション
ロボゲーの金字塔「重装機兵シリーズ」の最終作である。(あぁ、ヴァルケン2? ありゃ、なんか違うだろ。) とは言え、巷ではえらく評判が悪い。その理由をまとめると、「ストーリー演出がなってない」「ゲームバランスがなってない」の2つに集約されるようだ。
バランスについてはともかく(状況に応じた武装を取捨選択する気も無く、また、救済処置としての強力武装にケチをつけるような連中とは話ができん)、演出において脆弱なのは否定できない。ストーリー消化のためにあと1面は必要だったし、「ヴァルケン」のラストの様なたたみかける盛り上がりは無い。だから「レイノス2」は断じて「名作」ではない。しかし、「レイノス2」は「ヴァルケン」の続編ではないのだ。
「レイノス2」は戦場を突破するゲームだ。敵の勢力圏内は常に激戦状態で攻撃は止まない。無駄に足を止めていたら、あっという間に装甲を削りきられてしまう。だから動く。ダッシュやジャンプを駆使してフィールドを駆ける。敵弾が、自機が一瞬前にいた空間を撃つ時には、自機は敵の死角へ身を躍らせている。オートエイミング(ホーミングやロックオンではない。あくまで狙いをつけるだけだ)によって、射線上に敵を捉えて、あとは撃つ。プレイヤー自身が行わねばならない操作とコンピューターに肩代わりさせている操作の適度なさじ加減が、ロボットアニメのエースパイロットの戦闘を連想させる。「レイノス2」はストーリーやデモではなく、ゲーム内のアクションによって、直接ロボットアニメの醍醐味を体感させるのだ。
「レイノス」から7年が経ち、帰ってきた戦場には前作にはなかったスピードと重さが溢れていた。だが、わかりやすいドラマを前面に押し出した傍流の印象が強すぎた結果、別の進化の正統性が評価されていないのは不幸な事だ。
圧倒的な戦力差をものともせず、敵陣を中央突破。もう何匹目かも憶えていない獲物を片付けた時、部下からの通信が入る。
「相変わらずしびれる腕だねぇ、カイル君」
「ふっ、なんなら教えてやろうか?」
これが「レイノス2」だ。
00/04/05 代
なんとなく日本放送協会の新番組「プロジェクトX」の第1回『VHS開発顛末記』を見てしまった。
当時、業界8位のビクターにおいてお荷物扱いであったVTR事業部に追いやられた窓際サラリーマンたちが、家庭用VTRを独力で開発、全てにおいて先を行かれていたソニーのβマックスを叩きのめして世界標準規格の座を手にする執念の一大逆転ドラマであった。で、あったのだが…… 、
クビ切りをやらずに偉業を成し遂げたのはいいんだが、「プロジェクトを続行するため、本社には嘘を報告」、「下請けの工場を確保するために、酒と人情で押す接待を行う」、「プロジェクトが失敗した時のせめての手向けとして、盆栽を職員全員分用意する部長」等々。じつに、70年代ニッポン社会的だ。
番組としては、昨今の「リストラ上等」つう世風に対する1つのアンチテーゼの意味合いもあったんだろうが、こういう浪花節的なやり方が通用しなくなったから今の不況があるわけで、「昔こんな事があってぇな」という懐古でしかないというのが正直なところであった。
ちなみに、あくまで規格開発の話だったので、VHS勝利の鍵の1つアダルトビデオのことは全くでなかったわい。
00/04/04 代
ザンファイン /サクセス /プレイステーション /シューティング
例の1500円シリーズちゅう奴は、だいたい内容も1500円なのが特徴なのだが、こいつは違う! このクオリティでこの値段なら充分もとが取れる。キャーッ、なんて太っ腹なのかしら! ……同人なら同じ値段で「神威」や「ウイザーズスター」が買えるのだが、それはさておき。
製作は「サクセス」。近年では「ガーディアンフォース」、「サイヴァリア」等を擁し(「レイン某コットン」? はぁ〜? 聞こぇんなぁ)、毎回新ネタの投入を欠かさない、事実上のNo.1シューティングメーカーである(言い過ぎ)。
