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高田真理さん(歌手)が自殺

 飲酒運転で逮捕された3人組フォークグループ、青い三角定規の男性メンバー高田真理(たかだ・まり)さん(59)が06年9月26日午後、埼玉県入間市内のマンションから飛び降り自殺した。バッグの中に「死にたい」という内容の遺書があった。11日に酒を飲んでミニバイクを運転し、自転車の女性(48)をはね、全治1カ月の重傷を負わせて現行犯逮捕。送検後に釈放されていた。これも深刻な社会問題となった飲酒運転が生んだ、悲劇だった。

 埼玉県警によると、26日午後4時ごろ、高田さんが飛び降りた公団の12階建てマンションの1階に住む男性から「ドスンという音がした。敷地内に人が倒れている」と110番通報があった。署員が駆けつけると、黒いジャンバーにズボン姿の高田さんが車止めの鉄柱に左胸が貫通した状態で、うつぶせになって倒れていた。すでに心肺停止の状態。首から肩にかけてショルダーバッグをかけており、バッグの中には免許証とB5判用紙を半分に切った紙が入っていた。紙は知人に向けて「死にたい」と記された遺書だった。マンションの外付け階段から飛び降りたとみられる。同県警から連絡を受けた高田さんの父と妹が身元を確認した。

 高田さんは11日午後4時40分ごろ、ウーロンハイや紅茶酎ハイを数杯飲んだ後でミニバイクを運転し、入間市内の交差点で自転車の女性をはねた。女性は頭蓋(すがい)骨骨折と、くも膜下出血で全治1カ月の重傷。自ら警察に連絡した高田さんから呼気1リットル中に0・25ミリのアルコールが検出されたため、県警は業務上過失傷害と、酒気帯び運転の道交法違反の疑いで現行犯逮捕。13日に送検、釈放された。その際「あまり家の外に出るのが好きではない」と話していたという。

 高田さんの逮捕を受け、今年12月に33年ぶりの音楽活動を再開する準備を進めていた青い三角定規の復帰は白紙に戻った。オリジナルCDを発売する予定も中止に。逮捕後、高田さんはメンバー2人と電話で連絡を取り合い「被害者の女性に誠意を持って対応をする」と反省した様子で話していたという。普段から淡々とした性格で、特に落ち込んだ様子は感じさせなかったが、メンバーは励ましの言葉と、仕切り直して再び音楽活動を行うことを約束していた。

 高田さんをよく知る芸能関係者は「彼はとにかくマイペースな人。普段は他人のことを気遣っている様子が感じられない。でも、事故のことでは悩んでいたのかもしれない」と振り返った。高田さんの自宅では、家人が「父も母もショックで寝込んでいる。そっとしておいて欲しい」とだけ話した。事故後はほとんど自宅から出ることがなくなっていたという。近くに住む男性(55)は「会ったらきちんとあいさつをしてくれる人。居酒屋で歌がうまいと評判だった」と驚いた様子だった。

関係者悲しみの声

 青い三角定規メンバーの西口久美子(55) えっ、本当ですか。事故の後に電話で話して、いつまでも事故を引きずってもいけないから、前向きに生きてと励ましたばかりでした。私もクモ(岩久茂)も、一緒にやり直そうと話していたんです。年老いたお母さんに、追い打ちをかけるようなことになってしまいましたね。私もショックで、もう笑顔で歌えない心境です。

 ◆青い三角定規 西口久美子、岩久茂、高田真理の1女2男のフォークグループ。71年結成。同年に「翼を忘れた天使たち」でデビュー。作曲家いずみたくがプロデューサーとして関わり、73年の解散までシングル6枚を発売した。青春ドラマ「飛び出せ!青春」の主題歌「太陽がくれた季節」は100万枚突破。現在も中学の音楽の教科書に採用されている。



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