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仙台の2アウトレット1年目健闘 広域からの集客成功

買い物客でにぎわう仙台泉プレミアム・アウトレット

 昨年秋、仙台市郊外に進出した三井アウトレットパーク仙台港、仙台泉プレミアム・アウトレットの開業1年目の決算が出そろった。売上高はいずれも目標に近い数字を上げ、不況の逆風下としては順調な滑り出し。旅行会社やバス会社との連携が進み、東北各県など広域からの集客に成功した。一方、市中心部の商店街はJR仙台駅前を除いて通行者数が急減し、郊外との格差が表れている。

<交通会社と連携>
 三井アウトレット(宮城野区)は開業初年度、集客数が目標の350万人をクリアした。売上高も127億円と目標の130億円に迫り、運営する三井不動産東北支店事業グループの菅野学統括は「不況の中、かなり健闘できた」と自負する。

 仙台港には今春、ホームセンターのカインズや家電量販店のケーズデンキが出店。家具の東京インテリアとニトリが来年オープンを予定し、商業施設の集積が進む。菅野統括は「相乗効果が生まれつつある」と話す。

 泉アウトレット(泉区)も開業初年度の売上高は「目標の80億円とほぼ同額」(中西広祐支配人)。隣接地で同時オープンした泉パークタウンタピオとの合計売上高は、百数十億円規模とみられる。

 中西支配人は「通年で安定して集客できた」と話し、要因に、高速道路の自動料金収受システム(ETC)割引による岩手、福島両県などからの来館者増を挙げる。東北自動車道の泉インターチェンジに近い立地を生かし、各サービスエリアでチラシを配布するなどの取り組みが効果を発揮した。

 開業後1年で、両アウトレットと交通各社や旅行会社との連携も進んだ。JR東日本仙台支社は今春、宮城県北、山形県内、福島県内を対象に、三井アウトレットのクーポン1000円分がセットになった日帰りチケットを販売。宮城交通(仙台市)は大崎市古川と泉アウトレットを結ぶ高速バス路線を開設した。

<通行量9%減少>
 一方、市中心商店街は苦戦が続く。宮城県百貨店協会のまとめで、仙台の3百貨店の10月売上高は前年同月比12.3%減と下落に歯止めがかからない。
 仙台商工会議所が6月に実施した市中心部商店街の歩行者通行量の調査では、日曜の平均通行量が前年より9.9%減った。

 ただ、JR仙台駅前に昨年8月開業したパルコ前交差点近くの地点の通行量は8.4%増えた。パルコは初年度売上高について「個別の店舗の売上高についてコメントできない」と話すが、各テナントの決算を集計すると、目標の140億円に対し110億円程度とみられる。仙台駅を舞台にしたファッションショーの開催など、ソフト面からも存在感を発揮している。

 仙台市中心部の大型店の利用状況を10月に調査した広告会社、第一エージェンシーは「パルコ出店などで仙台駅前が活性化した半面、一番町エリアは集客力の低下が目立つ」と指摘している。


2009年12月11日金曜日

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