テレビ中継とサッカー日本代表 2006.6.28
職場の新聞に以下のコラムを掲載しました。
サッカー・ワールドカップ・ドイツ大会、楽しんでいますか。決勝トーナメントに入って一発勝負となり、スイス対ウクライナ戦がPK戦になるなど、一段と白熱した熱戦が続いています。日本代表は予選リーグ一分二敗の成績で、予選敗退となりました。それに関連する新聞報道で気になる記事を読みました▼「テレビ優先の試合設定」で「体力奪われた日本代表」というものです。日本代表の三試合のうち二試合が午後三時(現地)開始でした。抽選当初は午後九時と午後六時の予定でしたが、放映権の販売を委託された広告代理店の介在(?)によって「テレビ放送のため、当初の予定から各国の時差を考慮した」(FIFA)変更がなされたというものです▼今のドイツの日没は午後十時頃で、午後三時といえば真昼の状態。両日とも三〇度を超える暑い日でした。日本で午後十時からテレビ中継するために、夕方の試合が真昼に変更されたということです。よく話題にされる日本代表の「残り十分の闘い」を考える時、三〇度を超える猛暑の中で八〇分間プレイしたあとの十分間であったことを考慮する必要があります▼サッカーに「たら・れば」はありませんが、当初時間どおりの試合だったらと考えずにはいられない話です(M)
イン・アメリカ 3つの小さな願いごと 鑑賞 レンタルDVDにて 2006.6.27 (<89本目/100本/年)
2004年 アメリカ映画
監督 ジム・シェリダン
出演 パティ・コンシダイン サマンサ・モートン サラ・ボルジャー エマ・ボルジャー 他
アイルランドからカナダ経由でアメリカへ来た四人家族。ジョニーは俳優志望、妻サラは元教師。長女クリスティはビデオ撮影が趣味、妹アリエルの4人家族だ。行き着いた先はハーレムにあるボロボロアパート。サラは教師の仕事がなくパン屋で働き始める。ジョニーはオーディションを受けるがうまく行かず、タクシーの運転手をしている。実はこの家族には息子フランキーが居たが、怪我がもとで脳に腫瘍ができて亡くなっていた。両親ともフランキーの死を引きずっていた。サラが妊娠したことが分かったとき、フランキーの思い出と交錯して、取り乱す家族‥‥。
独特のアングルで撮っている作品です。長女クリステーが趣味としているビデオの目からの撮影が時々出てきます。解説もクリスティからなされています。そのことが、全体を柔らかい・暖かいものにしています。
アイルランド移民・ハーレム・麻薬・エイズ等、社会の底にたまった問題が一挙に噴き出すような舞台設定でありながら、何となく暖かく感じられるのは長女・クリスティのお陰です。彼女が主役の映画です。大人びている役をしっかりこなしています。瞳もしぐさも非常に可愛い。
推薦度★★★☆☆
ダニー・ザ・ドッグ 鑑賞 レンタルDVDにて 2006.6.26 (88本目/100本/年)
2005年 アメリカ映画
監督 ルイ・レテリエ
出演 ジェット・リー モーガンフリーマン ボブ・ホスキンス ケリー・コンドン 他
高利貸しバートの所で「育てられた」ダニーは、闘犬として、取り立ての用心棒の役を果たしていた。首輪があると大人しく、首輪が外れるとやたらに強いダニー。彼は自分の過去が思い出せないでいる。ある時、盲目のピアノ調律士サムに出会う。彼のピアノの旋律に何故か安らぎを覚えるダニー。高利貸しの乗った車が襲われ、ダニーはサムの仕事場へたどり着く。彼の家には娘のビクトリアがピアノを習っていた。過去を知りたいダニーだが、バートに居所を知られてしまう。
アクションスター・ジェットリーの最新作。人間が闘犬として育てられるというのはちょっと有り得ない話ですが、やたらと強い格闘場面が見せ場のひとつです。それと、モーツアルトのピアノ曲(K331ではないか?)との組み合わせが妙です。
モーガン・フリーマンがサングラスの奥の冷静な目から、事態の成り行きを語るところはさすがです。
単純なストーリーで、深みを感じることはできませんでしたが、アクションを楽しむ映画として観てはいかがでしょう。
推薦度★★☆☆☆
島崎藤村の人間観 読了 2006.6.26 (41冊目/50冊/年)
川端俊英著 新日本出版社 2006.3.25発行 190頁 1900円+税
目次
