第17回
世界の風俗探訪:ルーマニア2 ロマの姉妹
ルーマニアはヨーロッパで一番ロマが多い所である。首都ブカレストの街中で衣服を引っぱり「マネー」と英語で物乞いする子どもたちを多く見かける。「ノー」と言ってもしつこい。花売りの子どももほとんどがロマの子だ。外国人を見つけるとホテルやレストランの中まで追いかけて来くる。ボーイに追い払われる光景は日常的だ。
市内のホテルの前でロマに会った。2人は姉妹だという。妹は10歳、手に怪我をして真っ黒に汚れた包帯をしていた。包帯は物乞いをする衣装なのかもしれないが......。
12歳の姉の名はジャニー。棒切れを振りかざして俺の前に現れ、笑った。ジャニーはお腹をさすって、口で食べる仕草をして空腹を訴えた。近くのケンタッキーに連れて行った。姉妹はチキンにかぶりついた。周りの客が怪訝な顔をしている。ジャニーは残ったチキンとポテトをテイクアウトしてもらう。外に出ると妹のダルシアが穴のあいた靴を差して、「靴を買ってくれ」とせがんできた。バザールで安物の靴を買ってやると今度はバナナを食いたいと言った。「写真を撮った分、その位の要求はいいだろう」という風であった。子どものくせにロマの姉妹はしたたかである。
姉妹の住んでいるという場所まで付いて行くと、突如15、16歳くらいの少年たちが現れ、金を要求した上にカメラを奪われそうになったので走って逃げた。危なかった。
日本人はロマというと流浪の民、哀れでかわいそうという同情的なイメージを持っている人が多いが、ルーマニアではまったく違う。ルーマニア人は「ロマは皆泥棒で汚い。人間扱いしていない。白鳥さえ食べてしまう」と極端に忌み嫌う。
(写真・文=林 亀三郎)
元祖ゆるゲー
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