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北欧の大家、アホ来日 自作日本公演に立ち会い

2009年12月20日

写真拡大カレビィ・アホ

 北欧を代表する現代作曲家カレビィ・アホが来日し、東京・赤坂のサントリーホールで15日にあった読売日本交響楽団の公演で、1988年に作曲した「交響曲第7番」の日本初演に立ちあった。指揮は同郷のオスモ・バンスカ。

 アホは49年、フィンランド生まれ。山の斜面にオーケストラを並べて演奏させるなど、音響に対する飽くなき実験精神で知られる。

 アラビア、インド、中国、日本など様々な国の音階やリズムも積極的に採り入れる。「クラシック音楽は、ハーモニーは豊かだがリズムに乏しい。色々な音楽の要素を採り入れ、リズムを強化したい」と記者会見で狙いを語った。

 交響曲第7番は自作のオペラ「虫の生活」の改作で、別名「虫の交響曲」。アリやバッタ、フンコロガシといった昆虫の営みに人間社会を重ねる。風刺あり、パロディーあり、スイングあり。「その後の様々な音響世界へと私を導いてくれた試金石」と本人が語る通り、持てる音楽語法の多彩さを日本の聴衆に存分に示し、喝采を浴びた。

 あらゆる文化に心を開く。前作と同じスタイルでは曲を書かない。これが、交響曲だけですでに14曲を数える多作家の、感性を磨き続けるための「心がけ」なのだという。(吉田純子)

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