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「明るすぎる劇団・東州」が定期公演

2009-04-12 11:33:39 筆者:admin06 出処:日中新聞 回数をブラウズします:0 ネット友達から評価 0 箇条

回増すごとにパワーアップ
摩訶不思議な戸渡ワールド

【リード文】

 「話題騒然!抱腹絶倒!?――これはシェークスピア劇団の再来だ…!!」とパンフレットで大々的に自己PRする「明るすぎる劇団・東州」定期公演が東京(3月18日)と大阪(3月21日)で行われ、多くの観客を集めた。18日夕方東京・練馬区光が丘IMAホールで行われた東京公演に出かけた。ちなみのこの日は劇団団長の戸渡阿見氏(深見東州氏・本名は半田晴久氏)の58回目の誕生日だった。

【本文】

■戸渡団長が大活躍

 「明るすぎる劇団・東州」は、戸渡阿見氏原作の短篇小説を上演する劇団として2007年5月に旗揚げした。以来、各地で公演を行ってきたが、回を増すごとにパワーアップし、新作の上演にも意欲的に取り組んできた。

 人間と人間以外の生命体(?)が繰り広げる、摩訶不思議な戸渡阿見ワールド。それはファンタジー、SFに、ラブ・ストーリーとギャグをまぶしたような不思議な世界。観る者を奇妙キテレツな気持ちにさせてくれた。

 劇団団長の戸渡氏は原作・脚本・音楽・演出をすべて兼任。さらに今回は幕間のパントマイマーとして特別出演するなど、八面六臂の大活躍に会場のファンは大喜び。

 公演は一番前の席に陣取った戸渡氏が観客に一礼して幕が明けた。司会はこやなぎまさひこ氏。「前日、トイレにいる団長から呼ばれて行くと、『誰だ!』といわれ、私が名乗ると『ウン?コヤナギか』といわれた。私はついに『ウンコヤナギ』になっていた」と、のっけから司会者の臭い?ギャグに会場は大爆笑。「これまで伊勢の山奥とかいろいろな野外で公演してきたが、今回は都会の屋根のある会場での公演。雨の心配をする必要がなく、団員一堂大喜びです」と笑わせた。

■面白さ満載5作品

 さて本命の演目は『ある沼の伝説』『蠅』『広辞林』『黄金伝説』『バッタに抱かれて』の5作品。戸渡阿見第二短篇集『バッタに抱かれて』(日本図書館協会選定図書より)が原作のものが3作品。戸渡阿見第三短篇集収録予定のものが2作品。

 ある沼で出会った怪物の石田君とカエル王子が繰り広げる不思議な世界『ある沼の伝説』、ギリシャ旅行に来た「私」が蠅と出会った。その「私」と蠅の一瞬のドラマを切り取ったという『蠅』、井の頭公園で散策中に発見した「広辞林」という道標。それに誘われて足を踏み入れ、一本の不思議な木に出会い、ストーリーが進展する『広辞林』と続く。

 さらに『黄金伝説 清拭篇』は主人公の「金太」を舞台どう表現するかが注目された作品。原作を読んだ人なら、ドッキリ・ニンマリの展開。最後の『バッタに抱かれて』は、人間の女性「私」が善福寺公園の池の畔で不思議なバッタと出会い、家に連れて帰り、一緒に暮らすうちにバッタはいつの間にか人間を越す大きさになり、「私」の大切な人になった。しかし、バッタにはある意外な秘密があった。人間の女性とバッタの切なくも不思議なラブストーリー。同劇団の中でも大人気演目だ。

 ファンタジー、SFを大真面目かつふざけた台詞と仕草、さらに歌、踊り、大立ち回りで華麗かつ目まぐるしく展開させる。そこにはつい吹き出すように笑ってしまう自分がいた。あれもありこれもありの、面白さ満載のテンコ盛り舞台だった。

戸渡団長パントマイム光る

どことなく可笑しく面白い

■長めの幕間も楽し

 この舞台の見所はもう一つあった。幕間に行われた戸渡氏による特別パントマイムとジャグラー集団(戸渡氏が社長を務める「たちばな出版」の営業マン)によるジャグリング・パフォーマンス。特にパントマイムは犬を散歩させる飼い主、イグアナ、卵を産む鶏、音に反応する花が演じられた。細かな観察力で作り上げた演技はお見事。展開が想像されるのについ笑ってしまう。何よりも客席最前列でその都度、被り物に身に包み、スクッと立ち上がる演出が振るっていた。この時点で会場の笑いをすでにわしづかみにして、舞台へという流れの自然さが可笑しかった。

