【目次】
第1章 総 則
第101条 適用範囲
第102条 目的及び解釈
第103条 証拠に関する決定
第104条 予備的審問
第105条 限定された許容性
第106条 書面若しくは供述録取書の残余部分又は関係書類
第2章 司法上の確知
第201条 司法事実の司法上の確知
第3章 民事訴訟及び手続における推定
第301条 民事訴訟及び手続における推定一般
第302条 民事訴訟及び手続に対する州法の適用
第4章 関連性及びその限界
第401条 「関連性のある証拠」の定義
第402条 関連性のある証拠の一般的許容性及び関連性のない証拠の非許容性
第403条 偏見,混乱又は時間の浪費を理由とする関連性のある証拠の排除
第404条 行為を立証する目的での性格証拠の非許容性,その例外及び余罪
第405条 性格の立証方法
第406条 習慣及び日常業務
第407条 事後的救済措置
第408条 和解及びその申込み
第409条 治療費その他の費用の支払い
第410条 答弁,答弁の協議及びそれに関連する供述
第411条 損害賠償責任保険
第412条 性犯罪事件:被害者とされる者の過去の性的行為又は性的傾向の関連性
第413条 性的暴行事件における同種行為に関する証拠
第414条 児童虐待事件における同種行為に関する証拠
第415条 性的暴力又は児童虐待に係る民事事件における同種行為に関する証拠
第5章 特 権
第501条 通 則
第6章 証 人
第601条 証人適格に関する通則
第602条 個人的知識の欠如
第603条 宣誓又は確約
第604条 通訳人
第605条 裁判官の証人適格
第606条 陪審員の証人適格
第607条 弾劾権者
第608条 証人の性格及び行為に関する証拠
第609条 前科に関する証拠による弾劾
第610条 宗教上の信条又は意見
第611条 尋問及び証拠提出の方法及び順序
第612条 記憶を喚起させるために用いられる書面
第613条 証人の前の供述
第614条 裁判所による証人の召喚及び尋問
第615条 証人の退廷
第7章 意見及び専門家の証言
第701条 素人証人による意見の証言
第702条 専門家による証言
第703条 専門家による意見の証言の根拠
第704条 主要争点に関する意見
第705条 専門家の意見の根拠となる事実又は資料の開示
第706条 裁判所が任命した専門家
第8章 伝 聞
第801条 定 義
第802条 伝聞法則
第803条 伝聞例外:原供述者の証言可能性が重要でない場合
第804条 伝聞例外:供述者が証言できないこと
第805条 再伝聞
第806条 供述者の信用性の弾劾及び回復
第807条 その他の例外
第9章 真正及び同一性
第901条 真正及び同一性の要件
第902条 それ自体で真正とみなされる文書
第903条 署名した証人の証言の不要性
第10章 書面,記録及び写真の内容
第1001条 定 義
第1002条 原本の必要性
第1003条 謄本の許容性
第1004条 内容に関するその他の証拠の許容性
第1005条 公的記録
第1006条 要 約
第1007条 当事者の証言又は書面による自認
第1008条 裁判所及び陪審の機能
第11条 雑 則
第1101条 規則の適用範囲
第1102条 改 正
第1103条 規則の名称
この規則は,第1101条に規定する範囲において,合衆国裁判所並びに合衆国破産判事及び合衆国治安判事の手続に適用される。 [注釈へ]
この規則は,真実を追求し,公正な手続を定めることを目的とし,手続の運用の公正さを確保し,不当な費用及び遅延をなくし,証拠法の成長及び発展を促すように解釈しなければならない。[注釈へ]
(a) 瑕疵のある決定の効果 証拠を許容し,又は排除する決定は,瑕疵に基づくものであってはならない。ただし,次に掲げる場合において,当事者の実質的な権利に影響がないときは,この限りでない。裁判所が証拠を許容し,又は排除する最終的な決定を行ったことが記録上明らかである場合,当事者は,上訴に備えて瑕疵の主張をとどめるために再び異議の申立て又は証拠の申出を行う必要はない。
(1) 異議の申立て 証拠を許容する決定を行った場合において,適時に異議又は証拠排除の申立てを行ったことが記録上明らかであるとき。ただし,記録の文脈から申立ての具体的な根拠が明らかでない場合には,具体的な根拠を述べたものでなければならない。
(2) 証拠の申出 証拠を排除する決定を行った場合において,裁判所が証拠の申出を受けて証拠の内容を知り,又は尋問内容から裁判所に証拠の内容が明らかであるとき。
(b) 申出及び決定の記録 裁判所は,証拠の特徴,証拠の申出の方法,異議の申立て及びそれに対する決定に関する記載を付記することができる。裁判所は,問答形式で証拠の申出を作成するように命じることができる。
(c) 陪審の立会 陪審による事件においては,できる限り,陪審の面前で証拠に言及し,証拠の申出を行い,又は質問を行うなどの方法で陪審に許容性を欠く証拠が示されることのないようにして手続を進めなければならない。
(d) 明白な瑕疵 この規則は,裁判所に対し,実質的な権利に影響を与える明白な瑕疵について注意喚起が行われなかった場合でも,裁判所がその瑕疵を確知することを禁ずるものではない。[注釈へ]
(a) 許容性に関する問題一般 証人となる資格,特権の存在又は証拠の許容性に関する予備的問題は,次項に定めるところにより,裁判所がこれを判断する。裁判所は,その判断を行う際,証拠規則の規定(特権に関する規定を除く。)に拘束されない。
(b) 事実を条件とする関連性 証拠の関連性が事実の条件の成就により決まる場合,裁判所は,その条件の成就を認めるに足りる証拠が提出されたとき又はその証拠の提出を条件として,証拠を許容することができる。
(c) 陪審の立会 自白の許容性に関する審理は,いかなる場合においても,陪審のいない場所でこれを行わなければならない。それ以外の予備的事項に関する審理は,司法の利益上必要な場合又は被告人が証人となってそれを求めた場合,陪審のいない場所でこれを行うことができる。
(d) 被告人の証言 被告人は,予備的事項について証言した場合,それ以外の争点について反対尋問を受けることはない。
(e) 証拠価値及び信用性 この条は,当事者が陪審の面前で証拠価値又は信用性に関する証拠を提出する権利を制限するものではない。 [注釈へ]
ある当事者又は目的に関して許容性を有するが,それ以外の当事者又は目的に関しては許容性を有しない証拠を採用する場合において,当事者の請求があるときは,裁判所は,その証拠を適当な範囲に限定し,陪審に対し,その旨説示しなければならない。[注釈へ]
書面若しくは供述録取書又はその一部が一方当事者により提出された場合,相手方当事者は,その書面若しくは供述録取書の残りの部分又はそれと同時に存在したと考えるのが公正であるそれ以外の書面若しくは供述録取書の提出を求めることができる。[注釈へ]
(a) 適用範囲 本条は,司法事実の司法上の確知のみに適用される。
(b) 事実の種類 司法上確知される事実は,(1)事実審裁判所の土地管轄内において一般的に知られており,又は(2)合理的な疑いを入れる余地のない正確な根拠により正確かつ直ちに決定できることに合理的な争いがないものでなければならない。
(c) 裁量による場合 裁判所は,当事者の請求の有無にかかわらず,司法上の確知を行うことができる。
(d) 義務がある場合 裁判所は,当事者の請求があり,必要な情報を提供された場合には,司法上の確知を行わなければならない。
(e) 審理を受ける機会 当事者は,適時になされた申立てにより,司法上の確知の当否及び確知された事項の趣旨を審理する機会を与えられる。事前の通知がないときは,司法上の確知がなされた後に申立てを行うことができる。
(f) 司法上の確知の時期 司法上の確知は,手続のいかなる段階においてもこれを行うことできる。
