2008/04/11

4月の玉川上水跡

Dscf0752

 サクラの散り際やってきた大雨と寒波。ようやくそれも抜けた春の日の玉川上水跡@笹塚。1ヶ月前の啓蟄の頃と比べて、緑の碧さが目に染みいるようです。

Dscf0760

 上水跡の土手に誰かが勝手に作ったと見られる花壇に、一時は積極的に植えられていたナノハナですが、実がピーマンのようにグロテスクに変化してしまう病気(あるいはアブラムシが原因かも?)が蔓延したせいで、ついにはほったらかしになり、今では逃げ出した連中が方々で細々と花を咲かせています。この調子だと、いずれは飲み込まれてしまうかなぁ。

Dscf0761

 芽吹きだしたカラムシ(ホント、成長が速いですね)の葉の上でスタンバるクモの仲間たち。これは餌待ちなんですかね?

Dscf0764

 雛を育てに戻ってきたカルガモ君。夜は仲良くつがいで寝てます。

Dscf0766

 こちらもカップルのクサガメたち。この界隈にはミシシッピアカミミガメもいるので交雑がちょいとばかり心配。

Dscf0804

 モンシロチョウに混じってひとまわり小さな白いチョウたちがいるなぁと思っていたら、ツマキチョウでした。一度にあんなにたくさんの個体(5匹ぐらいいました)を見たのは初めてです。かわいいですねぇ。

Dscf0813

 こちらはすっかりおなじみになったツマグロヒョウモンのオス。スズメを蹴散らす勢いが何とも勇敢です。

Dscf0788Dscf0819_3

カルガモに餌をパンくずをあげてみたり(結局はスズメとハトとヒヨドリたちがわ~っと集まってきたケド)、土手に降りて刺繍をはじめてみたりと、形はどうあれココもずいぶん愛されている(のかな?)ようですね。

4月 11, 2008 風景 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/04/08

新宿御苑でお花見を

Dscf0690

4/5、新宿御苑でお花見をして参りました。この時期の日曜日というと、あふれんばかりの人、人、人…。散り際のソメイヨシノの周りはもちろん、母と子の森にあんなにたくさんの人がいるのは初めて見たような気もします。

Dscf0669

あちこちで見られるハナニラの大群生

Dscf0679

サクラをもしゃもしゃ喰うワカケホンセイインコ(オウムの仲間)。インド南部~スリランカ原産のオウムなんだけど、1960年代あたりから関東地方などで野生化し始めた模様。それにしても、日本にインコがねぇ…。

Dscf0689

ソメイヨシノよりも一足遅い、ほんのり黄緑色のウコンザクラ

Dscf0703

御苑のニリンソウ(キンポウゲの仲間)は、お花見シーズンには咲き始めます。花もきれいだけど、葉っぱもキュートですな

Dscf0710

暗くて湿ったあたりではいたる所で見られるセントウソウ(セリの仲間)。意外と好きです、この花

Dscf0718

この時期、数少ない黄色い花を咲かすヘビイチゴ(バラの仲間)

Dscf0737

早くも気持ちのいいグランドカバーを形成してますね

Dscf0738

そんなヘビイチゴに、さっそくビロードトリアブがご来店

Dscf0743

オオスカシバ(&ホシホウジャク)に通じる可愛らしさがありますが…、実は寄生蜂(しかもハチの仲間(ヒメハナバチ等)に寄生する)なんですよねぇ…

Dscf0734_2

花の姿が飛ぶ燕のごとし。セリバヒエンソウ(キンポウゲの仲間)は明治時代に入ってきた中国原産の外来種とのこと

Dscf0721

同じ赤紫系でも微妙に色が違うムラサキケマン(ケシの仲間)。ケマン(華鬘)というのは、春の花にはありがちな仏具(装飾具)由来だそうですね

Dscf0725

母と子の森の大きな止水域打ち込まれた杭たち。よく見ると杭の上に何かありますね

Dscf0727

こういう利用の仕方は、設計者にとってももはや想定外なのではないかと思うのですが…。ホント、生き物のやることには驚かされます

Dscf0747

なんだかとっても瑞々しいモミジバスズカケの新芽&花(芽)。モミジバスズカケって、スズカケノキとアメリカスズカケノキの自然雑種なんですね

4月 8, 2008 風景 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/03/21

3月の日差しの下で

Dscf0113

3月5日。啓蟄の前日にして暖かい日差しにあふれた玉川上水跡。

Dscf0116

背中に泥を背負ったまま、今まさに冬眠から冷めましたと言わんがばかりのミシシッピアカミミガメ。

Dscf0150

心なしか眠そうな目ですねぇ…。

Dscf0127

今年、この界隈では今ひとつ咲き方が悪いような気がするオオイヌノフグリ。例年はもっとたくさん咲いているんだけどなぁ。

Dscf0124

それでも暖かい日差しの下で花粉をふりまいて。

Dscf0148

この時期、ここに出向けば必ず出会えるツグミ。時々木に止まって休んではまた餌探し。

3月 21, 2008 風景 | | コメント (0) | トラックバック (0)

新宿御苑の春

Haru01

翔天亭横のカンザクラ。すでに満開は過ぎた感じだけど、散り際も楽しめるのがサクラのいいところ。

Choina01

至る所で目にすることができるホトケノザ。意外とフサフサなのだ。

China02

オドリコソウやヒメオドリコソウのようなヒラヒラ感はないけど、これだって踊り子に見えなくないよね。

Fuguri

同じく春といえばおなじみのオオイヌノフグリ。花の裏をのぞくと微妙な毛が…。

Mugi

春を越したチカラシバ。獣毛らしきものが引っかかってる。近くの池には大量の溜め糞。

Hiyo02

花の季節を迎えて一安心しているかのようなヒヨドリ。

Hiyo01

アクロバティックな体勢もお手の物ですね。

3月 21, 2008 風景 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007/01/29

夕暮れの東京湾

Photo01

幕張の海、夕暮れ時。

Photo02

小さい頃は太平洋沿いに建ち並ぶ社宅団地に住んでいた所為もあるのか、浜辺の海にやってくると今でも「帰ってきたなぁ」という気分になります。東向きの海岸だったので海に日が沈むことはなかったのですが、水平線が夜空に融け込んでしまうのを眺めながら防波堤の上を歩いたり、夜釣りをしている人が投げる光る仕掛けが沖と浜とを行ったり来たりするのを遠くから見たりするのが結構楽しかった記憶があります。

Photo03

先日、幕張のジムまで遠征した帰り、目の前にある浜辺で夕日見物しました。日中は3月下旬の陽気だったというのに、夕方にはテイクアウトしたコーヒーが瞬く間に冷めてしまうような冷たい風が吹き始めて、日の入りまで鑑賞できなかったのが残念!

 浜辺には夥しい貝の破片がばらまかれたかのように落ちていました。ごついイタヤガイやらタマキガイ、殻の薄いマテガイ(これだけは、とれとれの新鮮さ(笑))。そして潮焼けしてピンクに染まったフジツボの仲間たち。波で壊れてというのではなく、浜辺の清掃車あたりに踏まれて割れたような様子でした。

Photo04

Photo05

 そういうわけで、今年もよろしくお願いします。

1月 29, 2007 風景 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/10/18

秋の高尾山(稲荷山)

001_2  久しぶりの秋晴れの日曜日。ここしばらく出かけることが出来なかった高尾山へ遊びに行ってきました。
 今回のルートは、稲荷山から山頂を経由し(約90分)、帰りは沢沿いに6号路を下るコース(約90分)でございます。

002_2
 久しぶりの晴天。これぞまさに秋晴れ。年間250万人が訪れるだけあって、連休中日の日曜日は超混雑状態。リフトもケーブルカーも乗るだけで1時間待ち。

003_1
 店先の看板でオニヤンマ(オニヤンマの仲間)も一休み。

004_2
 そんな長蛇の列を尻目に、さっさと稲荷山コースへ。

005_1
 入り口あたりに咲いていたカシワバハグマ(キクの仲間)の花。ハグマとは払子(ハタキみたいな形の仏具)のことだそうです。ハマボッスも浜払子。仏具に見立てる名前って意外に多いんですよね。

006_2
 こっちが全体。葉の形が柏みたいだからカシワバハグマ。

007
 稲荷山というからには、お稲荷さんもあります。お参りする方はごくわずか。

008
 お稲荷さんの上にある展望台からは遠く新宿副都心が見えます。

009
 暗がりにさくヤマハッカ(シソの仲間)。ハッカとは名ばかりで葉っぱをちぎっても匂いはしませんでした。

010
 ミカンの仲間、ミヤマシキミの赤い実。ちょっとおいしそうだけど実は毒ありです。

011
 高尾山山頂から望む、うっすら雪化粧の富士山。先日、初冠雪を記録したばかり。

012
 山頂付近のスギの木たちの根本に彫り込んである何かのマーク。もっとスマートな方法はないもんでしょうかねぇ。

013
 木漏れ日の中で咲くシロヨメナ(キクの仲間)。

014
 あちこちに咲いているシロヨメナはハナバチたちにも大人気。

015
 アキノキリンソウ(キクの仲間)にもたくさんの虫たちが。

016
 こちらはずいぶん小さくて未成熟な感じ。

017
 ツヤツヤピカピカのチゴユリ(ユリの仲間)の黒い実。仲良く二つ並んでいるのが可愛らしいです。

018
 アズマヤマザミ(アザミの仲間)に群がるガガンボたち。なかよく交尾しながら吸蜜中でした。

019
 こちらのアズマヤマアザミにはたくさんのアサギマダラ(タテハチョウの仲間)が。

020
 まさに高原の秋の女王の名のごとく優雅に飛び回っていました。

021
 首を右にかしげて吸蜜中。目がブルーグレーなんですねぇ。

0221
 アサギマダラの幼虫の食草、キジョラン(ガガイモの仲間)。アサギマダラの食痕は葉っぱの中央の丸い穴なんだそうですが、左下の葉っぱに幼虫君はいませんでした。

022
 山道を横断するヤスデ君。この子たちが枯れ葉を土に分解してくれるんですよね。

023
 ムカデは1節に1対の足。ヤスデは1節に2対の足。んなもんだから、足がのろいんでしょうかね?

024
 路傍で揺れるヤクシソウ(キクの仲間)。花を見るとニガナとかオニタビラコに似てますねー。

025
 しべの先端がくるくる巻いているのが脳天気っぽくてちょっと可愛いかも。薬師草というは薬師堂や薬師如来方面から来ているそうで、薬効はありません。

026
 誰かに食べられてボロボロのエビヅル(ブドウの仲間)。

027
 すっかり来年の春の準備(冬芽)が整ったクロモジ(クスノキの仲間)。先端が葉の新芽でその両脇が花芽。

028
 すっかり散ってしまったツルニンジンの花(キキョウの仲間)。何だかちょっとベタベタしてます。

029
 あちこちツルを探したら、まだまだツボミがありました。頑張るなぁ。

030
 ヤマノイモ(ヤマノイモの仲間)のムカゴ。

031
 ヤマノイモ雌株にぶら下がるさく果。ヤマノイモも雄と雌があるんですね。このさく果、まるで羽が3枚ある軍配みたいです。中に羽のついた平べったいタネが入っているんですよね。

032
 根の間に出来た水鏡ごしに見える秋の青空。夏とちがって風がとてもさわやかです。

033
 木々の間から対岸の六号路を下る人々の姿が見えてきました。

034
 長雨の影響で、所々、水がわいたりしている六号路は、ごらんの大渋滞。こんなの初めて見た!

