「エチカの鏡」の反響に驚いています。みなさま、体験授業へのたくさんのご応募を本当にありがとうございました。

ですが、-----きっと、どなたも信じないと思いますが、----私はあそこで生徒募集や体験募集をしたつもりはまったくありません。(笑)

一人ずつきちんとお話をお聞きしながら進めて行くこの小さな教室の従来のやり方では、とても対処できる応募数ではありません。それでも、いま、一人ずつ、鋭意、お返事を出していますので、どうか、気を長くしてお待ちいただきたいと思います。

そもそも番組への出演交渉があったとき、はじめはお断りしたのです。子どもの教育とバラエティ番組ですから、違和感がありすぎます。しかし、ひと月くらいにも渡って熱心に勧められて、逡巡しながらの出演でした。

番組そのものは、総じてよく構成されていたと思います。ただ、内容的には、あくまでもバラエティ番組です。限界がありすぎます。ですから、この教室のほんの一部しか紹介していません。それは、H・Pの各クラスの内容やカリキュラムをよく見ていただけばお分かりと思います。

番組を作るにあたって、なによりもテレビ局側の意向と対立したのは、「有名中学合格している云々」のところでした。確かにそれは結果としてはどうしても否定しようのない事実であり、そして、それが世の中の風潮なのですが、それはどこまでも私たちの目的・着地点ではありません。私たちの着地点は「考える教室」なのです。有名中学・受験目的の生徒さんは、いまでもはっきりとお断りしております。

この教室は、きのうきょうにできた教室ではありません。「エチカの鏡」よりもずっと古いのです。(笑)。これまで、広告や看板すらも出すこともなく、『国語のできる子どもを育てる』講談社現代新書をきちんとお読みになってご応募なさったお客さまと、それらのお客さまからのご紹介のお客様だけで、10年以上に渡ってしっかりと地道に作り上げてきた教室です。おいそれとはなくなりませんし、その方針も転換しません。どうかご安心なさって3月以降のご応募をなさつてください。

お子さんの教育というものは、手がかかり、時間がかかるものです。しかも、世の風潮に左右されるのではなく、しっかりと親の腹がきまっていなければならないものです。その上で、あせることなく、じっくりと取りかからない限り何をやっても成果のでるものではありません。

たとえ、この教室に入っても、漢字練習とか、読書というご家庭でのご協力が必ず必要になってきます。私たちにできることは、そのほんの少しの手引きやお手伝いだけなのです。安易な子育ての外注の風潮を嘆きます。

私がいま、一番心配しているのは、従来から私の著作を読みつつ、この教室の趣旨を本当にご理解なさって、入室を切望なさっている確信的なお客さまが、応募の数の中にとりまぎれてしまっているのではないかということです。いま、それが一番の心配です。

そのような方々には、いまさら体験授業は必要ないかもしれません。その方々は、どうかお申し出ください。事務的な説明とお手続きのみで済ませます。ただし、それでも「空き待ち」になることがありますので、ご了承ください。