(g) 陪審に対する説示 民事訴訟又は手続において,裁判所は,陪審に対し,司法上確知された事実を確定的なものとして受け入れるように説示しなければならない。刑事事件において,裁判所は,陪審に対し,司法上確知された事実を確定的なものとして受け入れることはできるが,それを受け入れる義務はないと説示しなければならない。[注釈へ]
民事訴訟及び手続における推定は,連邦議会の法律又はこの規則に特別の定めのない限り,それにより不利益を被る当事者に対し,推定を覆し,又は対処するための証拠を提出する責任を負わせる。ただし,説得できない場合の危険を負うという意味での立証責任を転嫁するものではなく,立証責任は,公判を通じて本来その責任を負う当事者にある。[注釈へ]
民事訴訟及び手続において,州法に判断基準が定められている請求原因又は抗弁の要件事実に関する推定の効果は,州法に従って判断しなければならない。[注釈へ]
「関連性のある証拠」とは,その証拠が存在することにより,訴訟に関する判断を行うのに重要な事実が存在する蓋然性が増減する性質を有する証拠をいう。[注釈へ]
関連性のある証拠は,合衆国憲法,連邦議会の法律又はこの規則その他の連邦最高裁判所が法令上の権限に基づき制定した規則に特別の定めのない限り,すべて許容される。関連性のない証拠は,許容されない。[注釈へ]
証拠に関連性がある場合であっても,その証明力よりも,不公正な偏見,争点の混乱,陪審の誤導,不当な遅延,時間の浪費又は重複証拠の不要な提出のおそれの方が実質的に大きいときは,その証拠を排除することができる。[注釈へ]
(a) 性格証拠一般 人の性格又は性格特性に関する証拠は,特定の機会にその性格に従って行為を行ったことを立証する目的では許容されない。ただし,次に掲げる場合は,この限りでない。
(1) 被告人の性格 刑事事件において,被告人が性格特性に関する証拠を提出するとき,それに対して反証するために検察官が証拠を提出するとき,又は被告人が次号の規定により犯罪の被害者とされる者の性格特性に関する証拠を提出して許容された場合において,検察官が被告人の性格特性に関する証拠を提出するとき
(2) 被害者とされる者の性格 刑事事件において,第412条に規定する制限の下で,被告人が犯罪の被害者とされる者の性格特性に関する証拠を提出するとき,それに対して反証するために検察官が証拠を提出するとき,又は殺人事件において被害者とされる者が先に攻撃したことを示す証拠に対して反証するために検察官が被害者とされる者の穏和な性格特性に関する証拠を提出するとき
(3) 証人の性格 第607条から第609条までの規定により証人の性格に関する証拠を提出するとき
(b) 本件以外の犯罪,悪行状又は行為 本件以外の犯罪,悪行状又は行為に関する証拠は,人の性格を立証し,その性格に従って行為を行ったことを示す目的では許容されない。ただし,動機,機会,意図,準備,計画,知情,同一性又は錯誤若しくは事故の不存在を立証するなどそれ以外の目的では許容される。刑事事件においては,検察官は,被告人の請求により,公判前(裁判所が正当な理由により公判前に行うことを免除した場合においては公判中)に,公判において提出しようとする証拠の一般的な性質について合理的な通知を行わなければならない。 [注釈へ]
(a) 評判又は意見 人の性格又は性格特性に関する証拠が許容される場合には,評判又は意見の形の証言によってそれを立証することができる。反対尋問においては,関連性のある行為の具体例について尋問することができる。
(b) 行為の具体例 人の性格又は性格特性が公訴事実,請求原因又は抗弁の重要な要素である場合には,その者の行為の具体例によってそれを立証することができる。 [注釈へ]
人の習慣又は組織の日常的活動に関する証拠は,補強証拠及び目撃証人の有無にかかわらず,その者又は組織が特定の場合にその習慣又は日常的活動に従って行為を行ったことを立証する目的で許容される。 [注釈へ]
ある出来事により権利侵害又は損害が生じた後に措置を講じた場合において,事前にその措置を講じていれば,その権利侵害又は損害が生じる可能性が低かったときは,事後的な措置に関する証拠は,過失,有責行為,製品の欠陥,製品の設計の欠陥又は警告若しくは指示の必要性を立証する目的では許容されない。事後的な措置に関する証拠は,争いとなっている所有権,管理若しくは予防措置の可能性を立証するなどそれ以外の目的で提出された場合又は弾劾の目的で提出された場合には,これを排除することを要しない。 [注釈へ]
(a) 使用が禁じられる場合 次に掲げる証拠は,その有効性若しくは金額に争いのある請求の責任,有効性若しくは金額を立証し,又は前の相反供述若しくは矛盾により弾劾する目的では許容されない。
(1) 当該請求について和解を行い,又は行おうとする場合において,有価約因を提供し,若しくはその提供を約束し,又はこれを受諾し,若しくはその受諾を約束したことに関する証拠
(2) 当該請求に関する和解の交渉において行った行為又は供述(刑事事件において提出するもの及び公務所が監督,調査又は執行の権限を行使して行う請求に関する交渉に係るものを除く。)
(b) 使用が許される場合 証人の偏見若しくは予断を立証し,不当な遅延の主張を否定し,又は犯罪捜査若しくは訴追を妨害しようとしたことを立証するなど前項の規定により禁止されていない目的で証拠を提出する場合には,これを排除することを要しない。 [注釈へ]
権利侵害によって生じた治療費,入院費その他これに類する費用の支払い又はその約束に関する証拠は,権利侵害の責任を立証する目的では許容されない。 [注釈へ]
次に掲げる証拠は,この規則に特別の定めがある場合を除き,民事手続又は刑事手続において,答弁を行った被告人又はその協議に参加した被告人に対しては許容されない。ただし,(@)答弁又はその協議の過程でなされた別の供述が提出され,それと同時に行ったと考えるのが公正である場合,又は(A)偽証罪又は虚偽陳述罪の刑事手続において被告人が弁護人の立ち会った公開の法廷で宣誓の上供述を行った場合は,この限りでない。
(1) 有罪答弁で後に撤回したもの
(2) 不抗争の答弁
(3) 連邦刑事訴訟規則第11条に規定する前2号の答弁の手続又はそれに対応する州の手続の過程で行った供述
(4) 検察官と答弁の協議を行ったが,有罪答弁に至らなかった場合又は有罪答弁を行った後にそれを撤回した場合において,その協議の過程で行った供述 [注釈へ]
損害賠償責任保険の加入の有無に関する証拠は,故意又は過失の有無の立証のために用いることはできない。ただし,代理権,所有権若しくは管理又は証人の予断若しくは偏見を立証するなどそれ以外の目的で用いる場合は,この限りでない。 [注釈へ]
(a) 原則として許容されない証拠 次に掲げる証拠は,次項及び第c項に定める場合を除き,違法な性的行為に関する民事手続又は刑事手続において許容されない。
(1) 被害者とされる者が他の性的行為に関わっていることを証明するために提出される証拠
(2) 被害者とされる者の性的傾向を証明するために提出される証拠
(b) 例 外
(1) 次に掲げる証拠は,この規則に許容性に関する特別の定めがない限り,刑事事件において許容される。
(A) 被害者とされる者の性的行為の具体例に関する証拠であって,精液,損傷その他の身体的な証拠が被告人以外の者に由来することを証明するために提出するもの
(B) 違法な性的行為で起訴された被告人と被害者とされる者との性的行為の具体例に関する証拠であって,被告人が被害者とされる者の同意を証明するために提出するもの又は検察官が提出するもの
(C) 証拠排除すると被告人の憲法上の権利が侵害される証拠
(2) 被害者とされる者の性的行為又は性的傾向を証明するために提出された証拠は,この規則に許容性に関する特別の定めがなく,かつ,その証明力よりも,被害者とされる者への侵害や当事者への不公正な偏見のおそれの方が実質的に大きくない限り,民事事件において許容される。