○はじめに ○時代の夜明け・人生の旅立ち ○新しき詩歌の時ー若菜集とその前後(女性解放の目覚め・関西漂白の旅・人間解放の新たな歌声・恋愛労働と戦争との相克) ○人生の従軍記者ー破戒とその前後(破戒の誕生まで・描かれた先駆的人間像・春と家ー破戒以後) ○窓を開け自由な空気をー処女地とその前後(新生から処女地へ・女性の力で新しい道を・処女地以後) ○激動の中で迎えた終焉ー夜明け前とその前後
著者の略歴
1933年生 広島大学卒 同朋大学名誉教授。
作品を追いながら、島崎藤村の内なる苦悩をたどった島崎藤村の評伝です。生まれ故郷の長野県山口村は岐阜県中津川市に越県合併して話題となりました。この5月に馬篭の宿を訪れたところです。
私の故郷・恵那市は隣りの市です。私の高校時代の国語の先生(太田先生)が、坂本町にある坂本女子高校の文芸部が地元の作家ということで島崎藤村を調査研究していい成果を上げている、という話を授業中にされたことを思い出します。島崎藤村はいわば地元の作家という親しみがあります。
この評伝では、第3章の破戒執筆とその前後のところが最も力が入っている気がしました。今から丁度100年前、1906年に小説「破戒」を自費出版しています。主人公の青年教師・瀬川丑松が素性告白に至る内的な葛藤を主軸にした物語は発表当時も大反響を呼んだとあります。
島崎藤村の代表作を上げる時、いろいろな顔があることに気づきます。「若菜集」のロマンティックな香り、「破戒」の人間解放の模索、「春」・「家」などの私小説的世界、「夜明け前」の歴史小説。どの世界が好きかは読む人の好みかもしれません。私なら「夜明け前」かな。
本書は、作家・島崎藤村が人間として特に女性との関係でいかに自然にあろうとして苦悩したかを跡づけた評伝ということもできます。作家・島崎藤村を知るのに役立つ本です。
推薦度★★★☆☆
逆境ナイン 鑑賞 2006.6.25 CATVにて (87本目/100本/年)
2005年 邦画
監督 羽住英一郎
出演 玉山鉄二 堀北真希 田中直樹 藤岡弘他
全力学園の野球部は弱小につき、廃部を言い渡される。キャプテン不屈闘志は、校長の前で「甲子園出場」を宣言する。9名の部員で可能かどうか、ではなく、決めたら出るのが不屈の生き方です。特訓くらいで野球が上手になるかは、問わずに、マネージャーの月田に恋心を抱いたり、ハチャメチャだが、最後には男・不屈が、決まるから不思議だ‥‥。
スポーツ根性モノの漫画(原作は島本和彦)を「海猿」の羽住監督が映画化したものです。コメディには違いないが、実写で撮る映画で表現するにはちょっと無理があったんじゃないかな、と思いました。ハチャメチャを実写で映像化するのは、非常に難しいのです。
この種の映画は笑いを取れないと、観るほうがしらけてしまいます。30分で止めようかと思いながら、とにかく最後まで観ましたから、関心です。
「タッチ」は未見ですが、比較してみようと思います。
推薦度★☆☆☆☆
我が菜園に来客あり 2006.6.24
今日、我が家庭菜園にお客さんがありました。
我が家で発行した「グリーンボックス」プレゼント(労働組合のバスツアーで、バスの中で行ったクイズ大会の優勝者に賞品として提供したもの=野菜の詰合せセット)で、当った2人のうちの一人が、草津に住んでいる関係で、直接、大津まで取りに来てくれたものです。
昨日、畑の地図を書いて渡しておいたため、10時頃に直接畑に到着しました。
今、収穫できる野菜から、白菜・大根・キャベツ・レタス・サニーレタス・二十日大根・ナス・キュウリ・ジャガイモ(シンシアとインカのめぐみ)・ミズナ、を収穫しました。
袋3つに分けて入れて、自動車で持って帰るのは、箱に詰めて送るのと比較すると、送料がかからないのと、沢山運搬が可能なのと、メリットがあります。収穫に来た本人も大変喜んでいました。
また、秋野菜の時に声をかけることを約束しました。
サッカー 日本 対 ブラジル 戦 2006.6.23
午前3時50分起きで、サッカーの日本対ブラジル戦を観戦しました。
結果は、既にご存知のとおり1対4で、日本が負けて、決勝リーグに進むことはできませんでした。オーストラリアが引き分けたことで、勝ち点4で決勝リークに進みました。
日本とブラジルとの実力の差は歴然としていますから、勝敗の結果自体は、予想されたことですし、この試合に限っては、失点よりも得点に注目していました。
私の予想は2対3でした。玉田選手の得点はその意味で値打ちがあります。誰かにあと一点入れてほしかった。
ロスタイムの失点が日本選手の意気を消沈させるに十分な効果があったという意味では、ブラジルはやはり試合巧者です。