035
 うっかり見過ごしてしまいそうなミヤマタニソバ(タデの仲間)。茎が柔らかくてふにゃふにゃ。

036
 六号路では比較的よく見かけるマツカゼソウ(ミカンの仲間)。葉っぱの感じといい花の感じといい、さらには名前の語感もさわやかでお気に入りです。薬効もあって全草を陰干ししたものをお酒につけて外用すると神経痛・筋肉痛にいいそうです。

037
 この時期、花に恵まれている六号路ですが、いかんせん東向きの沢だけあってスグに暗くなってしまうのが難点(これでも3時過ぎなんですけどねぇ)。そんな暗がりで咲くセキヤノアキチョウジ(シソの仲間)。何だか粋なこの名前、箱根(関所)に多く見られたので、関屋(番小屋)にさくアキノチョウジ(本州西部で見られる)という意味があるんだそうです。

038
 六号路の秋の主役たるツリフネソウ(ホウセンカの仲間)。野鳳仙花の別名の通り実はホウセンカ同様にぱーんとはじけるタイプ。全草、塊根ともに薬効があって、打撲傷などに外用するそうです。有毒なので内服はしないんですが、アイヌの人々は利尿剤として利用したという説もあります。

039
 六号路を下りきったあたりで見られる、イヌタデ、ミゾソバ(タデの仲間)、そして中央奥がツリフネソウの大群生(もー、さっぱり写らないのでフラッシュ焚いちゃいました)。

040
 暗闇に生えるイヌショウマ(キンポウゲの仲間)の白い花。サラシナショウマは解毒や熱冷ましとしての薬効があるけど、イヌショウマは薬効はなし(だからイヌなの?)。命名の中に登場してくる犬って、役に立たない代名詞なのが不思議。

041
 葉っぱがフキに似ているからその名が付いたノブキ(キクの仲間)。食用にもなるこの葉っぱは、切り傷や腫れ物に効く薬効成分があるそうです。

042
 高く延ばした花茎に小さな白い花が咲きます。

043
 花は白くて綺麗なんだけど、実はごらんのように黒くてトゲトゲ。

044
 ほんのりピンクのミゾソバ(タデの仲間)の花。正確にはガクなんだけどね。茎や葉っぱは止血やリウマチの薬にもなるそうです。

045
 28.5センチの私の大足を凌駕するミミズ。これは何? フトミミズ?

046
 おなじみゲンノショウコ(フウロソウの仲間)。干して煮詰めれば、腹痛、下痢も飲めばピタリと収まる、まさに現の証拠。

047
 カラムシの葉の裏で体を揺らすフクラスズメの幼虫(ヤガの仲間)。成虫は地味だけど、幼虫はハデですなぁ。

Yabu
 薄紫色のヤブマメ(マメの仲間)の花。ただのツル植物と思いきや、ヤブマメは地中に枝を伸ばして閉鎖花を咲かせ、土中で豆果を実らせるという藪の戦略家。

049 048

 最後はお地蔵さんに挨拶して終了~。上り下りで汗だくになったせいで、すっかり風邪を引いてしまいました。着替えは3着必要ですなぁ、とほほ。

10月 18, 2006 風景 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/09/26

失われた川をさかのぼる(暗渠探訪)

Map_start  昔から笹塚に詳しい方から話によると、私が今住んでいる笹塚三丁目あたりは今でこそ密集住宅地ですが、当時は所々に空き地があったりして随分のどかな所だったそうです。その話の中で水道道路に平行して流れていた小さな川の話が出てきました。その時、とっさに思い浮かんだのはこのブログにも時々登場する近所の暗渠の事。

 そもそも、この辺りにはいくつかの水路が流れていました。1653年、承応2年に多摩川(羽村)から四谷大木戸まで敷かれた旧玉川上水。ところが老朽化と共に水質汚濁が進み、明治19年のコレラ大流行を受けて明治31年に衛生面を加味した新水路が敷設されることになりました。新宿へ向かって左手を注意しながら歩くと分かるのですが、幡ヶ谷から初台あたりは土地が低くなっているため(もともと湿地だったそうですね)新水路を造るために盛り土をしているのが分かります。この水路は今の西新宿にあった淀橋浄水場へと繋がっていました。
 そして1937年(昭和12年)、甲州街道の拡張を期に道路下へ新々水路が造られることになりました。その時、新水道は廃止され今の水道道路になったワケです。
 今回調べるのは、その新水道の北側をさらに平行して流れる暗渠。この川はどこからどこへ流れているのでしょうか。

 さっそくデジカメを手に実際に歩いて調べることにしました。新水路北側(画面中央)の△が出発地点です。なお、今回使っている俯瞰の画像はGoogleEarthから拝借しています。

Map01

 まずは暗渠が学校の敷地へと飲み込まれてしまう場所。富士見ヶ丘学園の敷地とその駐車場に挟まれた小屋(おそらく地元の消防団所持の小屋かと思います)の前を出発点に設定しました。なお、画像の赤い矢印は、画像を撮影したときのカメラの向きを表しています。

Map02

 さっそく調査開始。この道幅からしてかなり小さな川だったんでしょうね。

Map03

 左は水道道路の土手、右は民家の塀です。路傍には最近植えられたクチナシ。

Map03_01

 そのクチナシにコカマキリ。

Map03_02

 薄暗い道ですが、キンモクセイのいい香りが漂っています。

Map03_03

 タマスダレ(ヒガンバナの仲間)にツマグロキンバエ(クロバエの仲間)。

Map04

 以前、ルリタテハがひなたぼっこしていたエリア。水道道路との間に建物が消え、ぐんと明るくなりました。

Map045

 ヒガンバナが秋を告げているようです。

Map05

 さらに暗渠は続きます。

Map06

 左の土手にヒヨドリジョウゴを見つけました。花の形がナスに似ていますね(ナスの仲間)。秋になると赤く熟す実がヒヨドリが好むので、この名前が付いたんだとか。

Map06_01

 と、ここでいきなり暗渠の道を遮る形で橋の欄干の名残を発見!

Map06_02

 境橋とあります。確かに、渋谷区と杉並区の境あたりにあります。

Map07

 さらに進むと左の土手がどんどん深くなっていきます。

Map07_01

 おっと、ジュズダマを発見。

Map07_02

 こっちにはススキやらヤブカラシに紛れてヤブランも咲いてます。

Map07_03

 クワの木の下に生えたアシタバ。よーくみると、キアゲハの幼虫がびっしり!

Map08

 さらに進むと、どんどん道幅が狭くなります。ハコネシダなのかアジャンタムなのか・・・?

Map09

 突然の行き止まり。突き当たりのブロックは杉並区の清掃事務所。仕方がないので左を走る水道道路に出て環状七号線へ向かいます。

Map10

 1:水道道路と環状七号線ば交わる泉南の交差点。どこに泉があったんだろうねぇ。ここは横断歩道がないので、ちょっと北上して2の歩道橋を渡ることに。歩道橋から見渡す限り、暗渠らしいものが見つからなかったのですが・・・。3:しばらく調べて歩くと、ビルと民家の間に暗渠らしい水路を発見。俯瞰から見て流れの向きは有っている模様!

Map10_01_1

 手前は鉄板でふさがれていますが、奥はコンクリートの水路になっている様子。水が流れた跡もあります。

Map10_02

 近所にあった地図。上の出発点から細々と暗渠上の道が記されています。地図にある現在地がほぼ暗渠の真上。

Map11

 ここからは暗渠に平行して歩くことに。すぐ南側の道を歩きます。

Map11_01

 ちょっとばかり民家の庭先を覗き込んでみると・・・どうやら水路は露出している様子(画面中央の瓶の後ろ)。電動の井戸がいい味だしてますね。

Map12

 しばらく歩くと、民家の間に小道を発見。さっそく中に入ります。

Map12_01

 お、コンクリートでふさがれた暗渠発見。

Map12_02

 東(歩いてきた方向)を向くと、ずーっと流れが続いているのが見えます。

Map12_03

 西(歩いていく方向)を向くと網戸に遮られ(笑)・・・、網戸の向こうに流れが濡れて光っているのが見えます。こうして見ると、ほぼドブだなぁ。

Map13

 民家の庭先やら隙間を縫って暗渠は繋がっています。ここは看板の下になってますね。道をはさんだ反対側はなんと自動販売機が!

Map13_01

 店先に踊る沖縄チックなTシャツやらアロハ、かりゆしウェアたち。ここ、和泉の商店街は「沖縄タウン」として街興ししているんです。

Map14

 そんなことお構いなしに暗渠は続きます。ここでは道路脇(画像左側)の歩道の下を流れているようです。

Map15

 しばらく歩くと左側が公園に。なんとなく水道道路脇に点在する緑道公園のような佇まいが・・・。

Map16

 一度道を挟んでさらに公園は続きます。ここから右の道はゆるやかに登り坂になって右へ逸れていきます。暗渠のふたも無くなり、どうやら公園下に流れ込んでいる模様。

Map16_01

 さらに続く公園。この長く続く感じはまさに川の跡って感じですね。

Map17

 と、ここで再び行き止まり。1:おーい暗渠はどこだよ、とズズメに尋ねるもむなし。2:袋小路を歩き回ると和田堀給水所に突き当たる。おおお、水関連ってことはやっぱり川だったのか?! 3:敷地を大きく迂回して甲州街道の松原の交差点から井の頭通りに右折。

Map17_01

 給水所の敷地にはツルボが揺れています。

Map17_02

 フェンスにからまるクズ。空が秋めいています。

Map18

 そんな和田堀給水所を背に、井の頭通りの向こう側に続く公園を発見!

Map18_01

 公園に入ると、いかにも水の流れを形取ったモニュメントが。ここは何の公園なんだろう?

Map19

 そのまま公園沿いを歩くと、橋の名残が! その名も久左衛門橋!

Map19_01

 この下を暗渠が流れているのは間違いないにちがいない。何だかよくわからないけど、二人の子供も応援してくれている様子。キミたち誰?

Map20

 再び公園は行き止まりに・・・。しかーし、そこの看板には「玉川上水路敷」の文字が。あれれ、いつのまに玉川上水になっちゃったんだろう? ただただ驚いていると、猫も驚き・・・。

Map20_01

 行き止まりの向こうにはさらに緑地が続いている様子。しかし、この先は切り通しの下をアレが通っているはず・・・。

Map21

 アレというのはコレ、井の頭線。どうなるのかと思いきや、なんと、橋に沿って太いパイプが通っています。

Map21_01

 このパイプ、どのぐらい太さがあるんだろうかと下をのぞき込むと、アレレ下にも水路がある!

Map21_02

 甲州街道側から見ると、上の太いパイプの下にあるコンクリートの水路が露出しています。しかもね、驚いたことに、アメリカザリガニが沢山棲んでいます! 下を通る電車に乗っている人たちは、よもやザリガニが棲む水路の下をくぐっているとはよもや思いもしないだろうねぇ。

Map22

 さて、いったいどこから玉川上水になってしまったのかと思いきや、井の頭通りを渡った公園からなんですねぇ。おそらくパイプの中が多摩川からやってくる上水道で、下の水路が玉川上水なんではないだろうか?