(c) 許容性を決定する手続
(1) 前項の規定により証拠を提出しようとする当事者は,次に掲げる手続を行わなければならない。
(A) 公判の14日前までに,証拠及びそれを提出する目的を具体的に説明した申立書を提出すること。ただし,裁判所が正当な理由により別の時期に提出することを求めた場合又は公判中に提出することを許した場合は,この限りでない。
(B) すべての当事者に申立書を送付し,被害者とされる者又はその後見人若しくは代理人に通知すること。
(2) 裁判所は,この規則の規定により証拠を許容する場合,非公開の審理を行い,被害者とされる者及び両当事者に当該審理に参加する機会を与えなければならない。申立書,関係資料及び審理の記録は,封印し,裁判所が開封を命じない限り,封印しておかなければならない。 [注釈へ]
(a) 被告人が性的暴行の罪で起訴された刑事事件においては,被告人の性的暴行の罪の同種行為に関する証拠は許容される。当該同種行為と関連する事項について,当該同種行為との関係を考慮することができる。
(b) 検察官は,この条の規定により証拠を提出しようとするときは,公判の15日前又は裁判所が正当な理由により許可したそれ以降の日までに,被告人に対し,証拠(証人の供述又は証言予定内容の要約を含む。)を開示しなければならない。
(c) この条は,他の規定により証拠を許容して考慮することを制約すると解してはならない。
(d) この条及び第415条において「性的暴力の罪」とは,次に掲げる連邦法及び州(合衆国法律集第18編第513章に規定する州をいう。次条において同じ。)法上の犯罪を意味する。
(1) 合衆国法律集第18編第109A章に規定する行為
(2) 被告人の身体又は物及び他の者の性器又は肛門の同意のない接触
(3) 被告人の性器又は肛門及び他の者の身体の同意のない接触
(4) 他の者を死亡させ,身体を傷害し又は身体的苦痛を与えることにより性的快感を得ること
(5) 前各号に掲げる行為の未遂又は共謀 [注釈へ]
(a) 被告人が児童虐待の罪で起訴された刑事事件においては,被告人の児童虐待の罪の同種行為に関する証拠は許容される。当該同種行為と関連する事項について,当該同種行為との関係を考慮することができる。
(b) 検察官は,この条の規定により証拠を提出しようとするときは,公判の15日前又は裁判所が正当な理由により許可したそれ以降の日までに,被告人に対し,証拠(証人の供述又は証言予定内容の要約を含む。)を開示しなければならない。
(c) この条は,他の規定により証拠を許容して考慮することを制約すると解してはならない。
(d) この条及び次条において,「児童」は14歳未満の者を,「児童虐待の罪」は次に掲げる連邦法及び州法上の犯罪をそれぞれ意味する。
(1) 合衆国法律集第18編第109A章に規定する行為であって,児童との関係で行われるもの
(2) 合衆国法律集第18編第110章に規定する行為
(3) 被告人の身体又は物及び児童の性器又は肛門の接触
(4) 被告人の性器又は肛門及び児童の身体の接触
(5) 児童を死亡させ,身体を傷害し又は身体的苦痛を与えることにより性的快感を得ること
(6) 前各号に掲げる行為の未遂又は共謀 [注釈へ]
(a) 相手方当事者が性的暴行又は児童虐待の罪に当たる行為を行ったと主張して損害賠償その他の救済を求めている民事事件においては,相手方当事者の性的暴力又は児童虐待の罪の同種行為に関する証拠は許容される。この証拠は,前2条に規定するところにより考慮することができる。
(b) この条の規定により証拠を提出しようとする当事者は,公判の15日前又は裁判所が正当な理由により許可したそれ以降の日までに,相手方当事者に対し,証拠(証人の供述又は証言予定内容の要約を含む。)を開示しなければならない。
(c) この条は,この規則の他の規定により証拠を許容して考慮することを制約すると解してはならない。 [注釈へ]
証人,個人,連邦,州又はその行政的小区域の特権は,合衆国憲法,連邦議会の法律又は連邦最高裁判所が法令の権限により制定した規則に特別の定めがない限り,コモン・ローの準則が適用され,連邦裁判所が理性と経験に照らして解釈する。ただし,民事の訴訟及び手続において州法が請求原因又は抗弁の要素に関する決定を定めている場合には,証人,個人,連邦,州又はその行政的小区域の特権は,州法に従って決定される。 [注釈へ]
何人も,この規則に特別の定めがない限り,証人となる適格を有する。ただし,民事訴訟又は手続において州法が請求原因又は抗弁に関する判断基準を定めている場合には,州法に従って証人適格を決定する。 [注釈へ]
証人は,ある事項について個人的知識を有していると認めるに足りる証拠を提出しない限り,その事項について証言することができない。個人的知識は,証人自身の証言により証明することができるが,それに限られない。専門家による意見の証言に関する第703条の規定は,この条の場合に準用する。 [注釈へ]
証人は,証言に先立って,良心を覚せいさせ,真実を証言する義務を自覚させるような形式で行われる宣誓又は確約によって,真実を証言する旨宣言しなければならない。 [注釈へ]
通訳人は,この規則の専門家の資格に関する規定が適用される。通訳人は,正しい通訳を行う旨の宣誓又は確約を行わなければならない。 [注釈へ]
裁判官は,自己が担当する公判においては,証人として証言することはできない。この点をとどめるために異議の申立てを行うことを要しない。 [注釈へ]
(a) 公判 陪審員は,自己が列席している事件の公判において,陪審の面前で証人として証言することはできない。陪審員を証人として召喚する場合,相手方当事者に対し,陪審のいない場所で異議の申立てを行う機会を与えなければならない。
(b) 評決又は正式起訴の有効性の調査 評決又は正式起訴の有効性に関する調査において,陪審員は,陪審の評議の過程において生じた事項若しくは供述,陪審員が評決若しくは正式起訴に賛成若しくは反対するのに影響する自己若しくは他の陪審員の心理若しくは感情への効果,又は,それに関する陪審員の心理過程については,証言することはできない。ただし,陪審員は,陪審員が予断を与えるような外部の情報に不当に注意を向けたか否か,又は陪審員に対して外部から不当な影響力が加えられたか否かについて証言することができる。陪審員の証言が禁止されている事項については,その陪審員の宣誓供述書その他の供述証拠は,これを受理してはならない。 [注釈へ]
証人の信用性は,その証人を召喚した当事者を含め,いずれの当事者もこれを弾劾することができる。 [注釈へ]
(a) 性格に関する意見及び評判の証拠 証人の信用性は,意見又は評判の形の証拠により弾劾又は支持することができる。ただし,次に掲げる制限に従わなければならない。
(1) その証拠は,性格の正直さ又は不正直さのみに言及する場合に限り,これを使用することができる。
(2) 正直な性格に関する証拠は,証人の正直な性格が意見,評判その他の証拠によって弾劾された後に限り許容される。
(b) 行為の具体例 証人の行為の具体例は,次条の前科を除き,証人の信用性を弾劾又は支持する目的で外部証拠により証明することはできない。ただし,それらの行為の具体例が証人の正直さ又は不正直さについて証明力を有する場合,裁判所の裁量により,証人の反対尋問において,(1)証人の正直若しくは不正直な性格又は(2)反対尋問を受けた証人がその性格について証言した他の証人の正直若しくは不正直な性格に関して尋問することができる。被告人が証言する場合であるか,その他の証人が証言する場合であるかを問わず,信用性のみに関する事項について証人尋問を行うときは,証言したからといって,被告人又は証人の自己負罪拒否特権を放棄したことにはならない。 [注釈へ]
(a) 通則 証人がある犯罪で有罪判決を受けた証拠は,次に掲げる場合には,許容される。