ワールドカップはベスト16からの試合が本番です。トーナメントの一発勝負。白熱した試合を観戦したいと思っています。
みんな誰かの愛しい人 鑑賞 WOWOWにて 2006.6.21 (86本目/100本/年)
2004年 フランス映画 112分
監督 アンエス・ジャウイ
出演 マリルー・ベリ ジャン=ピエール・バクリ アニエス・ジャウイ カイン・ボーヒーザ ロラン・グ他
カンヌ国際映画祭で脚本賞受賞
フランスの有名な作家を父に持つ20歳の娘ロリータは、太り気味の容姿が冴えないことで自分に自信が持てない。父には、ロリータと年齢が余り変わらない若い妻と一人の子どもがいる。ロリータは唯一の長所と思っている「歌唱」で父に認めてもらおうとするが、父は全く興味を示さない。父の名前を告げることで相手の態度が変わることも気になって仕方がない。父に近づこうとして私に接しているのだ、と。彼女は「歌唱」を習うのだか‥‥。
作家とその取り巻きの会話、娘と作家の会話、娘に近づいてくる者との会話、そうした日常を描いている作品。私には、何をどうしたいのか、よくわからなかった。劣等感を持った20歳の娘の不安定な心を描いた映画とでも表現すればいいでしょうか。有名作家の娘であることがどれほどのことなのか、よく分かりません。
この種の映画はちょっと苦手です。会話はきつい言葉が行き交っている。これが日常会話ではやりきれない。
(午後8時からの放送でたまたま鑑賞した映画でした)
推薦度★☆☆☆☆
コラムと私 2006.6.21
職場の新聞に以下のコラムを掲載しました。
この連載コラム「動点」について話す機会がありました。図書館から生まれたある読書サークルから「十七年もコラムを連載している秘訣について話してほしい」と依頼されたものです。週一回水曜日に掲載しているこの五百字のコラム。火曜日の夕方まで懸命にテーマ探しをやって、仕事のあとパソコンに向かって直接執筆するスタイルは最初から変わっていません。コラムは「アップ・ツー・デート」なテーマが生命線です。説教調・紋切り調になると押し付け的で読みづらい。可能な限り経験を共有しながら共感を広げるように書くのが秘訣と思っています。生活の中にアンテナをいかに伸ばし、張り巡らすか▼そこで『生活の中のコラム』と題して、家庭・地域・職域の三方向の座標軸に、同じような長さと時間が配分できれば理想という私の生活信条から、家庭菜園・家族新聞・ホームページ・ブログ・読書・映画鑑賞、体協役員・ソフトボール・ゴルフ・ジョギング、組合の活動等について各々の「取り組み」を一時間くらい報告しました。そのあと、話題の映画『ダヴィンチ・コード』の感想から、高槻市における九〇年代の財政危機の原因まで、率直な意見交換をしました▼読書サークルの活力はなかなかのものです(M)
シモーヌ 鑑賞 レンタルDVDにて 2006.6.20 (85本目/100本/年)
2003年 アメリカ映画
監督 アンドリュー・ニコル
出演 アル・パチーノ レイチェル・ロバーツ ウイノナ・ライダー キャサリン・キーナー他
映画監督ヴィクター・タランスキーは、かってはアカデミー賞にノミネートされたこともあるが、最近は失敗作続き。新鋭女優ニコラには主演女優を断られてしまう。映画プロデューサーの元妻からクビを言い渡される始末。そんな時、タランスキー監督に心酔するハンクが現われ、CGで女優を創るPCソフトを渡される。彼は死亡するが、そのPCソフトは完璧だった。タランスキーは、「シモーヌ」という女優を創造する。そして主演女優に。映画は当り、シモーヌは一大女優に。もう創造上の人物とは明かせなくなってしまった‥‥。
アル・パチーノが主演する喜劇。楽しく観ることができました。映画1作で天国にも地獄にもなる監督と俳優の世界に、CG女優を登場させたらどうなるか。しかも映画が当って一大女優となった時、謎が神秘性となって、より人気を高める方向に作用して、タランスキー監督が彼女をおとしめる作品を作っても、もはや人気は落ちない。彼の手に負えなくなったCG女優。
ハリウッドの世界をある意味では非常に皮肉っています。当った女優は天国となり、当らなかった監督は地獄となる。群集心理の代表・マスコミが必死になってシモーヌを追いかける様はこっけいです。
推薦度★★★☆☆
誰がために 鑑賞 レンタルDVDにて 2006.6.19 (84本目/100本/年)
