NOEL(ノエル) 鑑賞 レンタルDVDにて 2008.3.21(金) (今年23本目)
2004年 アメリカ映画
監督 チャズ・バルミントン
出演 スーザン・サランドン/ベネロベ・クルス/ポール・ウオーカー/アラン・アーキン/他
クリスマスイブを迎えたニューヨーク。40路となったローズは認知症の母を見舞う毎日を10年も送っている。母の隣りの病室に人形を架けに行って見舞い客と会話を交わす。同じビルに勤める若者とデートするがうまく行かない。川べりを歩いていると見舞い客と会う。イブの夜だった‥‥。
クリスマス・イブを悩みの中で迎える人々を描いています。認知症の母を介護するローズ。結婚を控えて将来の夫の嫉妬に悩むニーナ、その夫マイクは変なおじさんに付きまとわれる、妻の生まれ変わりだと主張するアーティ。彼らが持っている悩みに、イブという特別の夜が小さな奇蹟を起こします。ハートフル映画。
ちょっと見る時期を間違えたかもしれませんが、楽しく鑑賞しました。スーザン・サランドンの哀愁を漂わせる名演技が光る映画。
推薦度★★★☆☆
日本の青空 鑑賞 高槻市生涯学習センターにて 2008.3.12 (今年19本目)
2007年 邦画
監督 大澤豊(「アイラブユー」シリーズ3部作)
出演 田丸麻紀/高橋和也/水野久美/左時枝/藤谷美紀他
特集に「日本国憲法の原点を問う」を取り上げることになった月刊誌の編集部。そこで派遣で働いている沙也可は母から、鈴木安蔵という憲法学者がいて憲法制定に深く関わったと話を聞き、調べ始める。それは、日本国憲法がGHQに押し付けられたものではないことが段々と分かってきて‥‥。
前安倍政権など、日本国憲法改正の動きがある中で、今の憲法がGHQ押し付けではなく日本人の研究会が発表した憲法草案が参考たたき台になっている事実があると解明していく意欲的な映画でした。民間で設立された憲法研究会のメンバーの中心にいたのが鈴木安蔵という憲法学者でその軌跡を追っています。
この草案には軍隊に関する規定がありません。それをどう解釈するかが映画でも出てきます。見てのお楽しみです。
推薦度★★★☆☆
ナイト ミュージアム 鑑賞 浜大津アーカスシネマにて 2007.3.27(36/150/年)
2006年 アメリカ映画 115分
監督 ジョーン・レヴィ
出演 ベン・スティラー/ロビン・ウイリアムズ/カーラ・グギーノ/ディック・ヴァンダイク他
ニューヨーク・ブルックリン生まれのラリーは今は失業の身。一人息子ニッキーは離婚した妻側で生活していて、時間を決めて会っている。ラリーに喜んでもらうためにも、仕事を決めないとと、やってきたのは自然史博物館の夜間警備員。初めての警備の夜。博物館では、とんでもない事態が進行しています‥‥。
タイトルのとおり、博物館は夜間になると展示品が生命を復活させたように動き出すのです。その動きを楽しむ映画です。CG撮影でしょうか、何でもありの動きがあって賑やかです。アメリカ大陸の歴史を学ぶ博物館ですから歴史上の人物などが出てきます。その予備知識があるともっと楽しめます。
これは、日本語吹き替え版で十分だから、子どもと一緒に鑑賞して楽しむファンタジーでコミックな映画です。
推薦度★★☆☆☆
ノエル 鑑賞 レンタルDVDにて 2007.1.21 (14/150/年)
2005年 アメリカ映画
監督 チャズ・パルミンテリ
出演 スーザン・サランドン/ペネロベ・クルス/ポール・ウオーカー/アラン・アーキン他
クリスマスイブの夜。ローズは認知症の母を病院に見舞うが母からの反応は無くなっていた。ニーナは来週結婚を控えているが、嫉妬深い夫マイクは男関係を常に疑って、ニーナは信じてくれないと悩む。そのマイクは友人と一緒にいて偶然会った老人アーティーに付きまとわれる。それぞれがれぞれの事情の中で迎える「クリスマス・イヴの夜」。そんな彼らに小さな奇蹟が‥‥。
