石原知事、今年の感想は「“ミゾウユ”の一年」

【石原知事会見詳報】（１）

　東京都の石原慎太郎知事は１８日に開かれた年内最後の定例記者会見で、「“ミゾウユ”の１年だね。政権も交代し、あおりで都議会の選挙もああいう結果になった」と述べ、国政と同じく都議会で民主党が第１党なった平成２１年を振り返った。会見の詳報は以下の通り。

　「今日は冒頭申し上げることはございません」

　――五輪再挑戦は「議会が反対したら招致活動できない」という趣旨のこと述べたが、その真意は？

　「いや、真意はそのとおりです。これはやっぱり議会に諮るべきものだと思いますからね。１回挫折したわけだから」

　――来年度予算案に招致経費の一部を計上して審議の中で諮るということか

　「いや。必ずしもそういうことじゃありません。仮に２０２０年、東京がアプライし、それが決定するのはもっと先のことでしょうけれども、今からにわかに予算を執行する必要もないし。そういうケースはあり得ないと思います」

　――来年度予算案には計上せず、その後、また計上していくのか

　「そうでしょうね。決まった時点でですね」

　――五輪再挑戦でＪＯＣとの話し合いは表明後、進んでいるのか

　「この件について、むしろ残務整理とか、そんなことでいくつか話をしてますけども。これはこちらから言ってどうこうじゃない。ＪＯＣはＪＯＣの意思を持ってるでしょうから。いつごろ、どういうふうに表明されるかは先のことです」

　――五輪の１５０億円の招致活動費の検証が年度内に発表されるがいつごろか

　「この間も、実はちっちゃなアイテムですけどプレゼンテーションの時のフィルム、映像作製費についてね、電通のスポーツ局長が来まして話をしました。いろいろ言ってました。『それを私たちが聞いて、その担当の局長が、また委員会内に報告しても、子供のよくやったジェスチャー・ゲームで、やってるうちに何が何だか分かんなくなるから、君らが来て当事者として、参考人としてでも呼ばれて話をしてくれ』ということを言いました。それはやっぱり電通の人の責任じゃないかと。これからのこともあるからと言いましたら『分かりました』と帰りましたけれども」

　――議会に電通の関係者が出るということか

　「そうですね。議会に招致されれば。当然、また問題になってくるでしょうから。この間もどこかの議員が言ってたけども。ここで言ってもしようがないけど『ロンドン（五輪の時の映像製作）の場合はちょっとケースが違って３社に頼んでるはずだ』ということを言ってね。『それをここでくどくど聞いても、伝言の伝言になるから、君らがじかに言いなさい』ということを言いました」

　――五輪の件で。予算案に計上しないとなると、事務的なスケジュールが先に進み、議会側の意思表示をする前に、例えば東京が正式に立候補都市で決まってしまうということもありうるのでは？

　「それはないんじゃないですか。だってやっぱり予算委員会を含めた、第一、定例議会もありますから。当然、そこで問題になってくるでしょうし。ＮＰＯとしての招致委員会というのはここでプツッと切れるわけだし。そのレガシーというものをきちっと伝達していくためにも。それに当面、大きな予算を要することはないと思いますんで。むしろ議会で１つの議題として取り上げてもらう必要があるならば、何らかの予算を載せるということもあり得るんじゃないかもしれませんが。それはそんなに高額なものじゃないと思いますね」

　――残務整理の予算がゼロではないはず。その少額の予算への賛否では小さい話になってしまうのでは？

　「いや、それをきっかけにやっぱりオリンピックをやるかやらないかというような議論になるんじゃないでしょうか」

　――今年最後の定例会見ということで、今年はどんな１年だったか

　「ああ、そうか。ミゾウユの１年だね。政権も交代したし、そのあおりを食って、都議会の選挙もああいう結果になったのは。本部の幹事長が出てきて釈明しわびをするというのは、まさに未曾有のことだよね。まあ、どの政党がイニシアチブを取ろうと、私たち、生々しい現実を持っているわけですから。都民の代表として合理的な議論をしていけばいいと思ってますけど」