まずは暗渠が学校の敷地へと飲み込まれてしまう場所。富士見ヶ丘学園の敷地とその駐車場に挟まれた小屋(おそらく地元の消防団所持の小屋かと思います)の前を出発点に設定しました。なお、画像の赤い矢印は、画像を撮影したときのカメラの向きを表しています。
さっそく調査開始。この道幅からしてかなり小さな川だったんでしょうね。
左は水道道路の土手、右は民家の塀です。路傍には最近植えられたクチナシ。
そのクチナシにコカマキリ。
薄暗い道ですが、キンモクセイのいい香りが漂っています。
タマスダレ(ヒガンバナの仲間)にツマグロキンバエ(クロバエの仲間)。
以前、ルリタテハがひなたぼっこしていたエリア。水道道路との間に建物が消え、ぐんと明るくなりました。
ヒガンバナが秋を告げているようです。
さらに暗渠は続きます。
左の土手にヒヨドリジョウゴを見つけました。花の形がナスに似ていますね(ナスの仲間)。秋になると赤く熟す実がヒヨドリが好むので、この名前が付いたんだとか。
と、ここでいきなり暗渠の道を遮る形で橋の欄干の名残を発見!
境橋とあります。確かに、渋谷区と杉並区の境あたりにあります。
さらに進むと左の土手がどんどん深くなっていきます。
おっと、ジュズダマを発見。
こっちにはススキやらヤブカラシに紛れてヤブランも咲いてます。
クワの木の下に生えたアシタバ。よーくみると、キアゲハの幼虫がびっしり!
さらに進むと、どんどん道幅が狭くなります。ハコネシダなのかアジャンタムなのか・・・?
突然の行き止まり。突き当たりのブロックは杉並区の清掃事務所。仕方がないので左を走る水道道路に出て環状七号線へ向かいます。
1:水道道路と環状七号線ば交わる泉南の交差点。どこに泉があったんだろうねぇ。ここは横断歩道がないので、ちょっと北上して2の歩道橋を渡ることに。歩道橋から見渡す限り、暗渠らしいものが見つからなかったのですが・・・。3:しばらく調べて歩くと、ビルと民家の間に暗渠らしい水路を発見。俯瞰から見て流れの向きは有っている模様!
手前は鉄板でふさがれていますが、奥はコンクリートの水路になっている様子。水が流れた跡もあります。
近所にあった地図。上の出発点から細々と暗渠上の道が記されています。地図にある現在地がほぼ暗渠の真上。
ここからは暗渠に平行して歩くことに。すぐ南側の道を歩きます。
ちょっとばかり民家の庭先を覗き込んでみると・・・どうやら水路は露出している様子(画面中央の瓶の後ろ)。電動の井戸がいい味だしてますね。
しばらく歩くと、民家の間に小道を発見。さっそく中に入ります。
お、コンクリートでふさがれた暗渠発見。
東(歩いてきた方向)を向くと、ずーっと流れが続いているのが見えます。
西(歩いていく方向)を向くと網戸に遮られ(笑)・・・、網戸の向こうに流れが濡れて光っているのが見えます。こうして見ると、ほぼドブだなぁ。
民家の庭先やら隙間を縫って暗渠は繋がっています。ここは看板の下になってますね。道をはさんだ反対側はなんと自動販売機が!
店先に踊る沖縄チックなTシャツやらアロハ、かりゆしウェアたち。ここ、和泉の商店街は「沖縄タウン」として街興ししているんです。
そんなことお構いなしに暗渠は続きます。ここでは道路脇(画像左側)の歩道の下を流れているようです。
しばらく歩くと左側が公園に。なんとなく水道道路脇に点在する緑道公園のような佇まいが・・・。
一度道を挟んでさらに公園は続きます。ここから右の道はゆるやかに登り坂になって右へ逸れていきます。暗渠のふたも無くなり、どうやら公園下に流れ込んでいる模様。
さらに続く公園。この長く続く感じはまさに川の跡って感じですね。
と、ここで再び行き止まり。1:おーい暗渠はどこだよ、とズズメに尋ねるもむなし。2:袋小路を歩き回ると和田堀給水所に突き当たる。おおお、水関連ってことはやっぱり川だったのか?! 3:敷地を大きく迂回して甲州街道の松原の交差点から井の頭通りに右折。
給水所の敷地にはツルボが揺れています。
フェンスにからまるクズ。空が秋めいています。
そんな和田堀給水所を背に、井の頭通りの向こう側に続く公園を発見!
公園に入ると、いかにも水の流れを形取ったモニュメントが。ここは何の公園なんだろう?
そのまま公園沿いを歩くと、橋の名残が! その名も久左衛門橋!
この下を暗渠が流れているのは間違いないにちがいない。何だかよくわからないけど、二人の子供も応援してくれている様子。キミたち誰?
再び公園は行き止まりに・・・。しかーし、そこの看板には「玉川上水路敷」の文字が。あれれ、いつのまに玉川上水になっちゃったんだろう? ただただ驚いていると、猫も驚き・・・。
行き止まりの向こうにはさらに緑地が続いている様子。しかし、この先は切り通しの下をアレが通っているはず・・・。
アレというのはコレ、井の頭線。どうなるのかと思いきや、なんと、橋に沿って太いパイプが通っています。
このパイプ、どのぐらい太さがあるんだろうかと下をのぞき込むと、アレレ下にも水路がある!
甲州街道側から見ると、上の太いパイプの下にあるコンクリートの水路が露出しています。しかもね、驚いたことに、アメリカザリガニが沢山棲んでいます! 下を通る電車に乗っている人たちは、よもやザリガニが棲む水路の下をくぐっているとはよもや思いもしないだろうねぇ。
さて、いったいどこから玉川上水になってしまったのかと思いきや、井の頭通りを渡った公園からなんですねぇ。おそらくパイプの中が多摩川からやってくる上水道で、下の水路が玉川上水なんではないだろうか?
そのまま公園を抜けると甲州街道にぶつかります。いわゆるここは明治大学前。公園の入り口には玉川上水公園の文字が彫ってありました。
玉川上水はこのまま甲州街道の測道の下を流れ(道路拡張の際に飲み込まれてしまったそうです)、この先の玉川上水永泉公園に続きます。
さてさて、家に帰ってどういうことなのか調べてみました。いったいどこで暗渠が玉川上水にぶつかったのか?
インターネットで調べてみると、どうやら玉川上水は代田橋で甲州街道にぶつかると、しばらくは甲州街道に沿って流れ、和田堀給水所の辺りで北にそれて流れているようです。流れが消えちゃっているようにも見えますが、ここでも甲州街道の拡張に伴って、道路下に飲み込まれてしまっていたワケです。
となると、和泉の商店街を抜けた後でぶつかった公園は玉川上水ではないわけで、水道道路の延長上にあることを考えると、結果、新水路跡と考えるしかないようです。あの公園の北側をずいぶん歩き回りましたが、暗渠らしきものは発見できずじまいですし、あの辺りで新水路と暗渠化した川が分岐していると考えるのが妥当そうです。
さて、なんだか小学校の社会科の課題みたいになっちゃいましたが、井の頭線をまたぐ水路でアメリカザリガニが沢山棲んでいるという妙な発見もありました。次はそのまま北上して多摩川を目指して歩くのも面白いかなぁ・・・とも思いますが、やはり気になるのは出発点の反対側、つまり富士見ヶ丘学園の東側がどうなっているかです(出発点は左、中央が反対側)。俯瞰で見ると、何やら暗渠らしい道も確認できますので、次はこっちを調べてみようかと思います。果たしてどこへ流れ着くのやら・・・。