2005年 邦画
監督 日向寺太郎
出演 浅野忠信 エリカ 池脇千鶴 小池徹平 宮下順子 烏丸せつ子他
東京・下町のある写真館。親が急死して写真館の後を継いでいるのは民郎。かってはパレスチナ等を渡り歩く写真家だった。民郎の幼馴染みのマリが大学卒業記念の写真を撮りに写真館を訪れた時友達を連れてきた。亜弥子。彼女は写真に興味があった。いつか、付き合うようになる。妊娠して、結婚を決意した時、事件が起こってしまう‥‥。
主人公民郎の受難の物語です。最愛の許婚者が目の前から突然消え、犯罪者が「軽い罰しか受けない」と知ったとき、「あなたは、罪を許せますか」がキャッチフレーズの映画です。
少年法の話が出てきます。被害者が「なぜ?」を知りたいと思っても、家庭裁判所の審判は非公開で議事録を閲覧することしか許されないこと。少年の更生が目的であるので、思いのほか早く少年院から出所して社会生活に戻ってきたとき、民郎の「罪は自分の命で償え」という「許せない気持ち」をどこにぶつけたらいいのか。幼馴染みのマリが民郎を好いていることも加わって、静かなうちにも狂気をかもし出していく浅野の顔の表情が上手です。
浅野忠信さんはこの演技で2005年毎日映画コンクール男優主演賞を受賞しています。
亜弥子を演じたエリカは、非常に瞳がはっきりしていてきれいな女優です。気に入りました。
推薦度★★★☆☆
ジャガイモの試し掘り 2006.6.19
ジャガイモの試し掘りとして、葉っぱが黄色くなってきた一株掘ってみました。種類は「シンシア」。メークインに近い品種です。一株に直径12cmほどの芋が5つ。上等な出来です。今年は茎が余り成長しないまま葉っぱが黄色くなり始めていますので心配していました。一安心です。
ほかに、インカのめぐみ・男爵・アンデス・北あかりの合計5種類を栽培しています。食べ比べをしたいためです。試し掘りはしませんでしたが、今年はうまく収穫できそうです。
さっそく、夕方にはジャガイモと肉の煮っ転がし、朝食にはポテトサラダに調理されていました。
父の日プレゼントは ジョギング・セット 2006.6.19
6月第3週の日曜日は父の日ということで、用事で帰省していた娘が「ジョギング・セット」をプレゼントしてくれました。
(毎年プレゼントがあるので内心、期待していましたが、実際に手にするとうれしいものです)
夏用のジョギング・上下服で、通気性に富んで汗を吸収する新素材とありました。
ちょっと滞っているジョギングを再開する動機付けになりそうです。
(息子にプレゼントを「請求」しておきました。効果は?)
雨上がりの畑は作業が一杯 2006.6.16
前線が通過して昨夜から沢山の雨が降りました。
朝5時半に起きて、雨上がりの畑を覗いてみました。
相当の雨の量だったらしく、溝には水が残っていました。
トウモロコシが大きくなって、真中から穂が出てきていますが一部倒れかけていましたので、直す作業をしました。
キュウリのツルが延びてきていましたので誘導の作業をしました。1本を収穫。
ナスの木が伸びてきましたが、枝が沢山出てきていますので余分な枝を切って整理しました。
エンドウの収穫は終わりましたが、未だ支柱とかは残っていますので、解体する作業をしました。
ピーマンは下のほうに房をつけていましたが、木の生長の妨げになるので、小さいですが、収穫しました。5個収穫。
等々しているうちに、時間オーバー。家に帰りました。
ピアニスト 鑑賞 レンタルDVDにて 2006.6.15 (83本目/100本/年)
2002年 フランス映画 132分
監督 ミヒャエル・ハネケ
出演 イザベル・ユベール ブノワ・マジメル アニー・ジラルド アンナ・シガレヴィッチ他
音楽の都ウイーン。エリカは母と一緒に暮らしている。40歳を過ぎて中年女性になっている。ウイーン国立音楽院のピアノ教授をしている。彼女の私的な演奏会で好青年ワルターのピアノ演奏に才能を見出したが、彼女からは何もしなかった。しかし、ワルターはエリカに好意を示して、遂には音楽院の生徒になって彼女に近づいてくる。トイレでキッスしようとすると、彼女が意外なことを告げるのだった‥‥。
2001年カンヌ映画祭でグランプリ・主演女優・主演男優の3冠を獲得した作品と言う前宣伝でレンタルした作品。
観終わって、エリカの普通でない性癖というのはどうも理解できません。病める女性ということか、芸術家は概して変わっているということなのか、私の趣味の範囲を越えた話は付いて行けないのが実際の感想です。カンヌ映画祭というのはこういう問題作を好むのでしょうか。
