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日本人男性として加害直視、元慰安婦の訴え代弁/川崎出身の村山さん

12月14日10時0分配信 カナロコ

日本人男性として加害直視、元慰安婦の訴え代弁/川崎出身の村山さん
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集会で「『慰安婦』問題は性的暴力の問題」と語る村山さん=横浜市南区の県地域労働文化会館
 旧日本軍の「慰安婦」として心身に深い傷を負った韓国人女性の訴えを代弁する日本人男性がいる。川崎市出身の村山一兵さん(29)。ソウル近郊、元慰安婦のハルモニ(おばあさん)が共同生活を送る「ナヌムの家」で常駐スタッフとして働き、証言活動を支えている。太平洋戦争開戦から68年となる8日、横浜市内で開かれた集会で、「加害」と向き合う日々を語った。

 「商行為だったとして、慰安婦などいなかったと主張する人がいる。私は反論したい。たとえ金を受け取っていたからといって、女性が受けた被害も、加害の事実も消えることはない」。ハルモニたちと寝食を共にして4年、村山さんの語り口に迷いはない。「慰安したのではない。性的暴力を受けた。『慰安婦』という言葉自体、問題の本質を覆い隠すものだ」

 話は高校在学中にさかのぼる。在日コリアン3世の同級生との出会いに、村山さんはある違和感を覚えたという。「在日がなぜ日本で暮らしているのか。その歴史、抱えている悩みが見えていなかった」。大学時代に韓国へ留学。足を運んだナヌムの家で同じ感覚に襲われる。「日本人男性として日本軍による被害者に会うのが怖かった」。内なる「忌避の意識」に気付いた。

 知り合ったハルモニの死に直面し、消されゆく歴史の現実を知った。ナヌムの家で暮らすのはいずれも80〜90歳代。2006年に、併設された歴史館の研究員になった。

 ナヌムの家には年間5千人が訪れ、半分は日本からやって来る。慰安所を再現した部屋などの展示を解説し、ハルモニの証言を通訳する。それはまた、男性という属性を持つ自分と向き合う日々でもあった。

 痴漢行為や買春、援助交際が繰り返される日常に暮らし、ポルノ雑誌は巷(ちまた)にあふれる。「傷つけている認識が持てない社会。恋人、友人など、自分の大切な人にも起こりうる問題ととらえるべきだと思った」

 他者の痛みへの想像力を欠く社会の先には何が待っているのか。村山さんがハルモニと日本国内で重ねる証言集会は、過去から未来への投げ掛けでもある。集会では、横浜市の中学校で採用が決まった「新しい歴史教科書をつくる会」主導の教科書への批判にも話が及んだ。

 ナヌムの家を訪ね、涙を流して謝罪する人がいる。「あなたが謝って、どうするの」。困ったような表情を浮かべるハルモニ同様、村山さんの心も波立つ。「一方的で一時的な懺悔(ざんげ)からは何も生まれない。ハルモニたちは、自分を直視し、記憶にとどめてほしいと願っている。つらい体験をいまだに証言し続けなければならないことにこそ、思いを巡らすべきだ」

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最終更新:12月14日10時0分

カナロコ

 

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