Map23

 そのまま公園を抜けると甲州街道にぶつかります。いわゆるここは明治大学前。公園の入り口には玉川上水公園の文字が彫ってありました。

Map23_01

 玉川上水はこのまま甲州街道の測道の下を流れ(道路拡張の際に飲み込まれてしまったそうです)、この先の玉川上水永泉公園に続きます。

Map24  さてさて、家に帰ってどういうことなのか調べてみました。いったいどこで暗渠が玉川上水にぶつかったのか?
 インターネットで調べてみると、どうやら玉川上水は代田橋で甲州街道にぶつかると、しばらくは甲州街道に沿って流れ、和田堀給水所の辺りで北にそれて流れているようです。流れが消えちゃっているようにも見えますが、ここでも甲州街道の拡張に伴って、道路下に飲み込まれてしまっていたワケです。
 となると、和泉の商店街を抜けた後でぶつかった公園は玉川上水ではないわけで、水道道路の延長上にあることを考えると、結果、新水路跡と考えるしかないようです。あの公園の北側をずいぶん歩き回りましたが、暗渠らしきものは発見できずじまいですし、あの辺りで新水路と暗渠化した川が分岐していると考えるのが妥当そうです。

Map25  さて、なんだか小学校の社会科の課題みたいになっちゃいましたが、井の頭線をまたぐ水路でアメリカザリガニが沢山棲んでいるという妙な発見もありました。次はそのまま北上して多摩川を目指して歩くのも面白いかなぁ・・・とも思いますが、やはり気になるのは出発点の反対側、つまり富士見ヶ丘学園の東側がどうなっているかです(出発点は左、中央が反対側)。俯瞰で見ると、何やら暗渠らしい道も確認できますので、次はこっちを調べてみようかと思います。果たしてどこへ流れ着くのやら・・・。

9月 26, 2006 風景 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/09/14

にょろにょろ・・・

Kougai01  先日、お隣さんから「イヌの散歩中に不気味な虫を見かけたんだけど・・・」と声を掛けられました。「確か、虫とか好きですよね?」
 うーむ、カメラを持って道ばたでしゃがみ込んだりしているのを度々見かけられているせいもあって、近所ではそういう認識になっているようですが、それはさておき。
 へぇへぇ、なんでございましょうと詳細をお伺いすると、どうやらアレらしい。2年ほど前、仕事で探し回って見つからなかったアレ。にょろにょろしたものがお嫌いな方は、続きをクリックしないでください。

K01  アレというのは、コウガイビル。一昨年のちょうど今ごろ、都内でも有数の目撃場所といわれる和田堀公園へ出かけた時は見つからず、散々蚊に刺されて帰ってきただけだったんですが、まさか、こんな近所に居るとは思いもしませんでした。だって、家の玄関から徒歩たったの数十秒。うーん、灯台もと暗しとはまさにこのこと!

 「頭が金槌みたいで触ると縮むながひょろい虫」とはお隣さんの弁。とっさに、コウガイビルの名前が頭をよぎりました。ああ、アレはヒルなんですねぇ、とご納得いただいたようですが、それは間違い。ヒルは環形動物でコウガイビルは扁形動物の仲間。陸棲三岐腸類コウガイビル科(ビバリュウム科)にあたるそうです。エサは、ナメクジ、カタツムリ、ミミズなど。ぐにゃぐにゃと包み込んだ後、消化液を分泌し体外で消化、それを腹側にある口のような摂取器官から体内に取り入れるようです。形もちょっとグロ系ですが、食事風景はかなりグロそうです・・・。

K02  ちなみにコウガイとは日本髪の飾りにつかう「笄」から来ているようです。あの、片方が細くてもう片方がイチョウの葉のように広くなっている髪飾りですね。

 写真のコウガイビルはクロイロコウガイビル。体長は6センチほどです。オオミスジコウガイビルあたりになると、1メートル近く長くなるとか。

 今回撮影したのは夏の終わりにしては涼しい気温22度の雨の夜。傘をさしてしゃがみこんで他人の家の塀をフラッシュ撮影しているもんで、イヌを連れた方や仕事帰りの方などに疑惑丸出しの冷たい目で見られました。こういう場合は、言い訳がましく声を掛けないのがベストですね、やっぱ・・・。できれば、日中出現してほしいもんです>コウガイビル

Kougai02 「笄」の資料がなかったのでCGで再現してみました。見ると、あ、アレね、と分かるかと思います(クリックで拡大します)。

060915_1124 ※追加です。雨の日の翌日、撮影した場所のすぐ隣の塀で、ひからびてしまったコウガイビルを発見しました。乾燥する塀から逃げ遅れてそのまま御陀仏のようです。もしかすると、再び雨に濡れたら復活するかなぁ・・・なんて思ってほっといたんですが、濡れてもダメでした。南無。

9月 14, 2006 風景 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2006/09/12

玉川上水跡に草刈りが入りました

T01  玉川上水跡に恒例の草刈りが入りました。去年は何度と無くこうしてリセットされていたんですが、今年の夏は今回が初めて。しかも、全面的には刈り込まず、駅側の北側斜面以外は手が付けられていません。ここの草刈りは近隣からの申告制なんでしょうか? おかげで花盛りのカラムシやセンニンソウ、ツルボたちが難を逃れることができたようです。

T03_1 T02_1   駅側の花壇にうえられたキバナコスモスでたくさんのツマグロヒョウモンが吸蜜していました。ところが何故かみんなオスばかり。メスはどこにいっちゃったんでしょうか。あれこれ探して見かけたメスは一匹だけ。それも近所の民家の塀の上でひなたぼっこ中でした。

T04  自宅の近所のスミレにいるツマグロヒョウモンの幼虫たち。このサイズだとそろそろ終齢ですね。

T05  民家の庭先に来ていたツマグロヒョウモンのオス。色のバリエーションがある花の中で濃い色の花ばかりで吸蜜していました。

T06  センニンソウとツルボの群生。まるで夏の終わりの里山のような風景です。

T07  センニンソウはツタ性の多年草でキンポウゲの仲間。草むらで輝くばかりの白い花からは驚くぐらいに甘いイイ匂いがします。でも、キンポウゲ科にありがちなことに有毒なんですよね。ちぎったりしたらかぶれたりして大変。ミツバチたちに人気でした。

T08  ユリの仲間のツルボ。名前の通りまるで穂のような総状花序ですね。ユリの仲間といえば基本数が3。そういうわけで花被片も6、オシベも6です。こちらもミツバチたちに大人気ですね。ここのツルボは40センチに達するような大きい個体が多いようです。

T09  刈られずに生き残ったカラムシが花を付けました。地味な方が雌花で、黄色い方が雄花。葉っぱの茎の付け根に花が咲きます。根元が雄花で先っちょが雌花なんですね。

T10  カラムシの花にゾウムシの仲間が遊びに来ていました。

T11  道路を横断して上水跡に逃げ込もうとしているニホントカゲ。誰にやられたのかしっぽが切れていました。ありゃりゃ。

9月 12, 2006 風景 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/05/29

新緑の高尾山

Kaede01  ゴールデンウィークのまっただ中、高尾山。晴天と新緑に迎えられたのはいいんだけど、来たことをちょっぴり後悔(涙)。というのも、普段はの~んびり平和な感じの山が恐ろしいほどの混み合いでした。今回は連れが3人いたので素直にリフトで山頂付近へ。そのまま薬王院にお参りして(前厄だもんで(笑))から1号路を下山というハイキングルートでした。そんな新緑の高尾山をお裾分けします。

Ootengu
天狗さま~! 外人観光客に大人気でした!

Kotenngu
カラス天狗。かっこよすぎ!

Murasakikeman
ムラサキケマン(ケシの仲間)
 ちょっと花も終わり気味のムラサキケマン。こういう人里近い山にも生えていれば、目黒区の東大裏あたりだと道路脇に生えていたりします。どちらかというと人の手が入った所に多く咲いているので、古い時代に中国から渡ってきたという説もあります。ケマンも仏具ですね。春の花の名には何かと仏具が多いような気がします。

Kikaman
ミヤマキケマン(ケシの仲間)
 こちらはミヤマキケマン。あんまり写真が良くないですね。1号路のごく一部で見られました。

Mitsuba
ツルカノコソウ
 1号路後半、沢沿いの暗いエリアにさしかかった頃、オミナエシに似た花が。ツルカノコソウ(オミナエシの仲間)ですね。花を上から見た時のツボミの様子が鹿の子絞りのように見えるから、こういう名前がついたそうです。

Tsurukanoko
白い小さな花たちが暗がりで映えていましたよん。

Chigoyuri
チゴユリ(ユリの仲間)
日の差す明るい林床に咲いていたチゴユリ。鼻水を垂らしたおかっぱ頭の幼子をイメージできそうな、そんな飾りの無い花のあどけない姿が名前(稚児百合)の由来だとか。なかなかいいネーミングですね。可愛いけど有毒デス。

Houchakusou
ホウチャクソウ(ユリの仲間)
 これまたお寺の軒にぶら下がっている小さな鐘(宝鐸:ほうちゃく)に似ているからその名前がついたそうです。またもや仏具ですね。花びらの外から花柱の見えない2倍体(全体的に小さい)と、花びらの外に花柱が飛び出す3倍体(全体的に大きい)の株があるそうです。

Houchakusou2
上の写真は全体的に小さめでしたが、こっちの群生はかなり大きめ。

Houchakusou3_1
花柱が花から飛び出しているってことはきっと3倍体なんですね。

Shaga01_1
シャガ(アヤメの仲間)
春の高尾山というと、シャガという印象がある程、ホントにアチコチで白花の群生が見られます。同じアヤメの仲間でオレンジがかった朱色の花がさくヒオウギの中国での呼び名「射干」が、どこで取り違えたのかシャガに付いちゃったそうです。花は1日でしぼんでしまいますが、一株にたくさんツボミが付くのでこんな花畑が見られるんですね。

Shaga02
ヒオウギに間違えられたなんて信じられませんねぇ

Yogorenekonome_1
うーん、これは多分、ヨゴレネコノメ(ユキノシタの仲間)かな?

Takaosumire
タカオスミレ(スミレの仲間)
 高尾山で最初に見つかったから「タカオスミレ」。花の時期は葉っぱが赤褐色になるのが特徴だそうです。花はやや小振りで、葉っぱには毛がいっぱい生えていました。

Takaosumire02
割と小振りな花ですね。

Takaosumire03
かなり毛深いスミレです。

Nyoisumire
ニョイスミレ(スミレの仲間)
 三度仏具の登場ですね。葉っぱの形が仏具の如意に似ているからその名が付いたニョイスミレ。

Nyoisumire02
こちらはニョイスミレの花。

Ootatitubo
オオタチツボスミレ(スミレの仲間)
 花期の終わりが近いのか、側弁がめくれあがって、きゅっとキツネ目な印象の花ですね。葉脈がへこんでいるのがタチツボスミレとの違いだとか。

Nirinsou
ニリンソウ(キンポウゲの仲間)
1つの茎に2つの花が咲くから二輪草。湿った所に群生するのが特徴で、意外なことに東京ではいろんな所で見られます。この子はニリンソウ群生の最後の一輪でした。

Inubuna01
イヌブナ(ブナの仲間)
 2005年はブナの当たり年。そういうワケで今年は2号路付近でイヌブナの芽生えがたくさん見られました。芽生え後は丸いスカートのような双葉が開きます。その後で、ようやくブナらしい葉っぱがでてきます。こうして日向で寄り添うように成長する姿は儚げというか・・・。というのも、こうやって折角芽が出たとしても、来年にはほとんどが全滅しちゃうんだそうです。

Inubuna02
日向によりそうイヌブナの新芽たち。

Inubuna03
生き残れるうまい方法はないもんですかねぇ。

5月 29, 2006 風景 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/05/15

藤琴林道を歩く

060513_01  秋田県にあるの実家(能代市)に帰ったついでに、藤里町へ出かけてきました。県北に位置する藤里町はちょうど世界遺産に認定された白神山地の南東の端。普段から雪深い山村でも今期の豪雪はさすがにすさまじかったようで、道すがら何軒もの家が無惨な姿をさらしていました。
 5月だというのに雪が残る山を目指し藤琴林道を平良峡に向かったのはいいのですが、残念ながら途中で車は通行止め。しかたがなく車を置いて、行ける所まで川沿いの道を歩くことにしました。
舗装された林道脇だというのに、いろんな春の花に出会えましたよん。

http://maps.google.co.jp/?ll=40.363223,140.327854&spn=0.046172,0.053644&om=1

060513_02
↑大雪でつぶれてしまった家屋

060513_03
↑藤里町を青森県川へ北に走る藤琴林道

Load01
↑例年、もうちょっと早く開通しているらしいんだけど・・・。仕方が無くフェンスを越えて藤琴川沿いの林道を歩くことに

Load02
↑今年は5月の下旬まで通行止めなんだとか。それにしても、とんでもない数のヤブ蚊が飛んでいます

Load03
↑確かにあちこちで雪崩や崩落が・・・。確かにこれじゃ危なくて車はムリというもの

Kikuzaki01 キクザキイチゲ キンポウゲの仲間

 低地~山地の明るい林床に生える一年草。春の定番ですね。花びらに見えるのは10枚前後のガク片で、色も白から紫ととにかくバリエーションが豊富なのが特徴です。花全体も綺麗な上にどっさり群生するので、山道で出会うと何だかとっても得した気分になれます。