推薦度★★☆☆☆
岩波新書と私 2006.6.15
職場の新聞に以下のコラムを掲載しました。
今ちょっとした新書ブームです。岩波・中公・講談社の御三家に、新潮・光文社・ちくまの新御三家が加わって、『バカの壁』『下流社会』などベストセラーも出ています。そんな中で老舗岩波新書が発行2500冊を迎えています▼今は普通名詞のように使用される新書版ですが、最初に出た岩波新書の大きさから来ているとのこと。その第一冊目は1938年11月に発行された「奉天30年上・下」です。岩波新書は「現代人の現代的教養」を謳い「各分野の専門家が、素人である読者に向かって自分の専門に属することを分かり易く語る啓蒙的な新書」と説明できると思います▼私的経験で恐縮ですが、私は学生時代の恩師に「岩波新書を読みなさい。その分野の第一人者が素人にもわかるようにしかも200ページで分かりやすく説明している本だ。是非読むように。」と勧められて関心を持つようになり、一時期「取っていた」関係で、購入は全体の半分弱、1200冊を越えています。刊行の歴史が自分の読書の歴史と重なることもあって、最近発行された『岩波新書の歴史』(鹿野政直著 岩波新書)を興味深く読んでいます▼年間3000点以上が刊行されている新書本の世界。売れ筋は必ずしも良い本ならず。自らの目で選択を(M)
にあんちゃん 鑑賞 CATVにて 2006.6.13 (82本目/100本/年)
監督 今村昌平
原作 安本末子
出演 長門裕之 吉行和子 二谷英明 松尾嘉代 中村武 前田暁子 北林谷栄 小沢昭一他
昭和28年佐賀県唐津市の大鶴炭鉱。事故が起こって一家の大黒柱の鉱夫が亡くなる。残されたのは20歳の長男安本喜一、長女の良子、次男の高一、末っ子の末子の4人。喜一は臨時鉱夫だった。炭住に住むが生活は苦しい。学校へもっていく弁当がない。高一は昼休み水を飲んで鉄棒で遊んでいる。不況の煽りを受けて臨時鉱夫が先ずクビに。安本家はバラバラになる。高一と末子は阿藤さんの知り合いの炭鉱夫に引き取られるが、そこも苦しい。やがて、炭鉱は閉山となり、ヤマやら去っていく日が来る‥‥。
故・今村昌平監督追悼映画第一弾(チャンネルNECO)です。1958年に発売されてベストセラーになった小学生安本末子さんの日記『にあんちゃん』の映画化です。発売当時、小学校で担任の先生が取り上げてクラスで読んでもらった覚えがあります。
時代設定は昭和28年とありますが、当時は皆貧しかったこと、それでも皆逞しく生きていたことを実感させてくれる映画です。著者と同世代の人は同じような体験をしていますし、少し若い団塊世代もほぼ同様です。だから、こんな時代があったのか、ということを若い世代にも知ってほしいと思います。
「3丁目の夕日」が昭和33年の街の希望を描いていたとすれば、そのわずか4年前、田舎ではこんなにも貧しい中を小学生の主人公を含めて皆が逞しく生きていたんだ、という対比をして、観てほしいと思いました。歴史的な証言者としての価値をもっている映画です。
推薦度★★★★☆
サッカー 日本 対 オーストラリア 戦 2006.6.13
一所懸命応援していましたが、1対3と、残念な結果でした。
敗因はいろいろあると思いますが、私が感じたのは、相手があれだけ前がかりで攻めてきているのですから、スペースが空いて、攻撃のチャンスがあったはず。
そのチャンスをモノにできなくて追加点を奪えなかったことだと思います。バックは攻撃にジッと耐えていましたが、あれだけ長い時間だと、最後は突破されてしまう。その前に追加点を上げて、相手の焦りを誘う以外にないのです。高原・柳沢が相手のディフェンス2人と対峙した場面が決定的な場面でした。
その時、高原がシュートを打つことを予想して、柳沢はキーパーからのこぼれ球に対応すべく詰めていた。それが柳沢へのパスだったので、後ろに下がる感じとなってうまくいかなかった。高原がシュートする場面でした。
随分と厳しい前途となりましたが、少しだけでも希望があることを信じて、第2戦に全力投球する以外に道はありません。
ダヴィンチ・コード 鑑賞 大津セブンシネマにて 2006.6.12 (81本目/100本/年)
2006年 アメリカ映画 152分
監督 ロン・ハワード
出演 トム・ハンクス オドレイ・トトウ ジャン・レノ イアン・マッケラン ポール・ベタニー他
