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おせち”デフレ”攻勢、コンビニやスーパー予約拡大

1万円を切るセットが人気を集めるスーパーのおせち料理(大阪府八尾市のイトーヨーカドー八尾店で)=大西健次撮影

 正月用のおせち料理の予約が、スーパーやコンビニエンスストアで急拡大している。デフレ不況下、懐具合が気になる消費者心理をつかもうと1万円を切る商品が登場。昨年の1・5倍以上の予約を集めたコンビニもある。「正月といえばおせち」という日本人の食文化は、景気の波にもまれながらも健在だ。

 「ボーナスカットの影響か、年末にしてはお客さんの出足は厳しいですが、おせちの予約は好調です」

 大手スーパー・イトーヨーカドー八尾店(大阪府八尾市)の高塚均店長(46)は語る。特に、今年から売り出した9800円のおせちセットに人気が集中しているという。

 長引く景気の低迷や、おせち料理を作らない家庭が増えたことなどを背景に、スーパーやコンビニはここ数年、「低価格」「少人数向け」を強調して販売を伸ばしている。

 ダイエーも包装の簡素化や食材の輸送費削減などを進めて今年、1万円を切る9800円の新商品を投入し、予約件数は昨年の1・3倍に達した。コンビニでは、ファミリーマートが1〜2人用の5000円セットを新規販売し、同1・5倍以上に急伸。ローソンでは昨年の売り上げ件数が5年前の3倍を記録したという。

 数年前からスーパーで購入しているという大阪府内の30歳代の主婦は「お正月におせちは欠かせないけど、自分で作るのは面倒くさくて。スーパーだと気軽に買えるし、何より安いのが魅力。味にも満足しています」と話した。

 一方、おせちを定番商品としてきた百貨店。予約は例年並みで、スーパーやコンビニの〈攻勢〉の影響は見られないという。

 高島屋大阪店(大阪市)では、予約の平均単価が例年より数百円下がっているが、21万円や10万円の高級料亭おせちはすでに完売。担当者は「百貨店のおせちに求められているのは、安さではなく厳選された素材と味」と強調する。

 紀文食品(東京都)が年末から年始にかけて首都圏の主婦層を対象に行っている調査では、「おせち商品を購入した」と回答した人は今年、5年前より約10ポイント高い67%に達した。「おせち料理を食べた」と答えた人も96%に及んだ。

2009年12月5日  読売新聞)
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