Kikuzaki02  キクザキとは、葉っぱの切れ込みが菊に似ているからだとか。キクザキイチリンソウなんて別名もあります。

Kikuzaki03  豊富な色のバリエーションもさることながら、とにかくガク片の数がまちまちなのには驚かされます。7,8枚が一番多くて、中には15枚もある八重咲きもありました。何でも青森では八重に八重を重ねたようなクルマザキキクザキイチゲ(ややこしい名前だなぁ)なんてのも見つかったりしているそうですけど、なんでこんな多様性が生まれるんでしょうね。

Kikuzaki04  この日のお客さんは小さな甲虫たち(ムネアカオオトビハムシあたりのハムシの仲間)。カメラを向けるとそそくさと花の裏に隠れちゃうのが可愛らしいです。彼等は花粉を食べたり交尾をしたりしていました。花で待ち合わせなんてうらやましい。

Load06
↑この辺りから白神山地へ・・・

Fukuju01フクジュソウ キンポウゲの仲間

 山地の明るい林に生える黄色い花。芽の出始めと同時に黄色い花を咲かせるのがおなじみの姿ですが、時間が経つと茎や葉が伸びてこんな風に花束状に花が咲きます。園芸種は早くから咲きますが、野生種はちょうど今頃なんですね。

Fukuju02  全草にシマリンが入っているので口にしようものならかなり危険ですが、強心や利尿の薬としても使われることがあるらしいです。夏までには地上部が枯れちゃうスプリング・エフェメラルの代表。

Fuki01_1 フキ(フキノトウ) キクの仲間

 秋田といえばフキ。とにかく至るところに生えています。実家ではフキノトウこそ食べませんでしたが、フキは良く食べました。秋田の人たちは山菜を採るのが好きなんですよね。シーズンになると友達とか隣近所の方からお裾分けの嵐。ウチの家族は山菜採りに山に入る人が居ないので(近頃ウチの母はハマってるらしいけど)、貰うばっかりで申し訳ない限りです、ホント。

Fuki02 Fuki03_1  ちなみに、子供の頃に聞いた話ですが、白いフキノトウ(雌花)は黄色が強いフキノトウ(雄花)よりも苦みが強いのであまり食べないんだそうです。ふーん。

Fuki04  こっちは実家の荒庭の斑入りのフキ。ちょっとオシャレ?な感じ(笑)。東北の大型のフキはアキタブキと呼ばれる変種なんだそうです。

Enrei01 エンレイソウ ユリの仲間

 杉の林にさしかかった時、落ち葉の下から小さな三枚の輪生の葉っぱが生えていました。エンレイソウ(延齢草)です。低地から山地の林間に生える野草で、中国では胃腸薬としても使われるだけあって見事な名前(中国名が元)が付いていますね。

Enrei02_1 Enrei03_1  アーサーCクラークのSFで宇宙人(ラーマ人)は何でも3が基本という話(宇宙のランデヴー)があるんですが、エンレイソウもまさにその世界。Trillium smalliiという学名そのままで、オシベもメシベも葉っぱもすべて3、または3の倍数なんです(基本数が3なんですよね。でも花は1つです)。

Nekonome01 ネコノメソウ ユキノシタの仲間
雪解け水がだらだら流れているような所でネコノメソウが花を咲かせていました。水と一緒に表土も流れたようで、落ち葉やら枯れ枝やらの間からドロだらけになりながら顔を覗かせています。八つの赤いおしべが可愛いですね。実が成るとその名の通り猫の目っぽくなるそうです。

Nekonome02  ちなみに、同じ白神山地でも日本海沿岸側のネコノメソウは葉っぱのぎざぎざが浅めのようです。

Load04
↑至る所で杉が折れるほどの雪害が

Load05
↑小川が流れている所は雪渓に

Load07_1
↑時々、こうして無人の除雪車の姿が

Load08
↑藤琴川が大素波里にさしかかる。安山岩の大素波里柱状節理。この辺りは800万年前あたりから急速に隆起した地域で、氷河期だった数十万年前には今の地形になった地域なんだとか。川の水が青く見えるのは川底の岩が緑色凝灰岩のためらしい

Load09
↑さらに進むとついに除雪がとぎれ膝下ぐらいまでの雪道に。そこで時間切れ

 そういうわけで、時間切れで引き返すことに・・・。単に通行止めの道路を歩いただけでしたが、なかなか気持がいい散歩になりました。翌日、今度はウチの母親が時々友人に連れられて山菜を採りに行くという日本海側へ遊びに行くことにしました(続く)。


Omake01
↑ナゾのシダ
 エンレイソウが咲いている暗い沢を撮ってみました。イワボタンとか、エゾエンゴサクも写っているんですが、一番右に大きなシダらしき葉っぱが・・・。チャゼンシダ? それともヒトツバ? 何だろう、これ。

Omake02
↑ナゾの芽生え
 杉林でエンレイソウを撮っている時に発見。単にフキの芽生え? サンカヨウ?

Omake03
↑ナゾの芽生えその2
 雪洞の中に生えていたレモングリーンの新芽。ウド?

5月 15, 2006 風景 | | コメント (2) | トラックバック (1)

2006/04/17

3匹の龍王が棲む龍王峡

R000  栃木県塩谷郡にある龍王峡へでかけてきました。

 龍王峡とは、川治温泉から鬼怒川温泉にかけてながれる鬼怒川の渓谷です。岩盤の色によって、上流の紫竜峡、中流の青竜峡、下流の白竜峡の三つの渓谷に分かれています。
 紫竜峡は、約2200万年前の第三中新世時代、海底火山活動によって安山岩が流出して出来たといわれています。さらに、マグマの流動によってできる流紋岩が生成され、その上に火山灰が堆積して緑色凝灰岩からなる青龍峡が誕生。その上に再び流紋岩が流出したために、下流の白竜峡ができたのだとか。
 これが約1400万年前の中新世紀末に造山活動で山地として隆起し、鬼怒川の浸食作用でできたのがこの竜王峡なんだそうです。

 鬼怒川が荒々しく侵食。まるで龍でも棲んでいるかのような見応えのある景色が広がっています。その中でも、龍王峡駅に近い白龍が淵の自然散策路を3時間ほど掛けてゆっくり歩いてきました。

R001_2
龍王神社の鳥居が自然散策路の入り口なのだ

R002_1
翌日からの川下りの無事故を祈願する式が行われていて、神社の中には入ることができませんでした

R003_1
太陽の位置によっては虹も見えるという虹見の滝。水量が豊富です

R004_1
自然散策路の入り口に待ちかまえている急勾配の階段。そこにムラサキケマン(ケシの仲間)がぽつんと咲いていました

R005
虹見の滝を見下ろせる虹見橋から白竜峡の上流を眺めた所。川の浸食作用はスゴイ地形を生み出すもんですね

R006
虹見の滝の傍にある竪琴の滝。この渓谷の両脇は湧き水や小川が多く、大小いくつもの滝が存在しているようです

R007
対岸から虹見橋、虹見の滝、龍王神社をながめたところ

R008
至る所に湧き水や湿地帯があるため自然散策路はきちんと木道が整備されています。ハイカーは濡れないで済むし、さらには余計なところに踏み入れさせないようにする手だてにもなりますね

R009
とにかく渓谷のいたる所で見かけるテングチョウ(タテハチョウの仲間)。ハンミョウのように行く手を案内してくれます

R010
ヒメアヤメやモリアオガエルが棲んでいるという池

R011_1
池の中にはクロサンショウウオの卵塊があちこちに!

R012
リュウキンカ(キンポウゲの仲間)のツボミ。暗い斜面なのでまだ咲いていないようですね

R013
池の中程にはミズバショウ(サトイモの仲間)も咲いていました

R014
こちら側の岸には道路がないため、鳥が多く見かけられました。これはヤマガラ(スズメの仲間)。つがいで居たのに撮れたのは1羽だけ。というのも・・・

R015
見づらい画像ですがミソサザイ(スズメの仲間)。地面を転がるように飛ぶ姿はとても可愛らしいです。それにしても、とにかく犬を放したまま歩くハイカーが多いので、鳥も落ち着いていられないのが現状です。気配を殺して撮っていたら傍らからマルチーズが出てきたのには驚きました。おかげでカワガラスが撮れなかった・・・(涙)

R016
陽当たりのいい湿地にさくリュウキンカ。枯れ草の間から首を伸ばして咲いていました

R017
小さな水たまりにぎっしり産み落とされたクロサンショウウオの卵塊。白くで不透明なのが特徴なんだとか

R018
マツモムシ(カメムシの仲間)に食べられてしまった何かの幼生(オタマジャクシかなぁ?)

R019
水たまりの枯れ葉の上で休んでいるオタマジャクシ。何のオタマジャクシなんでしょうね?(もしかするとモリアオガエル)

R020
湿地に咲くザゼンソウ(サトイモの仲間)。イヤなニオイがするそうだけど、そんなんでもなかったような・・・

R021
花の時期が過ぎたので、ザゼンソウの葉っぱが大きく育っています。枯れ葉に埋もれた流れに沿って点々と生えているのが分かるかと

R022
近くの湿地ではヒキガエルたちがカエル合戦中でした。いやぁ、話には聞くけどとてもうるさいもんですなぁ!!

デジカメのマイクではきちんと拾えていませんが雰囲気だけでも・・・。カエルが嫌いな人には悪夢のような光景かと

R23
ヒキガエルたちのカップルを見ていると、上に乗っかっているオスの色が微妙に違う・・・

R24
調べてみると、オスの色の変化はやはり婚姻色のようです。金色に見えますよね

R25
むささび橋の傍にある茶屋のすぐ脇にたくさん生えているヒトリシズカ(センリョウの仲間)

R26
源 義経の妻、静御前が名前の由来だとか。顎も花弁もない白い花

R27
明るい林の縁には、いたるところにタチツボスミレ(スミレの仲間)が咲いていました

R28_1
残念、ユキザサ(ユリの仲間)はまだツボミでした。この若芽は「アズキナ」と呼んで(秋に赤い小豆のような実がなるから)食用にするそうですね

R29
こっちはもう花が終わって実がなっているカタクリ(ユリの仲間)

R30
まるでラッパみたいですな(笑)

R31
そのすぐ傍にはキクザキイチゲ(キンポウゲの仲間)が咲いていました

R31_2
葉っぱは菊にそっくりだけど、花だけ見るとアズマイチゲにそっくりですね。山道を歩いていて群生に出会えるとちょっとうれしい気持に

R32
さらに、白い花続きでワダソウ(ナデシコの仲間)も!

R33
ワチガイソウ(ナデシコの仲間)との違いは、枝分かれしない茎と、葉っぱの根元の短い毛だそうです

R34
アカスジキンカメムシ(カメムシの仲間)の幼虫。丸っこくてヒゲがエメラルドグリーン(ちょっとラブリー)
http://www2.wbs.ne.jp/~musi/xhnkam38.htm

R35
むささび茶屋の傍にあるミズバショウ。・・・ここ、自生じゃなくて植えてない?

R36
ぽつんと1株だけリュウキンカが・・・。ねぇホント、植えてない?

R37
なんて思っていたら突然突風が吹き荒れる! 龍神様がお怒り? ヤシオツヅジの花が強風で煽られてマトモに撮影できない!

