車の一般的な慣らし運転について

〜ストレス無く上まで回るエンジンとする為に〜


目次



慣らし運転:

NA / TURBO に関わらず、大体 1,000km まではレッドの約半分。後の 2,000km をレッドまでの回転数で等分して回転を上げて行き、約 3,000km で慣らし運 転が終了です。

ex. 7,000rpm〜7,500rpm 位がレッドの場合
  0 - 1,000km 〜3,000rpm OIL & OIL フィルタ交換 & 1ヶ月点検
1,000 - 1,500km 〜4,000rpm  
1,500 - 2,000km 〜5,000rpm (OIL 交換)
2,000 - 2,500km 〜6,000rpm  
2,500 - 3,000km 〜7,000rpm 全 OIL 交換(フィルタ・ミッション・デフ含む)
3,000 - 〜レッド手前 トルクを掛けて全開(慣らし終了)

※まあ、どうせ工場で一度はレッドまで回されている様ですし、極端に回転数 に拘る必要は無いとは思います。
※3,000km 慣らしが辛くて 1,000km 程度で終わらせる場合は 500km 位までレ ッドの半分で、ここで OIL 交換を行ない、その後 100km 位ずつで等分した分 だけ回転を上げて行き、最終的に 1,000km でレッド手前まで回します。ここ で全 OIL 交換(OIL フィルタ・ミッション OIL・デフ OIL含む) & 1ヶ月点 検して慣らし終了。
※HONDA車等の中には慣らし用にあらかじめ添加剤が OIL に入れられているも のが有ります。マニュアルに慣らし中の OIL 交換を禁じている場合などは、 慣らしが終了するまでは OIL 交換は行なわない方が良いでしょう。

新しい回転数へ:

新しい回転数を使い始める時は、パーシャル近くのアクセリングで、急加速せ ずに緩やかに回して行きます。ターボ車ならばブーストも余り(全然?)掛か らない状態です。暫くそれを繰り返しておよそ 100km位も走ってくると、やや ゴリゴリ感が有って回り辛かった感じが消えて行き スムーズに回るようになっ てくるのが判るので、そうなって初めてその回転数域でトルクを掛けて加速し ます。そしてまた新しい回転域へと..

加減速:

特に最初の 500km 位は、エンジンの他にもミッション・デフ・ドライブシャフ ト等も互いに馴染んでいないので、あまりトルクは掛けないように運転します。

また、ノッキングが起きそうな程、低すぎる回転域で走り続けるのは回し過ぎ るよりマズいです。ある意味(平地の一定速巡行の様にトルクが特に必要無い 時)では別に構わないのですが、マズいのは高いギヤのままアクセルだけ に頼って加速しようとする事です。加速する時はシフトダウンしてやり、エン ジンにとって高トルクになる様な負荷は、最初の内は余り掛けない様にした方 が良いもので..
回さないで育てたエンジンは回りが重くなりますし。(-_-)
慣らしに限らず、特にノッキング等に至ってはエンジン及び駆動系に非常にス トレスを呼び、燃費も悪化するので百害有って一利無しですしね。また、最近 の車はノックセンサー等が優秀で、滅多な事ではノッキングには至りませんが、 ノックが発生していない様に感じても基本的には消極的な発生回避方法をとっ ているだけので、その様な状態ではエンジン本来のトルクや理想的な燃焼が大 きく阻まれています。

後半は逆に各回転数で負荷を掛けてやります。これは各々の回転数での無負荷 ・重負荷時にピストン等が接触する部分が微妙に違う為です。
ピストンの上死点・下死点でのシリンダーとの当たり位置等も関係しているか もしれません。

この車にたった一度の "慣らし" だからと割り切って、燃費等の事は忘れる様 にした方が精神安定上も良いです。
懐にダメージが来ますが.. (^^;;;;

また、上限の回転数だけで走ったりしないようにも気を付けます。慣らし を重点的に行った回転域は非常に滑らかに回り官能的なエンジン音を奏でる様 になりますが、低い回転からレッド近くまで一気に引っ張ろうとすると、その 回転域で一旦上昇が滞ってから再び上昇するというクセのあるエンジンに成っ てしまった事が有りました。(;_;)
前述の、各回転数毎にアタリが変わるからだと思われます。

ミッションの慣らし:

慣らしにはミッションやシンクロの慣らしも含まれるので、出来れば頻繁に( 且つゆっくりと)シフトチェンジして、まんべん無く各ギヤを使ってやった方 が良いです。特に慣らしの前半ですね。(この理由は後述
オートマでもシフトショックが極端に出ない程度に(即ち主として加速時に) 積極的にシフトセレクトレバーを操作して、まんべんなく高回転も含めた回転 域を使った方が良いと思います。

