夏の甲子園で背中痛に泣いた菊池…あばら骨折だった
【栗山英樹氏が直撃!雄星の真実(4)】背中痛の真実は骨折だった。花巻東(岩手)から西武にドラフト1位で入団した菊池雄星投手(18)。今夏の甲子園では肋骨を折りながら、5試合に登板していた。最速155キロを投じる左腕は、腰の回転が速過ぎて、体が悲鳴を上げていたことを告白。現在は完治し、万全な状態で年明けから始まる西武の新人合同自主トレに臨む。
最後の甲子園では初戦の長崎日大戦で自身初の3本塁打を浴びるなど、不本意な投球だった。そして最後には背中痛で思うような球を投げられないまま、高校野球が終わった。
栗山 甲子園が終わって聞きたかったんですけど、背中の痛みは最初はどんなきっかけで痛みが出たんですか?
菊池 県大会が終わって背中が詰まる感じがしたんですけど、大丈夫だろうと。甲子園が終わって精密検査をしたら、腰の回転が速過ぎて実はあばらが折れていたんです。
栗山 えっ?骨折しながら投げていたんですか?
菊池 お医者さんには“全員ができるケガじゃない。腰の回転が速い投手だからだよ”と言われました。いい経験になりました。ねじりが速いんで左の5本目の肋骨が傷ついていた。お医者さんには“誰でもなるわけじゃないから”と。ヒビが入っていたんです。甲子園の時は精密検査をしなかったので、X線では分からなかったんですけど。基本的に上半身のトレーニングをしていなかったので、筋肉がなくてカバーできなかった。投げ過ぎとかではなくて筋力不足ですね。これから鍛えていけば問題ないです。
栗山 花巻東には素晴らしい仲間がいましたよね。甲子園が終わった時は、仲間に申し訳なかった気持ちはありましたか?
菊池 今はプラスに考えています。投げられなかったことはみんなに申し訳ないですけど逆に言えば、これからもっと鍛えてケガをしない体にして、プロに行って元気に投げる姿を見せられればいいと思っています。自分は柔らかさが武器だと思うので、それを生かしていきたいです。
栗山 1年生で活躍してその後、苦しんだ。それが生きていると思いますか?
菊池 それがなかったら今ここにいないと思います。苦しんでも投げ捨てないで自分自身を追い込んで追い込んで練習したから今があると思っています。でも2年生の時は先輩とか監督さんを勝たせることができなくて申し訳なかったですけどね。
栗山 最後の甲子園が終わって泣きましたよね。心の底から泣ける瞬間はなかなかないと思うんですけど、今あの涙を見るとどう思いますか?
菊池 見たくないです。思い出したくもないですね。恥ずかしいというか。ただ、仲間がいて自然に出た涙でした。今思えば泣いて良かったなと。スッキリしたし。逆に涙をこらえるより良かったです。泣けるだけ泣こうと。次の日は切り替えて次のステップでしたので。
栗山氏が取材を通じて気が付いたことがある。グラウンドでの練習で、菊池がキャッチボールの第1球から真剣に投げる姿が印象的だった。そこには菊池の野球に対する思いが凝縮していた。
栗山 丁寧なキャッチボールをするのはいつからやっているんですか?何を意識してやっていますか?
菊池 皆さんそうだと思うんですけど、低めを意識することが第一です。野球の神様がいると思うんです。1球を笑った者は1球に泣くと思うし。肩慣らしだと思って投げた1球が、もしかしたら大事な場面でのコントロールミスにつながるかもしれない。そういう意識ですね。大事に大事に。神様は上から見てますから。いつから始めたのかは分からないですけど、ここ2年くらいはそうやってます。失敗しながらどうすればいいか考えてこういう形になりました。
栗山 キャッチボールではゆっくりしたフォームで投げるのは何か狙いがあるんですか?
菊池 速いフォームで投げるのは簡単なんです。速いフォームで投げるより、ゆっくりなフォームで投げるのは難しいんですよね。それを知っていれば速いのは簡単にできる。速いフォームしか分からない投手というのは、帰ってくるところが分からないんですよね。訳が分からなくなった時にゆっくりなフォームに帰ってみる。自分の中での原点なんです。
◆菊池の負傷 今夏の全国高校野球選手権準々決勝・明豊戦の5回に背中の痛みを訴えて降板し、6回に代打を送られて交代した。試合後、兵庫県尼崎市内で検査を受けたが、異常なしと診断された。準決勝の中京大中京戦は先発を回避。4回2死満塁から救援登板したが、直球の最速は139キロと本調子には遠く、2/3回を投げ2安打1失点で降板した。チームは1―11で敗れた。
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