R38
小川のほとりのショウジョウバカマ(ユリの仲間)。紫色の花を、中国に住んでいる想像上の動物「猩々」を歌った能の「猩々」を演じる時の顔に見立てたとか(葉っぱがハカマですね)

R39
一面に咲いていると、なんだかめでたい気持になります(猩々も祝言物らしいし)

R40
お、めずらしいエイザンスミレ(スミレの仲間)。鳥の足みたいな葉っぱが特徴です。杉の林の縁を流れるコンクリートの側溝に生えていました

R41
気が付いたら帽子にベニヒラタムシ(ヒラタムシの仲間)が居ました。これ、イヤなニオイを出すベニボタルに擬態しているそうです

R42
ヒラタムシは枯れ木の樹皮の下などに棲んでいる関係で、身体が真っ平ら。ちなみに、この飛び方もベニボタルに似せているんだとか・・・

R43
あちこち湧き水がわいたり小川が流れているせいか、湿った所が大好きなセントウソウ(セリの仲間)が咲いていました。こうやってみると、セリそっくりですね。ハナバチや小さな甲虫たちが熱心に小さな花に集まっていました

R45  というわけでこれでおしまいです。たまにはこういう自然が残っている(っぽい)所にでかけていくのもいいもんですね。ちなみに鬼怒川温泉駅から龍王峡までのバスは、往復とも乗客は私一人でした。申し訳ないです。ほとんどの人たちが車でいらっしゃるんですねぇ(電車でいらっしゃっているのは、神社と滝を見に来たお年寄少数派)。
 それにしても、猟をするわけじゃないんだから、犬(特に洋服着せた室内犬)を連れてくるのはちょっとどうかなぁと思います。この日だけで、シーズー、マルチーズ、ダックスフント、ラブラドールレトリバー、ミニチュアシュナウザ、チワワ(自分の足で歩けよおまえ!)を見ました。おかげで断崖絶壁を背景にしたシュールなドックショウを見ているような気分でした、とほほ・・・(涙)。それにしても、時間がなくて白竜峡だけで終わっちゃったのが残念です。川治温泉まで歩きたかったなぁ・・・。

4月 17, 2006 風景 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2006/03/29

新宿御苑でお花見を

Gyoen01  先日、新宿御苑でお花見してきました。そこで見かけた春っぽい風景をお届けします。

イガイガマットの中の芽生え
あたり一面、アメリカフウの実。その中でひっそりと何かが芽生えていました

Gyoen02 花盛りのハナニラ
空に向かって花を咲かせるハナニラたち。誰かを呼んでいるみたいですね

Gyoen03 御苑猫
御苑の茶屋といえば猫たち。若者たちは子供に驚いて住み処へ逃げ込んでしまいましたが、年老いた黒猫といえば堂々としたもの。半分舌を出して日向ぼっこしてました

Gyoen04 シュゼンジカンザクラ
ほんのりピンクのシュゼンジカンザクラ。おばさんたちに大人気でした

Gyoen05_1 水面のサクラ
まだ咲いていないサクラの下を、シュゼンジカンザクラの花が流れていきます。水面に写る桜はすでに咲いているみたい

Gyoen06 イヌザクラのツボミ
ウワミズザクラによく似たイヌザクラのつぼみ。ブラシのようなおよそ桜っぽくない花が咲きます。4月の頭には咲いているかな?(また撮りに行ってこようっと)

Gyoen08 ハクモクレン
白と黒のコントラスト。春に大胆に花を咲かせるモクレンは中国原産。樹皮に薬効(鼻炎、消炎)があるそうで、観賞用ではなくて医薬品として入ってきたという説もアリ

Gyoen09 ホトケノザと春の花たち
早く(母と子の森の)工事が終わらないかなぁと首を長くして待っているように見えます。手前にナズナ。左下にはオオイヌノフグリ(ボケてるけど)。まるで初春の3点セット

3月 29, 2006 風景 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/03/22

ある昼下がり

000  ある昼下がりのこと・・・。

001 玉川上水跡の土手をそろりそろりと降りていく近所の猫・・・。

002 音も立てずに、まさに獲物を狩る時の抜き足差し足・・・。

003 いったい何を狙っているのか? もしかして、あのカルガモ夫婦?

004 な、なんと獲物は甲羅干し中のミシシッピアカミミガメ! 猫って亀喰うの?

005 しかーし! 敵もさるもの。・・・いや亀。気が付いた亀は機敏に逃げちゃいました。

006 取り残された猫はとたんに転移行動。「ふーん、私は草を食べに来たんですもん!」

007 ・・・ある春の日の話でした。

3月 22, 2006 風景 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/03/06

母と子の森は里山ランド

011  新宿御苑にカンザクラを見物に行ったついでに、母と子の森の工事現場を覗いてきました。
 旧池を撤去した際に出た瓦礫の山はすっかり綺麗に整理され、流水路の掘削、おおまかな盛土が終わり、今まさに三面コンクリート製の水路が敷設中でした。

horizontal

 東屋から見た母と子の森。瓦礫の山が綺麗に撤去されていました。以前に比べると明るくなったのは間伐したため。資料によると、立木の密度が高いため林床が未発達なので、間伐によって森を明るくし林床の動植物を増やすためとありました・・・。未発達だったとは思えないから、まぁ、何を選択するかってとこなんでしょうけど

001
 これが源流になるプール部分。ここに浄化装置を通ってきた水が循環する出口ですね。

002
 水路は全体的な傾斜があって、盛土されている側が浅くなっています。瀬と淵とまではいきませんが、小鳥も含めて生き物の使い勝手はよさそうな感じ。さらにはやや深いピットエリアもあります。流速を抑えるためなのか、はたまた何かを植える場所なのか、それとも渇水時の緊急避難所なのか分かりませんけど、いずれにせよ生き物たちの逃げ込み場にはなりそうな雰囲気です

003
 番大きな池に流れ込む部分は、一部が乱杭護岸になっているようです。これって見た目は自然っぽいけど、結局この高さでは生き物は這い上がれそうにもないので、あくまでも水に棲む生物たちと人間のため(見た目とメンテナンス性)でしょうかね

004
 流れに対して池が横位置にあるため、流れが急になりそうな部分には背の低い水路が確保されているようです(画面中央)。これなら部分的な止水域が確保できるみたいですね。池の真ん中には鳥たちの止まり木につかえそうな杭が見えます

012
 池を出るとごらんのような水路然とした流れになっちゃいます。流れが垂直に曲がるのはここに橋が架かるため(見た目)の関係でしょうか


 ところで、工事現場の見学コースにある東やには「母と子の森の改修の考え方」というパネルが展示してありました。そのパネルでは「旧母と子の森」を「水辺と森の生きものが少ない」と分析してあり、それに対して今回の改修では、

●水辺と樹林における生物環境の多様化を図り、
 いろいろな生きものとふれあえる美しい森づくりを目指します

■目的
 ・生物環境の多様化を図り、
  御苑内の生きものと人とがふれあえる、「環境学習の場」
  を創出します


という大命題が掲げられていました。

 うーむ。
 旧母と子の森は、いい感じで荒れ果てていたというか多少は更新が進んでいるような雰囲気になっていたので、そういう環境を一度整理して、もっと子供を連れたお母さんが喜んで遊びに来ては「環境学習」に興じられるちょっぴり小ぎれいな場所へと再整備するもんだとばかり思っていました。しかし実際には、「学習フィールド整備」と同列で「森と水辺の生きものたちの多様化」にも重みを置いているんですね。

 おお、いったいどんな風になるのかな?

 まぁ「多様化」をイヤらしい解釈するなら、「改修でいじった場所には一時的に生きものがまばらになるから、その隙間を埋める違う種類の生きものたちがやってくる可能性もなくはないよ」という意味にもとれますが・・・。

 そこで、新宿御苑のサイトを覗いてみました。ここで云う「多様化」って何よ?
 すると、母と子の森の改修工事を含む「環境の杜構想」を紹介するページでこんな文言を見つけました。

■管理保全計画の策定、環境教育の素材の発掘、自然再生ネットワークの中核的役割
 都市内で貴重な生物の生息・生育空間としても優れている広大な敷地について、維持、回復及び創出を図ります。
 歴史・文化遺産等の継承に配慮した保全計画を確立し、特に母と子の森を中心としたエリアについては、武蔵野の里地・里山林のイメージで、メダカ、トンボ、ホタルなどの暮らしやすい環境を目指して再整備。
 また、近隣の緑地(明治神宮ほか)と行き来していると思われるオオタカ、オオコノハズク、オシドリなど大型の鳥類の生息環境を守るため、都心の緑を結ぶ生物の生息・生育空間のネットワーク形成についても検討します。

 「多様化」が目指すところは、つまり「里山」ってことらしいです。環境学習の舞台としてかなりイージーな気もしますが、そもそも、武蔵野の里山を目指すことになったのは初耳でした。

 まぁ、環境庁の調査によれば、動植物を問わず絶滅危惧種が集中している地域(10種類以上の絶滅危惧種が棲んでいる地域)の半分は、里地や里山を含む地域だそうですから、疑似里山を作り出してそこで環境体験学習を行うのも悪いことではないとは思うのですが・・・。・・・えーと、母と子の森にメダカに続いて今度はホタルも放すんでしょうかね? 現場の図をよく見ると、さらにクワガタとかカブトムシといった名前も載ってますが・・・(御苑にクワガタは居るらしいけど)。

 そういえば、前にネタを集めるために母と子の森へ遊びに来たとき、ぶつくさと嘆きながら奥の草むらを越えてくる子供たちに出くわしたことがあります。

「なんだ、ここってさぁ、クワガタもカブトもいないじゃん」
「せめて、何かアイテムでも落ちていればなぁ」

 おお、なるほど!

 「生物環境から求められる環境要素と環境向上の仕かけ」という図にある、不可解なアイテムの存在理由が分かりました。まずは子供に興味を持って貰わないと、評価を得られない?(里山林を理解して貰えない?)。

020
 ムシキングマニアのお子様の満足度を高める「クワガタ、カブトムシ等の生息場所の仕かけ」もばっちり!

021
 人口樹液塗布も抜かりないし、鳥や蝶を集める食餌テーブルも設置! 虫が捕れなくても、シイタケのほだ木があるからパワーアップアイテムの定番「キノコ」にも事欠かないし、何となく里山の暮らし(シイタケ狩り?)も体験できるかも!