慣らし後半:

慣らし後半の高回転域は結構辛いものが有ります。高速道を使えば可能ですが、 それでも最近の高性能車はレッドゾーン近くまで回そうとすると、5速や種類 によっては 4速ですらリミッターが作動してしまう様な速度に達してしまう為 に使えません。このためにミッションの慣らしは出来なくなるので、前半でミ ッションは慣らしを終えておいた方が良い訳です。


その他の慣らし:

後は、当たり前ですが、タイヤ足回りブレーキ等も慣らしは必要です。
簡単に言って、急のつく動作をしなければ良いだけです。まあ、300km も走行 すれば こちらはほぼ終了しますね...では余りに不親切ですか。(^^;) 実際に、いずれはタイヤだけ・ブレーキパッドだけ・はたまたのめり込んだら ショックだけ交換する時もあろうかと思いますので、蛇足ながら簡単に説明し ておきます。

タイヤの慣らし:

タイヤは一般にいろいろな注意を聞きますが、履いてすぐにドリフトとか 180 km/h なんて無茶な事をしなければ特に問題無いです。但しひと皮剥けるまでは グリップが低いので気をつけます。大体距離にして 100km 走行位までは慣らし でしょうか。

ブレーキの慣らし:

パッドは、アタリがつくまでは路面にブラックマークが残ったり ABS が作動 したりする様な急ブレーキは極力避けます(特に高速時)。
当然、危険でない場合のみで、危険回避は最優先ですが..
アタリが付く前に急ブレーキをやってしまうと、アタリがついた後も、フルブ レーキング時にハンドルに伝わるほどの振動が出るようになってしまいます。 一度出てしまうとなかなか消えてくれません。アタリがつくまでは、通常より 少しだけ強めにブレーキを踏むと、左右のタイヤの回転(制動力)がなんとな く違うようなぎこちない感覚で不均等に減速しますので、これが感じなくなれ ば慣らし終了です。使い方やブレーキローターの痛み具合によって変わります が、概ね100〜300km 走行位でしょうか。この距離はローターの摩耗が進む程、 長い距離が必要になってきます。
スポーツパッド等は、焼きを入れると更に効きが良くなったりもしますが、純 正ならば特に必要は無いし、逆に危険な場合も有るのでパッドの焼き入れ方法 に関しては省略します。社外品に交換した際にでもまたお尋ね下さい。
タイヤと同様に、最初の内は効きが悪い場合が多々有るので気をつけます。特 に交換直後は、走り出す前にエンジンが掛かった状態でブレーキペダルを何度 か踏んでみて、確実なタッチが有ることを確認してから走り始めた方がつまら ない事故に会わずに済みます。
これはブレーキ交換後に整備者が必ず行なうのですが、稀にこれを忘れられ たり、また自分で交換した場合等に、最初の一踏みが全く効かずに床にペダ ルが当たるまでまで踏めてしまう場合が有り得ますので...

足回りの慣らし:

ショックアブソーバーは略しますが、一つだけ。もし調整式ならば最初は最弱 のセッティングで 100〜300k/h 位走ります。寿命に大きく関わる様です。


慣らし等をしなかったから焼き付くなんて事は現代のエンジンではまず有り得 ないので、そういう意味では慣らしや暖機は不要ですが、丁寧に慣らしをした のとそうでないのとで明らかに調子が変わります。特に距離を走って来た時に 違いが大きく成ります。

暖機運転:

蛇足ですが、暖機は 30秒位(オイルパンの OIL が行き渡るまでの時間)は行 なった方が良いと思います。一般には Temp 計の針が "動き出したら" OK と言 われています。スタート直後は、ミッション等、停車中では暖機出来ない部分 の暖機時間です。少なくとも 3〜5分位はあまりトルクを与えずに(周囲の交通 の迷惑にならない程度に)ゆっくりと走ります。エンジン以外の暖機も行なっ ていればエンジンも充分に温まりますね。
環境的配慮から暖機運転を敵視する方もおられるようですが.. エンジン等の劣化の原因の過半数は暖機不足で起きるそうです。

色々と挙げましたが、深刻に考える必要はあまり無いです。基本的にはいきな り全開してしまっても壊れることは無い訳ですし、気楽に楽しく行きましょう。 慣らし中って、別にフル加速をしたりコーナーを攻めたりとかしなくても充分 に楽しいですよね。

Last Update : 01-Mar-1998    (Access count 24-Jun-1997〜) : counter

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