ディレクター・カメラマンたちが今日も外国や日本の各地を訪ね取材活動を展開中です。
東京・大阪・名古屋・宇都宮・札幌の本社・支社・支局の個性豊かな製作部員が足で仕入れた実用かつ役に立つホットな情報をお届けします。

「イギリスのマンガ事情」

〜世界に進出する日本マンガ〜

 アメリカやヨーロッパ、東南アジアなど世界各国に輸出されている日本のマンガ。マンガは世界的に認められた日本の大衆文化と言えるでしょう。
 一方、イギリスでは、日本のように大人や子どもが、電車の中でマンガを広げておらず、また本屋でもマンガを扱うコーナーを見つけることが出来ません。イギリスではマンガは、まだまだアンダーグラウンドな存在なのです。
 もちろんイギリスでも新聞などに掲載されている風刺画的な マンガ(cartoon)は、古い歴史があり芸術的な価値が認められていたりするのですが、ストーリー性の強い日本で言うマンガ(comic strip)はほとんど出版されていません。ストーリーマンガを連載している雑誌も月刊誌と季刊誌が1誌づつしかないようです。

 しかし、1990年代からアメリカや日本のマンガ(comic strip)が盛んに輸入されるようになり、イギリスにもマンガ愛好者が増えつつあります。ロンドンには何件かのマンガ専門店があり、「MANGA」と表記されたコーナーが「AMERICAN COMICS」と並び、大きな位置を占めています。夕方ともなると、学校や会社から帰る子どもや大人で店は一杯になります。外国人が日本のマンガに熱中している姿は何だか不思議な光景です。
 10歳代に人気があるのが、やはり「ポケモン」「ドラゴンボール」「セーラームーン」(東南アジアで絶大な人気を得ている「ドラえもん」は、なぜかヨーロッパでは全く目にすることがありません)そして20代以上には「アキラ」「LONE WALF(子連れ狼)」がうけているようです。

 人気の理由は、緻密な描写と独特の世界観。そしてなんと言っても深みのあるストーリー構成です。それもそのはずイギリスのマンガは、一話あたり2〜3枚しかページが与えられず、壮大なストーリーや長々と心情表現を描いたりすることが出来ないのです。ですから日本のように、見開き全てで一コマなんて描き方やセリフがないコマが幾つも続くといったことは、現地のマンガ家にとって夢のような表現方法なのだそうです。
 
 そんなイギリスでも、日本のマンガの表現方法を取り入れ、自費出版で長編マンガを描く人が増えつつあるようです。今後、イギリスのマンガが日本に紹介されるような時が来るかもしれません。


 マンガがらみの話で、ロンドン在住の日本人に人気の店を一軒ご紹介します。
 徒波書房という日本人向けの貸本屋で、今日本で人気のマンガを70〜90ペンス(約130〜170円)で借りることが出来ます。日本人だけでなく、原書でマンガを読みたいというイギリス人も多く来店します。マンガ以外にも小説や雑誌も扱っています。長期滞在で、日本が懐かしくなった人にはお勧めの場所です。
 このように人気を博している日本のマンガですが、過激な描写から非難の対象となっていることも事実です。またマンガと同じように人気のある日本のアニメーションも、ビデオショップではアダルトのコーナーにあったりします。文化の違いの問題もあるとは思いますが、良質なマンガやアニメがたくさんあるはず、いい形で文化交流が進めばいいものです。

 何はともあれロンドンを訪れた折りには、マンガを通してイギリスの中の日本を見つけてみてはいかがですか。

■ロンドンの主なマンガ専門店
・FORBIDDEN PLANET(SFグッズも充実)
  71-75 New Oxford Street,London WC1A 1DG TEL.020 7836 4179
・GOSH COMICS(Cartoonの原画もあつかっている)
  39 Great Russell Street,London WC1B 3PH TEL.020 7636 1011
・COMIC SHOW CASE(各国のマンガがきれいに分類されている)
  59 Charing Cross Road,London WC2H OBB

■徒波書房(日本人向け貸本屋)
70 Brewer Street,London W1F 9TT TEL.020 7439 3844

 

(M.K記す)

Copyright (c) 2005 mainichieigasha co.,ltd. All Rights Reserved.
- お問い合せ 関連リンク スタッフルーム 会社案内 採用情報 皇室トピックス 映像アーカイブ 販売商品のご案内 業務案内 最新情報 トップページ