ルーブル美術館の館長が夜中に何者かによって殺される事件が起きる。奇怪なダイ・メッセイージを残して。会う約束をしていたロバートラングドン教授(宗教象徴学)が現場に呼ばれる。そこには、館長の孫娘ソフィー・ヌヴォーも来ていた。刑事はラングドン教授を疑っている。孫娘と協力してダイメッセージを解読しようとするのだが‥‥。
ウワサの映画を鑑賞。夫婦2000で。世界中でベストセラーとなった歴史ミステリー小説(購入してあります。私は最初の10ページのみで未読、あとの二人は読了)の映画化です。
正直いって分かりにくい映画でした。それはキリスト教に対する無理解が原因だと思います。歴史的事実や宗教上の単語などが分かっていないとよく理解できないところがあります。
エンターテイメントとして楽しみなさい、というのが映画ですが、会話中心に謎解きを進めていく画面を眺めるには、予備知識が相当に必要な気がします。
推薦度★★☆☆☆
高齢者の年金課税と市民税 2006.6.12
職場の新聞に以下のコラムを掲載しました。
平成18年度の市・府民税納税通知書が発送されて、一斉に電話が鳴り、窓口には沢山の市民が訪れています。どこの市町村でもきっと同じ光景でしょう▼今回の税制改正は高齢者を直撃しています。65歳以上の高齢者の場合、�老年者控除(48万円)が廃止され、�公的年金等控除の最低控除額が 140万円から120万円に引下げられ、さらに�合計所得金額125万円以下の非課税措置が廃止されました。その結果、昨年に比べて何倍もの増税になる人や、年金収入は減っているのに計算上の所得が増え、今までの非課税から新たに課税になる人が高槻市で数千人も生まれたのです▼それ以外にも均等割と所得割の非課税限度額が引下げられたため新たに課税される市民がいます。それらを合計すると、高槻市で新課税者は9,000人に上ります。付言すれば、所得税についてはすでに同様の年金課税強化が昨年度より実施されています。市民にとっては二年連続のダブルパンチに写ります▼改正理由は、基礎年金の国庫負担引上げに必要な財源を確保するために世代間、高齢者間の「不公平」を是正するためだと。この説明で納得する市民がどれだけいるか。担当職員には説明責任が押しつけられています(M)
クラッシュ 鑑賞 高槻市生涯学習センターにて 2006.6.8 (80本目/100本/年)
2005年 アメリカ映画 112分
監督 ポール・ハギス(ミリオンダラーベイビーの脚本家)
出演 サンドラ・ブロック ドン・チードル マット・ディロン他
冬のロス・アンジェルス。黒人刑事のグラハムは恋人マリアと交通事故に遭遇する。ペルシャ人の雑貨店経営者ファハドは娘とともに拳銃を購入するため銃店に入る。白人を敵視する黒人青年アンソニーと友人ピーターは白人乗用車の乗っ取りを計る。地方検事のリックと妻ジーンは母を訪れる。黒人を差別する白人警官ライアンと同僚ハンセンは高級乗用車を止める。裕福な黒人夫婦キャメロンとクリスティンは車を止められ、尋問を受ける。カギ屋は銃に怯えている子どもにマントの話をする。等々の人々が行動を起こす時、何かが始まる。
2005年のアカデミー賞作品賞・脚本賞受賞作品です。月一シネマで鑑賞しました。
7組から8組の、人種も仕事も収入も生きがいも違う人たちが織り成す人間模様。本音なのか会話の装飾なのか、人種差別の言葉が派手に飛び交い、ロスは人種のルツボであることを描いていきます。それらの人々が偶然交差する時、その人の人生は思っても見ない方向へ転んでいってしまうのです。
群像劇をみているようで、登場人物をストーリーに位置付けるのが大変です。彼らが交差する時、あの時のあの人、となっていきます。「衝突する」両者を知っている構成。
黒人を蔑視してやまない差別警官が事故を起こした自動車から黒人女性を身体を張って助ける。逆に、そんな彼を非難していた青年警官がふとしたことで黒人青年を殺害してしまう。気持ちとは別の思わぬ方向へ進んでいくのが人間であり人生なのだと、人の多面性を描く映画です。
雑踏のような世界を描いていて、これがロスと言う都市か、とちょっと怖くなりました。
推薦度★★★☆☆
HDD内蔵DVDレコーダーとCATVの相性 2006.6.7
我が家はCATV(EO光)でテレビを観ています。CATVの場合、録画環境が整っていないと言われています。
