新幹線が通る交通の要衝、再開発の進むウォーターフロント、新しくてスタイリッシュな町、私がこれまで抱いていた品川のイメージです。

じっくり歩いてみるのって大切ですね。小泉長屋には本当に驚きました。私の子どもの時代でさえ、道の井戸で手を洗って家に入るなんて、ノスタルジーの世界でした。それが、まもなく２０１０年を迎える日本で、しかもビジネスマンが行き交う品川駅のすぐそばに残っているなんて・・・。

撮影が終わった後、タモリさんが、「子どもが群れて遊んでいる光景も、今はほとんど見なくなったなぁ」、としみじみおっしゃっていました。井戸の前では、おじいさんとスイカを冷やして食べたという思い出話もありましたが、私は、時々出てくるタモリさんのおじいさんのお話を聞くのがとても好きです。「じいさん」とおっしゃる、その呼び方（“い”と“さ”がちょっと高くなる感じ）に、愛情や懐かしさを感じて、私も自分の祖父のことや子供の頃を思い出します。シロツメクサで冠を作ったり、つつじの蜜を吸ったり、何をするというのでもなく外で遊んでいた頃、夕暮れ時になるとどういうわけかさみしくなって、家に着くとほっとしたなぁ、とか。みなさんは、井戸に集まる子どもたちを見て、どんなことを感じられましたでしょうか。

そして、ブラタモ丸からの景色。高速道路も、モノレールも、台場の石垣も、陸から見る景色がすべてではないのだな、と改めて気づかされました。町には色んな顔があるんですね。

次回は今年最後の放送です。舞台は、今年開港１５０周年を迎えた横浜。初めて東京を飛び出します！江戸の坂道を知り尽くしたタモリさんに、横浜の町はどう映るのでしょうか。