 ちなみに4つの短篇を舞台装置、衣装、化粧をその都度変えて、すべてを7人のキャストが入れ代わり立ち代り演じるという難易度の高い舞台。当然、幕間が長くなるのは否めない。この日の公演の後も、「幕間が長すぎる」という声が寄せられたというが、不思議だったのはこの幕間に行われたパントマイム、ジャグリング・パフォーマンスを除いて客席は水を打ったように静まり返っていたことだ。

 観客は新しく展開される舞台を今か今かと、固唾を呑んで開幕を待っていたに違いない。だから水を打ったように静かだったのではないか。待ちに待って舞台が開く。だから開いたときの喜びも一入といったところか。待つことが少なくなった現代の日本人。ときには日頃の忙しさや喧騒を忘れて、面白舞台を満喫するために、少々待つことだって悪くはない。

■笑いに「品格?」

 一方、笑いといっても爆笑に次ぐ爆笑といったものではなかった。どことなく可笑しくて、ついクスッと笑ってしまう、いわば「品格?」を持った笑いといったところか。最近、テレビから放出される笑いは騒音そのもの。機関銃のような弾き出す、押し付けがましい笑いに多くの人は辟易しているのではないだろうか。笑い飛ばしたあとはすっかり忘れて跡形もないという軽薄な笑いではなく、そっと胸にしまいこんで、後から思い出して、またうっかり笑ってしまう。そんな笑いを提供してくれたのではないだろうか。

 この日の観客は子供から高齢者まで幅広い。年齢層を問わず受け入れられたようだ。岐路につく観客たちの満ち足りた表情から、この舞台のクオリティの高さと並外れた面白さを読み取ることができた。

観客の声援に応える

 

 

挨拶する東州氏

深見東州氏の作品展「何やっ展覧会」

新作69点含む108点展示

アート創作の「魅力」語る

 2009年深見東州氏の作品展「何やっ展覧会」が3月20日から24日まで東京・渋谷区の表参道ヒルズで開催された。20日午前11時から行われた開会式には、会場開門前から多くの深見ファンが駆け付け、深見氏のユニークな挨拶に盛んな拍手を送っていた。

                      ■

 この展覧会は深見氏の誕生日の3月18日頃に合わせて、1年間描きためた書画の作品を「深見東州作品展」で発表してきた。「私が50歳を迎えたとき、己の老化や全人格的な劣化を実感し、そんな己に喝を入れるために始めたもので、今回で9回目になる」(深見氏)という。

 展示作品は新作69点と、これまで展示して人気のあった作品39点で計108点。なお、今回19点の原画を展示しているが、このほか2点の原画のうち、1点は書で2001年に大英図書館に、もう1点はアクリル画「青龍神と緋鯉」で2002年に中国芸術研究院から外国人初の国家一級美術師の認定を受け、永久所蔵されている。

 開幕式で挨拶に立った深見氏は「今日は暇な人が多く集まり、感謝している。暇な人というのは褒め言葉。『貧乏暇なし』という言葉があるから、皆さんは貧乏ではないということ。暇な人を想像することを『ヒマジネーション』という」と冒頭から参加者を笑わせた。

 また今回の作品展のタイトルを「何やっ展覧会」としたことについて、「どんなことをやるにしてもタイトルが大事。朝日新聞社の調査によると、本の売行きの決め手となるのは一番にタイトル。二番は著者。だから見たくなるようなタイトルにした」と解説。今回の個展で力点を置いたところについては「上手い絵や上手な絵はどこにでもある。それでは駄目。これまで観たことのない絵。その人にしか描けない絵が重要」と語り、ピカソ、ゴッホ、セザンヌといった巨匠には共通項がある」とし、「純粋」「素朴」「稚拙」を掲げた。

 そのうえで「上手く描こう、特色を出そうとする自分の我にぐっと堪えて『純粋』『素朴』を追求し、魂の温かさを出している。深見さん、あなたには巨匠の才能があるといわれた」と評価されたエピソードを語った。

 さらに「高校の美術部でも上手な絵を描く人は多い。しかし、荒削りでもピカッと光るものがあると、審査基準をクリアする。それは俳句も短歌も歌唱も同じ。意外性があり、パターンにはまらないことが大事。観たこと、読んだことがないから発表する価値がある。そしてその人らしい温かみ、生き生きしたものがあること。そこに芸術性と創造性がある」と語った。

 また日本の室町時代に猿楽師の世阿弥、観阿弥などに言及しながら、芸術を磨いて魂を磨くアートの本源に触れ、「真剣なふざけには生臭さがない。だから『何やっ展覧会』としながら、尊いものを真剣に描いた。本当にお暇なところを来ていただいてありがとう」と結んだ。このあと深見氏がテープカットを行い、詰め掛けた深見ファンとともに展示作品を観て回った。

 

 

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