(1) 有罪判決を受けた犯罪の法定刑が死刑又は1年以上の拘禁刑に当たる場合であって,裁判所が第403条の規定によりその証拠を許容することにより生ずる偏見の効果よりもその証明力の方が大きいと認めるとき
(2) 有罪判決を受けた犯罪が,刑罰のいかんにかかわらず,不正直さ又は虚偽の供述を含むものであるとき
(b) 時間的制限 前科に関する証拠は,有罪判決の言渡しを受けた日又は有罪判決によって科された拘禁刑から釈放された日のいずれか遅い日から10年を経過した場合には,この規則の規定により許容されない。ただし,裁判所が司法の利益から具体的な事実及び事情に支持された前科の証明力の方が偏見の効果よりも実質的に大きいと認めた場合,この限りでない。この項に定める計算で10年を経過した前科に関する証拠は,証拠提出者が相手方当事者に対し,書面によりその証拠を使用する意図があることを事前に通知し,これを争う公正な機会を与えない限り,許容されない。
(c) 恩赦,裁判の取消し又は更生の証明の効果 前科に関する証拠は,次に掲げる場合には,この規則の規定により許容されない。
(1) 有罪判決が,恩赦,裁判の取消し,更生の証明その他の有罪判決を受けた者が更生したと認められることに基づく手続の対象となり,かつ,その後,その証人が死刑又は1年以上の拘禁刑に当たる罪で有罪判決を受けなかった場合
(2) 有罪判決が,恩赦,裁判の取消しその他の無罪と認められることに基づく手続の対象となった場合
(d) 少年審判 少年審判に関する証拠は,この規則の規定により許容されない。ただし,裁判所は,刑事事件において成人の信用性を弾劾するために前科が許容される場合であって,有罪又は無罪の争点を公正に判断するために証拠を許容する必要があると認めたときは,被告人以外の証人の少年審判に関する証拠を許容することができる。
(e) 上訴審に係属中であること 前科に関する証拠は,上訴審に係属中であっても,許容される。上訴審に係属中であることに関する証拠は,許容される。 [注釈へ]
宗教上の事項に関する証人の信条又は意見に関する証拠は,その性質上,その証人の信用性を減殺又は増強することを証明する目的では許容されない。 [注釈へ]
(a) 裁判所の訴訟指揮 裁判所は,(1)尋問及び証拠の提出を真実発見のために効果的なものとし,(2)不要な時間の浪費を避け,(3)証人を精神的苦痛又は不当な困惑から保護するために,証人尋問及び証拠提出の方法及び順序について合理的に指揮しなければならない。
(b) 反対尋問の範囲 反対尋問は,主尋問に表れた事項及び証人の信用性に関する事項についてのみ行うことができる。裁判所は,その裁量により主尋問においてそれ以外の事項について尋問することを許すことができる。
(c) 誘導尋問 誘導尋問は,主尋問においては,証人の証言を発展させるために必要な場合を除き,これを行うことができない。反対尋問においては,原則として誘導尋問を行うことができる。当事者が適性証人,相手方当事者又は相手方当事者と同視できる証人を召喚する場合には,誘導尋問を行うことができる。 [注釈へ]
刑事手続について合衆国法律集第18編第3500条に特別の定めがある場合を除き,証人が,(1)証言を行う際,又は(2)証言を行う前に(裁判所がその裁量により司法の利益のために必要であると判断した場合に限る。),証言のために記憶を喚起する目的で書面を用いるときは,相手方当事者は,その書面を公判に提出させて検討し,それに関して証人を反対尋問し,その証人の証言に関係する部分を証拠として提出することができる。証言に表れた主要事項と関連のない事項が書面に含まれていると主張された場合,裁判所は,その書面を非公開で調査し,関連のない部分を削除し,それ以外の部分を相手方当事者に交付するように命じなければならない。異議の申立てにより削除された部分は,保存し,控訴した場合,控訴裁判所が利用できるようにしなければならない。この規定に基づく命令により書面が提出され,又は交付されないときは,裁判所は,司法上必要な命令を出さなければならない。ただし,刑事事件において検察官が応じない場合には,裁判所は,その証言を排除する命令を出し,その裁量により司法の利益から必要と判断したときには,裁判の無効を宣言する命令を出さなければならない。 [注釈へ]
(a) 前の供述に関する証人尋問 証人が前に行った供述又はその供述書に関して証人を尋問するに際しては,供述内容を告知し,又は供述書を示す必要はない。ただし,請求があるときは,これを相手方当事者の弁護士に開示しなければならない。
(b) 前の矛盾する供述に関する外部証拠 証人が前に行った矛盾する供述をそれ以外の外部証拠によって立証することは,当該証人がその供述を説明し,若しくは否定し,かつ,相手方当事者がこれについて当該証人を尋問する機会を与えられた場合及び司法の利益から必要とされる場合を除き,これを許さない。この項は,第801条第d項第2号に規定する相手方当事者による自認については適用しない。 [注釈へ]
(a) 裁判所による召喚 裁判所は,当事者の請求により又は職権で,証人を召喚することができる。すべての当事者は,召喚された証人に対し,反対尋問を行うことができる。
(b) 裁判所による尋問 裁判所は,自ら召喚した証人か当事者が召喚した証人かを問わず,証人を尋問することができる。
(c) 異議の申立て 裁判所による証人の召喚又は尋問に対する異議の申立ては,直ちに又は陪審が立ち会っていない後の機会に申し立てることができる。 [注釈へ]
裁判所は,当事者の請求により,証人に対し,他の証人の証言を聞くことができないようにするために退廷を命じる。裁判所は,職権で証人に退廷を命じることができる。この条は,(1)自然人である当事者,(2)自然人でない当事者の職員若しくは従業員で,弁護士により代表者と指名された者又は(3)当事者が自己の主張を行うためにその立会が不可欠であることを示した者の退廷を認めるものではない。 [注釈へ]
証人は,専門家として証言する場合を除き,(a)証人の知覚に合理的に基づいており,(b)証人の証言を明確に理解し,又は争点となっている事実を決定するのに役立ち,かつ,(c)次条に規定する範囲内にある科学的知識,技術的知識その他の専門知識に基づくものでないときは,意見又は推測の形で証言することができる。 [注釈へ]
知識,技術,経験,訓練又は教育によって専門家としての資格を有する証人は,科学的知識,技術的知識その他の専門知識が,事実認定者が証拠を理解し,又は争点となっている事実を決定するのに役立つ場合において,(1)証言が十分な事実又は資料に基づいており,(2)証言が信用性のある原理や方法の結果であり,かつ,(3)証人が事件の事実に信用できる形で原理や方法を適用したときは,意見その他の形で証言することができる。 [注釈へ]
専門家が意見又は推認の根拠とした特定の事件における事実又は資料は,その審理の時又はその前に,専門家が知覚し,又は専門家に知らされたものであれば足りる。特定の分野の専門家がある事項に関して意見又は推認を形成する際に合理的に信頼する種類の事実又は資料は,証拠としての許容性を要しない。意見又は推測を提出する者は,裁判所が偏見を与える効果よりも陪審が専門家の意見を評価するのを助ける証明力の方が実質的に大きいと判断しない限り,証拠としての許容性を有さない事実又は資料を陪審に開示してはならない。 [注釈へ]
(a) 意見又は推測の形による証言に許容性が認められる場合,次項の場合を除き,事実認定者が決定すべき主要争点が含まれていることを理由として異議の申立てを行うことはできない。
(b) 刑事事件の被告人の精神状態について証言する専門家は,被告人が起訴犯罪又は被告人の抗弁の要素をなす精神状態にあるかどうかについて意見又は推測を述べることはできない。この主要争点は,事実認定者のみに関する事項である。 [注釈へ]