アメリカ映画特有のクリスマス映画です。スーザン・サランドンの渋い演技と、ベネロベ・クルスの華やいだ演技とが、映画を引っ張っています。「特別な夜」だから、この日をどう過ごしたいか。
ロジャー・ウイリアムが出演しています。特別出演のような形です。
私の印象としては、クリスマスと奇蹟の話、ということで可もなく不可もなく、です。
推薦度★★☆☆☆
ナイロビの蜂 鑑賞 レンタルDVDにて 2006.11.13 (143本目/150本/年)
2005年 イギリス映画 128分
監督 フェルナンド・メイレレス(「シティ・オブ・ゴッド」)
出演 レイフ・ファインズ(「イングリッシュ・ページェント」) レイチェル・ワイズ(この映画でアカデミー賞助演女優賞獲得) 他
英国外務省の一等書記官ジャスティンは、ケニアのナイロビに赴任していた。母国で代理の講演をした時、鋭い質問を浴びせたテッサと恋仲となり、赴任とともに結婚した。妻は黒人医師アーノルドとともに、貧民街の救援活動を手伝っていたが、政治に興味がないジャスティンはテッサを遠くから見守るだけだった。空港で妻と別れた後、ツルカ湖で死体で発見される。ジャスティンは意を決して、妻の死の真相を追求する決意をして、行動を開始する‥‥。
大手製薬会社の資金と陰謀に立ち向かう救護ボランティアをする英国夫人の闘いの話です。圧倒的権力の前では、謀殺される危険があるのも覚悟の上で、です。迫力あるストーリーです。監督は、シティ・オブ・ゴッドのドキュメンタリータッチの手法を取り入れ、ケニヤの貧民街と市民を追います。
夫が妻の死後、妻の闘いの真実を知るために妻の足跡を追います。巨悪を暴くことができるのか。謀略がはびこるのは貧しい国を買収する膨大な資金があるから。正義は届くのか。いろいろ考えさせられました。
推薦度★★★☆☆
ナルニア国物語 鑑賞 2006.8.20 (109本目/150本/年)
2006年 アメリカ映画
監督 アンドリュー・アダムソン
原作 ルイス「ナルニア国物語」第1作「ライオンと魔女」(1950年)
出演 ジョージー・ヘンリー スキャンダー・ケインズ ウイリアム・モーズリー アナ・ポップルウエル ティルダ・スウィントン他
第二次大戦下のイギリス・ロンドン。ドイツ軍の空爆が激しくなり、ペベンシー一家の子ども4人は田舎に疎開することになった。カーク教授の家は古く広い。4人兄弟姉妹がかくれんぼ遊びをして、末娘のルーシーは衣装箪笥の中に隠れた。そこは真っ白い森の中だった。戻ってその話をしても誰も信じない。ある時、4人が揃って箪笥に入り、白い森を体験することになる。そこは、ナルニア国だった‥‥。
冒険・ファンタジー映画。ディズニーらしい話です。原作があって、ルイスという作家がイギリスで1950年から7作にわたって発表したその第1作「ライオンと魔女」とのこと。
ファンタジー映画ですからそのまま楽しんだらいいと思います。対戦シーンなどはCGも駆使されています。
可もなく不可もない映画でした。
推薦度★★☆☆☆
にあんちゃん 鑑賞 CATVにて 2006.6.13 (82本目/100本/年)
監督 今村昌平
原作 安本末子
出演 長門裕之 吉行和子 二谷英明 松尾嘉代 中村武 前田暁子 北林谷栄 小沢昭一他
昭和28年佐賀県唐津市の大鶴炭鉱。事故が起こって一家の大黒柱の鉱夫が亡くなる。残されたのは20歳の長男安本喜一、長女の良子、次男の高一、末っ子の末子の4人。喜一は臨時鉱夫だった。炭住に住むが生活は苦しい。学校へもっていく弁当がない。高一は昼休み水を飲んで鉄棒で遊んでいる。不況の煽りを受けて臨時鉱夫が先ずクビに。安本家はバラバラになる。高一と末子は阿藤さんの知り合いの炭鉱夫に引き取られるが、そこも苦しい。やがて、炭鉱は閉山となり、ヤマやら去っていく日が来る‥‥。
