バナH
ミネラルウォーターの販売会社の中で、最も勢いのあるのはこの会社でしょう。
2010年度のプロ野球オールスターのメインのスポンサーになることも
決まっています。成功している理由は、うまくネットワークビジネス
(マルチ商法)を取り入れたからです。
ミネラルウォーターはうまい、美味しいだけでは売れません。水を飲むとガンなどの難病が
治るといった効能が必要になるのですが、それを業者が語るとこは薬事法で厳しく禁じられています。
しかし、バナHはその効能の部分をエージェント(会員)に語らせることで
薬事法の追及を逃れたわけです。
バナHの説明会
vanaH社の説明会に参加すると天地がひっくり返るようなびっくりする話を
いくつも聞かされます。
1.vanaHを飲めばガンなどほとんどすべての難病が治る。
2.厚生労働省、WHOがこの水の効能を認めた。
vanaHは世界1の水だ。
3.vanaHを飲めば、新型インフルエンザにもかからない。
4.株式が2011年、東証一部に上場される。
経常利益率30%の同社の株価は将来の可能性の大きさを評価され
大バケする。
5.エージェントになると株式を1株譲り受けることができる。
6.銀座にvanaHが運営するクリニックがオープンした。
担当の医師はほとんど東大卒の超一流医師。
エージェントおよびその紹介者は超一流医師の診療を予約して
ほとんど待つことなく受診できる。
7.130万円のエージェント料を払えば、毎年13万円分のvanaHを無償で受け取ることができる。
8.以上の権利は子から孫へと半永久的に引き継ぐことができる。
このような刺激的な説明会が連日100人以上の会員を集め(新規参加者は30名ほど)
行われています。おそらくマルチ商法の狙いに無抵抗で予備知識のない参加者はこのうまい話に飛びつくでしょうから、
毎日1千万円以上の現金が転がり込んでいる計算になります。
この不況時にトヨタやパナソニックを差し置いてオールスターのスポンサーに
成り上がったとしても不思議ではないわけです。
バナHの闇
vanaHという水は本当に世の中の常識を変えるほどすごい水なのでしょうか?
日本一のミネラルウォーターと言っていいのでしょうか?
残念ながらマルチ商法らしい怪しさがつきまとっています。
ネット上の情報と突き合せ、いくつかの矛盾点、疑問を指摘してみましょう。
1.他者の研究成果の不正使用
バナHのDVDや資料で水素水の研究をしている日本医科大の太田成男教授を紹介しているが、
同教授は「私はvanaHとは無関係であり、
無断で私の名前や写真・動画を用いないように」という警告書をバナ社へ
郵送している(しかし未だに無断使用は続いている)。
また同教授はボトリングされたvanaHから溶存水素がほとんど検出されなかったとも言っている。
http://hra-japan.org/080930newshtm.html
2.新会社設立の謎
2009年になってバナ株式会社に加えて、VanaH株式会社が設立された。
エージェントには単純な社名変更と伝えられているが、
この2社は現在も別法人として
存在し、エージェントの権利は
強制的に新会社に移された。
バナ社の資本金は4億5千万で新会社の資本金は2千万であるから
この時点でエージェントの持つ株券の価値は
一挙に20分の1以下になってしまったことになる。
VanaH 株式会社(新会社)
本社所在地 山梨県富士吉田市新屋1648
設立 2009年(平成21年)5月1日
代表取締役 石山久男
資本金 2,000万円
事業内容 ナチュラルミネラルウォーター製造販売
従業員 72人 / 2009年8月7日現在
バナ株式会社(従来からのもの)
所在地〒403-0006 山梨県富士吉田市新屋1552−1
電話番号0555-23-0001 FAX番号0555-23-4187
設立平成13年11月 創業平成13年11月
資本金450,000 (千円) 従業員10 人
代表者石山久男
生年月日昭和23年 2月12日生
役員(取)山本泰弘,清水和久,山本江利香(監)石山けい子
営業種目ミネラルウォーター製造・販売(100%)
3.vanaH社はエージェントの存在にも関わらずネットでの直売を開始した。
4.これまで厚生労働省は水の効能を認めたことはない。
特定の水の効能を認めるようなことを充分な検証もないまま
お役所の厚生労働省がやるわけがない。
やったとしたら天地がひっくり返るような騒ぎだ。
厚生労働省の認可が得られればエージェントへの説明会などいちいち開く必要がなく
勝手に商品は売れていくはず。今なおマルチ商法にこだわっているのはなぜか?
5.vanaHから200メートルの距離にキューピーマヨネーズの収水場がある。
バナHはキューピーの井戸ではまったく水素が確認できていないと言っているが、
そのようなことが起こりえるのか。
6.徐福伝説
世界一の井戸を掘り当てた根拠として秦の始皇帝に遣わされた徐福が捜し求めた
不老不死の薬こそがvanaHであるという話をしているが、これは明らかに
意図的な作り話であろう。
7.世界特許
水の中の水素は空気に触れるとすぐに失われてしまうことを社長みずから認めている。
その問題を特許技術3つを使用して乗り切ったといっているが、そんなことが簡単にできるのか?
8.説明会で話をするVanaHの石山社長。
毎日日本一の水を飲んでいるはずだが、それにしては顔色が悪いし、
目の周りにはクマができている。毎日同じような話をしているはずだが
なぜだか汗ダクで、ハンカチ王子と呼ばれていると自分で言っていた。
なにか危ない薬の副作用ではないか?
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