まず、画面デザインのセンスのよさが特筆される。巷で「CooL」と評される、記号を前面に押し出した無機的な画面構成と「エヴァンゲ」あたりからの文字の形から直接受ける印象をそのまま演出に用いる手法(STG的には「蒼穹紅蓮隊」からテクノソフトのSTG群を経て「レイクライシス」に至る一連のアレ)を上手く活用している。つーか、それしかない。
そして偽タイトー的なストーリー。 「小惑星帯のスペースコロニーの物語。(略)4Typeの制御ユニット、特殊強化人間(略)そして、理想郷から逃げる者達。我らである。」 萌える。本家がなくしてしまったシューティング的萌えがある。サイドストーリーを書きたくなるし、いっそファンサイトでも作ったろか、などと悪い病気が頭をもたげる。
システムは制限時間内にフロアを制圧していく陣取りタイムアタック。但し、スコアの取得と時間回復は中ボス以上のフロアでのみ行われ、自機の火力は現フロアに隣接する既制圧フロアの数に比例するので、攻略の順序が(難易度によるが)肝要になる。
自機は、厳密には9タイプだが、概ね「拡散」「格闘」「火力」の3タイプであり、各タイプによって全く異なるゲーム性を持つ。「拡散」型は基本であり、弾を撃ちながらエリア内を自由に動き回る。「格闘」型は自機正面に構えた回転衝角による特攻を決め技とするため、常に敵に対し正対し、敵の攻撃を大回りではなく、最小限の動作で回避する必要がある。そして「火力」型は最強の攻撃力と機動力を誇るも、攻撃の際の反動が尋常ではなく、無駄弾を撃っていたのでは敵を捉える事すらできない。正確な旋回とピンポイントの射撃が要求される。
3タイプのうち最も「ザンファイン」らしさが発揮されるのは「火力」型だ。雑魚ならば一撃、ラスボスですら特殊ショットで2発という脅威の破壊力。暴れ馬をどう御するか。敵と自分の挙動を読みきれるか。己の技量が、時間という絶対的な基準の中で試される。「瞬殺」という要素の本当の意味と、その快楽。3年前に「あの」ゲームが教えてくれた切れ味が、自分の中に帰ってきた。たぶん5800円でも即日買いをしていただろう。
余談、起動時に(おそらく)ランダムで表示される絵の中にギャル絵がある。「ガーディアンフォース」の皇帝(ニセモノ)といい、無意味な1点萌えが好きだね。いいぞ、もっとやれ。
00/04/04 代
異神伝心 /グラフィックス /WIN95(18禁) /シューティング
いや〜、好いゲームですよ、「異神伝心」。なんつったって、メーカーからお中元を貰ったのは初めてっすから、しかもワイン。酒というよりはジュースでしたが、拙者は普段、殆ど酒を飲まんから気にせず頂きました。ユーザーサポートの電話応対も丁寧で、
「お忙しいところ、申し訳ありませんが……」
(にこやかに即答)「いえいえ、そんなことはありませんよ」
『安心のサポート体制』などとパッケージに謳っておきながら、さっぱり電話に出ない某メーカーとは大違いでござる。次回作の「KAIGA」も、多分購入するから、早く製作してください。
さて肝心のゲーム内容ですが、主人公(男)の自機が相棒(女)の僚機を引っ張るSTGです。当然、どちらにも当たり判定があります。敵の弾の10発や20発には平気で耐えますが、体当たりを一度でも喰らうと(まず)ゲームオーバーです。敵や敵弾は基本的に自機に向かって飛んできます。必然的に「我が身を盾に相棒(ヒロイン)を守りつつ、かすり傷など目もくれずに敵を蹴散らしていくが、致命的な攻撃は一切受けない」ゲーム展開になります。おぉっ、なんと男らしいシューティング! しかもエロゲー。戦闘の果てに芽生える愛。素薔薇しいッ! ……ジツハ自機より僚機の方が火力があるので「逃げ回っているオレの後ろの敵機を彼女に何とかしてもらう」ようにも見えるのですが。
またボンバー制度が導入されていますが、他のゲームの様に「緊急回避」や「大火力マップ兵器」としては使えません。システム上(ボンバーを撃つとショットレベルが下がる 且つ ショットレベルは敵弾を吸収してあげる 且つ 勝利のためにはショットは常に最強状態でなければならぬ)、使用可能ポイントが限定されるので、あたかも「マラソンの給水」の如く、自機のコンディション維持のためにボンバーを利用します。