故・今村昌平監督追悼映画第一弾(チャンネルNECO)です。1958年に発売されてベストセラーになった小学生安本末子さんの日記『にあんちゃん』の映画化です。発売当時、小学校で担任の先生が取り上げてクラスで読んでもらった覚えがあります。
時代設定は昭和28年とありますが、当時は皆貧しかったこと、それでも皆逞しく生きていたことを実感させてくれる映画です。著者と同世代の人は同じような体験をしていますし、少し若い団塊世代もほぼ同様です。だから、こんな時代があったのか、ということを若い世代にも知ってほしいと思います。
「3丁目の夕日」が昭和33年の街の希望を描いていたとすれば、そのわずか4年前、田舎ではこんなにも貧しい中を小学生の主人公を含めて皆が逞しく生きていたんだ、という対比をして、観てほしいと思いました。歴史的な証言者としての価値をもっている映画です。
推薦度★★★★☆
ナナ 鑑賞 レンタルDVDにて 2006/5/23 (73本目/100本年)
2005年 東宝映画
監督 大谷健太郎
原作 矢沢あい
出演 中島美嘉 宮崎あおい 松田龍平 他
小松奈々と大崎ナナ。同名の二人が新幹線の席が偶然隣同士となる。そして、引越し先を探していて再び遭遇。それがもとで一緒に暮らすことになる。大崎はバンドを再結成する。小松は自分の彼を追っかけているが、人気バンド「トラネス」が好きだ。コンサートのチケットを入手して大崎を誘うが、実はトラネスの一人は昔のバンド仲間だった‥‥。
人気漫画の映画化だそうです。確かに劇画調の映画でした。ナナ同士の友情というのがテーマかな。二人が何をして生活費を稼いでいるのかがちょっと分からなかった。東京で暮らすというのはそんなに簡単ではない気がします。独特の服装も含めてバンドは若者の憧れでしょうから、バンドにまつわる話は身近に感じられるでしょう。途中でスイッチを切ることなく、しっかりと最後まで、観たことだけは報告できます。
推薦度★☆☆☆☆
ナチュラル 鑑賞 CATVにて 2006/3/24 (48本目/100本/年)
1984年 アメリカ映画 138分
監督 バリー・レヴィンソン
出演 ロバート・レッドフォード グレン・クローズ ロバート・ヂュヴァル キム・ベイシンガー 他
1920年代のアメリカ。ロイ・ホッブズは左利きの剛投手として大リーグにデビューするはずだった。が、途上で凶弾に倒れてしまう。16年後、再び、打者として、大リーグチームに現れる。過去を封印して、鮮烈なデヴューを果たす。ナショナルリーグ優勝を目指すチームに、チーム経営者がそれを喜ばない複雑な事情が絡み合う‥‥。
ロバート・レッドフォードがうってつけの役どころとして主演しています。ラスト場面でキャッチボールするロイが本当に魅力的です。野球の勝敗と賭け事と絡ます昔の球団経営者と、実際にプレイする選手との対決という構図は、そののち作られた「メジャーリーグ」でもありました。
恋人役のグレン・クローズがこの年のアカデミー賞の助演女優賞にノミネートされました。
アメリカは野球映画が好きという雰囲気が出ている映画です。
推薦度★★★☆☆
ネバー・セイ・ダイ 鑑賞 レンタルDVDにて 2006/2/23 (34本目/100本/年)
2001年 米映画 91分
監督 ジョン・グレン
出演 クリストファー・ランバード ケリーフォックス ビンセント・リーガン他
テロリスト・アマーの殺害を計画・実行した暗殺部隊8名だったが、本物は生きていた。そして、顔を変え復讐を企ててくる。一人また一人と消されていくかっての暗殺部隊。雇用先のイスラエルは取り合ってくれない。怪我をしながら生き延びたトニーは迫り来るアマーと、またアマーが狙う本当の標的を知ろうと必死になるのだが‥‥。
