京都朝鮮第一初級学校の勧進橋公園使用に関する要望
京都市議会議長 田中セツ子 様
常日頃私たちの民族教育発展のために深いご理解とご支援を賜り、心からの敬意と謝意を表します。 さてご存知のように国際化が進み、多文化共生の重要性が謳われる今日、日本社会における朝鮮学校が果たす役割はますます大きくなつています。 私たちは京都市内に開校六十年を迎えます京都朝鮮第一初級学校をはじめ、四校の民族学校において、子どもたちに民族性を育み、国際理解を深めるための教育を行ってまいりました。 しかし、朝鮮学校に対する様々な社会的.行政的差別はいまだに解消されず、その為に子どもたちと保護者は多大な被害を被っているのが現状です。 そのような中、二〇〇〇年四月、学校法人京都朝鮮学園に対し阪神高速道路公団から京都高速道路(油小路準事業に関する説明があり、学校に隣接する勧進橋公園の一部を通る高速道路が建設されるということでした。またその後の説明によりますと、高速道路は平成十九年に売成する予定で、そのために今すぐにでもボーリング工事を始めたいとの意向でありました。 勧進橋公園は、代々の京都市長のリーダーシップのもとで公園を管理されている建設局と国際化推進室のご支援をはじめ、学校周辺の地域の皆様方の深いご理解を得て、京都第一初級学校が五十余年間、体育の授業をはじめクラブ活動など、毎日、教育の場として使わせて頂いてまいりました。 しかしながら道路建設工事が始まりますと公園の一角に資材置き場を設置し、工事用車両が頻繁に出入りするなど、公園で事実上体育授業等ができなくなり、学校生活に大きな支障が生じるものと予測され、学校および保護者全員が不安に思っているところです。 当校では五年前に、下校中の園児が学校に隣接しています運送会社の車両に轢かれ死亡するという痛ましい事故もあり、現在も保護考学校関係者たちは交通安全対策を独自で講じてきておりますが、当校の教育環境については、一層の強化充実を望んでおります。 私たちは去る七月、京都市長にこの間題に対し、対策を請じてくださるよう要望いたしました。 つきましては、貴京都市会におかれましても、民族教育擁護の立場から私たちの実情を深くご理解、ご考慮下さり、京都市関係局と阪神道路公団が連携して、体育授業の場所が暫定的にも確保できるようご努力頂くなど、直面する問題の解決のために具体的な対策を講じてくださいますよう切に要望いたします。 2004年 11月 17日 在日本朝鮮人総聯合会京都府本部常任委員会 委員長 金成洛 学校法人京都朝鮮学園 理事長 諸葛檀 京都朝鮮第一初級学校 校 長 高柄棋 |
同趣旨の要望は2004年7月に京都市長あてにも出されている。
解説
●総聯京都、京都第1初級 市議長に要望書提出「運動場の保証を」
総聯京都府本部の琴基都副委員長兼国際部長、諸葛檀副委員長兼京都朝鮮学園理事
長、京都朝鮮第1初級学校教育会の鄭源讃会長が11月17日、京都第1初級の運動
場保証を求める要望書を京都市議会の田中セツ子議長に提出した。
同校は約50年間、体育授業やクラブ活動のため毎日、市が管理する勧進橋公園を
利用してきた。だが公園の一部が、阪神高速道路公団が予定する京都高速道路(油小
路線)建設の予定地とされているため、工事期間中(2007年完成予定)の使用が
制限され、学校生活に支障をきたすことが憂慮されている。
要望書は、生徒、保護者らの不安を解消し、体育授業のための場所確保、交通安全
のための対策強化を求めている。7月には、京都市長にも要望書を提出した。【京都
支局】 [朝鮮新報 2004.12.2]