弾に対する頑強さと敵に対する貧弱さ。(火力が)軟弱なボウヤと強力な彼女。幾つかの相反する要素を絶妙のバランスで1つにまとめつつ、ワイプアウトを狙う、1999年度最高(裏部門ではあるが)STG。情熱と(性?)本能は熱く激しく、思考と操る指先は冷たく鋭く。シューティングは、こうじゃなくっちゃね。
00/04/03 代
過日、知人との会話。
「あのよ、『ガンダム』でシャアがセイラにくれてやった金塊ってどうなったんだ?」
「ホワイトベースのクルーで分けたんじゃないのか」
「ブライトが一人一人にこっそりと『はっはっはっ、××。君はよくやってくれているから特別ボーナスをあげよう。でもみんなには内緒だぞ』て言って金塊を配ったのか? それとも『信長の野望』の施しみたいに、チャリンチャリーンとブリッジで艦長席からばらまいたのか?」
「うーむ」
「でなければ『みんな、ここに金塊がある。ア・バオア・クーの作戦が終わったら山分けしよう』つう話になっていて、艦の中にしまって置いたんだが、結局『あぁ〜、ホワイトベースが沈む……』ってオチになるとか」
「いや、きっとレビル将軍に預かってもらったんだが、ソーラーレイで将軍と一緒に蒸発しちまったんだ」
「なるほど。だからニュータイプの勘でそれを察知したアムロが、『あれは悪魔の光だぁー! 光らせてはいけないんだぁ!』とわめくんだな」
結論、どうやら金塊は貰えなかったようだ。
00/04/02 代
ストライダー飛竜2 /カプコン /プレイステーション /アクション
コンピューターゲームからアクションというジャンルが死に絶えて、はや数年(時々思い出したようにリリースされるような状態をジャンルとは言わん)。ひっそりと現れた往年の名作アクションの続編である。
その内容だが、まずは「家庭用ならではインチキ万歳!」という事が言える。金の心配がなくなり、さらにオート連射がつくと、耐えるゲームが攻めるゲームになるのだ。これで余計な事を気にせずに、走り回って、飛び回って、敵を(後ろから)微塵切りだ。倒した敵は、「ロストワールド」で名無しの超戦士も愛用していた伝説の硬貨ゼニーをばら撒く。その青い輝きを見せられると全て回収せずにいられないのは、オールドゲーマーの性であろうか。拾え、飛竜! 今夜はスキヤキだ!
そして特筆すべきは、飛竜のグレっぷりだ。前作に比べ悪人メーターが当社比で16倍。動物以外に友達がいないのは相変わらずだが、目つきが違う、言う事が違う。
空中戦艦バルログ内部。その中枢に利用されている人造生命体の少女が、か細い声で目の前に現れたストライダーに訴える。「わたしを殺して――」
えぇ、殺しましたとも。そのまま無言で空中乱れ斬り。少女の断末魔の悲鳴をバックに降ってきた特大ゼニーをきっちり集金。「貴様の辞世の句なら、その程度だろうよ」 あ、これは別の場所での台詞だったか。
その後、最近のカプコンお得意の巨大ボスを倒してエンディングなのだが、そこでの宿敵グランドマスターの第一声、
「余のカドゥケウスがっ、星への道がぁー」
よっぽど悔しかっただね、あんた。実感こもってるよ。
00/04/01 代
とりあえずページをつくってはみたが、我ながらなかなか寒い状況である。なんつったって、「デザインセンスの欠片も無い奴が、そこらへんの『WEBページ作成入門』から数行で事足りるソースをそのままひっぱってきただけ」という有り様がよぉ〜く見えるからな。うわっつらだけHTMLを知った奴が多少タグに気をつかったつもりでも、イカす絵が1枚あるところには勝てんわい。
90年代以降のオタク業界においては、何らかのデザインセンスが無い人間には発言の権利が与えられていないのに等しいにも関わらずこの体たらく。いかに己が日々無駄に過ごしてきたかが手に取るようじゃよ。
「ならばページなど公開するな」と言われそうだが、うちの1番の存在意義は「別館を作ることによって、本館である『Overkill 1024』を閉鎖できない状態にする」事にあるのでござるよ。という訳なので、Chon先生よ、ページの拡充に努めてくれたまえ。君のページの存在というやつは、君が思うよりもけっこうでかいのだよ。
00/04.01 代