 この新「母と子の森」を言い換えるなら、「里山の風景を構成する生き物たちが棲めるハードウェアを揃えた流れもある明るい林」。樹液の出やすい木を移植するとか、鳥が好きな実がなる木を植えるとか、少なくともそういう方向性で生き物を呼ぶのではなく、もっと単一目的で洗練された仕かけを準備して目の肥えた都会の生きものたちにお越しいただく。で、来なかったら放す。そこまでシナリオが決まっているような気がしてなりません。大体、夜間に入れない御苑にホタルを放してどうするんだろうね。チョウテーブルなんかおいたらそれこそハチとかゴキブリが先にきそうな気もするんですが・・・。

 とどのつまり、「生物環境から求められる環境要素と環境向上の仕かけ」とは、あくまでも「生物が望む」ではなくて「人が求める」仕かけなんですよね。池からサルベージされた生きものたちの展示の傍に「ここに住んでいた生きものたちは貴重な資源です」みたいな書き方をする一方でこうした能書きが書いてあるから、「ああ、結構気を遣ってるんだね」と勘違いしそうですが、実際はこんな扱いです。
 大体、自然と人間の関わり合いが見えてこないと、里山の生物の多様性なんか全然見えてこない気がするんですが、カブトムシとホタルが居れば「雰囲気、雰囲気」としているように見えちゃうのが素人目にもちょっとツライ。「いやいや、あくまでも里山をイメージした公園ですから」というならば、一度リセットしてまで目指す「生物の多様性」って何よ?と疑問が沸いてきます。

 何だか宇宙ステーションに建設中の「里山ランド」を見ている気分になってきました。ホントにもう・・・。泉先生にメールを頂くまで、すっかりだまされちゃうところでしたよ・・・。

3月 6, 2006 風景 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/02/23

初春といえば初春。晩冬といえば晩冬

ooinunofuguri  今日は出社前に玉川上水跡を覗きに行ってきました。
 急に暖かくなってきたせいか、今やオオイヌノフグリが満開。枯野の中にあって、小さいがゆえに際だつような水玉模様を描いていました。

 今日は、キジバト、ムクドリ、ツグミが斜面をほじくり廻していました。
 特にこの時期から桜の終わる渡りの頃まで、単独で歩き回るツグミを良く目にします。ムクドリが集団でギャアギャア騒いでいるのを尻目に、1羽で枯れ葉をひっくり返して歩く姿にはそこはかとなく哀愁を感じます。とはいっても、秋に渡ってきた頃のツグミも群れでいることもあるけどね(笑)。

 さて、明日は雪らしいけど、ホントに降るかな?

tsugumi
ちょっと警戒中のツグミ

mukudori
我関せず。集団は力だ!とばかりのムクドリたち

suzume
こちらも春までは集団暮らしの若スズメたち。民家の庭に雀のお宿出現!(うるさそう!)

kijibato01 kijibato02
キジバトはこの辺に常駐しています。日がなエサを採ったり、木に留まって休んだり。カメラを向けると「何すんだよ!」って目でにらみます。こわ

ajisai
アジサイの新芽も1週間でずいぶんほころんできました

minamo0
食べ残されたピラカンサが芽生えたばかりのキショウブの新芽に引っかかってます。諸行無常。浮かぶ瀬もあれノモンハン

minamo
水面下にはコサギたちの足跡がびっしり

nanohana
この冬は何故か道ばたに生えたダイコンが話題になったけど、こちらは菜の花。ツマキチョウ来るかな?

karasuno
早くもカラスノエンドウのツボミが!(全草に解毒作用があるそうですな)

2月 23, 2006 風景 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/02/22

スプーンに乗った春

20060221015 2月21日夜10時過ぎ、猫を散歩に連れ出すとさっそく路上で何かを発見!
 ヒキガエルでございました。・・・いくらなんでも早くないかい?

2006022102
 毎年このあたりにヒキガエルたちがはいずりだしてくるのは、いつも3月の初旬ごろ、いわゆる啓蟄の近辺です。先日の2月の観測史上初の20度近い陽気がいけなかったのか、はたまた大地震の前触れか? どちらにせよ、カエル合戦&抱接するにもまだまだ相手はいないというのに気が早すぎます。
2006022103 カエルの冬眠が浅いと暖冬の傾向あり、暖冬の年は冷夏になる・・・なんて話があります。そういえば、長野の諏訪大社では冬眠中のカエルを掘り起こして神社に奉納し豊穣を願う奇妙なお祭りがあるそうですね。掘り返してカエルが見つからなかったら冷夏に繋がる凶兆なんでしょうか。
2006022104 まだまだ寒さ厳しい季節。動きの鈍いまま道路を彷徨いても車やバイクにひかれる危険も高いだろうし、そうじゃなくてもカラスたちの餌食になる可能性大。とりあえず生け垣に非難してもらいました、スプーンに乗って(笑)。とりあえず、ここんちは庭も広いし安全だからさ。
2006022105
 しかし、毎年毎年見かけるヒキガエルたちは、いったいどこで繁殖しているんでしょうか。知っている限りここいら辺には池なんかないし、暗渠はあるけどそこから自由に出入りできるルートがあるようも思えない・・・。冬眠する場所だってあるかないか危ういというのに・・・。これぞ、身近な不思議です。
 ちなみに、カエルは体組織が凍ってダメージを受けないように血糖値を一気に挙げて冬眠モードに入る都合上、一度目覚めちゃったらすぐには再冬眠できないそうです。キミはあとひと月ばかり、そこで春を待つしかないワケだね。

2月 22, 2006 風景 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/02/06

サクサク、サクサク

sasaduka01  仕事の道具を抱えて笹塚駅裏にあるコーヒーショップへ出かけた時のこと。ふと入り口の植え込みを見ると、おお、これは天然の霜柱ではないかー!


06-02-05_16-01  ここ数年、妙に暖かい冬が続いせいもあってあまり身近で見かけることがなかったというのに、今年はこの寒さ。こんな駅裏の植え込みでこーんなに元気に育っちゃってまぁ。

06-02-05_16-001  上層の柔らかな土の表面が0度以下に冷やされて表面の水分が凍ると、土の中に毛細管現象が発生します。これにより下層の土から地面に向かってどんどん水分が吸い上げられてきます。表面に近づいた水分は不純物(ここでは土ですね)を吐き出しつつゆっくりと凍り、こうしてキラキラ白く光る霜柱はできていくワケですね。つまり、柱の下側が霜柱の成長点なんです。

 「下層の土の湿り具合」、「上層の土の柔らかさ」、「じっくりゆっくりとした冷え込み」の3つの条件が揃わないと立派な霜柱はできません。急に全体が冷えちゃうと毛細管現象が起こらないので、単純な凍土になってしまいます。

 「天然の」と書きましたが、以前、冷蔵庫を使った実験で作ったことがあるんですよ。ここでは紹介しませんが、意外と簡単にできちゃうんですよね、これが。

06-02-05_16-002  駅裏は一日中日が当たらないともあって、夕方の遅い時間にも関わらずこんなに立派な霜柱が残っていました。なんだかすっかりうれしくなっちゃって、人目も気にせずにしゃがみ込んで写真(携帯でですが)を撮ったり、ニヤニヤしながら霜柱をサクサクと踏みしめたり・・・。いたたたた、40にもなるいいオヤジが駅前でやるこっちゃないですな。っても、反省しないけど。

2月 6, 2006 風景 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2005/12/07

初冬の玉川上水

hanamizuki01  この間の日曜日、笹塚駅裏の玉川上水跡を覗きに行ってきました。北風だけが吹きすさむ枯野状態かと思いきや、花やら鳥やら、いろいろ見られました。


tamasudare01

タマスダレ
 玉川上水の森林エリア(大原方面)で野生化しているタマスダレ(南米原産の帰化植物)。球根が川下に流れたのか、笹塚駅よりの橋の下付近でも見かけるようになりました。アマナとかノビルに似ているんだけど、歴としたヒガンバナの仲間。有毒でございます。なんかまだまだ増えそうな雰囲気・・・。

yatude01

ヤツデ
 タマスダレのすぐ傍に生えているヤツデ(ウコギの仲間)。冬の日差しの中で光る白い花にはたくさんのアブやハエが集まっていました。春先に熟す実には鳥がやってくるし、意外に人気ものですね。

kaki01 mejiro01

メジロ
 ぽつんと残された柿を撮影していたら、何やら視線が。すぐ傍の枝にメジロ(スズメの仲間)がいました。まだ食べるにはちと早そうな柿を、動かずにじーっと見つめている・・・。見てても熟さないってば。腹へってんのかね?

sijyuukara02 sijyuukara01

シジュウカラ
 じーっと動かないメジロとは相反して、こちらはニセアカシアの小枝を忙しく飛び回るシジュウカラ(スズメの仲間)。枝についた虫のようなもの(彼の頭の上の枝にもぴろんと居ますね)を一生懸命食べていました。何を食べているのやら?

kiku01 kiku02 kiku03

キク・・・
 カントウヨメナかノコンギクかと思うのですが、イマイチ判別がつきません。すぐ目の前の民家の軒先にも同じものが植えられていたので、きっとそれが逃げ出したんでしょうね。対岸にもよく似たキクが生えているんですが、そっちはそっちで違うキク(ユウガギク?)みたいな気もするんですが・・・。

ajyantamu01

ホウライシダ
 大原側の暗渠出口に転がっている岩に生えているホウライシダ(ホウライシダの仲間)。いわゆるアジャンタムですな。ここ最近でずいぶん大きくなりました。廻りには生えている様子がないので、どこからかやってきたんでしょうかねぇ。

ana01

穴(おまけ)
 いつのまにかできた穴。誰が掘ったのかなぁ?

 ちなみに、今回はこの辺が中心。

12月 7, 2005 風景 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2005/11/07

「グリーン」ほにゃららとは?

kaede01  近頃よく耳にするのが、グリーン電力やグリーン購入法という言葉。先日も某ラジオ局が、まるまる1日グリーン電力で放送を行うというキャンペーンを行ったばかりです。グリーン電力というのは火力や原子力に頼らず自然環境に考慮した自然エネルギー(風力や波力、小規模な水力から地熱、あるいはバイオマス系に至るまで)によって発電された電力なんだそうです(詳しくは下記リンクをどうぞ)。

 グリーン電力 http://www.greenpower.jp/

 グリーン電力の場合、電気使用料金には寄付が上乗せされています。自動的に徴収された寄付は、設備建設や運営の助成に使われるそうなんですが、イマイチ、自分が払った寄付がどこでどのように使われるのかがよく分からない仕組みのようです。うーん、どこかで聞いたような話だなぁ。

 環境考慮への対価が乗せられているので、当然、高くつきます。つまり、価格や品質はともかく「環境に考慮しているからこの製品を選んでよ」というワケですね。しかし、グリーンという言葉を隠れ蓑にしたお商売の香りがしないともいえないような・・・。

hahako01  それはさておき、先日、新宿御苑に遊びに行きました。御苑に遊びに行くと必ず立ち寄る場所「母と子の森」が、なんと立ち入り禁止に! 一体何があったの?

 

 

看板より抜粋 ----------------------------------------------------
 環境学習フィールド水辺環境整備工事のお知らせ
 新宿御苑母と子の森では、生きもののすみかとしての環境を整え、自然資源を
生かした環境教育・環境学習の場とするため、整備工事を行います。
----------------------------------------------------------------

gyoen_on ←こ、これが母と子の森?

hahako03 ←工事現場を取り囲む塀にはこのような看板が

hahako02  何だかよく分からないけど、これまで最低限の管理だけで運営されていた池を、「生きもののすみかとして環境を整えるため」に、一度、リセットするようです。完成予想図を見る限り、今度は綺麗な小川が流れるふつーの公園になってしまうようですね。川には浅い所、深い所、流水域、止水域があって、うわー、こりゃ楽しみだなぁ。果たしてここにはどんな生きものが住めるようになるのかなー?(などと、本気でそう思っているわけはないのだが・・・)

hahako08  確かに作り物の自然ではあったけど、ここまで破壊されて綺麗に瓦礫の山にされちゃうとものすごい虚無感を感じますね。うっかり舞台裏を覗いたら正義のヒーローの中にとんでもないオッサンが入っていたみたいな・・・、そんな気分です。見るんじゃなかった・・・。ここにいつくようになったコサギ君も驚いたろうな、きっと。
 気を取り直してここを舞台に何度か取材を共にした泉先生に惨状をメールにして伝えてみました。すると速攻で電話が! 先日、すでに現場を訪れてはいるのだけど、もはやニュースのネタとして何も書く気にならないとか・・・。「また産地不明の珍しい生きものがやってきそうだな」。むむむ、そうですか。