イスラエルとパレスチナの政情不安を背景に両国が暗殺者を雇って殺人を繰り返す中で、今までは人を追う部隊だったがチームの一員を次々消されていく追われる恐怖を体験する物語。91分と短い映画でした。テロリストと暗殺部隊との闘いを描くアクションものという分類か。
中東情勢については、地理的に疎いのが鑑賞者の難点。地名がいろいろ出てきますが、位置関係がはっきりしない。最後は両国の和平への動きのなかでそれを妨害しようとする勢力と護衛勢力との闘いとなります。スリルはありましが、物語としては可もなし不可もなし。
推薦度 ★★☆☆☆
日本列島 鑑賞 チャンネルNECO にて 2006/2/4 (23本目/100本/年)
1995年 日活
監督・脚本 熊井啓
原作 吉村公一郎(「小説日本列島」)
出演 宇野重吉 二谷英明 鈴木瑞穂 芦川いづみ 木村時子他
昭和34年、アメリカ軍キャンプにあるCID(犯罪捜査課)に着任したポラック中尉は、リミット曹長殺人事件の資料を取り寄せるように、通訳主任秋山に命じた。これは昨年起こった事件で水死体は米軍が警察から撤収して事故死と発表、幕を引いてしまったものだ。秋山は妻が米兵に暴行されて事故死扱いされた経験を持つ。警視庁の黒崎から、リミット曹長は偽ドル札を追っていたことを知る。精巧なドイツ製の印刷機と技師伊集院が一緒に消えたことも知る。娘和子は教師をしていた。父が連れ去られた時家族を脅したカラ沢という人物が浮かび上がった。かれこそ謀略機関で働く謎の男だった‥‥。
1965年の熊井啓監督作品です。1945年の敗戦後日本を占領した米軍の影の部分と日本列島で起こった怪事件(下山事件・松川事件等)との繋がりを追う社会派サスペンスです。米軍の謀略機関が偽ドル印刷を手掛けタイ・ビルマの麻薬を香港ルートで運搬しているという想定を立てて、次々起こる怪事件に切り込んでいきます。しかし、謀略機関の暗躍によって真相は解明されず、不安を残しながら、余韻を伴った結末になりました。
社会派サスペンスの名にふさわしい骨太の映画です。40年ほど前の映画ですが、古さは感じさせません。グングン引きこまれていきます。宇野重吉さんが好演しています。芦川いづみ、三谷英明などもいいと思います。
ビデオにはなっていないので、なかなか鑑賞できないでいました。熊井啓監督の代表作と言えると思います。
推薦度 ★★★★☆
名もなきアフリカの地で 鑑賞 レンタルDVDにて 2005年11月19日(土) (88本目/100本/年)
2001年 ドイツ映画
監督 カロリーヌ・リンク、原作 シュテファニー・ツヴァイク
出演 ユリアネ・ケーラー、メライブ・ミニッゼ、レア・クルカ、カロリーネ・エケルツ、マティアス・ハービッヒ他
2001年ドイツ主要5部門映画賞受賞 2002年アカデミー最優秀外国語映画賞受賞
1938年4月のドイツ。レギーナのお爺さんはホテルを経営し父ヴァルターは弁護士で母イエッテルは美しかった。雪が降っていた。ナチスの台頭とももに、先にケニアに逃れていた父ヴァルターの手配で、母親イエッテルと娘レギーナは海を渡りケニアの地を訪れる。ロンガイの農場で働いているヴァルター。砂漠化して荒廃した大地に住むのは困難を伴った。そこに料理人がいて、レギーナのことを「小さなメンサブ」と呼んで親しくなった。次第にケニアの大地とそこに住む人々に慣れていくレギーナ。最初は「帰りたい」と諍いが絶えなかったイエッテルとヴァルターだったが、オルクの農場に移ってからは、次第に大地の生活に慣れてくるイエッテルであった。
