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普天間移設の白紙化も 首相の言動は「スペース・イシュー」 (1/2ページ)
政府が米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先決定を先送りしたことで、米政府との交渉は閉塞(へいそく)状況に陥った。米政府は、同県名護市辺野古以外の移設先を模索する場合、普天間飛行場の返還や在沖縄海兵隊8000人のグアム移転を白紙化する考えをすでに伝達しており、13年前に合意した普天間返還そのものが元のもくあみとなる公算が大きくなった。
「それはスペース・イシュー(宇宙問題)だ」
普天間問題をめぐる日米当局者間の会話では、こんな用語が定着した。「宇宙人」の異名をとる鳩山由紀夫首相の意味不明で理解不能な言動を指している。
移設先や決定時期をめぐる日本政府の対応は迷走した。日米交渉では、日本側は辺野古以外の移設先検討を米側に打診した場面もあった。しかし、米側は固かった。
「日米合意を崩せば、海兵隊から再び移転の同意を取り付けることは不可能になる」
米側の切迫感は首相にも伝えられていたが、首相は危機感を抱くことなく新たな移設先探しに固執した。しかし、首相自身が「新たな移設先が簡単に見いだせればいいが、それは難しい」と述べるように、あてがあるわけでもなかった。
この間、首相発言の真意を問いただす米交渉担当者に日本側は「首相の発言をあまり真に受けない方がいい」とまで言って、はぐらかすしかなかった。軸が定まらない政府方針の中身は日本側の交渉担当者にも把握できない、まさに「スペース・イシュー」だった。
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