専門家は,裁判所が命じない限り,最初にその根拠となる事実又は資料について証言することなく,意見又は推測の形で証言し,その理由を述べることができる。専門家は,いかなる場合においても,反対尋問の際に,根拠となった事実又は資料の開示を命じられることがある。 [注釈へ]
(a) 任命 裁判所は,当事者の請求により又は職権で,専門家証人を任命すべきでない理由を明らかにすることを命じることができる。裁判所は,当事者に対し,候補者名簿の提出を命じることができる。裁判所は,当事者が合意した専門家証人を任命し,又は自らの選択に基づき専門家証人を任命することができる。裁判所は,証人が専門家証人となることを承諾しなければ,これを任命することはできない。裁判所は,任命した専門家証人に対し,書面(裁判所書記官は,その写しを保管しなければならない。)又は当事者が参加できる会議において,専門家証人の義務を告知しなければならない。任命された専門家証人は,鑑定の結果があれば,当事者に対し,これを通知しなければならない。当事者は,専門家証人の調書を作成することができる。裁判所又は当事者は,専門家証人に証言させるために召喚することができる。専門家証人は,証人として召喚した当事者を含め,各当事者の反対尋問を受ける。
(b) 報酬 任命された専門家証人は,裁判所が定める合理的な額の報酬を受ける権利を有する。報酬は,刑事事件又は合衆国憲法修正第5条の規定する正当な補償に関する民事訴訟手続においては,法律に定められた財源から支出することができる。それ以外の民事訴訟手続においては,報酬は,裁判所が命じる割合及び時期に従って,当事者が支払い,その後,他の費用と同様の方法により徴収される。
(c) 任命の開示 裁判所は,その裁量により,裁判所が専門家証人を任命したことを陪審に開示することを許すことができる。
(d) 当事者が自ら選んだ専門家 この条は,当事者が自ら選んだ専門家証人を証人として召喚することを制限するものではない。 [注釈へ]
この章においては,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に定めるところによる。
(a) 供述 「供述」とは,(1)口頭若しくは書面による陳述又は(2)人の非言語的行為であって,その者が陳述を意図して行ったものをいう。
(b) 供述者 「供述者」とは,供述を行った者をいう。
(c) 伝聞 「伝聞」とは,供述者が公判又は審理において証言している際に行った供述以外の供述であって,陳述された事項が真実であることを証明するために証拠として提出されたものをいう。
(d) 伝聞に当たらない供述 次に掲げる供述は伝聞に当たらない。
(1) 証人の前の供述 供述者が公判又は審問において証言し,その供述者の前の供述について反対尋問を受け,かつ,その前の供述が次に掲げるものである場合
(A) その前の供述が証言と矛盾しており,かつ,公判,審問その他の手続において偽証罪の制裁の宣誓を行って証言され,又は証言録取書に記載されたものである場合
(B) その前の供述が証言と矛盾していないが,供述者が近時その事項をねつ造し,又は不当な影響若しくは動機の下で証言したという相手方当事者の明示的又は黙示的な主張を反ばくするために提出された場合
(C) その前の供述が,ある者を認識した後にその者の同一性を確認するものである場合
(2) 相手方当事者による自認 次に掲げる供述が相手方当事者に対して提出される場合。その供述の内容は,本号Cの供述者の権限,同号Dの代理関係若しくは雇用関係及び代理権若しくは雇用の範囲又は同号Eの共謀の存在,供述者の関与及び相手方当事者を証明するに足りるものでなければならないが,それに限られない。
(A) 個人又は代表としての相手方当事者自身の供述
(B) 相手方当事者がその内容が真実であることを認め,又は真実であると信ずる旨述べた供述
(C) 相手方当事者から供述する権限を与えられた者が述べた供述
(D) 相手方当事者の代理人又は被雇用者が代理権又は雇用の範囲内にある事項について代理関係又は雇用関係が存在する間に行った供述
(E) 相手方当事者の共犯者が共謀の過程においてそれを発展させるために行った供述 [注釈へ]
伝聞は,この規則その他の連邦最高裁判所が法令上の権限に基づき制定した規則又は連邦議会の法律に特別の定めのない限り,許容されない。 [注釈へ]
次に掲げるものは,原供述者が証人として供述できる場合であっても,伝聞法則によって排除されない。
(1) 現在の感覚印象 供述者が出来事又は状況を知覚している際又はその直後に当該出来事又は状況を表現し,又は説明した供述
(2) 興奮時の発言 供述者が衝撃的な出来事又は状況により引き起こされた興奮状態にある時に当該出来事又は状況に関して行った供述
(3) 現在の精神,感情又は身体の状況 供述者の現在の精神,感情,感覚又は身体の状況(意思,計画,動機,意図,感情,苦痛又は健康状態等)に関する供述(供述者の遺言の執行,撤回,特定又は条件に関わらない限り,記憶した事実又は信頼した事実を証明するために用いる記憶又は信頼に関する供述を含まない。)
(4) 診察又は治療の目的の供述 診察又は治療の目的で行った供述であって,診断又は治療と合理的に関連する病歴,過去若しくは現在の症状,苦痛若しくは感覚又は原因若しくは外因の発端若しくは特徴を表現したもの
(5) 記録された記憶 証人がかつては知識を有していたが,現在十分に思い出せず,完全かつ正確に証言できない事項に関するメモ又は記録であって,証人の記憶が新鮮な時に作成し,又は承認し,証人の知識を正確に反映していることを示したもの。そのメモ又は記録が証拠として採用された場合,これを朗読して証拠とすることができる。ただし,相手方当事者から証拠提出された場合を除き,これを証拠物件として採用することはできない。
(6) 通常の活動の記録 行為,出来事,状態,意見又は診断に関するメモ,報告書,記録又はデータの集積(いかなる様式であるかを問わない。以下同じ。)であって,その時又はそれに近い時期に,それらに関する知識を有する者が作成し,又はその者から伝達された情報に基づいて作成されたものであり,通常の業務活動において保管され,そのようなメモ,報告書,記録又はデータの集積を作成するのが通常の業務活動であり,かつ,それらの事実が保管者その他の適当な証人の証言又は第902条第11号,同条第12号その他の認証を認める法令の規定による認証によって証明されたもの。ただし,情報源又は作成方法若しくは作成状況に照らして信用性を欠くと認められるものは,この限りでない。この号において「業務」とは,営利目的の有無にかかわらず,あらゆる種類の業務,団体,組織及び職業を含む。
(7) 前号の規定により保管された記録の記載の欠如 ある事項がメモ,報告書,記録又はデータの集積を通常作成して保管する種類のものである場合において,当該事項が発生し,又は存在しなかったことを証明するため,当該事項が前項の規定により保管されたメモ,報告書,記録又はデータの集積の中に含まれていないことに関する証拠。ただし,情報源その他の状況に照らして信用性を欠くと認められるものは,この限りでない。
(8) 公的記録又は報告書 公務所又は公的機関の記録,報告書,供述又はデータの集積であって,次に掲げる事項を説明するもの。ただし,情報源その他の状況に照らして信用性を欠くと認められるものは,この限りでない。
(A) 公務所又は公的機関の活動
(B) ある事項を報告する法令上の義務に従って観察した事項(刑事事件において,警察官その他の法執行官が観察した事項を除く。)
(C) 民事訴訟若しくは手続において,又は刑事事件において検察官に対して証拠提出される場合において,法令により認められた権限に従って行った調査の結果として行った事実認定
(9) 人口動態統計の記録 出生,死産,死亡又は婚姻に関する記録又はデータの集積であって,法令の要請により公務所に報告されるもの