理由は、有線で送られてきた信号は有線の会社が提供する「デジタルトップボックス(STB)」を通って受像機に入る経路にあります。
一般のアンテナから入る信号から録画する場合、信号は先ず録画機(チューナー付きの場合)に入って受像機へ流れています。従って、録画機で予約すれば問題なく録画できます。
しかし、CATVの場合、STBを通るため、先ずSTBで予約して電波を通したのち、録画機で再び予約してやっと録画できることになります。同じことを2回する面倒があります。
今、CATVではSTB自体にHDDを内蔵して録画を可能とする動きがあります。しかし、STBの選択は視聴者の自由にはならない。
そこで、いろいろ検討した結果、現段階では、STBで予約した信号をそのまま録画機に送ってくれる機能をもつDVDレコーダーを選ぶことにしました。そうすれば、予約は一回で済みます。
我がCATVの場合、STBの会社がパナソニックでそうした機能はパナソニックとパイオニアのみがサポートされているという情報から、結局、パナソニック製のHDD内臓DVDレコーダーを選択した次第です。
なかなか難しい時代になったものです。
旅は道ずれ風まかせ 鑑賞 HDD録画(CATV)より 2006.6.5 (79本目/100本/年)
1958年 大映 79分 モノクロ
監督 田坂勝彦
出演 市川雷蔵 浦路洋子 根上淳 三田登喜子 千葉敏郎 若松和子他
風来坊源太は、旅の途中で三次という旅人を無理やり兄貴分に仕立てて一緒に行動する。二人は追分の宿で仁兵衛親分一家に草鞋を脱ぐ。落ち目の一家は娘お絹が取り仕切っているが、生活は苦しい。豆腐がご馳走だ。三次に言われて賭場に出かけイカサマを自認して稼いだ源太はお絹に渡そうとする。賭場を仕切っていた親分はこの際一気に仁兵衛一家を潰そうと企む‥‥。
時代喜劇。市川雷蔵はこうした軽い役がよく似合います。
この映画を観たかった理由は、ロケ地。1958年作ですが、ロケ地は大津市上田上堂町とありました(「銀幕の湖国」)。今住んでいるところの近くです。どの場面がどこで撮影されたかを、一所懸命推理しながら鑑賞した次第です。
といっても、私がこの地に引越ししてきたのは、22年前ですから撮影当時は知りません(妻はこの地の生まれですから分かるはずです)。
そうした上で推理したのは、仁兵衛一家が居を構えている所が丸ごとセットで建てられたか家を利用したか、ではないか、ということ。屋根の高さくらいの道からトントンと降りてくると、井戸があって、玄関があって、中にたたきと台所がある。きっと、堂町の中を流れる川の堤防が道で、下にあった家がセットに利用されたのではないかと思いました。
いつか、地元の人に聞くとかの方法で確かめてみたいと思います。
推薦度★★☆☆☆
ラベンダーの咲く庭で 鑑賞 レンタルDVDにて 2006.6.3 (78本目/100本/年)
2004年 イギリス映画 105分
監督 チャールズ・ダンス
出演 マギースミス ジュディ・リンチ ダニエル・ブリューエル ナターシャ・マケルオーン他
1936年のイギリスのコーンウオール地方の話。海に面した崖の上に一軒家があり、ジャネットとアーシュラーの老姉妹が住んでいる。お手伝いさんが通っている。庭が美しい家だ。ある日、海岸に青年が流れ着く。足を骨折していて、すぐには歩けない。看病する二人。ポーランド人を名乗り、英語が分からない。英語を覚えるようレッスンをするアーシュラーは楽しそうだ。崖の一軒家がにぎやかになる。彼には音楽を聞く耳が鋭く、バイオリンの名手であることが分かる。美人画家が現われ、彼のバイオリン才能を伸ばすためにロンドン行きを勧める。家に波が立ち始める‥‥。
流れ着いた青年と老夫婦との心の交流の話です。映画会で見そびれていて、今回レンタルしました。静かな流れの中にも心の起伏が丁寧に描かれています。青年のバイオリンがいい。いつの時代の話か、映画では直接は分かりませんが、解説では、1936年設定とのこと。青年の国へナチスが侵攻する前夜の舞台設定です。彼のバイオリンで踊りだす村人。青年を迎える村人の暖かさが伝わってきます。
推薦度★★★☆☆
岩波新書と私 2006.6.2
岩波新書の新赤版の発行が三月に1000点を越えました。それを記念して大著『岩波新書の歴史』(鹿野政直著386頁+総目次172頁)が発行されました(5.19発行。現在購読中)。
岩波新書の第一冊目は1938年11月「奉天30年上・下」(クリスティー著)だそうです。
