2009年12月5日(土)「しんぶん赤旗」
シベリア抑留の特措法案
早期成立へ党派超え
犠牲者と議員
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臨時国会最終日の4日、抑留問題解決のための「戦後強制抑留者特別措置法案」の成立を求めて運動してきたシベリア・モンゴル元抑留者たちが、法案提出の見送りを受け、法案推進者の国会議員らと国会内で記者会見し、来年1月召集の通常国会での早期制定を求めました。同日発表した緊急声明では、すべての関係者と全国民に対し、法案成立への協力を訴えました。
「苦労に苦労を重ねてここまでやってきた」と冒頭語った平塚光雄・全国抑留者補償協議会会長(82)=東京都=。日々、仲間が亡くなる現実を直視し、法案提出が1、2カ月遅れることで、法の成果を受けられない元抑留者が増えることを危ぐしました。
平塚さんは抑留中の人権もない重労働を振り返り「私たちは馬ではない。人間だった」と語り、特措法の柱である「給付金」は、人間としての労働の対価であると受け止めているとのべました。
大野清・同副会長(85)=茨城県=は30年前の会創立からかかわってきました。元抑留者の平均年齢が87歳になる中、「われわれには時間がない。あの世に行ってから結果が出ても報告できない。目の黒いうちに成立し、土産をもって報告したい」と語りました。
日本共産党の山下芳生参院議員は「歴史の事実を消してはならない、名前さえ世の中に知られず酷寒の地に埋まってしまった人々をそのままにしてはならない、そして労働の対価を支払えという要求が、大きな世論となって一つの法案になった」とのべました。
民主党の谷博之参院議員は「法案を成立させなければいけないと、党派を超えて共通の認識になっている」と語りました。