(10)公的記録又は記載の欠如 記録,報告書,供述若しくはデータの集積が存在しないこと又は公務所若しくは公的機関が記録,報告書,供述若しくはデータの集積を通常作成して保管する事項が発生若しくは存在しなかったことを証明する場合において,第902条の規定により認証した証拠,又は入念に調査したが,記録,報告書,供述若しくはデータの集積若しくは記載を発見できなかった旨の証言の形での証拠
(11)宗教団体の記録 出生,婚姻,離婚,死亡,嫡出,家系,血縁関係,姻戚関係その他の個人又は家族の経歴に関する事実に関する供述であって,宗教団体が通常記録しているもの
(12)婚姻,洗礼その他の証明書 証明書の作成者が結婚式その他の儀式又は聖餐式を行った旨の証明書に記載されている事実に関する供述であって,聖職者,公務員その他の宗教団体に関する規則若しくは運用又は法律により証明された行為を行う権限を与えられた者が当該行為を行った当時又は合理的な期間内に行ったもの
(13)家族の記録 家族の聖書,家系図,図表,指輪の刻印,家族の肖像画の銘文,骨壺,納骨室又は墓石の碑文その他これに類するものに含まれている個人又は家族の経歴に関する事実に関する供述
(14)財産上の利益に影響する文書の記録 財産上の利益を取得し,若しくは利益に影響する文書の記録であって,原本である文書の記録の内容並びに作成者と考えられる各当事者による作成及び交付を証明し,かつ,公務所の記録であり,当該公務所が法令によりその種の文書を記録することが認められているもの
(15)財産上の利益に影響する文書の中の供述 財産上の利益を取得し,若しくは利益に影響すると考えられる文書に含まれる供述であって,供述された事項が文書の目的と関連するもの。ただし,文書が作成された後の財産の取扱いから見て当該供述が真実であるとは認められず,又はその取扱いが当該文書の意図と矛盾するときは,この限りでない。
(16)古文書の中の供述 20年以上存在しており,真正であることが証明されている文書の中の供述
(17)市況報告又は商業的公刊物 市場相場,集計表,一覧表,要覧その他の編集公刊物であって,公衆又は一定の職業に従事する者が一般的に使用して根拠とするもの
(18)学術論文 反対尋問において専門家証人の注意を喚起し,又は主尋問において専門家証人が根拠として用いる歴史,医学その他の科学又は芸術を主題とする公表論文,定期刊行物又は小冊子であって,当該専門家証人の証言若しくは自認,それ以外の専門家証人の証言又は司法上の確知により信頼できる権威として証明されているものに含まれる供述。この供述が証拠として採用された場合,これを朗読して証拠とすることができる。ただし,これを証拠物件として採用することはできない。
(19)個人又は家族の経歴に関する評判 ある者の出生,養子縁組,婚姻,離婚,死亡,嫡出,血縁関係,養子縁組関係,姻戚関係,家系その他の個人又は家族の経歴に関する血族,養子縁組による家族若しくは姻族,組織又は地域社会における評判
(20)境界線又は歴史に関する評判 地域社会の土地の境界線又はそれに影響する慣習に関して紛争の発生前に地域社会において生じた評判及び地域社会又はそれが存する州若しくは国の重要な歴史上の出来事に関する評判
(21)性格に関する評判 組織又は地域社会における人の性格に関する評判
(22)過去の有罪判決 判決を維持するのに不可欠な事実を証明する場合において,公判審理又は有罪答弁(不抗争の抗弁は含まない。)に基づき言い渡された確定判決であって,法定刑が死刑又は1年を超える拘禁刑である犯罪につき有罪を宣告するものに関する証拠。ただし,刑事事件において検察官が弾劾以外の目的で提出する場合は,被告人以外の者の有罪判決を含まない。控訴審において係属中であることを証明することができるが,許容性に影響を与えるものではない。
(23)個人若しくは家族の経歴,歴史又は境界線に関する判決 個人若しくは家族の経歴,歴史又は境界線を評判に関する証拠により証明できる場合において,それを証明する判決
(24)[その他の例外][第807条へ移動] [注釈へ]
(a) 証言不能の定義
「証人として証言できない」とは,次に掲げる場合を含む。ただし,供述者の供述の提出者が証人の出頭又は証言を妨げるために出頭を求め,又は不正行為を行ったことにより次に掲げる事情が生じた場合は,この限りでない。
(1) 供述者が裁判所の決定により特権を理由として自己の供述の重要事項に関する証言を免除された場合
(2) 裁判所から証言を命じられたにもかかわらず,供述者が自己の供述の重要事項について証言することを拒否し続けた場合
(3) 供述者が自己の供述の重要事項に関して記憶が欠如していると証言した場合
(4) 供述者が死亡又は身体的若しくは精神的疾病若しくは障害のために審理に出頭又は証言できない場合
(5) 供述者が審理に出頭せず,供述の提出者が召還令状その他の合理的な方法により供述者の出頭(次項第2号から第4号までに規定する伝聞例外の場合においては,供述者の出頭又は証言)を確保できない場合
(b) 伝聞例外
次に掲げる供述は,供述者が証人として証言できない場合,伝聞法則により排除されない。
(1) 前の証言 証人が同じ手続若しくは別の手続の別の審理において行った証言又は同じ手続若しくは別の手続において法律に従って作成した供述録取書の中で行った証言。ただし,証言が提出される相手方当事者(民事訴訟又は手続においては被承継人)が主尋問,反対尋問又は再主尋問において証言を発展させる機会及び動機を有していた場合に限る。
(2) 死が差し迫っていると信じて行った供述 殺人罪の刑事事件又は民事訴訟若しくは手続において,供述者が自分の死が差し迫っていると信じ,差し迫った死の原因又は事情と信じるものに関して行った供述
(3) 不利益な供述 供述者の金銭上又は財産上の利益に反し,供述者が民事上若しくは刑事上の責任を問われ,又は供述者の他人に対する主張を無効にする供述であって,合理的な人間が供述者の立場にあればそれが真実であると信じていない限りそのような供述をしないと考えられるもの。被告人の無罪を証明するために提出する証拠であって,供述者が刑事上の責任を問われるおそれがあるものについては,補強となる事情により供述の信用性が明らかに示されていない限り許容されない。
(4) 個人又は家族の経歴に関する供述
(A) 供述者自身の出生,養子縁組,婚姻,離婚,血縁関係,養子縁組関係若しくは姻族関係,家系その他の個人若しくは家族の経歴に関する供述。供述者が供述した事項につき個人的知識を得る方法があることを要しない。
(B) 供述者が血縁,養子縁組若しくは婚姻によりある者と関係を有し,又はある者の家族と親密な関係にあることから,正確な情報を得ることができる場合において,その者の本号Aに掲げる事項(死亡を含む。)に関する供述
(5)[その他の例外][第807条へ移動]
(6) 不正行為による失権 供述者が証人として証言できないようにすることを意図し,証言できないようにする不正行為に関与し,又はそれを黙認した当事者に対して提出された供述 [注釈へ]
伝聞に含まれる伝聞は,組み合わさった供述の各部分がこの規則に定める伝聞法則の例外を満たしている場合,伝聞法則により排除されない。 [注釈へ]
伝聞供述又は第801条第d項第2号C,同号D若しくは同号Eの供述が証拠として許容された場合,供述者が証人として証言すれば許容される証拠により,供述者の信用性を弾劾することができ,供述者の信用性が弾劾されたときは,それを回復させることができる。供述者の供述又は行為に関する証拠であって,供述者の伝聞供述と矛盾するものについては,供述者に否認し,又は説明する機会を与えることを要しない。伝聞供述を提出する相手方当事者が供述者を証人として召喚した場合,当該当事者は,反対尋問を行って供述者を吟味することができる。 [注釈へ]