○最初の赤版が1946年10月まで101冊
○次の青版が1949年4月〜1977年4月まで1000冊
○次の黄版が1977年5月〜1987年12月まで396冊
○そして今の新赤版が1988年1月〜2006年3月まで1008冊
という内訳になっています。この冊数を合計すると2,505冊になります。
高校〜大学時代にお世話になったのが青版です。150円と180円の定価を覚えています。高校時代では、図書館に岩波新書コーナーというのがあって、全部そろっていました。歴史の勉強に「江戸時代」(1958年)を読んだことを覚えています。
就職、結婚してからですが、岩波新書の購入をはじめました。黄版の100番「法とは何か」(渡辺洋三著 1979.10発行)がその第一号でした。それから、2004年3月新赤版884の「江戸の旅文化」まで、購入しました。合計すると、黄版296冊+新赤版884冊で1,178冊を購入したことになります(その後も全部ではありませんが、興味のある本は購入しています)。
なぜ「岩波新書を取る」ようになったか、の点ですが、学生時代のゼミの先生(有田正三教授)が「岩波新書を読みなさい。その分野の第一人者が素人にもわかるようにしかも200ページで分かりやすく説明している本だ。是非読むように。」とゼミの中で話されました。そのことが契機になって、意識的に岩波新書を見るようになりました。
その後、就職した職場で、出入りしていた本屋さんと仲良くなり、「岩波新書を取りますから届けてください」と約束した結果、毎月、岩波新書が職場に届くようになりました。確実に購入する方法を見つけたわけです(なぜ2004年で終了したかというとその本屋さんが廃業したためです。)。
この25年間の読書はある意味では岩波新書とともにあったということができます。月に3冊発行が基本でしたが、新赤版からはもう少し多くなりました。全部を読んだわけではありませんが、月1冊〜2冊は読むことができました。
多義にわたる分野が網羅されていますが、タイトルが気に入った順に、とにかく最初の50頁を読んで見る、そしてその後読み続けるか、止めるかを決めるという読書法で読んでいきました。
その25年間と今回の「岩波新書の歴史」とが重なりますので、じっくり読みながら、読書時を振りかえって見たいと思っています。
ネクタイ 考 2006/6/1
今日6月1日は「衣替えの日」です。駅のホームは高校生の服装が夏用に替って明るくなりました。今日から「クールビズ」よろしく「ノーネクタイ」で出勤しています。
元々ネクタイは首が締め付けられる気持ちがして嫌いなのですが、スーツの場合はネクタイなしでは格好がつかないため、仕方なく使用していたのですが、今日からはネクタイから解放されました。首回りがすっきりして快適です。
我が家の長男がこの4月から社会人、しかも営業なのでスーツとネクタイは必需品です。
一階にネクタイ置場に各々のネクタイが置いてあって誰が使用してもよいことになっています。いわば「供用(!)」しています。
元県職委員長の挑戦 2006/5/31
職場の新聞の以下のコラムを掲載しました。
滋賀県の普通科高校入試が今年度からこれまでの「六学区制+調整」から「全県一区制」に変更になっています。全国的にも数県しか実施例がない制度を、性急に導入した国松県政に批判が広がっています▼「全県から膳所高校をめざす人の流れが生まれ、湖北地方では彦根東高校へ向かう流れが生まれる」「その結果どうなるか、大津の子どもが大津の高校から締め出されて京都の私学へ、県下でいくつかの高校がつぶれ遠距離通学が増え、高校別の入試制度が導入され、中学校の先生は進路指導ができなくなり、塾だよりとなることが目にみえています」「多感な高校生をいま以上に過酷な競争に巻き込んで何が生まれるのか」「私たち大人が何か間違いを犯していないかと自問の日々です」▼紹介したのは『くもりのち晴れ』(辻義則著・萌文社)の一節です。著者は元滋賀県職員組合委員長・県自治労連議長で、組合の機関紙に十二年にわたって掲載してきたコラムが一冊の本にまとめられました。著者の正義感・反骨心、労わりの心情、季節への気配りが感じられる本です▼その辻よしのりさんが六月十五日告示の滋賀県知事選挙に「民主県政の会」から立候補することを表明して話題になっています(M)
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