壮大なアフリカ・ケニアの地で、ナチスの迫害に会う親・親戚の心配をしながらも、自ら、最初は嫌った大地の生活に挑戦していく母親イエッテルと娘レギーナの母子の、順応する強さ・たくましさ、現地に学ぼうとする姿勢の確かさが印象的な映画です。先に生活しながら溶け込めない父親との対比もあって、印象的でした。料理人が雇用人の立場で控えめながら実際には生活の先導役として本当にいい役回りをしています。
鑑賞したあと、アカデミー賞を受賞していることが分かっ他のですが、納得しました。撮影が大変だっただろうな、と思いをはせながら鑑賞しました。
推薦度★★★☆☆
ナショナルトレジャー 鑑賞 レンタルDVDにて (76本目/100本/年)
2004年 米映画 131分 ディズニー
監督 ジョン・タートルトーブ
出演 ニコラス・ケイジ、ハーヴェル・カイテル、ジョン・ヴォイト、ダイアン・クルーガー他
ベン・ゲイツはゲイツ家代々から伝わる「宝物探し」の話をお爺さんから聞いて、大人になっても忘れられない。「秘密はシャーロットが握っている」と言う言葉はどういう意味なのか。氷の中に眠る沈没船を見つけ、手がかりを得るが、対抗する冒険家に爆破されてしまう。
アメリカ独立宣言に最後に署名した人がその宣言書の裏に秘密の地図を隠していることを突き止めるが、本物は「記念館」に厳重に保管されている。地図を見るには「本物」に触れるしかない。盗み出すのか。
アメリカ独立戦争時の有名な人の名前が沢山出てきて、謎解きと冒険活劇を繰り広げますが、逆に活劇として、それに徹した映画としてみた方がいい。どんな困難も破られるためにある、というような設定。だから何も恐れることはないし、うまく行く。
この種の映画はそんな展開に不満が残る。なんでそんなにうまく行くの。ディズニーだからなの。対抗しても殺し合いはないから敵も怖くないし。FBIも人情味があるし。
場面を楽しめばそれでいいよという映画?
推薦度★★☆☆☆
ニュースの天才 鑑賞 レンタルDVDにて 2005年8月23日 (70本目/100本/年)
2004年日本公開 アメリカ映画
監督 ビリー・レイ
出演 ヘンデン・クリステャンセン、ピ−タ−・サースガード、クロエ・セヴィニー、スティーブン・ザーン他
「the new republic」という雑誌の編集室。アメリカでは権威のあるニュース雑誌だ(大統領専用機に置いてあることが自慢)。記者スティーブン・グラスは24歳。上司、同僚、チームに気配りをしながら和を保って記事を書くタイプ。出身高校で「体験」を語る形で、記事を書き、取材する自分を重ねていく。彼が取上げるテーマは政治というより身近なゴシップなど。編集会議でのテーマの説明が上手で、彼の話を皆が期待するようになる。スクープをものにしてスター記者となっていく。そんな時、彼が書いた「ハッカー天国」の記事に他社から調査に入る。新編集長はそんなグラスと彼の記事にどう処していくのか。悩みは深い。
アメリカで実際に起こった話に基づく映画とのこと。記事の捏造という記者にとって致命的なフライングを41本中27本において行ったという事実。若い記者だからでは許されない犯罪。捏造が白か黒かは映画の途中では分からりません。しかし、疑われてからのグラスの話は全て弁解に聞こえてしまうから不思議です。記事を全て事実と見なしてはいけない、疑ってかかることをアピールしているように思えますが。
おまけで付いていた、グラス本人へのインタビューが印象的でした。周りの期待にこたえることで捏造が麻痺となっていったと。今は、弁護士をめざしていると言っていました。彼に再生の機会は与えられるでしょうか。興味があります。
製作がトムクルーズというのも発見でした。彼はテレビや雑誌というマスコミのテーマに関心があるのでしょう。
推薦度 ★★☆☆☆
ネバーランド 鑑賞 2005年8月14日 レンタルDVDにて(66本目/100本/年)
2004年アメリカ映画