第803条又は第804条の規定が適用されない供述であって,同等の信用性の情況的保障があるものについては,裁判所が,(A)当該供述が重要事実の証拠として提出され,(B)当該供述が証拠提出のなされる点について主張者が合理的な努力をして入手できるいずれの証拠よりも証明力が高く,かつ,(C)当該供述を証拠として許容することがこの規則の目的及び司法の利益に最も資すると認めた場合は,伝聞法則により排除されない。ただし,供述を証拠提出する者が,公判又は審理に先立って,相手方当事者に対し,当該供述を証拠提出する意図及びその詳細(供述者の氏名及び住所を含む。)を通知し,当該供述に対処する準備を行う公正な機会を与えない限り,供述は本条の伝聞例外として許容されない。 [注釈へ]
(a) 総 則
証拠を許容する前提条件としての真正又は同一性の要件は,問題となっている物件がその提出者が主張するものであると認めるに足りる証拠により,これを証明することができる。
(b) 具体例
次に掲げるものは,この規則の真正又は同一性の要件を満たすものである。ただし,これらに限られるものではない。
(1) 知識を有する証人の証言 当該物件が主張されているものである旨の証言
(2) 筆跡に関する素人の意見 訴訟とは関係なく筆跡を見知っている素人の当該筆跡が本人のものである旨の意見
(3) 事実認定者又は専門家証人による対比 事実認定者又は専門家証人が真正と認められた標本と対比すること
(4) 顕著な特徴 当該状況下における外観,内容,実質,内在的傾向その他の顕著な特徴
(5) 声の同一性 時期のいかんを問わず,声と話し手とが結び付く状況でその声を聞いたことがあること(直接聞いた場合,通話装置を通じて聞いた場合,録音されたものを聞いた場合のいずれかを問わない。)を根拠として声の同一性について意見を述べること
(6) 電話の会話 次に掲げる電話の会話であって,電話会社が割り当てた電話番号に電話をかけた証拠のあるもの
(A) 個人の電話の場合においては,本人による自認を含む諸般の事情により会話の相手方が電話をかけた相手であることが明らかであるもの
(B) 会社の電話の場合においては,当該会社に電話をかけ,電話を通じて業務に関連する会話を合理的に行ったもの
(7) 公的記録又は報告書 法律で記録又は保管が認められ,実際に公務所で記録され,又は保管されている書面若しくは公的記録,報告書,陳述書又はデータの集積がその性質上それが保管されている公務所から提出されたことを示す証拠
(8) 古い文書又はデータの集積 文書又はデータの集積が,(A)真正について疑う余地のない状態であり,(B)真正なものが保管されるべき場所に保管されており,かつ,(C)作成後20年以上存在していることを示す証拠
(9) 過程又は制度 ある結果を生じさせるのに用いる過程又は制度を説明し,当該過程又は制度が正確な結果を生じさせることを示す証拠
(10)法律又は規則により定められた方法 連邦議会の法律又は連邦最高裁判所が法令上の権限に基づき制定した規則により定められた真正又は同一性を確認する方法 [注釈へ]
次に掲げる場合においては,証拠を許容する前提条件として真正に関する外部証拠は必要でない。
(1) 押印のある国内の公文書 合衆国,州,地区,自由連合州,準州,これらに付属する島,パナマ運河地帯,太平洋諸島信託統治領,行政的小区域,部門,公務員又はその代理人の文書であることを示す押印のある文書であって,証明又は作成を示す署名のあるもの
(2) 押印のない国内の公文書 公務員又は前号の組織の職員が公的権限の範囲内で行った署名があり,押印のない文書であって,印章を所持し,地区又は行政的小区域において公務員又は職員としての公的義務を負う公務員が,署名人が公的権限を有しており,署名が真正であることを押印で認証したもの
(3) 外国の公文書 外国法により文書を作成し,又は証明する権限を認められた者が公的権限の範囲内で作成又は証明した文書であり, 次に掲げる者の署名及び公的地位が真正なものであることについて最終的な認証のあるもの。最終的な認証は,大使館書記官若しくは公使館員,合衆国の総領事,領事,副領事若しくは領事代理又は合衆国に派遣され,若しくは信任された大使館職員若しくは領事館職員が行うことができる。裁判所は,公文書の真正及び正確性を調べる合理的な機会がすべての当事者に与えられた場合において,正当な理由があるときは,当該公文書の真正が推定されるとして取り扱うことを命じ,又は最終的な証明の有無にかかわらず,証明された要約を用いて当該公文書を証拠とすることができる。
(A) その文書を作成又は証明した者
(B) 署名及び公的地位が真正なものであると認証した外国人公務員であって,その認証が,その文書の作成若しくは証明に関連するもの又はその文書の作成若しくは証明に関する署名及び公的地位が真正なものであるという認証と連続しているもの
(4) 認証された公文書の写し 公的記録,報告書若しくはその記載内容の写し又は法令により記録若しくは保管が義務付けられ,実際に公務所において記録され,若しくは保管されている文書(あらゆる様式のデータの集積を含む。)の写しであって,保管者その他の認証する権限を有する者が前3号に規定する認証又は連邦議会の法律若しくは連邦最高裁判所が法令上の権限に基づき制定した規則に規定する認証により正確であると認証したもの
(5) 公的刊行物 公的機関が発行した書籍,パンフレットその他の刊行物
(6) 新聞及び定期刊行物 新聞又は定期刊行物である印刷物
(7) 業務上の記銘等 業務の過程において付された記銘,符号,標識又はラベルであって,所有,管理又は出所を示すもの
(8) 確認された記録 公証人その他の確認を行う法律上の権限を有する公務員が法律による方式に従って確認を行った旨の認証のある記録
(9) 商業証券及びそれに関連する文書 商業証券,同書面になされた署名及び商法の規定によるそれに関連する文書
(10)法律による推定 署名,文書その他の法律により真正であるとの推定又は一応の証明が認められた資料
(11)認証のある国内の通常の活動の記録 第803条第6号の規定により許容される国内の通常の業務活動の記録の原本又は謄本であって,保管者その他の適当な者が連邦議会の法律又は連邦最高裁判所が法令上の権限に基づき制定した規則の定めるところにより次に掲げる事項を認証した陳述書が伴っているもの。この号の規定により記録を証拠提出しようとする者は,相手方当事者に対し,書面で証拠提出することを通知して当該記録及び陳述書を開示し,証拠提出に先立ってそれらを検討して異議の申立てを行う公正な機会を与えなければならない。
(A) 知識を有する者が述べた当該事項が生じた時若しくはそれに近い時期に当該記録を作成したこと又はその者からの情報に基づき当該記録を作成したこと
(B) 当該記録が通常の活動の過程で保管されていたこと
(C) 当該記録が通常の活動により通常の運用として作成されたこと
(12)認証のある外国の通常の活動の記録 民事事件において,第803条第6号の規定により許容される外国の通常の活動の記録の原本又は謄本であって,保管者その他の適当な者が次に掲げる事実を認証した陳述書が伴っているもの。陳述書は,それを偽造した場合,署名がなされた国の法律により刑罰が課される方法で署名しなければならない。この号の規定により記録を証拠提出しようとする者は,相手方当事者に対し,書面で証拠提出することを通知して当該記録及び陳述書を開示し,証拠提出に先立ってそれらを検討して異議の申立てを行う公正な機会を与えなければならない。
(A) 知識を有する者が述べた当該事項が生じた時若しくはそれに近い時期に当該記録を作成したこと又はその者からの情報に基づき当該記録を作成したこと
(B) 当該記録が通常の活動の過程で保管されていたこと
(C) 当該記録が通常の活動により通常の運用として作成されたこと [注釈へ]
署名をした証人の証言は,当該文書の有効性に当該管轄の法令が適用され,当該法令により必要とされる場合を除き,文書の真正の立証には必要でない。 [注釈へ]
