2009年12月21日 15時16分更新
3年前、奈良県大淀町の町立病院で出産中の妊婦が意識不明となってその後死亡したのは、医師の診断ミスが原因だとして遺族が訴えている裁判は、きょう、大阪地方裁判所ですべての審理が終わり、来年3月に判決が言い渡されることになりました。
この裁判は、平成18年、奈良県大淀町の町立大淀病院で高崎実香さん(当時32)が出産中に意識不明となって、その後死亡したことについて、夫の晋輔さん(27)と長男が脳内出血を見逃した診断ミスが死亡の原因だとして、町と主治医に損害賠償を求めているものです。
賠償金額は明らかにされていませんが、被告の町と医師は「当時の対応は間違っていなかった」などとして全面的に争っています。
実香さんは別の病院に搬送される際、ほかの19の病院に受け入れを断られ、大阪の病院で亡くなりました。
きょう、大阪地方裁判所で開かれた裁判で、夫の晋輔さんが「適切な診断をしてくれていれば妻の命は助かっていたと考えると残念です」と改めて訴えました。
一方、被告側は「妊婦を対象にした救急搬送システムが機能せず、受け入れ先がなかなか見つからなかったのが亡くなった原因で、原告は医師に責任を転嫁している」と反論しました。
裁判はきょうですべての審理が終わり、判決は来年3月1日に言い渡されることになりました。