監督 マーク・フォスター
出演 ジョニ−・デップ、ケイト・ウインスレット、ジュリー・クリスティー、ダスティン・ホフマン他
1903年のロンドン。劇作家のジェームズ・バリは「リトル・メアリー」の初舞台を迎えていたが、評判は最悪。翌日、公園を散歩中にディヴィズ家と出会う。未亡人シルヴィアと4人の息子たち。彼は犬を熊に見立ててダンスを踊る。4人のうち3男のピーターは父の死から子どもとしての夢を拒否している。ディヴィズ家と付き合うことで自らの拠り所を求めるバリ。一方、妻とは心が疎遠となっていく。良からぬ噂やシルヴィアの母の登場、3男の心が開かない。バリは3男のために、夢を信じることの大切さを説くために、「リトル・メアリー」に替る劇を書いていた。「ピーター・パン」。その劇が初演される日、招待客を24席準備。ディヴィズ家は来るのか。
劇作家バリが「ピーター・パン」を書き上げる背景には、彼自身が実生活において体験した悲しい物語が下敷きになっている、ということを描いた作品です。20世紀初頭のロンドンの社交界をよく再現しています。劇自体が社交界が舞台だから仕方がないのかも知れないが、登場人物は紳士と淑女ばかり。4人の子どもたちや公園や田舎の風景がいい。
ジョニー・デップはどこまでも心優しい役をこなしています。子どもと対等に会話することで子どもの心を掴もうと努力しています。彼の演技力の幅広さを証明。「ピーター・パン」誕生の物語です。
推薦度 ★★★★☆
2005年3月14日(月) (24本目/50本/年)
なごり雪 鑑賞 DVDにて
2002年 邦画 111分
監督 大林宣彦 出演 三浦友和 、須藤温子 、細山田隆人 、反田孝幸 、長澤まさみ他
梶村祐作(三浦友和)は、28年間連れ添った妻に逃げられ、遺書と書いたりした。その祐作へ電話が掛かってくる。友人、水田健一郎(細山田隆人)からだった。水田の妻・雪子(須藤温子)が危篤状態だという。祐作は古里の臼杵へ戻る。道すがら28年前を思い出す佑作。3人の青春。雪子は祐作に恋し、水田は雪子が好きだった。雪子に応えられない佑作。佑作が東京の大学へ進学したことで3人の青春に転機を訪れる。
50歳を迎えた中年が28年前を思い出してその思いをたどる青春回帰映画。舞台は大分県臼杵市。石佛や灯篭祭りや坂道のある街並みや橋などが昭和40年代そのままに「再現」されています。雪子の思いが一途な分だけ祐作が優柔不断で、はっきりしなくて、歯がゆくて、とても主人公とは呼べない。18歳に「上京」した時に抱いた大志が50歳になって東京で実現しているのか、大半の中年に鋭く問いかけています。ふるさとに留まり雪子を受け止め家業を継いだ水田の生き方が太く見えます。ストーリーはぎこちないが、温まる、癒される映画です。
推薦度 ★★★★☆
2005年1月15日(土) (6本/50本/年)
猫の恩返し 観賞 DVDにて
2002年東宝 制作スタジオジブリ 企画宮崎駿 原作柊あおい「バロンー猫の男爵」
監督 森田宏幸 声の出演 池脇千鶴 袴田吉彦他
高校生ハルは、帰宅する途中で、道路を横断していた猫が自動車に轢かれそうになった所を危うく助ける。その夜、猫の一行がお礼に現れる。そして、猫の世界に是非来てくれとも。
ハルはどうしようかと迷う。そんな時、バロン伯爵に出会う。その夜、ハルは再び現れた猫の一行に猫の世界へ連れて行かれる。
「千と千尋の神隠し」の大ヒットを受けて翌年の2002年に公開された若手監督によるアニメ、とあります。少しコミカルなタッチで、自分に自信が持てない高校生が「今を生きることが大切」と気づいていくストーリーです。いいんじゃないの。
推薦度 ★★★☆☆
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