看板より抜粋 ---------------------------------------------
生き物への配慮
・園内の魚類や植物は、池の泥ごと仮の池に移し、工事後に戻します。
・希少な植物には保護区を設定し、また工事用の通路を決めて、工事による植物
の踏み荒らしを防止します。
----------------------------------------------------------------

hahako05  確かに、東屋には一部の魚と植物が、ひょうたん池側にはビニールシートを敷いた仮の池が作られていました。種類にしろ数にしろ、すべてをサルベージしたワケではなさそうです。素人が管理しているわけではないでしょうけど、来年の12月までこういう所で生きのびられるのかちょっと疑問です。どこから連れてこられたか分からない生きものがいっぱいいるから、園内にある他の池に移すわけにもいかないのでしょうかねぇ。

hahako10 ←見学路に置かれた水槽。ほーら、ちゃんと生きてるよ的な・・・

hahako06 ←白い部分がビニールシートを貼った仮池

hahako07 ←池の残土は工事事務所の裏に捨てられていました

 そんなことを思っていたら、看板から例の「グリーン」の文字を発見しました。

看板より抜粋 ---------------------------------------------
環境への配慮
・剪定木などの発生材はベンチやサインに再利用します。
・園内の管理区域の樹木を移植に利用します。
・グリーン購入法など、環境配慮の物品を利用します。
----------------------------------------------------------------

hahako14  グリーン購入法というのは、「購入の必要性を十分に考慮し、品質や価格だけでなく環境のことを考え、環境負荷ができるだけ小さい製品やサービスを、環境負荷の低減に努める事業者から優先して購入すること」だそうです。つまり、ここでもグリーン電力と同じように「環境を考慮した対価」を含む商品を優先的に購入させる仕組みが登場したワケです。

 グリーン購入法 http://www.gpn.jp/
 製品DB http://gpl-db.mediapress-net.com/gpl-db/index.hgh

 母と子の森の整備工事の場合、はたしてこの中から何を買うんでしょうねぇ・・・。そもそも、購入の必要性を考慮するのが環境への配慮を考えれば一番大切なことのような気がするのですが・・・。それを言うと整備工事の必要性すら疑問になってしまいます。そもそも、「生きもののすみかとしての環境を整える」という言葉自体、矛盾しているような・・・。見た目を綺麗にして機能的な浄化装置を設置した水槽のような場所に、生きものは喜んで住み着くんでしょうか。やはり一番呼びたいのは自然の生きものたちではなくて、成果として認められる「人間の親子」なんですよね、きっと。

hahako13  それにしても、この「グリーンなんとか」。環境への配慮に必要な費用、つまりその対価や募金の使い道がはっきりしていないのに、それさえ使っていれば気持ちよくなれる、それさえ使っていれば大っぴらに発注ができる(金が使える)という、一種のボランティア商法まがいな不思議な仕組みが動き出しています。ちょっと関わり合いになりたくない気分だけど、そう感じてしまう私は単なるひねくれ者なんでしょうか・・・。

11月 7, 2005 風景 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2005/11/04

晩秋の玉川上水跡

mozaic01  文化の日、玉川上水跡に出かけてきました。さすが特異日だけあって、見事に秋晴れ。この所、天気が悪い日が続いていたので、貴重な小春日和になりました。今日は暖かいから、色んなのが見えるかなぁ?なんて期待して出かけたら、短い時間ながら予想通りイロイロ出会えました。

 晩秋の玉川上水は意外にも花盛り。ミゾソバの淡いピンクとイヌタデの濃いピンクのマットの隙間から(どちらもタデの仲間)、ブタナとオニノゲシ(どちらもキクの仲間)の黄色が映えるちょっとした花園状態です。この時期、花が乏しくなってきたとあって、狭いエリアながらたくさんのチョウやハナバチが集まっていました。

mizosoba01

↑ミゾソバにモンシロチョウ。ミゾソバにはモンシロチョウやヤマトシジミたちがたくさん集まっていました。意外と人気あるんですねぇ

monki01

↑ブタナにモンキチョウ。ハナバチを押しのけて吸蜜中です

monshiro01

↑オニノゲシにモンシロチョウ。羽が黄色っぽいからおそらくオスですね

yamatoshijimi01

↑キツネノマゴにヤマトシジミ。この花は他のチョウには小さすぎるですかねぇ? 夏の終わりに刈り込みされてしまうので、ここのキツネノマゴは背が低いです。

タテハチョウたちの日向ぼっこ(占有行動中)

himeakaf01 アカタテハ

himeakam01 キタテハ

tumagurom01 ツマグロヒョウモンのオス

 チョウって色情報以外に匂いをかぎつけて花に集まる習性も研究されているそうです。そういう習性を利用してチョウを集める実験をしてみたいもんです。

waterl01medaka01   こんな都会の身近な場所で、ほんの30分もあればこれだけのチョウが見られるなんてちょっと感激なんだけど、よーく見るとあちこちにほころびが見えます・・・。橋の下の止水域には、誰かが放したたくさんのクロメダカが・・・。そして、ちょっと深い下流エリアには立派なウォーターレタスがわさわさと・・・。しかも、川を覆うように生えていた木が夏の台風で倒れてしまっていたのですが、先日、恐ろしいことに根本からばっさりと切られちゃったんでうしょ。うわ~、もったいない。近所の小鳥たちのお気に入りだった水浴び場が、これで一つ減ってしまいました(ブログタイトルの写真はその木の写真なんです。もはや遺影ですね)。
tamagawaj01  ホントにいつまでも残してもらえるのかなぁ、この小川。

11月 4, 2005 風景 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2005/10/25

イノモトソウと青虫

inomotosou01  一般に名前が知られていない地味な草花は、なぜか世間に雑草と呼ばれています。そもそも「雑」とは分類不可なこまごましたものを指します。今でこそ分類学の進歩のおかげで、こまごました雑草すべてに名前があるわけで、いつまでも「雑」草と呼ぶのも失礼な話です。

 ウチのお向かいには名前のない(知られていない)雑草たちが目障りでしかたがないおばさんが住んでます。彼女の理想は、枯山水的な花壇に選り抜きの草花を植えること。きっと、世界中がそうあるべきではないかと思っているフシもあります。おかげで災難なのはウチの玄関やガレージの入り口に生えている草花たちです。ハリケーンのように突如としてやってきては「ぶっこぬき」の災難を振りまく彼女に、おそらく辟易しているのではないでしょうか。「気になるから、抜いておきましたわよ~!」

 認知度の高いタンポポもやれました。タビラコもやられました。イノモトソウもやられました。折角はえてきたスミレもやられました。引っこ抜かれた草花たちの名前を刻んだ石碑でも建てれば、彼女は自らの残虐性に気が付くのかもしれません。

 そんなはかない草花たちの生き残りをかけて、事あるごとに彼女には生えている草花の名前を教えることにしています。「これは、何々。どういう所に生える草なんですよ」と。言っておきますが、おばさんはとてもイイ人なんですよ。

 猿が放り投げた骨から宇宙船を想像するとは思えませんが、名前を獲得したおかげで彼女が見ていた風景がそのぐらいドラマティックに変わっていくのが分かります。「なるほどねぇ、このイノモトソウってウチの庭にも生えているわ。珍しいのかしら、きっと?(そうにちがいない)」。そうして、やや勝手な情報までもが付加されて、はかない草花は生きのびることができるのです。

 一度はやられてしまったイノモトソウですが、再び復活しつつあります。雑草の雑たる生命力の強さなんでしょうか。この界隈は元々しめった林だったようで、アチコチにイノモトソウが生えています。幹線道路のアンダーパスの壁にも生えているくらいですから、ガレージのマンホールのフタの縁に生えるなんてきっと朝飯前なんでしょう。そんなガレージ前のイノモトソウに、ざっくりとした食痕を見つけました。あれれ? 何かがいる?

inomotosou03  よーく探してみると、黒いシマが入った青虫がいました。おお、これは以前、武蔵野にある野川公園のにある自然観察園で見たような・・・。

inomotosou04  取材の資料をひっくり返してようやく名前が分かりました。ヤガの仲間、キスジツマキリヨトウです。成虫は、白いマーブル状の帯が入った焦げ茶の羽をしたシックなガになっちゃうんですが、幼虫はこんなに鮮やかな緑色をしています。顔は地味なのでどっちが頭なのか分かりませんが、黒い矢印(▲)の方向が頭のようです(笑)。なんて機能的なデザイン?

 この子たちの食草は、シダやイノモトソウ。他の虫たちがあまり振り向かないニッチでマストな食草を選ぶなんて渋いとしかいいようがありません。自然観察園では、一つのシダに複数の幼虫がいたのですが、このイノモトソウには1匹しかいませんでした。

inomotosou02  せっかく生えてきたイノモトソウなんで、すぐ隣の大きなイノモトソウに引っ越しをしてもらいました。こっちなら塀の内側なので彼女に抜かれることもないだろうし。立派な蛾になってくださいな。

10月 25, 2005 風景 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2005/10/03

夏が戻ってきた日に近所を歩く

akinoenokoro01 10月に入ったというのにうだるような暑さ。東京では32度を超えた夏日になったみたいです。風邪気味でちょっと寝込んでいたんですが、夏が戻ってきたような陽気に誘われて近所をうろうろと・・・。

mukuge001huyou001 ちょうどこの時期、フヨウや八重咲きのムクゲ(どちらもアオイの仲間)が花盛りです。ハナバチかハキリバチかは分かりませんが、ちょっと大きめのハチが蜜を求めて、花粉だらけの身体で八重咲きのムクゲの花へ熱心に潜り込んでいました。花の奥に潜り込むために後ろ足を持ち上げる独特の格好は、甲虫(ハナムグリ等)に通じるものがありますね。八重咲きの花にもこんなお客がくるんですね。

tsumaguroosu01 以前、ツマグロチョウを見かけたブロックでは、歴戦のオスのツマグロチョウが地面で休んでいました。役目を終えた充実感すら感じる姿です。次の世代に旨く託せたのでしょうか?(近くでメスのツマグロチョウも見かけたんですが、どこにもとまってくれなかったので撮影できませんでした)

himehana01 先日、名前が判明したエナガコミカンソウ。花といっしょにコミカンの名の通り、小さな蜜柑のような実がなり始めていました。こんな小さな花に誰がやってくるのでしょうか? しばし、しゃがみ込んでお客がやってくるのを待っていたら・・・。ハチかアブか? やってきたのは小さなハナバチ(ヒメハナバチ)の仲間でした。枝から枝に飛び回って、まるでアリのように花を探しながら枝を歩き回り、花を見つけては蜜か花粉を集めていました。
himehana02 花に合わせてアセビにくるような小さい連中がやってくるのかと思いきや、意外に大きな連中だったので驚きです。花よりも頭がでかいですよね。

hanamizuki 日向にいると肌がじりじりと焼けてきます。それでも、見上げると秋の空。ハナミズキの実も赤く色づき始めました。もうすぐ、Tシャツや短パンじゃ過ごせなくなっちゃいますなぁ。

10月 3, 2005 風景 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2005/09/20

ベランダを訪れる生き物たち

 9月も半ばを過ぎて、すっかり涼しくなっちゃいました。
 暑かったこのこの夏を振り返って、ウチの3階のベランダにやってきた生き物たちを紹介します。

yamori01  自室のベランダの明かりにやってきたニホンヤモリ(ヤモリの仲間)。家がある界隈ではよく見かけます。以前、部屋に入り込んできた(危うく猫の餌食になるところでした)のがこの子なんでしょうか? オランダイチゴのプランターに住み着いているようで、日中葉っぱをめくると根本のあたりでじっとしていることがあります。沖縄のヤモリは可愛い声で鳴いていましたが、ニホンヤモリは鳴かないのでしょうか?

