『のだめカンタービレ 最終楽章 前編』上野樹里&玉木宏 インタビュー 2/2
「のだめはどこに行ってものだめだからKYで頑張りました」
天才的なピアノの腕と変態的な感性を持つヒロイン、のだめと、一流の指揮者を志すエリート青年・千秋の恋と音楽に懸ける青春が展開する『のだめカンタービレ 最終楽章 前編』。同名ベストセラーコミックを基にした人気ドラマの映画版にして、シリーズの完結編の前編である同作について、主演の上野樹里と玉木宏が語ってくれた。
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パリはすべてが美しく、プラハはのほほん
―― ヨーロッパロケでは、どの都市が印象に残っていますか?
玉木:僕はプラハが好きですね。パリも大好きなんですけど、プラハはパリほど都会でもなく、程よい田舎感があるんです。
上野:わたしもプラハかな。スメタナホール(「プラハの春」音楽祭のメイン会場として有名)とか好きだし。パリはちゃんとした格好をしていないと気後れするお店があったり、どこから見ても絵になる芸術の街だったりするんですけど、気の抜けない緊張感があるんですよね。プラハはもうちょっと……、何て言ったらいいんだろう?
玉木:いい意味でルーズな感じだよね。
上野:そうそう。人も少ないし、自然も多いし。パリは木のカッティングも全部完璧で美しいんですけど、プラハはちょっと放ったらかしで、のほほんとした感じでした。
―― 撮影環境も良かったようですね。
玉木:食事一つをとっても、スタッフやキャストが温かいものをいっぱい食べられるよう、ケータリングのコックさんが腕を振るってくれていました。それに、普通だったら撮影許可が下りないような有名ホールで撮影できたのも、『のだめ』だからこそという気がしています。
上野:いろいろな人に支えられているんだなと感じましたね。あらゆるところに時間をかけて作ったので、細かいところまで注目してほしいです。
シリーズが終わっても、のだめはわたしの中に残っている
―― 映画版を最後にシリーズを終える寂しさはありますか?
上野:終わっても終わった気がしなさそうですよね。のだめを演じることはもうないかもしれないけど、わたしの中では生きているというか。
玉木:映画版のストーリー自体、すごく前向きな内容なんです。パリに来て1年以上が経ち、今までのテレビシリーズより成長したのだめと千秋の姿に明るいメッセージが込められているし、音楽という共通の目標を持って突き進む二人から元気をもらえると思います。映画を通して作り上げることができたものが、ずっと残していきたい『のだめ』の世界なんですよね。もちろん、寂しさもありますけど、すべてやり切ったと思います。
上野:ここまでやり切れたのがすごいよね(笑)。それに、映画版は音楽を題材にした物語という枠を越え、生きることに関する大きなテーマも語られているんです。人間だったら生きている間に壁にぶち当たることもあるし、うまくいかないこともあるけど、のだめと千秋みたいに頑張ろう! って。だから、わたし自身も後で観返して、「よし、頑張ろっと」と思える日が来る作品になるんじゃないかと思っています。
取材・文:渡邉ひかる 写真:尾藤能暢 編集:シネマトゥデイ
解説
二ノ宮知子の同名ベストセラーコミックをテレビドラマ化し、高視聴率を記録した「のだめカンタービレ」が、前後編の映画版になって登場。天才的なピアノの腕と独特な感性を持つヒロイン、通称・のだめと、一流の指揮者を志すエリート青年・千秋の恋と音楽に懸ける青春が展開する。上野樹里、玉木宏をはじめ、テレビシリーズのキャストが続投。フランスをはじめとする計5か国で撮影が行われ、新キャストも登場するなど、映画版にふさわしくパワーアップした内容が見どころだ。