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胃・十二指腸潰瘍の食事療法

More gently 胃・十二指腸にやさしい生活を!

胃、十二指腸は、生命を維持していくのに不可欠な栄養素を体内に取り込むという、とても大切な働きをしています。丈夫にできていて、なかなか故障しないはずなのですが…。
胃、十二指腸潰瘍で悩む人は消火器の病気を持つ人の中でもかなり多いのです。
丈夫な働き者、胃、十二指腸にはついつい無理をかけてしまいがち。胃、十二指腸にやさしい生活を送ってみませんか?

BALANCE 攻めと守りのバランスが大切

  • 胃、十二指腸潰瘍になるのはどうして?
胃からは強い消化力を持つ胃酸が出て、食べ物を消化しています。この胃酸の働きで、胃壁自体が消化されては困りもの。普通は、粘液が胃壁全体を覆って、胃酸から胃を守っています。
ところが、いったんバランスがくずれると…。粘液が薄くなり、胃壁にびらんや潰瘍、ひどい時には穴が開くことさえあります。この攻めと守りのバランスが崩すのが、ストレスや不規則な食事、胃への刺激物…。胃にやさしい生活とは、穏やかな規則正しい生活です。



  • 薬と食事でバランスを回復!
胃、十二指腸潰瘍になると、かつては極端な食事制限をしたこともありますが、現在では、胃酸の分泌を抑えたり、胃壁を守る優れた薬が登場しています。薬物療法を行いながら、食事の注意を守ることが大切。極端な制限を行うより、食事で体力を回復することが必要です。

1日のリズムを守って、楽しく、おだやかに

決まった時間に、1日3度の食事をとる。何事もくよくよせず、楽しく食事をする。たばこやアルコール、刺激の強いものは控える。こんなおだやかな生活が、胃・十二指腸をすこやかに守ってくれます。

POINT 胃にやさしい食事と生活

  • 規則正しい食事と休息を
1日3回規則正しく食事をとり、生活リズムを守って、十分な睡眠をとりたいもの。不規則な食事や睡眠不足が、潰瘍発生の原因になります。食後の休養、安静も大切です。

  • 服薬は、きちんと規則正しく
医師に処方された薬は、決められた量を規則正しく飲むことが大切。風邪薬など、処方以外の薬を飲むときは必ず医師に相談します。

  • たばこは、胃の大敵!
喫煙は、胃・十二指腸潰瘍の大敵。煙が溶けて、直接粘膜を荒らすほか、血流を減らして潰瘍を治りにくくします。また、再発の可能性も高まります。

  • アルコールは禁物!
濃いアルコールは、胃壁の粘液を洗い流してしまい、粘膜を直接傷つけます。潰瘍に悪い影響を与えるだけでなく、空腹時に飲むとアルコール性急性以遠なども引き起こします。

  • ストレスが胃を直撃!
胃は心の鏡。精神的な影響が、しばしば胃に現れます。ストレスがかかると胃の血流が悪くなり、粘液が減少。胃酸の分泌も増加して潰瘍のもとになります。

  • よくかんで、楽しい雰囲気で
tのしい雰囲気の中で、よくかんでゆったり食事をすることは意外に大切。スムーズに消化、吸収することにつながります。

  • 熱いもの、冷たいもの、刺激物に気をつけて!
熱いもの、冷たいものは、胃を刺激するので気をつけます。また、味の濃いものや刺激の強いものも、胃酸の分泌を促進するので、食べ過ぎないようにします(少量の香辛料は可)。

  • 固いもの、繊維の多いものは少量に
固いものや繊維の多いものは、消化しにくく、胃に負担をかけるので食べすぎないようにします。
(いか、たこ、赤み肉、貝類、干物、ごぼう、セロリ、たけのこ、わらびなど)

COOKING 胃にやさしい、こんな料理はいかがですか?
(材料はすべて1人前です。)



胃、十二指腸の手術をした方へ



胃切除後のダンピング症候群にご注意を

前期ダンピング症候群
食後30分ぐらいすると、冷や汗が出たり、気分が悪くなったりします。これは食物が急に大量に腸に入るため、空腸が引き延ばされて起こります。よくかんでゆっくり食べること、少しずつ食べること、食後に横になることが大切です。

後期ダンピング症候群

食後1時間半ぐらいたってから、冷や汗が出ます。胃がないため、糖分が急激に吸収され、血糖が急上昇。これを下げるため、インスリンがたくさん出て、今度は逆に下がりすぎるために起こります。予防策としては、ゆっくり食べること、甘い菓子など砂糖を多く含む食品を避けることが必要です。

万有製薬株式会社 資料より
(監修)東京女子医科大学名誉教授・横山 泉クリニック院長 横山 泉
(指導)フードコーディネーター・管理栄養士 塩澤 和子
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