(1) 書面及び記録 「書面」及び「記録」とは,手書き,タイプライター,印刷,直接複写写真,写真,磁気,機械的又は電子的記録その他のデータの編集方法を用いて記録された文字,言語,数字又はそれに相当するものをいう。
(2) 写真 「写真」は,スチール写真,エックス線写真,ビデオテープ及び映画を含む。
(3) 原本 書面又は記録の「原本」とは,書面若しくは記録それ自体又はそれを作成若しくは発行した者が原本と同一の効果を有することを意図した写しをいう。写真の「原本」は,ネガ又はそれからプリントされたものを含む。データがコンピュータ又はそれに類する機器に保存されている場合,プリントアウトその他の目で読むことができる形で出力され,データを正確に反映しているものは「原本」に当たる。
(4) 謄本 「謄本」とは,原本と同一の刷りにより作成された写し,原本と同一の紙型から作成された写し又は写真撮影(拡大及び縮小を含む。),化学的再生その他の原本を正確に再生する方法によって作成された写しをいう。[注釈へ]
書面,記録又は写真の内容の証明は,この規則又は連邦議会の法律に特別の定めのない限り,その原本を用いて行わなければならない。 [注釈へ]
謄本は,次に掲げる場合を除き,原本と同じ範囲で許容される。
(1) 原本の真正について真の問題が提起されたとき。
(2) 原本に代えて謄本を許容するのが不公正であるとき。 [注釈へ]
次に掲げる場合においては,原本は要求されず,書面,記録又は写真の内容に関する原本以外の証拠が許容される。
(1) 原本を紛失し,又は破棄した場合 すべての原本を紛失し,又は破棄したとき。ただし,証拠提出者が悪意で原本を紛失し,又は破棄した場合は,この限りでない。
(2) 原本を入手できない場合 いかなる司法手続を用いても原本を入手できないとき。
(3) 相手方当事者が原本を所持している場合 証拠提出者の相手方当事者が原本を所持している場合において,訴答書面その他の方法により審理において原本の内容が立証の対象となることを告知されたにもかかわらず,審理において原本を提出しないとき。
(4) 付随的事項 書面,記録又は写真が主要争点と密接に関連していない場合 [注釈へ]
公的記録又は記録若しくは保管する権限に基づいて実際に記録若しくは保管された文書(あらゆる形式のデータの編集を含む。)の内容は,その文書が証拠として許容される場合,第902条の規定により正確であると認証された写し又は原本と比較した証人がその正確性について証言した写しによって,証明することができる。合理的な努力をしたにもかかわらずこの要件を満たす写しを入手できないときは,内容に関する原本以外の証拠を用いることができる。 [注釈へ]
公判において適切に取り調べることのできない大量の書証,記録又は写真の内容は,図表,要約又は計算の形で提出することができる。その原本又は謄本は,適当な時期及び場所において相手方当事者が閲覧し,又は謄写するために利用できるようにしなければならない。裁判所は,それらを公判に提出するように命ずることができる。 [注釈へ]
書面,記録又は写真の内容は,原本を提出しないことを説明せずに,証拠提出者の相手方当事者の証言,供述録取書又は書面による自認によって証明することができる。 [注釈へ]
書面,記録又は写真の内容に関する原本以外の証拠の許容性が,ある事実に関する条件の成就により決まる場合は,裁判所が第104条の規定により当該条件が成就したか否かを判断する。ただし,(a)主張に係る書面がかつて存在したか否か,(b)公判において提出された原本以外の書面,記録又は写真が原本か否か,又は(c)内容に関する原本以外の証拠が正確に内容を反映しているか否かが争点となった場合は,他の事実に関する争点の場合と同じく,事実認定者がこれを判断する。 [注釈へ]
(a) 裁判所及び裁判官 この規則は,次に掲げる訴訟,事件及び手続並びに範囲において,合衆国地方裁判所,グアム地方裁判所,ヴァージン諸島地方裁判所,パナマ運河地帯地方裁判所,北マリアナ諸島地方裁判所,合衆国控訴裁判所及び合衆国請求裁判所並びに合衆国破産判事及び合衆国治安判事に適用される。この規則における「裁判官」及び「裁判所」は,合衆国破産判事及び合衆国治安判事を含む。
(b) 手続一般 この規則は,民事訴訟及び手続(海事事件を含む。),刑事事件及び手続,裁判所侮辱罪に関する手続(裁判所が即決できるものを除く。)並びに合衆国法律集第11編に定める手続及び事件に適用される。
(c) 特権に関する規則 特権に関する規則は,すべての訴訟,事件及び手続のすべての段階に適用される。
(d) 規則が適用されない場合 この規則(特権に関する規則を除く。)は,次に掲げる場合には,適用されない。
(1) 事実に関する予備的問題 証拠の許容性の前提となる事実に関する予備的問題の判断であって,裁判所が第104条に基づき争点を判断しなければならない場合
(2) 大陪審 大陪審の面前で行う手続
(3) その他の手続 逃亡犯罪人引渡手続,刑事事件における予備審問,量刑手続及び執行猶予の宣告及び取消,逮捕状,召喚状及び捜索令状の発給並びに保釈等に関する手続
(e) 規則が部分的に適用される場合 次に掲げる手続においては,この規則は,当該手続に関する法律又は連邦最高裁判所が法令上の権限に基づき制定された規則に定められていない証拠に関する事項の範囲において適用される。合衆国治安判事による軽罪のその他の軽微な犯罪の裁判,合衆国法律集第5編第706条第2項第F号の規定により事実につき再審理が行われる行政庁の処分の審理,1922年2月18日に承認された「農産物の生産者の集会を認める法律」と題する法律第2条(合衆国法律集第2編第292条)若しくは1930年生鮮農産物法第6条及び第7条第c項(合衆国法律集第7編第499条第f項及び第g項第c号)の規定による農務大臣の命令の審理,移民及び国籍に関する法律第310条から第318条まで(合衆国法律集第8編第1421条から第1429条まで)の規定による国籍の取得及び取消し,合衆国法律集第10編第7651条から第7681条までの規定による海事捕獲検審手続,1934年6月25日に承認された「水産物の生産者の集会を認める法律」と題する法律第2条(合衆国法律集第15編第522条)の規定による内務長官の命令の審査,1935年2月22日に承認された「州法に違反して生産された石油及びその精製品の州際又は国際通商における運送を禁止し,石油及びその精製品の州際又は国際通商を規制等する法律」と題する法律第5条(合衆国法律集第15編第715条第d項)の規定による石油規制委員会の命令の審査,1930年関税法第4編第5章(合衆国法律集第19編第1581条から第1624条まで)又は密輸入禁止法(合衆国法律集第19編第1701条から第1711条まで)の規定による罰金,行政罰又は没収の手続,連邦食品,薬品及び化粧品法(合衆国法律集第21編第301条から第392条まで)の規定による誹毀罪の処罰,輸入の排除その他の手続,改正法第4079条から第4081条まで(合衆国法律集第22編第256条から第258条まで)の規定による海員間の争訟,合衆国法律集第28編第2241条から第2254条までの規定による人身保護手続,合衆国法律集第28編第2255条の規定による量刑の取消し,撤回又は修正の申立手続,改正法第4578条(合衆国法律集第46編第679条)の規定による貧困な海員の運輸拒否を処罰する手続若しくは1925年3月3日に承認され,合衆国法律集第10編第7730条により施行された「海事事件において合衆国に対して合衆国に属する公共船舶により生じた損害の賠償及び引揚げの請求等を認める法律」と題する法律(合衆国法律集第46編第781条から第790条まで)の規定による訴訟。 [注釈へ]
この規則の改正は,合衆国法律集第28編第2072条の定めるところにより,これを行うことができる。 [注釈へ]
この規則は,連邦証拠規則と称する。 [注釈へ]