岡山放送局

2009年12月17日 23時15分更新

63年ぶり貯金証書を返還


第2次世界大戦のあと旧満州・現在の中国北東部から引き揚げてきた高梁市の男性が現地で国に預けていた郵便貯金の証書が17日、63年ぶりに本人に返還されました。

郵便貯金の証書が返還されたのは高梁市和田町の鳴瀬善賢さん(69)です。
鳴瀬さんは昭和21年に旧満州から引き揚げて来ましたが終戦直後はインフレを防ぐため、一定額を超える現金などの国内への持ち込みが禁止され現地で郵便貯金の証書を国に預けさせられました。
鳴瀬さんはことしの夏に証書の返還を伝える新聞記事を読んで税関に問いあわせたところ、鳴瀬さん本人と父親の名義の郵便貯金の証書77枚が横浜税関に保管されている事が分かり17日玉野市の神戸税関宇野税関支署で返還されました。
証書は当時の価格であわせて7450円、現在では1500万円程になるということですが、ゆうちょ銀行によりますと返金する事はできないということです。
鳴瀬さんは「両親が私の事を大切にしてくれていたんだと思うと感無量です。死ぬまで大切にして宝物にしたい」と涙ながらに話していました。
宇野税関支署によりますと横浜税関には終戦後に海外から引き揚げてきた26万人あまりの貯金通帳などが残っているという事で、心当たりがある人は近くの税関に問い合わせて欲しいと呼びかけています。