aburazemi02aburazemi01   今年の東京はすさまじい夕立が多かったですねぇ。家の前にソメイヨシノの老木があるためか、雨が降ると我が家のベランダの網戸にはアブラゼミ(セミの仲間)が雨宿りに来ます。・・・実は私はセミが大大大大大っきらいなので、あまり来て欲しくない昆虫No.1です。しかし、なぜか雨じゃない日もやってくるようになりました。ほとんど嫌がらせですね。ウチのベランダで息絶えないことを祈るばかりです(死体が片づけられないから!)。

kumo01  鉢植えしか置いていないというのに、何故かジグモ(ジグモの仲間/20ミリ以上あったので多分メスですね)が居ました。どこかに巣があるんでしょうか? 子供の頃、植え込みの下にくっついている袋状の巣を引っこ抜いて遊んだもんです。どこにでもいたような記憶があるんですが探すと居ないもんですねぇ。昨年、アチコチを取材しながら「居るかな? 居るかな?」と密かに探していましたが、都内ではほとんど見かけなくなってきているような気がします(東京湾野鳥公園の小屋の軒下で巣を一つ見かけただけ・・・)。クモが嫌いという人が多いようですが、私にしてみたらセミのほうがよっぽどイヤです、ホント。

katatsumuri01  何だか分からない右巻のカタツムリ。ウスカワマイマイかなぁと思うのですが、うーん、小さなの陸貝たちは見分けがつきません。雨が降り出しそうな蒸し暑い日の夜から早朝にかけてベランダじゅうを歩き回っています。形からしてまだ子供なんだとばかり思っていたのに、先日、交尾をしていたのを見かけました。どんどん増えているような気がするんだけど・・・。

yamatosijimi01  3階のベランダまでやってくる蝶、ヤマトシジミ。カタバミの鉢に時々タマゴを産み来たり、ユリ(上を向いて咲く園芸種)の葉っぱの下にお泊まりしにやってきます。今夜はツマグロヒョウモンのために貼った網の中で休んでいました。夜の蝶(笑)って何をされてもじっと動かないのがおかしいですよね。へへへへへ。

nanakamado02nanakamado01   そんな我が家のベランダにも、一足早い秋がやってきました。晩秋、シジュウカラたちにヒエをあげていたら、こんな置きみやげしていってくれました。どうやら、ウルシの仲間のようです(幼木なんでヤマハゼかハゼノキかハッキリしません)。うー、紅葉はキレイなんですけど、触るとかぶれるではないかー! でも、折角の頂き物、大切に育てます。

※2005/09/22/追記 ウルシかなぁとも思いつつ、ナナカマドではないかと記述していたところ、泉さんから「ヤマハゼ」ではないかというご指摘をいただきました。紅葉の色で分かるとは、さすが!(コメントを参照してください)

9月 20, 2005 風景 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2005/07/20

水道道路下暗渠にて/笹塚

ankyo01  水道路のすぐ北側、笹塚3丁目界隈にある暗渠。甲州街道と平行して走る水道道路は、起伏の激しい土地を貫くように盛り土をして平坦に造った道路なのだそうだ。というのも、西新宿から環七までの間は窪地が多く、縫うように流れる小川も多かったらしい。もともと湿地帯だったそうだから、それも頷ける話だ。
 その水道道路の北側には杉並区から渋谷区、中野区と暗渠になった小川が数本走っている。そのウチの一つがこの暗渠だ

ankyo02  現在、川の上はちょっとした小道になっている。散歩道としては手頃な感じなのだが、やはり元々は川だけあって、昼なお薄暗くじめじめしているせいかあまり人通りはない。ごらんのように、路肩は見事に苔むしてしまっている。そしてそこは生き物たちの格好のすみかになっている。

 そんなコケの上で、羽化したばかりのバッタの幼生を見つけた。色はあざやかな萌葱色。カメラで追いかけると、一丁前に30センチほど飛んで見せたりしてくれた。よくよく見れば、形はもう一丁前のバッタである。

ankyo03  また、この暗渠沿いには都内ではめずらしくなったカタツムリがたくさん住んでいる。以前、水道道路側の土手がほったらかしの草むらになっていて、そこに生えているヘクソカズラの類がカタツムリたちすみかになっていた。しかし、ここ最近になって綺麗に掘り返されシートが被せられてしまった。10年近く放っておいたにもかかわらず、今になって整備工事が始まったようだ。
 ヤツデなどのフロンティアプランツが生え始め、春にはオオイヌノフグリとかヒメオドリコソウたちが咲き乱れるちょっとした穴場だったのに、きっとキレイにコンクリートでかためてしまうにちがいない。渋谷区はホント、こういう目に付きにくい所をせっせと工事するのが得意である。

ankyo04  追い出されたカタツムリたちはしかたがなく、暗渠上の小道を横断し、反対側のコンクリート塀で夏眠に入っていた。この調子だと、そのうちカタツムリたちは姿を消してしまのではないだろうか。ちなみに、都会のカタツムリたちはコンクリート塀をなめて石灰分を補給するのだそうだ。都市化した隣人をまた失ってしまうのかなぁ?

7月 20, 2005 風景 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2005/05/16

江戸時代の公共事業の史跡?/横十間川親水公園

yo000yo001   横十間川は江戸時代(1659年)に行われた掘削事業によって誕生した水路だ。その幅は約十間。横十間川の名前の由来はそこにあるそうだ。その江戸時代の公共事業によって誕生した川は、治水はもちろん、水源の確保、交通路として長い間利用されてきたが、昭和末期に水上バスが閉鎖されて、ついに人工水路としての利用価値がなくなってしまった。そこで、江東区は横十間川を再整備し、延長1,280メートル、面積4.6ヘクタールにも及ぶ、大規模な親水公園として作り替えたわけだ。そういった意味では、ここは、いわば江戸時代の公共事業の史跡でもある。 今回は、東陽町の区役所から北上し、横十間川親水公園、小名木川クローバー橋、横十間川水辺の散歩道、堅川河川敷公園を歩いて亀戸まで歩いてみることにした。もともと、何にもなかった所に通した水路である。そこにある河原の自然は、よくて江戸時代あたりから入り込んだもの、あるいは後世に持ち込まれたものに違いない。そういう褪めた目で見るとかなりアンチクライマックスな様子になるとは思うが、それはしかたがないというものだ。

yo003yo002■田んぼの学校
 東陽町側の公園の入り口近く、ビルに面した場所に実験田『田んぼの学校』がある。もともとこの辺りでは稲作が行われていた様子もなく、田んぼの周りにある雑草たちは、田畑の雑草というよりも野原のものばかりだ。冬でも水を抜かず冬期湛水(とうきたんすい)しているおかげで、ウキクサやらクレソン(こんなところにまではびこっているのがすごい)がゴミにまみれながらもしっかり冬越していた。田んぼでは早くも苗代作りが始まっているようだ。
 この実験田には「田んぼに生き物を入れない」との但し書きがある。オタマジャクシ、カエル、ヤゴ、トンボは開墾後に入ってきた野生の生物とし、ザリガニ、メダカ、カメは誰かが故意に放流した生き物と明記してある。正直でいい。

yo010yo011 ■生物の楽園
 さらに進むと、『生物の楽園』に出た。楽園? なんて云うネーミングセンスなんだろうか。どうやら、湿地を模したビオトープを狙ったようなのだが、実際はがっちりとコンクリートで護岸工事した花壇に、申し訳分無く園芸種が札付きで植えられている菖蒲園のようである。案の定、水辺の鳥の姿は無く、居たのはムクドリとカメだけ・・・。

yo013  里山を再現したかったであろうナゾの水車小屋の前には、いかにもカワセミさんいらっしゃい的な止まり木が不気味な背骨のように立っていた。すぐ目の前にベンチがあって犬やら子供やらがわらわらいる状態なので、とてもじゃないけど、カワセミがやってくる雰囲気ではない。ただ、東京湾にある野鳥公園などのバードサンクチュアリまでの通路としては立派に機能しているようで、東京でなら当たり前に見ることができそうな種類の水鳥たちの説明が描かれた看板が立っている。ただし、鳥たちの姿はどこにも見えないが・・・。

 

yo016yo014■浮島
 さらに進むと、バードサンクチュアリ的な浮島が登場。しかし、ここもがっちりと護岸を固められているので、とてもじゃないけど水鳥たちのエサになるような水棲動物なんていそうにない。さらに、アシやチガヤ、オギといった植物も一切生えておらず、水際までぎっしり樹木が茂っているので、かなり鳥を選びそうな作りだ。 そのほとりには野鳥のフンで近所の人が困っていますとの看板が。フン害を引き起こす野鳥って何?と思ったら、ハトとカモメのことらしい。うむむむ、テンションは下がる一方である・・・。
 そこからちょっと横道にそれた所に、手入れを怠った運河が取り残されていた。いい感じに埋め戻されたおかげでずいぶん水深も浅くなりアシがはびこっている。しかし、相変わらず生き物の姿はなし。ここまでの流れがあの調子だから、極めて生き物たちが移入しにくい環境になっているとしか思えない。
yo017yo018  再び浮島の前に戻ると上流の方からオナガ(カラスのなかま)の小さな群れがやってきた。オナガといえばカラスの仲間。雑食の彼らは、木の実から虫、鳥の卵や雛まで食う。そういえば、葛西臨海公園にもたくさん居た記憶がある。ある意味、緑が多い都市部に対応しやすい鳥と言えるのではないだろうか?

  yo021yo020■害虫捕獲器
 川沿いの木のあちこちに害虫捕獲器が提灯のようにぶら下がっていた。流域の植林に何か虫害があるのだろうか? 飛翔昆虫用のフェロモン誘引捕獲器ではないかと思うのだが、虫嫌いの私としては、ここまでが精一杯。
 中を見るとどうやら蛾の類を誘引しているらしい。

yo022 yo023■公園の保守保全
 公園内から出た落ち葉や剪定された枝などのゴミは、こうして何カ所かに集められて堆肥として蓄積され、公園の保守保全のために役立てているようだ。護岸整備された川を元にした公園なので、地面の下はコンクリートで固められているのがありありと分かるわけだが、そうした保全箇所でモグラ塚を見かけた。
yo025  ここにいるモグラたちはコンクリートで固められたこの場所へ、どこからどうやってやってきたのだろう?

 ふと町名の看板があったので見たら、ここは海辺だった。

■アスレチック公園、クローバー橋、横十間川水辺の散策路
 さらに進むと、水上アスレチック公園に出た。別に水上に作らなくてもいいと思うのだがいかがなものだろう。下を流れる水は結構汚い。案の定、傍には「川に顔を付けないでね」の看板があった。
yo026yo027 川は汚いけど、空はキレイ。川には魚が居ないけど、空には鯉が泳いでいた。こういうのを見て、役人は満足するんだろうなぁ。
yo033 横十間川とそこに交差する小名木川の上にかかるクローバー橋(橋がクロスしているからクローバー?)を渡る。川が十字に交わる交差点というのも世にも珍しい光景である。それまで続いていた川沿いの並木が消え、あたりの光景も都市部のそれとしてがらりと変わる。それまでの親水公園は終わり、ここからは水上バスの発着所跡をウッドデッキでつなぎ整備した『横十間川水辺の散策路』になる。ずっとアスファルトの上を歩いてきたので、ウッドデッキの感触が心地よい。犬連れの人やご夫婦で散歩をする人々とひっきりなしにすれ違う。
 川縁に葦が生えているのでおやっと思い覗いてみたら、なんとそこには立派な船型のコンテナが・・・。江戸時代に掘削された川とはいえ、もともとあった川ではないし、護岸工事のおかげも相まって河原の植物なんて残っているはずがない。どこから持ってきたものなのだろうか?

yo029yo030  そうしたコンテナが切れて川縁が単純に岩を転がしただけのものになったとたん、川面にカルガモたちが姿を現した。あんな水面からの背が高いコンテナがあったら、水鳥たちは岸辺にあがって一休みもできやしない。やっぱ、作られ過ぎた所は彼らにとっても居心地が悪いのだろう。
 それにしても、ここまで水鳥を1羽も見かけなかったことにはちょっと驚く。

yo032 ■堅川河川敷公園
 横十間川にさらに交差する堅川。この川はすでに暗渠化されていて、単なる高速道路の下の寂しい公園に成り下がっている。20年程前にこのあたりに住んでいたことがあるのだが、当時から堅川は暗渠化されていたと記憶している。スケボーに興じる連中が立てるカラカラという乾いた音が寂寥感をさらに引き立てる・・・。予測はしていたが、なんてアンチクライマックスな公園散策なんだろうか。こうして見ると、横十間川は親水公園化することで暗渠化を免れたとしか思えない。ちなみに、江東区のキャッチフレーズは、「水彩都市江東」なんだそうだ。

5月 16, 2005 風景 | | コメント (0) | トラックバック (0)